民事再生法 第149条(価額決定の請求)
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- 担保権者は、申立書に記載された前条第二項第二号の価額(第百五十一条及び第百五十二条において「申出額」という。)について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から一月以内に、担保権の目的である財産(次条において「財産」という。)について価額の決定を請求することができる。
- 2.前条第一項の許可をした裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。
- 3.第一項の規定による請求(以下この条から第百五十二条までにおいて「価額決定の請求」という。)に係る事件は、再生裁判所が管轄する。
- 4.価額決定の請求をする者は、その請求に係る手続の費用として再生裁判所の定める金額を予納しなければならない。
- 5.前項に規定する費用の予納がないときは、再生裁判所は、価額決定の請求を却下しなければならない。
この条文の基本情報
価額決定の請求とは何ですか?
定義価額決定の請求とは、民事再生法第149条に定められた規定で、「担保権者は、申立書に記載された前条第二項第二号の価額(第百五十一条及び第百五十二条において「申出額」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第149条(価額決定の請求)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第149条の条文原文は「担保権者は、申立書に記載された前条第二項第二号の価額(第百五十一条及び第百五十二条において「申出額」という。」で始まります。
- 民事再生法第149条は第四節 担保権の消滅に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第149条の前の条は民事再生法第148条です。
- 民事再生法第149条の次の条は民事再生法第150条です。
- 民事再生法第149条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第149条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第149条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/149
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法149条は、担保権者が申出額に異議あるとき、送達から一月以内に価額決定の請求ができると定める。費用の予納を欠くと却下される。
Q · 取引先が民事再生を申し立てて、うちの抵当権を消される通知が来た。申出額が安すぎるけど、争えるの?
送達から一月以内に価額決定の請求と費用予納で争えます
民事再生法149条により、担保権者は担保権消滅許可の申立書に記載された申出額に異議があるとき、送達を受けた日から一月以内に、目的財産の価額決定を再生裁判所に請求できます。ただし請求には手続費用(鑑定費用)の予納が必要で、予納を欠くと期限内に請求しても却下されます(同条5項)。動かなければ、債務者が付けた申出額がそのまま確定価額となります。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社はその取引先に融資し、工場の土地建物に抵当権を設定していた。ある日、裁判所から分厚い書類が届く。「担保権消滅許可の申立て」。再生債務者は、その工場が事業継続に不可欠だとして、土地建物の価額に相当する金銭を裁判所に納付し、あなたの抵当権を消滅させようとしている。問題は、その「価額(申出額)」を最初に決めたのが債務者自身だという点だ。当然、低く見積もる。ここで多くの担保権者が知らないのが第149条だ。申出額に不服があるなら、書類の送達を受けた日から一月以内に「価額決定の請求」ができる。動かなければ、債務者が一方的に決めた金額で抵当権が消える。さらに落とし穴がある。請求しただけでは足りない。裁判所が定める手続費用(鑑定費用)を予納しなければ、たとえ期限内に請求しても却下される。
法的な位置づけ
民事再生法149条は、担保権消滅許可の申立てにおける価額決定の請求を定める規定である。担保権者は、申立書記載の申出額に異議があるとき、送達を受けた日から一月以内に、目的財産の価額決定を再生裁判所に請求でき、その手続費用を予納しなければならない。予納を欠く請求は却下される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立書の送達日を初日に特定し逆算を始める 届いた「担保権消滅許可の申立書」の送達日を即座に特定し、そこから一月の締切を逆算する。社内の受領印の日付ではなく、会社への送達日が起算点。書類を法務に寝かせず初日に動く
- 2.申出額の妥当性を自社評価で検証 申立書記載の申出額(民事再生法148条2項2号の価額)を、自社の鑑定評価・近隣の取引事例・簿価と実勢価格の乖離で検証する。実勢より明らかに低ければ価額決定の請求に進む
- 3.予納額を書記官に事前確認し原資を手当て 請求書を出す前に、再生裁判所の書記官に手続費用(鑑定費用)の予納概算を確認する。数十万円規模になることもあるため、請求と予納を「一つの動作」として同時に段取りする
- 4.期限内に価額決定の請求書を提出し同時に予納 送達から一月以内に再生裁判所へ価額決定の請求書を提出し、同時に手続費用を予納する。予納を欠くと期限内でも却下される(149条5項)。やむを得ない事由があれば期間伸長を申し立てる(同条2項)
よくある質問 AI による整理
Q1価額決定の請求とは何ですか?
担保権消滅許可の申立てで債務者が付けた申出額に不服の担保権者が、目的財産の価額を裁判所に決めてもらう請求です。民事再生法149条が根拠で、送達から一月以内に限られます。
Q2担保権消滅許可の申立てとは何ですか?
再生債務者が事業に不可欠な財産の価額相当額を納付し、担保権を消滅させる制度です(民事再生法148条)。その申立書に申出額が記載され、149条の異議手続の起点になります。
Q3申出額が安すぎるかどうか、どう判断すればいい?
自社の鑑定評価や近隣の取引事例、簿価と実勢価格の乖離で判断します。申出額は債務者が低めに付ける傾向があるため、送達直後に評価を当てて妥当性を検証するのが実務です。
Q4価額決定の請求をしないとどうなりますか?
裁判所が自動で評価を始めることはなく、債務者が付けた申出額がそのまま確定価額になります。一月の沈黙で、その金額に相当する納付だけで担保権が消滅します。
Q5会社更生と民事再生で担保権の扱いは違いますか?
会社更生では担保権も更生担保権として手続に取り込まれ個別実行できません。民事再生では担保権は原則別除権ですが、149条を含む消滅制度で事業不可欠財産を守る点が特徴です。
Q6個人事業主でも担保権消滅の対象になりますか?
なります。自宅兼店舗など事業に不可欠と認められる財産に付いた担保権は、法人間の大型融資に限らず消滅対象です。個人再生でも同種の構造が問題になります。
Q7一月の期間は伸長してもらえますか?
やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てで再生裁判所が伸長できます(149条2項)。多忙や書類の社内滞留は「やむを得ない事由」に当たりません。
Q8納付が終わると抵当権は消えて債権はどうなりますか?
確定価額相当額の納付で抵当権は消滅しますが、被担保債権のうち回収しきれない部分は再生債権として扱われ、再生計画による弁済の対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一月って、土日も入れて一月ですか? 過ぎたらもう何もできない?
送達を受けた日から一月、暦に従って計算します(初日不算入が原則)。やむを得ない事由があれば裁判所が伸長できますが(第149条2項)、「忙しかった」では認められません。期間を過ぎれば価額決定の請求権は失われ、申出額が確定します。実務のポイント:実務では、送達日を起算点とする締切を、書類が担当部署に回付されるまでの数日で溶かす金融機関が多い。社内の受領印の日付ではなく、会社への送達日で逆算するのが鉄則です
Q2費用の予納って、いくらくらい用意すればいいんですか?
再生裁判所が事案ごとに定めます(第149条4項)。不動産の鑑定が必要な場合、評価する者の報酬を賄う額となり、対象財産の規模次第で数十万円以上になることも珍しくありません。予納がなければ却下です(同条5項)。実務のポイント:予納額は請求前に書記官と相談して見通しを立てられます。請求書を出す前に概算を確認し、予納原資を同時に手当てする。請求と予納を別々の作業と考えた瞬間、第二の関門で落ちます
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保権者なんだから、納得いかなければ後から争えばいい」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。第149条の請求には期間制限がある。送達から一月。この一月を過ぎたら「争うかどうか」を考える資格すら失う。問うべきは「争うか」ではなく「今週、請求と予納を済ませられるか」だ
- 期限内に請求すればいいと知っている人は多い。だが、その請求が「費用予納」という第二の関門で死ぬことを知る人は少ない。第149条5項は予納がなければ却下「しなければならない」と定める。不動産鑑定の予納額は数十万円規模になることもあり、これを甘く見た担保権者が、期限内に請求していながら却下される
- 「裁判所が決める価額なんだから公平だろう」と思いがちだが、実際は債務者が提示した申出額が出発点であり、担保権者が動かなければその申出額がそのまま確定価額になる。裁判所の評価が自動で始まるわけではない。請求という能動的な一手がなければ、公平な評価の機会そのものが存在しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の役割 | 149条:担保権者が申出額に異議を出す価額決定の請求 | 148条:再生債務者による担保権消滅許可の申立て(申出額の記載) 150条:請求を受けた財産の価額の決定手続 |
| 誰が動くか | 担保権者(送達から一月以内) | 再生債務者(事業不可欠財産について) 再生裁判所(評価人による価額の決定) |
| 動かないときの帰結 | 申出額がそのまま確定価額になる | 許可がなければ担保権消滅の手続自体が始まらない 請求がなければ価額の決定手続に進まない |
| 落とし穴 | 費用予納を欠くと却下(149条5項) | 申出額が低すぎると価額決定請求を招く 評価結果次第で納付額が増減する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は独立した民事再生法を持たず、会社の重整手続の中で担保権を扱う。日本のような担保権消滅と価額決定を一体化した制度は明確でない
韓国は回生手続で担保権を회생담보권として組み込み、担保目的物の価額評価を手続内で行う点が機能的に近い
ドイツは倒産管財人による担保目的物の換価を規律し、担保権者の価額的利益を手続内で保護する。個別の価額決定請求ではなく換価権限の枠組みで処理する
米国 Chapter 11は担保権の価額(secured status の範囲)を裁判所が determination する仕組みを持ち、日本の価額決定に機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 金融機関の担当者として取引先の民再申立てを知った三週間後、机に積まれた書類の中から「担保権消滅許可の申立て」を発見。送達からすでに二十日が過ぎている。残された時間はあと十日。申出額は簿価の六割。価額決定の請求と費用予納を今週中に動かさなければ、その六割で抵当権が消える
- もし、あなたが期限内に価額決定の請求書を出したのに、鑑定費用の予納を忘れていたら? 第149条5項により、再生裁判所はその請求を却下しなければならない。「しなければならない」、つまり裁判官に裁量はない。期限内に出したという事実だけでは救済にならない
- あなたが再生債務者の代理人で、工場を残したい。やむを得ない事由がなければ一月の期間は伸びない。逆に言えば、申出額を相場に近づけて提示すれば、担保権者は価額決定請求のコスト(鑑定費用の予納)を嫌って請求を見送る可能性が高まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた「担保権消滅許可の申立書」の送達日を即特定し、ここから一月の逆算を始める2. 申出額(第148条2項2号の価額)が担保不動産の実勢価格より低いか、自社の鑑定評価や取引事例で検証3. 低いと判断したら期限内に再生裁判所へ価額決定の請求を提出、同時に書記官へ予納の概算を確認し原資を確保4. 請求と予納を一体で完了させる。予納漏れは却下(第149条5項)。やむを得ない事由があれば期間伸長を申し立てる(同条2項)
訴えられた側:1. 事業継続に不可欠な財産を特定し、担保権消滅許可を申し立てる(第148条) 2. 申出額は実勢と乖離しすぎると価額決定請求を招き、鑑定で増額され納付額が膨らむリスク、低すぎる提示は手続遅延を生むため、相場感のある水準を設計3. 担保権者から価額決定の請求が出たら、価額の決定手続(第150条)に備え自社の評価根拠資料を整える4. 確定価額に相当する金銭を納付して担保権を消滅させる
時効(請求できる期限):担保権者による価額決定の請求は、担保権消滅許可の申立書の送達を受けた日から一月以内(第149条1項、初日不算入が原則)。やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てにより再生裁判所が期間を伸長できる(同条2項)。費用の予納も請求の有効要件であり、予納を欠けば却下される(同条4項・5項)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(法律第225号、2000年4月1日施行)。担保権消滅許可制度(148条)とともに、担保権者による価額決定の請求(149条)を新設し、申出額への異議手続と費用予納の要件を明文化
- 民事再生法 第148条担保権消滅許可の申立て、申出額が記載される前提手続
- 民事再生法 第150条価額決定の請求を受けた財産の価額の決定手続
- 民事再生法 第151条価額決定手続における申出額の取扱い
- 民事再生法 第152条申出額に相当する金銭の納付に関する規律
- 民法 第369条抵当権の実体的根拠、民事再生手続が抵当権実行を制約し金銭納付による消滅を認める特則
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