要点民事再生法 150 条は、担保権消滅請求の価額決定手続を定める。再生裁判所は評価人の評価に基づき決定で財産の価額を確定し、その価額は請求をしなかった担保権者にも効力が及ぶ。
Q · 担保があれば安心なのに、なぜ取引先の再生手続で価額を勝手に決められるの?
裁判所が評価人の評価に基づき価額を決め、争わない担保権者も拘束されます
民事再生法 150 条は、担保権消滅請求(148 条)に伴い価額決定の請求(149 条)があった場合、再生裁判所が評価人を選任して財産を評価させ、その評価に基づき決定で価額を確定する手続を定めます。最大の注意点は 4 項で、確定した価額は価額決定の請求をしなかった担保権者にも効力が及ぶことです。つまり他の担保権者が争えば、黙っていた担保権者もその結論に縛られます。決定に不服なら送達から 1 週間以内に即時抗告(5 項)できます。
取引先の中小企業が民事再生を申し立てた。あなたはその会社の工場に抵当権を持っている。担保があるのだから自分の回収は安泰だ、と普通は考える。ところが民事再生法には「担保権消滅請求」という制度があり、再生債務者は事業に不可欠な財産の「価額」に相当する金銭を裁判所に納めることで、あなたの抵当権を本人の同意なく消滅させられる(148 条)。その価額に不服があれば価額決定の請求ができ(149 条)、150 条がその先の手続を定める。裁判所は評価人を選任して財産を評価させ(1 項)、その評価に基づき決定で価額を確定する(2 項)。最大の落とし穴は 4 項だ。確定した価額は、価額決定の請求をしなかった担保権者にも効力が及ぶ。つまり、他の誰かが価額を争えば、黙って座っていたあなたまでその結論に縛られる。担保さえあれば動かなくても守られる、という発想がここでは通用しない。
民事再生法 150 条は、担保権消滅請求(148 条)に伴う価額決定の請求(149 条)があった場合の裁判手続を定める規定である。再生裁判所は評価人を選任して対象財産を評価させ、その評価に基づき決定で価額を定める。当該決定は請求をしなかった担保権者に対しても効力を有し、決定に対しては再生債務者等及び担保権者が即時抗告をすることができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生債務者が事業に不可欠な財産の価額相当額を裁判所に納付し、担保権者の同意なくその担保権を消滅させる制度です(民事再生法 148 条)。150 条はその価額を決める手続を定めます。
担保権消滅許可決定の送達等を起算点とする所定の請求期間内(149 条)です。原則 1 か月とされますが、最新の改正状況をご確認ください。期間を過ぎると自ら価額を争う手段は失われます。
なりません。150 条 2 項は裁判所が評価人の評価に『基づき』決定すると定めます。収益還元か積算かなど算定手法の妥当性を裁判所が判断して価額を確定します。
全員につき請求期間が経過した後でなければ決定できず、複数の請求事件が同時に係属するときは併合して裁判されます(150 条 3 項)。
再生債務者等及び担保権者は即時抗告ができます(150 条 5 項)。裁判書の送達を受けた日から 1 週間の不変期間内に申し立てる必要があります。
あります。4 項により確定価額は請求をしなかった担保権者にも効力が及びます。沈黙は他人任せの結論を丸呑みすることを意味します。
会社更生法にも担保権を制限・消滅させる並行制度があります。ただし更生手続は担保権者を更生担保権者として手続に組み込む構造で、民事再生とは仕組みが異なります。
再生債務者側は清算価値ベースの評価を支える根拠資料を準備します。ただし裁判所が評価人の評価に基づき最終決定するため、一方的に低い額にはできません。
民事再生には、事業に不可欠な財産の担保を、再生債務者が価額相当額を納付して消滅させる制度があるからである(148 条、150 条)。担保権者の同意は要らない。ただし価額に不服なら価額決定の請求ができ、最終的に裁判所が評価人の評価に基づき価額を決める(150 条 2 項)。業界裏話ヒント:銀行など主要な担保権者は、価額が安く決まると回収が減るため、実務では正面から価額決定で争う前に、再生債務者やスポンサーと水面下で任意の弁済額を交渉してから手続に乗せることが多い。テーブルに着いた方が回収額が上がる場面がある
放置は危険である。150 条 4 項により、確定した価額は価額決定の請求をしなかった担保権者にも効力が及ぶ。他人が起こした手続の結論に、黙っていたあなたも縛られる。不服があるなら自ら請求するか、決定後に即時抗告(5 項)するしかない。業界裏話ヒント:複数の価額決定請求事件は併合して審理される(3 項)。早く動いた担保権者が選んだ評価人や主張の土俵で価額が決まりやすく、後から不満を言っても遅い。最初から自分も当事者として土俵に上がる方が圧倒的に有利
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 150 条:価額決定の裁判手続(評価人選任・決定・即時抗告) | — |
| 誰の行為か | 再生裁判所(評価命令・価額決定) | — |
| 効力の及ぶ範囲 | 確定価額は請求をしなかった担保権者にも及ぶ(4 項) | — |
| 次の手続 | 確定価額に相当する金銭の納付(152 条)へ | — |
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