要点民事再生法 190 条は、再生計画の履行完了前に会社が破産すると、計画で減額された再生債権が原状に復し満額へ巻き戻ると定める。既受領額は債権額から控除される。
Q · 民事再生で 7 割カットに同意した債権、会社がその後また潰れたらどうなるの?
減額分は原状に復し、既受領額は控除されます
民事再生法 190 条 1 項により、再生計画の履行完了前に会社が破産または新たな再生手続へ移行すると、計画で減免された再生債権は原状に復し、満額に巻き戻ります。既に受け取った弁済額は返還不要で、従前の債権額から控除されます(3 項)。ただし 4 項ただし書により、先に弁済を受けた割合分は、他の同順位債権者が同じ割合に追いつくまで配当を留保され、債権者間の公平が回復されます。減額同意は『計画が完遂された場合の』条件付き譲歩にすぎません。
あなたが部品メーカーで、取引先に売掛金 1,000 万円を抱えていたとする。ある日その取引先が民事再生に入り、再生計画で「債権は 3 割に減額、残り 7 割は免除」と決まった。あなたは泣く泣く 300 万円で手を打つ。ところが二年後、その会社は計画を履行しきれずに破産した。ほとんどの債権者はここで「残り 700 万円は永久に消えた」と諦める。だが民事再生法 190 条はそう書いていない。再生計画の履行が完了する前に破産または新たな再生手続が始まると、計画で削られた再生債権は原状に復する。つまりあなたの債権は元の 1,000 万円に巻き戻る。すでに受け取った弁済額は差し引かれるが、減免された 700 万円分が破産手続の中で復活し、配当の母数に戻ってくる。さらに 4 項のただし書は、先に弁済を受けていた債権者は他の同順位債権者が同じ割合に追いつくまで配当を受けられないと定め、債権者間の公平を回復する。一度諦めた数字が、計画の頓挫とともに蘇る。
民事再生法 190 条は、再生計画の履行完了前に再生債務者が破産手続または新たな再生手続へ移行した場合における再生債権の原状回復を定める規定である。減免された再生債権は変更前の額に復し、既受領額は控除され、先行弁済分は他の同順位債権者が同率に達するまで配当・弁済が留保される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生手続が頓挫し、それに連続して開始される破産手続をいいます。民事再生法 250 条以下が規律し、この移行局面で 190 条の原状回復が働きます。
再生計画の履行完了前に、破産手続開始決定または新たな再生手続開始決定がされた時点で当然に生じます。特別な申立ては不要です。
履行完了前に破産・新再生へ移行すると、計画で減免された再生債権は原状に復し満額に戻ります。ただし既受領額は控除されます。
民事再生は事業を継続しながら再建する手続、破産は財産を清算して配当する手続です。再生が頓挫すると牽連破産へ移行することがあります。
従前の再生手続における共益債権は、新たな再生手続でも共益債権とみなされ、随時弁済される優先的地位が維持されます。
190 条 5 項により、再生手続終了後に計画によらず再生債権者へ供与した担保は、牽連破産の開始決定があると効力を失います。
6 項により弁済前の全額で参加できますが、7 項で他の債権者が同率に追いつくまで弁済を受けられず、8 項で既弁済部分に議決権はありません。
破産手続では裁判所が定める債権届出期間内に届け出る必要があります(破産法 111 条)。徒過すると原状回復した債権でも配当参加が制約されえます。
計画が最後まで履行されれば確かに減額が確定します。しかし履行完了前に会社が破産したり再び再生手続に入ると、190 条 1 項により減免された部分は原状に復し、債権は満額に巻き戻ります。業界裏話ヒント:弁護士はこの『条件付きの譲歩』という性質を理解した上で再生計画案への賛否を判断します。再建の見込みが薄い計画なら、減額に同意しても破綻時に満額が復活するので失うものは少ない。この一点を知っているかどうかで、決議での投票行動も債権保全の動きもまるで変わります
返金義務はありません。190 条 3 項は受領額を従前の債権額から控除すると定めるだけで、返還を求めていません。ただし 4 項ただし書により、先に弁済を受けた割合分は、他の同順位債権者が同じ割合に追いつくまで次の配当を受けられません。業界裏話ヒント:これは『早く受け取った者勝ち』を防ぐ公平調整です。だからこそ計画弁済は迷わず受け取ってよい。受け取っても最終的な取り分は均されるので、受領自体が不利になることはなく、手元資金を先に確保できる分むしろ有利です
190 条 5 項により、再生手続終了後に再生計画によらず再生債権者へ供与した担保は、牽連破産の開始決定があると効力を失います。一部の債権者への抜け駆け的な担保提供を無効化する規定です。業界裏話ヒント:再建の局面では『うちにだけ担保を』という個別交渉が水面下で起きがちですが、計画外の供与は破産で巻き戻されます。担保を取れたつもりの債権者ほど油断する。逆に他の債権者は、こうした計画外担保の存在を疑って破産管財人に調査を促す価値があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 原状回復の契機 | 190 条:計画履行完了前の破産手続開始・新再生手続開始の決定 | — |
| 効果 | 変更(減免)された再生債権が原状に復し満額へ巻き戻る | — |
| 既受領弁済の扱い | 返還不要・従前の債権額から控除(3 項)/先行弁済分は配当留保(4 項) | — |
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