民事再生法 第163条(再生計画案の提出時期)
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- 再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。
- 2.再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)又は届出再生債権者は、裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる。
- 3.裁判所は、申立てにより又は職権で、前二項の規定により定めた期間を伸長することができる。
この条文の基本情報
再生計画案の提出時期とは何ですか?
定義再生計画案の提出時期とは、民事再生法第163条に定められた規定で、「再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第163条(再生計画案の提出時期)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第163条の条文原文は「再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第163条は第二節 再生計画案の提出に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第163条の前の条は民事再生法第162条です。
- 民事再生法第163条の次の条は民事再生法第164条です。
- 民事再生法第163条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第163条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第163条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/163
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法163条は、再生債務者等に債権届出期間の満了後、裁判所が定める期間内の再生計画案提出を義務づける。届出債権者も自ら計画案を提出できる。
Q · 民事再生って、申し立てさえ通れば会社は助かるんですか?
違う。数か月後の計画案の締切が本当の関門です
民事再生法163条1項により、再生債務者等は債権届出期間の満了後、裁判所の定める期間内に再生計画案を作成・提出する義務を負います。提出できないまま見込みも立たなければ、裁判所は手続を廃止し(191条)、多くは破産へ移行します。申立ての認可はスタートにすぎず、本当の勝負は計画案の締切です。なお2項により、届出をした再生債権者も自ら計画案を提出でき、3項で期間の伸長も可能ですが、伸長は裁判所の裁量です。
解説
会社の資金繰りが行き詰まり、民事再生を申し立てた。これで一息つけた、と思った経営者の多くがここで足をすくわれる。民事再生は申立てがゴールではない。本当の勝負は、債権届出期間が終わった後、裁判所が切った締切までに「再生計画案」を出せるかどうかだ。163条1項は、再生債務者にこの提出を義務として課す。出せなければ、裁判所は手続を廃止し(191条)、その先で待っているのは破産だ。さらに見落とされがちなのが2項。管財人がいる場合の再生債務者だけでなく、届出をした債権者も自分で計画案を出せる。あなたが債権者なら、相手任せにせず自分に有利な計画を提案する武器を握っているということだ。3項で期限の伸長は可能だが、それも裁判所の裁量にすぎない。申立てから提出期限までの数か月が、会社が生き残るか消えるかを決める。
法的な位置づけ
民事再生法163条は再生計画案の提出を定める規定であり、再生債務者等が債権届出期間の満了後、裁判所の定める期間内に再生計画案を作成して提出しなければならない旨を規律する。管財人がいる場合の再生債務者および届出再生債権者にも提出権を認め、裁判所は申立てまたは職権で提出期間を伸長できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届出期間満了日から逆算して提出スケジュールを引く 申立てと同時に、債権届出期間の満了日と裁判所が定める計画案提出期限を確認し、そこから逆算して弁済原資の確定・スポンサー選定・草案作成の工程表を作る。ここを最優先にする
- 2.弁済原資と再建スキームを数字で固める 自主再建型なら事業収益からの弁済見通しを、スポンサー型なら早期にスポンサーを選定し弁済原資を確定する。可決に耐える弁済率になるよう数字を組み立てる
- 3.可決要件を満たす計画案を設計する 債権者の頭数の過半数と債権額の過半数の同意(172条の3)を取れる内容に設計する。主要債権者の意向を事前に把握し、否決される中身にしないことが本丸
- 4.間に合わない見込みなら早めに伸長を申し立てる 提出期限に間に合わない見込みが立った段階で、163条3項の伸長を早めに申し立てる。ギリギリで頼むと準備不足を疑われ裁判所の心証を損なうため、余裕をもって理由を添える
よくある質問 AI による整理
Q1再生計画案の提出期限はいつまでですか?
債権届出期間の満了後、裁判所が定める期間内です(163条1項)。運用上は申立てから概ね数か月で、具体的な日程は管轄裁判所が定めます。
Q2再生計画案を出さないとどうなりますか?
提出されず見込みもなければ、裁判所は再生手続を廃止します(191条)。その先は多くの場合、破産手続への移行となります。
Q3債権者でも再生計画案を出せますか?
出せます。163条2項は届出をした再生債権者にも計画案の提出権を認めており、経営陣の案に対して自分で対案を出せます。
Q4再生計画案の提出期限は延長できますか?
できます。163条3項により、裁判所は申立てまたは職権で期間を伸長できます。ただし当然の権利ではなく裁判所の裁量です。
Q5再生計画案は誰が作るのですか?
原則は再生債務者等です。管財人が選任されている場合の再生債務者、および届出再生債権者も作成・提出できます(163条1項・2項)。
Q6民事再生の再生計画案と破産の違いは何ですか?
民事再生は計画案を可決・認可して事業を存続させる手続、破産は財産を換価配当して清算する手続です。計画案不提出は破産への入口になります。
Q7小規模個人再生でも計画案は必要ですか?
必要です。小規模個人再生(221条以下)でも再生計画案を期限内に提出する論理は同じで、可決・認可を経て初めて債務が圧縮されます。
Q8再生計画案が出た後の流れはどうなりますか?
提出された計画案は決議に付され(164条)、債権者集会で可決要件(172条の3)を満たせば、裁判所の認可決定(174条)で確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民事再生って、申し立てれば借金が減るんですよね?
申立てだけでは何も減りません。債権届出期間の後に再生計画案(163条)を出し、債権者集会で可決され(172条の3)、裁判所が認可(174条)して初めて弁済額が確定します。実務のポイント:弁護士が一番神経を使うのは申立てではなく計画案の中身です。可決には債権者の頭数の過半数と債権額の過半数、両方の同意が要る。主要債権者が一社でも反対に回れば否決される構図なので、申立て前からの根回しが勝負を決める
Q2債権者の立場ですが、再生計画案の内容に文句があっても黙って待つしかないんですか?
待つ必要はありません。163条2項は届出をした債権者にも再生計画案の提出権を認めています。経営陣の案が気に入らなければ自分で対案を出し、債権者集会で競わせることができます。実務のポイント:実際に対案まで出すケースは多くありませんが、出せる立場にあるという事実を交渉で使うのが実務の定石。再生債務者側は対案が出ると可決が読みにくくなるのを嫌うため、有力債権者の意向を弁済率に反映させやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 申立てが認められたら山を越えたと思っている経営者は多いが、本当の難所はその先の計画案提出にある。期限内に出せず手続が廃止され、再建を諦めて破産に流れる会社が現実に存在することを、申立ての段階では誰も意識していない
- 債権者は再生計画案が出てくるのをただ待つ受け身の立場だ、という前提そのものが誤っている。163条2項は届出をした債権者に計画案の提出権を与えており、待つか攻めるかを選べる側にいる
- 期限に遅れても伸長してもらえるから大丈夫、と楽観する向きがあるが、3項の伸長は裁判所の裁量であって当然の権利ではない。準備不足を理由にギリギリで頼めば、裁判所の心証を損なう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 163条:再生計画案の提出義務と期限 | 34条:債権届出期間の定め(163条1項の起算点) 191条:計画案不提出時の再生手続廃止 |
| 誰が主体か | 再生債務者等・届出再生債権者(1項・2項) | 裁判所(届出期間を職権で定める) 裁判所(廃止決定を職権で行う) |
| 越えられなかった場合 | 3項の伸長でしのぐ余地あり(裁判所の裁量) | 届出を逃すと議決権・配当を失う 手続廃止 → 破産手続へ移行しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社は公司法の重整(重整計畫案)、個人は消費者債務清理條例の更生方案で対応する。計画案を作成し関係人会議・裁判所の認可を経る構造は日本と共通する
韓国は倒産法制を統合した「債務者回生及び破産に関する法律」で会生計画案の提出期限を定める。日本の民事再生法・会社更生法を参照した経緯があり構造が近い
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)を管財人または債務者が提出する。DIP 型の自己管理(Eigenverwaltung)を認める点で機能的に近い
米国は当初一定期間、債務者が排他的に再建計画(plan of reorganization)を提出できる。民事再生法の DIP 型再建はこの Chapter 11を強く参照した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 債権届出期間が終わり、計画案の提出期限まであと三週間。スポンサー候補との交渉はまだ詰まらず、弁済原資の数字が固まらない。ここで間に合わなければ、半年かけた再建努力がすべて破産に流れ込む。3項の伸長申立てを今すぐ準備すべきタイミングだ
- 取引先が民事再生を申し立て、あなたは数千万円の売掛金を抱える債権者になった。経営陣が出してきた再生計画案は弁済率10%。納得できないあなたは、2項を使って自分で対案を出すか、債権者集会で反対票を投じるかの分岐点に立つ
- もし、再生計画案を期限内に一切出せなかったら何が起きるのか。裁判所は手続を廃止し(191条)、会社は破産手続へ移行する。申立てで時間を稼いだだけで、何も生み出せずに終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申立てと同時に、債権届出期間の満了日から逆算した計画案提出スケジュールを引く、これが最優先2. スポンサー型なら早期にスポンサーを選定、自主再建型なら弁済原資の見通しを数字で固める3. 期限に間に合わない見込みが立った段階で、3項の伸長申立てを早めに準備、ギリギリで頼むと裁判所の心証が悪い4. 計画案は債権者の頭数と債権額それぞれの過半数の同意(172条の3)を取れる中身に設計、出すこと自体より可決される中身が本丸
訴えられた側:1. 取引先が民事再生を申し立てたら、まず債権届出期間を確認し期限内に届出を済ませる、これを逃すと議決権も配当も失う2. 相手の再生計画案を待つだけでなく、2項で自ら計画案を出せる立場かを検討3. 提示された弁済率に納得できなければ債権者集会で反対票、可決を阻止できる4. 担保権者なら別除権者として手続外で権利行使できる余地があり、無担保債権者とは戦略が全く違う
時効(請求できる期限):債権届出期間の満了後、裁判所が定める期間内(163条1項)。標準的な運用では申立てから再生計画案提出まで概ね数か月。期間は申立てまたは職権で伸長できる(同3項)が伸長は裁判所の裁量。計画案が提出されないまま見込みもなければ手続は廃止される(191条)。(最新の運用スケジュールは管轄裁判所にご確認ください)
学説
通説:163条1項の計画案提出は再生手続を迅速に進めるための中核的義務であり、提出期限の徒過は191条の手続廃止事由に直結すると解される。2項の届出債権者の提出権は、再生債務者の独走を牽制する意義を持つと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧・和議法を廃止し、DIP 型の再建手続を導入する中で、再生計画案の提出義務・提出権者・期間伸長を明文化した。
- 民事再生法 第34条債権届出期間の定め、本条1項の起算点
- 民事再生法 第164条提出された再生計画案を決議に付する決定
- 民事再生法 第172条の3再生計画案の可決要件
- 民事再生法 第174条再生計画の認可決定
- 民事再生法 第191条計画案不提出時の再生手続廃止
- 会社更生法 第184条株式会社の更生における計画案提出時期の並行特別手続(現行効力を要確認)
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