民事再生法 第151条(費用の負担)
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- 価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には再生債務者の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求をした者の負担とする。ただし、申出額を超える額が当該費用の額に満たないときは、当該費用のうち、その超える額に相当する部分は再生債務者の負担とし、その余の部分は価額決定の請求をした者の負担とする。
- 2.前条第五項の即時抗告に係る手続に要した費用は、当該即時抗告をした者の負担とする。
- 3.第一項の規定により再生債務者に対して費用請求権を有する者は、その費用に関し、次条第一項の規定により納付された金銭について、他の担保権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
- 4.次条第四項の場合には、第一項及び第二項の費用は、これらの規定にかかわらず、再生債務者の負担とする。この場合においては、再生債務者に対する費用請求権は、共益債権とする。
この条文の基本情報
費用の負担とは何ですか?
定義費用の負担とは、民事再生法第151条に定められた規定で、「価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には再生債務者の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第151条(費用の負担)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第151条の条文原文は「価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には再生債務者の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請…」で始まります。
- 民事再生法第151条は第四節 担保権の消滅に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第151条の前の条は民事再生法第150条です。
- 民事再生法第151条の次の条は民事再生法第152条です。
- 民事再生法第151条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第151条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第151条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/151
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法151条は、担保権消滅の価額決定にかかる費用について、決定価額が申出額を超えれば再生債務者、超えなければ請求者の負担と定める。手続が頓挫した場合は債務者負担となる。
Q · 担保の価額に異議を出して外れたら、鑑定費用は自腹になるの?
外れれば自腹、申出額を超えれば債務者負担です
民事再生法151条により、価額決定手続の費用は「決定価額が申出額を超えたか」で振り分けられます。超えれば再生債務者の負担、超えなければ請求したあなたの負担です(1項本文・ただし書)。即時抗告の費用は抗告人負担(2項)。ただし手続が実現しなかった場合は費用が全額債務者負担に反転し、あなたの費用請求権は共益債権として優先回収できます(4項)。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたはその会社の工場に抵当権を持っている。ところが再生債務者は「この工場の価値は3000万円」と申し出て、その額さえ払えばあなたの抵当権を消せる制度がある(150条の担保権消滅)。あなたは「いや、5000万円はする」と裁判所に価額決定を請求できる。だがここに罠がある。151条は、その争いの手続費用を誰が払うかを「申出額を超えたかどうか」という一本の線で決める。裁判所の決めた価額が再生債務者の申出額を超えれば債務者の負担、超えなければ請求したあなたの負担だ。つまり、異議を出して鑑定までやらせても、結果が申出額以下なら鑑定費用は全部あなたが背負う。逆に、わずかでも超えれば費用は債務者持ちになる。この一線が、あなたが異議を出すか黙って引くかの計算式そのものになる。
法的な位置づけ
民事再生法151条は、担保権消滅制度における価額決定手続の費用負担を規律する規定であり、決定価額が再生債務者の申出額を超えるか否かを基準に費用の帰属を定める。超過額が費用額に満たない場合は按分し、即時抗告の費用は抗告人が負担する。手続が実現しなかった場合の費用は債務者負担かつ共益債権となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申出額と実勢評価を突き合わせる 再生債務者の申出額と、担保不動産の実勢評価を比較し、差額が鑑定費用の見込み(数十万〜百万円)を上回るかを試算する。上回らなければ価額決定を請求しない判断もあり得る
- 2.自前で不動産鑑定の概算を取る 請求前に不動産鑑定士から概算評価を取得し、決定価額が申出額を確実に超える見込みかを固める。超過が確実なら費用は債務者負担となり、実質ノーコストで担保価値を回復できる
- 3.所定期間内に価額決定を請求する 担保権消滅許可申立書の送達後、所定期間内(150条、原則1か月以内)に価額決定を請求する。期間を徒過すると申出額で担保権が消滅する
- 4.費用請求権を届け出て優先回収を確保 決定価額が申出額を超えた場合、3項の優先弁済権に基づき次条の納付金から先取りで回収する。手続が頓挫した局面では4項の共益債権として費用請求権を明確に主張し、随時弁済を受ける
よくある質問 AI による整理
Q1担保権消滅請求の費用は誰が負担しますか?
民事再生法151条により、決定価額が申出額を超えれば再生債務者、超えなければ請求者の負担です。超過額が費用に満たなければ按分されます。
Q2民事再生の価額決定費用はいくらかかりますか?
不動産鑑定士の正式鑑定が入ると数十万円から百万円単位になり得ます。担保不動産評価額の数%に達することもあり、負担する側の負担は小さくありません。
Q3価額決定の費用が按分されるのはどんなときですか?
決定価額が申出額を超えたが、その超過額が費用の総額に満たないときです。超える額に相当する部分だけ債務者負担、残りは請求者負担となります(1項ただし書)。
Q4即時抗告した場合の費用は誰が払いますか?
民事再生法151条2項により、即時抗告の手続費用は抗告した者の負担です。棄却されれば費用は取り戻せず、勝てない抗告は二重に高くつきます。
Q5民事再生で払った担保の鑑定費用は取り戻せますか?
手続が実現しなかった場合(次条4項)は費用が全額債務者負担に反転し、費用請求権が共益債権になります。共益債権は再生債権に優先し随時弁済されます。
Q6共益債権とは民事再生で何を意味しますか?
再生手続の遂行に必要な費用等に認められる債権で、再生計画によらず随時・優先的に弁済されます。151条4項の費用請求権もこれに含まれます。
Q7担保権消滅の申出額とは何ですか?
再生債務者が担保目的財産の価額として裁判所に申し出る金額です。この申出額を払えば担保権を消滅させられ、151条の費用負担はこの額との比較で決まります。
Q8民事再生で別除権の費用はどうなりますか?
担保権消滅制度を使う局面では、価額決定を争う費用が151条で振り分けられます。争わず別除権を行使する場合は本条の費用問題は生じません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民事再生になった取引先の担保、こっちが何もしないと勝手に消されちゃうんですか?
申出額を払えば消せる制度(150条)ですが、あなたが何もしなくても自動で消えるわけではなく、不服なら所定期間内に価額決定を請求できます。ただし請求して価額が申出額を超えなければ、鑑定費用は151条1項で全額あなた持ちです。実務のポイント:実務では正式な価額決定請求の前に、当事者間で評価の擦り合わせ(任意の鑑定共有)をして、勝てない異議は出さないのが定石。費用リスクを避けつつ申出額を引き上げさせる交渉の方が、いきなり請求するより得なことが多い
Q2再生手続が途中でダメになったら、払った鑑定費用は戻ってこないんですか?
戻る道があります。次条4項の場面(担保権消滅が実現しなかった場合)では、151条4項により1項2項の費用は全額再生債務者の負担に切り替わり、しかもあなたの費用請求権は共益債権になります。共益債権は再生債権に優先して随時弁済される強い地位です。実務のポイント:この4項の費用反転と共益債権化を知らず、「手続が流れたから費用は泣き寝入り」と諦める担保権者が少なくない。頓挫局面こそ費用請求権を共益債権として明確に主張すべき場面で、3項の優先弁済権と合わせれば回収可能性は大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判所が中立に価額を決めてくれるなら、ダメ元で異議を出せばいい」と思いがちだが、151条はその気軽さに費用というペナルティを課している。申出額を超えなければ鑑定費用は全額請求者持ち。ダメ元の異議は、外れたとき確実に身銭を切ることになる
- 費用負担のルール自体は知っていても、その費用が抵当不動産評価の数%に達しうることまで意識している人は少ない。不動産鑑定士の正式鑑定が入れば数十万円から百万円単位。「負ければ自腹」の自腹の重さが、想像よりはるかに大きい
- 「費用さえ覚悟すれば異議は自由に出せる」という問いの立て方そのものがずれている。本当の論点は、3項の費用優先弁済権と4項の共益債権化まで含めて、どの場面なら払った費用を取り戻せるかだ。手続が頓挫すれば費用は債務者負担に反転し優先回収できる。費用を単なるコストとしか見ないと、この回収ルートを丸ごと見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 151条:価額決定手続の費用負担 | 150条:担保権消滅と価額決定手続そのもの 152条:価額に相当する金銭の納付 |
| 費用の負担者 | 決定価額 > 申出額なら債務者、以下なら請求者(1項) | 費用は151条が規律(150条自体は手続を定める) 納付金は再生債務者が納付、151条3項の優先弁済原資 |
| 頓挫時の扱い | 全費用が債務者負担に反転し費用請求権は共益債権(4項) | 価額決定が実現しない場合の効果を規定 納付がなければ担保権消滅の効果が生じない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整・破産の枠組みで別除権者を扱うが、担保目的物の価額決定に伴う費用を『申出額との比較』で機械的に配分する固有規定は明確でなく、日本の151条ほど精緻化されていない
韓国も回生手続で回生担保権として担保権者を保護するが、価額評価をめぐる費用配分の細則は日本と同一ではない
ドイツは担保目的物の換価に際し Feststellungs- und Verwertungskostenbeitrag(確定・換価費用の寄与分)を控除する仕組みを持ち、費用を担保権者側に分担させる発想は日本と通じる
米国は担保状態の判定と担保財産の評価を § 506で行い、§ 506(c) で担保財産の保全・換価費用を担保権者に負担させ得る。費用を評価と連動させる点で日本151条と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは中小企業の社長で、取引先の倉庫に5000万円の抵当権を設定していた。その取引先が民事再生を申し立て、監督委員が「倉庫の価値は3500万円」と申し出てきた。価額決定を請求すべきか、外れたときに自腹になる鑑定費用と、取り戻せる差額1500万円を、今夜中に天秤にかける羽目になる
- もし裁判所の決めた価額が、申出額をたった10万円だけ超えたら? その場合でも費用は全額あなたではなく再生債務者の負担になる(1項本文)。逆に10万円届かなければ全額あなた持ち。申出額という一本の線の上か下かで、数十万円の鑑定費用の行き先がそっくり反転する
- あなたが再生債務者側で担保権消滅を進める立場なら、申出額をいくらに設定するかが費用リスクを左右する。消滅コストを下げようと低く出しすぎて価額決定で覆されれば、超過した額の範囲で費用を背負わされる(1項ただし書)。攻めの低額申出には、必ず費用負担の反作用がついてくる
- 担保価額の決定に納得できず即時抗告したが、棄却された。その抗告手続の費用は、2項により抗告したあなた一人の負担だ。勝てない抗告は二重に高くつく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生債務者の申出額と、抵当不動産の実勢評価を突き合わせ、差額が鑑定費用の見込み(数十万から百万円)を上回るか試算する2. 上回り、かつ超過が確実なら価額決定を請求(150条)。決定額が申出額を超えれば費用は債務者負担3. 動く前に自前で不動産鑑定士の概算を取り、勝算を固めてから請求する4. 3項の費用優先弁済権、手続頓挫時は4項の共益債権化を視野に、費用請求権を確実に届け出る
訴えられた側:1. 担保権消滅の申出額は低く出すほど消滅コストは下がるが、価額決定で覆されれば超過額の範囲で費用を背負う(1項ただし書)。攻めすぎない合理的な設定を2. 監督委員や申立代理人と評価の根拠資料を固め、申出額の妥当性を立証できる状態にしておく3. 即時抗告された場合、その手続費用は抗告した相手の負担(2項)なので、不当な抗告には毅然と対応する4. 手続が頓挫すると費用が全額自社負担かつ共益債権になる点(4項)を資金繰りに織り込む
時効(請求できる期限):151条自体に固有の時効はないが、前提となる価額決定の請求は担保権消滅許可の申立書送達後の所定期間内(150条1項、原則1か月以内)に行う必要がある。決定に対する即時抗告は告知から1週間(民事訴訟法332条)。費用の優先弁済権や共益債権としての行使は、弁済・配当手続の中で期限内に届け出る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:151条の費用配分は、決定価額と申出額の比較という客観的基準により、担保権者の正当な価額異議を保護しつつ濫用的な争訟を抑制する制度趣旨を持つ。4項の費用反転と共益債権化は、手続に無益に巻き込まれた担保権者を救済する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(平成11年法律第225号)により、担保権消滅制度とともに価額決定手続の費用負担規定として新設された。
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