要点民事再生法 152 条は、再生債務者が価額相当額を裁判所に納付した時に担保権が消滅すると定める。担保権者が反対しても効力は生じ、裁判所書記官が登記抹消を嘱託する。
Q · 取引先が民事再生を申し立てたら、抵当権があっても勝手に消されてしまうの?
納付があった時に担保権は消え、反対しても止められません
民事再生法 152 条により、事業継続に必要な財産については、再生債務者等が裁判所の定める期限までに価額相当額を納付した時に担保権が消滅します(2 項)。担保権者の同意は不要で、競売を準備していても関係ありません。書記官が登記の抹消まで嘱託します(3 項)。担保権者に残された防御は、申出額に不服があるとき請求期間内に価額決定の請求(150 条)を出すことだけです。逆に再生債務者が期限までに納付できなければ、許可そのものが取り消されます(4 項)。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社はその工場に抵当権を持っている。普通なら別除権者として再生手続の外で競売にかけ、回収できるはずだ。ところがこの152条は、その常識を足元から崩す。再生債務者は、事業継続に欠かせない財産にかかった担保権を、裁判所が定めた価額相当の金銭を納付するだけで消滅させられる(2項)。あなたが反対しても、競売を準備していても関係ない。納付された瞬間、抵当権は法律上消える。さらに裁判所書記官が登記の抹消まで嘱託する(3項)。担保権者に残された唯一の防御は、納付の前提となる価額に不服があるとき、請求期間内に価額決定の請求を出すことだけだ。逆に再生債務者の側から見れば、裁判所の定める期限までに納付できなければ許可そのものが取り消され(4項)、担保は残り、資産確保の最後の機会を失う。一行の納付が、両者の運命を分ける。
民事再生法 152 条は、担保権消滅許可(148 条)を受けた再生債務者等が価額相当額を裁判所に納付したときに担保権が消滅する効果とその手続を定める規定である。納付があれば担保権者の同意なくして別除権は消滅し、裁判所書記官が抹消登記を嘱託する。再生債務者等が期限までに納付しない場合、許可は取り消される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
担保権消滅許可を受けた再生債務者が価額相当額を裁判所に納付した時に、担保権が消滅する効果と手続を定める規定です。納付の瞬間に別除権が消え、書記官が登記抹消を嘱託します。
金銭の納付があった時です(152 条 2 項)。一度納付されると、後で価額が安すぎたと争っても担保権は戻りません。回復不能の一点を越えるかどうかが分水嶺です。
裁判所が定める請求期間内です(150 条)。一日でも過ぎると再生債務者の申出額がそのまま確定し、その額での納付で担保が消えます。争う道は完全に閉ざされます。
裁判所は担保権消滅許可を取り消さなければなりません(152 条 4 項)。担保は残り、再生債務者は資産確保の最後の機会を失います。
再生手続によらず担保権を行使できる権利です(53 条)。原則は手続外で自由に実行できますが、152 条の担保権消滅制度により時価相当額の納付で消される例外があります。
消えません。会社の担保が 152 条で消滅しても、経営者個人の連帯保証は別物として残ります。会社の倒産処理と個人保証は切り分けて考える必要があります。
金銭の納付があったとき、裁判所書記官が消滅した担保権に係る登記または登録の抹消を嘱託します(152 条 3 項)。担保権者側の手続は不要です。
請求期間内に価額決定の請求を出します(150 条)。評価人による評価を経て裁判所が価額を決定します。受け身で放置すると低い申出額で確定します。
事業継続に必要な財産については、再生債務者が裁判所の許可を得て価額相当額を納付すれば、担保権は納付の時に消滅します(152条2項)。あなたの同意は不要です。業界裏話ヒント:弁護士が真っ先に確認するのは「申出額が時価とどれだけ乖離しているか」です。再生債務者は当然低めに出してくるので、価額決定の請求(150条)を期間内に出すかどうかで回収額が数千万円変わる。請求しなければ低い申出額で確定する、ここで諦める債権者が驚くほど多い
請求すると評価人による評価を経て裁判所が価額を決定し、その確定額が納付額になります(152条1項)。申出額より上がることも下がることもありますが、申出額が時価より低い局面では上振れを狙う実益があります。業界裏話ヒント:評価人の評価書は一つの基準にすぎず、評価手法や前提条件への反論余地があります。自前の不動産鑑定や事業価値評価を用意して評価人の前提を崩せるかが勝負どころ。受け身で評価人任せにする債権者と、対抗証拠を出す債権者で結果が分かれる
許可は出発点にすぎません。裁判所が定める期限までに価額相当額を納付しなければ、許可は取り消されます(152条4項)。納付できなければ担保は残り、資産確保は失敗です。業界裏話ヒント:実務では「許可は取れたが資金が間に合わず取消」という事故が起きます。スポンサー資金やDIPファイナンスの実行日と納付期限を一日単位で逆算し、資金の着金を許可申立て前に固めておくのが鉄則。資金の裏付けなき申立ては自爆になりかねない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の性質 | 152 条:納付による担保権の強制的消滅(別除権の例外) | — |
| 担保権者の防御手段 | 150 条の価額決定の請求を請求期間内に出すことのみ | — |
| 消滅・失効のタイミング | 金銭の納付があった時に消滅(回復不能) | — |
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