要点民事再生法 149 条は、担保権者が申出額に異議あるとき、送達から一月以内に価額決定の請求ができると定める。費用の予納を欠くと却下される。
Q · 取引先が民事再生を申し立てて、うちの抵当権を消される通知が来た。申出額が安すぎるけど、争えるの?
送達から一月以内に価額決定の請求と費用予納で争えます
民事再生法 149 条により、担保権者は担保権消滅許可の申立書に記載された申出額に異議があるとき、送達を受けた日から一月以内に、目的財産の価額決定を再生裁判所に請求できます。ただし請求には手続費用(鑑定費用)の予納が必要で、予納を欠くと期限内に請求しても却下されます(同条 5 項)。動かなければ、債務者が付けた申出額がそのまま確定価額となります。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社はその取引先に融資し、工場の土地建物に抵当権を設定していた。ある日、裁判所から分厚い書類が届く。「担保権消滅許可の申立て」。再生債務者は、その工場が事業継続に不可欠だとして、土地建物の価額に相当する金銭を裁判所に納付し、あなたの抵当権を消滅させようとしている。問題は、その「価額(申出額)」を最初に決めたのが債務者自身だという点だ。当然、低く見積もる。ここで多くの担保権者が知らないのが第149条だ。申出額に不服があるなら、書類の送達を受けた日から一月以内に「価額決定の請求」ができる。動かなければ、債務者が一方的に決めた金額で抵当権が消える。さらに落とし穴がある。請求しただけでは足りない。裁判所が定める手続費用(鑑定費用)を予納しなければ、たとえ期限内に請求しても却下される。
民事再生法 149 条は、担保権消滅許可の申立てにおける価額決定の請求を定める規定である。担保権者は、申立書記載の申出額に異議があるとき、送達を受けた日から一月以内に、目的財産の価額決定を再生裁判所に請求でき、その手続費用を予納しなければならない。予納を欠く請求は却下される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
担保権消滅許可の申立てで債務者が付けた申出額に不服の担保権者が、目的財産の価額を裁判所に決めてもらう請求です。民事再生法 149 条が根拠で、送達から一月以内に限られます。
再生債務者が事業に不可欠な財産の価額相当額を納付し、担保権を消滅させる制度です(民事再生法 148 条)。その申立書に申出額が記載され、149 条の異議手続の起点になります。
自社の鑑定評価や近隣の取引事例、簿価と実勢価格の乖離で判断します。申出額は債務者が低めに付ける傾向があるため、送達直後に評価を当てて妥当性を検証するのが実務です。
裁判所が自動で評価を始めることはなく、債務者が付けた申出額がそのまま確定価額になります。一月の沈黙で、その金額に相当する納付だけで担保権が消滅します。
会社更生では担保権も更生担保権として手続に取り込まれ個別実行できません。民事再生では担保権は原則別除権ですが、149 条を含む消滅制度で事業不可欠財産を守る点が特徴です。
なります。自宅兼店舗など事業に不可欠と認められる財産に付いた担保権は、法人間の大型融資に限らず消滅対象です。個人再生でも同種の構造が問題になります。
やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てで再生裁判所が伸長できます(149 条 2 項)。多忙や書類の社内滞留は「やむを得ない事由」に当たりません。
確定価額相当額の納付で抵当権は消滅しますが、被担保債権のうち回収しきれない部分は再生債権として扱われ、再生計画による弁済の対象になります。
送達を受けた日から一月、暦に従って計算します(初日不算入が原則)。やむを得ない事由があれば裁判所が伸長できますが(第149条2項)、「忙しかった」では認められません。期間を過ぎれば価額決定の請求権は失われ、申出額が確定します。業界裏話ヒント:実務では、送達日を起算点とする締切を、書類が担当部署に回付されるまでの数日で溶かす金融機関が多い。社内の受領印の日付ではなく、会社への送達日で逆算するのが鉄則です
再生裁判所が事案ごとに定めます(第149条4項)。不動産の鑑定が必要な場合、評価する者の報酬を賄う額となり、対象財産の規模次第で数十万円以上になることも珍しくありません。予納がなければ却下です(同条5項)。業界裏話ヒント:予納額は請求前に書記官と相談して見通しを立てられます。請求書を出す前に概算を確認し、予納原資を同時に手当てする。請求と予納を別々の作業と考えた瞬間、第二の関門で落ちます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の役割 | 149 条:担保権者が申出額に異議を出す価額決定の請求 | — |
| 誰が動くか | 担保権者(送達から一月以内) | — |
| 動かないときの帰結 | 申出額がそのまま確定価額になる | — |
| 落とし穴 | 費用予納を欠くと却下(149 条 5 項) | — |
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