受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第191条(再生計画認可前の手続廃止)

クイックジャンプ
  1. 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
  2. 一決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
  3. 二裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。
  4. 三再生計画案が否決されたとき、又は第百七十二条の五第一項本文及び第四項の規定により債権者集会の続行期日が定められた場合において、同条第二項及び第三項の規定に適合する期間内に再生計画案が可決されないとき。

この条文の基本情報

再生計画認可前の手続廃止とは何ですか?

定義再生計画認可前の手続廃止とは、民事再生法第191条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第191条(再生計画認可前の手続廃止)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第191条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。」で始まります。
  3. 民事再生法第191条は第九章 再生手続の廃止に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第191条の前の条は民事再生法第190条です。
  7. 民事再生法第191条の次の条は民事再生法第192条です。
  8. 民事再生法第191条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第191条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第191条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/191

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法191条は、計画案の作成見込みの欠如・提出期間の徒過・計画案の否決のいずれかに該当するとき、裁判所が職権により再生手続を廃止しなければならないと定める。

Q · 再生手続が始まったのに、計画が認められる前に打ち切られることってあるの?

三つの事由のどれかで裁判所が職権で廃止します

民事再生法191条は、①決議に付するに足りる計画案の作成見込みがない、②裁判所の定めた期間(伸長含む)内に計画案の提出がないか決議に値しない、③計画案が否決された、のいずれかに該当すると、裁判所が職権で再生手続廃止を決定しなければならないと定めます。廃止は義務的で裁判所に裁量はなく、多くは250条の牽連破産により破産手続へ移行します。

解説

会社の再建を裁判所に申し立て、再生手続が開始した。ここまでは多くの経営者が知っている。だが本当の崖は、計画が認可される前にある。民事再生法191条は、三つの引き金のどれかが引かれた瞬間、裁判所が職権で、つまりあなたが何も求めなくても自動的に、再生手続を廃止すると定める。引き金は三つ。一つ、決議にかけられるだけの再生計画案を作る見込みがないと明らかになったとき。二つ、裁判所の定めた期限内に計画案を出さなかった、または出したが決議に値しないとき。三つ、計画案が債権者集会で否決されたとき。廃止されれば、多くの場合そのまま破産手続へ雪崩れ込む(250条の牽連破産)。あなたが握るべき事実は、この三つの引き金がすべて時間と債権者の頭数に縛られているという点だ。計画案の提出期限、債権者の同意取り付け、その一つ一つが、廃止の崖との距離を毎日縮めている。

法的な位置づけ

民事再生法191条は、再生計画の認可決定前に再生手続を職権で終了させる義務的廃止事由を定める規定である。決議に足る計画案の作成見込みの欠如、提出期間の徒過又は決議不適格、計画案の否決という三つの客観的事由のいずれかに該当すれば、裁判所は職権で再生手続廃止の決定をしなければならない。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.計画案の提出期限と債権者の同意状況を毎週棚卸し 再生計画案の提出期限と、大口債権者の同意見込みを毎週更新し、191条の三つの引き金のどれに最も近いかを可視化する。崖までの距離を数字で把握する
  2. 2.期限内が難しければ、廃止を待たず提出期間の伸長を申し立てる 期限内に決議可能な計画案が難しいと判断したら、廃止事由の発生を待たず、裁判所が定めた再生計画案提出期間の伸長を先に申し立てる。191条2号は伸長期間も基準にしている
  3. 3.大口債権者に廃止リスクを示して同意を取りに行く 反対が見込まれる大口債権者に、否決による廃止(191条3号)とその先の破産配当を試算して提示し、「廃止されれば取り分は破産配当まで下がる」構図を見せて弁済率や別除権協定で同意を取りに行く
  4. 4.廃止が避けられなければ250条の牽連破産を前提に準備 廃止が避けられないと判断したら、250条の牽連破産を前提に、破産での配当見込み、従業員給与の立替払、取引先対応を早めに整理し、破産移行への軟着陸を設計する

よくある質問 AI による整理

Q1再生手続廃止とは何ですか?

再生計画の認可前に、裁判所が再生手続を途中で終了させることです。民事再生法191条の三つの事由に該当すると、裁判所が職権で廃止を決定します。

Q2民事再生の計画案の提出期限を過ぎたらどうなりますか?

191条2号により、伸長期間も含めて提出がない、または提出案が決議に値しないと、裁判所は職権で再生手続を廃止します。期限管理が生命線です。

Q3牽連破産とは何ですか?

再生手続の廃止後、裁判所が職権で破産手続へ移行させる制度です。民事再生法250条が根拠で、再生の失敗が多くの場合そのまま破産につながります。

Q4民事再生の職権廃止とはどういう意味ですか?

当事者の申立てがなくても、裁判所が自ら廃止を決定することです。191条の要件を満たせば義務的で、裁判所に裁量の余地はありません。

Q5再生計画案の提出期間は伸長できますか?

できます。191条2号は「伸長した期間」も基準にしており、期限が切れる前に伸長を申し立てれば、廃止の崖までの距離を延ばせます。

Q6民事再生が廃止されると必ず破産に移行しますか?

多くは250条の牽連破産で職権により破産へ移行しますが、必ずではありません。移行しない選択肢もゼロではなく、事案により異なります。

Q7個人再生が廃止されたら取立ては再開しますか?

はい。手続中止で止まっていた取立てや競売が一斉に再開します。住宅資金特別条項も効力を失い、住宅ローンの競売が動き出します。

Q8民事再生法191条の廃止事由はいくつありますか?

三つです。①計画案の作成見込みの欠如、②提出期間の徒過または決議不適格、③計画案の否決。いずれか一つで足ります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1再生手続が廃止されたら、会社はもう終わりですか?

多くの場合、250条の牽連破産で職権により破産手続へ移行し、管財人が資産を換価・配当します。ただし廃止が直ちに破産を意味するわけではなく、移行しない選択肢もゼロではありません。実務のポイント:実務では再生廃止と破産開始がセットで動くことが多く、再生の代理人弁護士がそのまま破産の流れを見据えて準備しているかどうかで、従業員給与の立替払や取引先対応のスムーズさが大きく変わる

Q2計画案が一度否決されたら、もうやり直せないんですか?

191条3号は否決を廃止事由としますが、172条の5により債権者集会の続行期日が定められた場合は、その期間内に再可決を目指せます。一度の否決で即終了とは限りません。実務のポイント:否決が見えてきた段階で、集会の場で続行を求めるか事前に裁判所と調整しておくかで、再建の最後のチャンスが残るかどうかが決まる。否決された後に慌てても手遅れになりやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「再生手続が始まれば、あとは計画を作って認可してもらうだけ」と思いがちだが、計画認可の前に手続が廃止される崖が三つある。開始決定はゴールではなく、まだスタートラインに過ぎない
  • 廃止になること自体は知っていても、それが「ただの手続終了」で済むと思っている人が多い。実際は250条により職権で破産手続へ移行する(牽連破産)ことが多く、再生という比較的穏やかな枠組みから、管財人がすべてを管理する破産へと立場が一変する。廃止の本当の重さは、その後に来る破産にある
  • 「裁判所に頼めば廃止を止められる」と考えるのは、問いの立て方が間違っている。191条の廃止は職権でなされる義務的な決定であり、要件を満たせば裁判所に裁量の余地はない。止める交渉相手は裁判所ではなく、計画案に同意する債権者の側だ
比較の観点この条文ほかの条文
手続上の位置づけ191条:認可決定前の職権による再生手続廃止(裏口の出口)174条:再生計画認可の決定(正規の出口)
250条:廃止後の破産手続への職権移行(牽連破産)
発動主体・性質裁判所の職権、要件充足で義務的(裁量なし)裁判所の認可決定
裁判所の職権による破産手続開始
主な効果再生手続の終了、再建ストーリーの打ち切り再生計画の効力発生・計画に沿った弁済開始
破産手続開始、破産管財人による換価・配当
債権者・債務者への影響凍結の解除、多くは破産へ雪崩れ込む再建計画の実行、弁済率に基づく回収
清算・破産配当(再生計画より弁済率が下がることが多い)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第306条・消費者債務清理条例

台湾は会社の再建を公司法の重整手続で扱い、更生の見込みがなければ裁判所が重整終止を裁定する。個人は消費者債務清理条例の更生・清算で対応し、更生廃止が清算へ接続する構造は日本と類似する

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률(債務者回生法)

韓国は2005年に会社整理・和議・個人債務を統合。回生手続の廃止と破産への移行という枠組みは日本の再生廃止+牽連破産に近い

ドイツ
Insolvenzordnung(InsO)§ 231 ff.

ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)を単一の倒産手続内で扱い、計画が却下・不成立なら通常の清算的倒産手続が進行する。再建と清算を一つの手続内で切り替える点が日本と異なる

アメリカ
11 U.S.C. § 1112

米国 Chapter 11では、再建の見込みがない場合、裁判所は事件を却下(dismissal)するか Chapter 7(清算)へ転換(conversion)する。日本の再生廃止+牽連破産のモデルとなった発想が見られる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたの会社は再生手続開始から半年、計画案の提出期限まであと10日。だが主力取引先である大口債権者がまだ首を縦に振らない。期限内に決議に値する計画案を出せなければ、191条2号で手続は即廃止、翌週には破産管財人が選ばれてもおかしくない。残された時間で動かせるのは、期限の伸長申立てか、債権者の同意か、その二つだけだ
  • もし、あなたが再生債務者に金を貸した債権者だったら? 債権者集会で計画案に反対票を投じることは、ただの意思表示では終わらない。一定数が反対して計画案が否決されれば、191条3号で手続そのものが廃止され、会社は破産へ向かう。あなたの一票が、再生計画での弁済率を取るか、破産配当まで落ちるかの分岐になりうる
  • 個人再生を申し立てたが、収入が想定より落ち、現実的な返済計画が組めなくなった。これは191条1号の「見込みがないことが明らか」に該当しうる。廃止されれば、止まっていた取立てが一斉に再開する

取るべき行動

被害を受けた側:1. 計画案の提出期限と債権者の同意見込みを毎週棚卸しし、191条のどの引き金に最も近いかを把握する2. 期限内に決議可能な計画案が難しいなら、廃止を待たず、裁判所が定めた期間の伸長を申し立てる3. 大口債権者の反対が見込まれるなら、弁済率の見直しや別除権協定で同意を取りに行く4. それでも廃止が避けられないと判断したら、250条の牽連破産を前提に、破産での配当見込みと従業員・取引先への影響を早めに整理しておく

訴えられた側:1. 債権者として計画案に反対するなら、否決による廃止(191条3号)とその先の破産配当を試算し、再生計画の弁済率と比較する2. 多くのケースで破産配当は再生計画より低くなるため、反対が自分の首を絞めないか確認する3. 別除権者であれば廃止後も担保権は残るので、立ち位置は比較的強い4. 廃止後の破産移行に備え、債権届出や財団債権該当性を早めに弁護士と詰めておく

時効(請求できる期限):191条の廃止に固有の時効はないが、引き金そのものが期限に縛られている。裁判所の定めた再生計画案の提出期間、その伸長期間、債権者集会の決議期日(172条の5の続行期日を含む)が実質的なカウントダウンであり、その期間を徒過した瞬間に廃止事由が発生する

学説

通説:191条の廃止は、再建の見込みが尽きた再生手続をいたずらに継続させないための義務的・客観的な打ち切り事由と解される。三つの事由は「計画案の見込み」「提出期間」「否決」という節目に対応し、要件充足時に裁判所の裁量を認めない点に特徴がある。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定時に、再生計画認可前の職権廃止事由として新設。DIP 型再建の破綻局面における出口を明文化した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第九章 再生手続の廃止

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›