民事再生法 第164条(再生計画案の事前提出)
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- 再生債務者等は、前条第一項の規定にかかわらず、再生手続開始の申立て後債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができる。
- 2.前項の場合には、第百五十七条及び第百五十九条に規定する事項を定めないで、再生計画案を提出することができる。この場合においては、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、これらの事項について、再生計画案の条項を補充しなければならない。
この条文の基本情報
再生計画案の事前提出とは何ですか?
定義再生計画案の事前提出とは、民事再生法第164条に定められた規定で、「再生債務者等は、前条第一項の規定にかかわらず、再生手続開始の申立て後債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第164条(再生計画案の事前提出)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第164条の条文原文は「再生債務者等は、前条第一項の規定にかかわらず、再生手続開始の申立て後債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができる。」で始まります。
- 民事再生法第164条は第二節 再生計画案の提出に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第164条の前の条は民事再生法第163条です。
- 民事再生法第164条の次の条は民事再生法第165条です。
- 民事再生法第164条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第164条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第164条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/164
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法164条は、再生手続開始の申立て後・債権届出期間の満了前に再生計画案を提出できると定める。157条・159条の事項は省略して出し、後で裁判所の定める期間内に補充する。
Q · 債権額がまだ確定していないのに、民事再生の計画案を先に出せるんですか?
はい、債権届出期間の満了前でも骨組みだけ先に提出できます
民事再生法164条により、再生債務者等は再生手続開始の申立て後、債権届出期間の満了前でも再生計画案を提出できます。これは通常の提出時期(163条)の例外です。しかも157条・159条の債権確定に依存する事項は省略して提出でき、債権届出期間の満了後に裁判所の定める期間内で条項を補充すれば足ります。取引先やスポンサーが離反する前に再建の骨組みを示し、手続の主導権を握るための規定です。
解説
会社が立ち行かなくなり、民事再生を申し立てた。普通なら、再生計画案は裁判所が定めた期間が来るまで待って提出する(163条)。だが164条は、その順番を飛び越える権利をあなたに与える。債権届出期間が満了する前、つまり「誰がいくら債権を持っているか」が確定する前でも、再生計画案を先に出せる。なぜこれが武器になるのか。再生手続では、取引先や従業員、金融機関があなたの会社を見限るかどうかの綱引きが、最初の数週間で決まる。早期に「こう立て直す」という絵を示せれば、彼らはまだ取引を続ける理由を持つ。しかも、債権額が確定しないと書けない部分(157条・159条の事項)は空欄のまま出し、後で裁判所の定める期間内に補充すればいい。完成を待たず、骨組みだけ先に出して時間を買う。それがこの条文の正体だ。
法的な位置づけ
民事再生法164条は、再生計画案の事前提出を定める規定である。再生債務者等は、通常の提出時期(163条)にかかわらず、再生手続開始の申立て後・債権届出期間の満了前に再生計画案を提出でき、157条・159条の事項は省略のうえ後日補充する二段階提出が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確定できる骨組みと後補充部分を切り分ける 申立て直後から、計画の「確定できる骨組み部分」と「債権確定後でないと書けない157条・159条の事項」を切り分けて整理する。二段階提出の設計はここで決まる
- 2.離反リスクが高ければ164条1項で事前提出 取引先・金融機関・スポンサーの離反リスクが高いなら、債権届出期間の満了を待たず、164条1項で骨組みの再生計画案を先行提出する
- 3.補充スケジュールを債権認否と連動管理 債権届出期間の満了後、裁判所の定める補充期間内に157条・159条の条項を補充できるよう、債権認否の進行と連動させて期限を管理する
- 4.補充期限内に条項を補充する 確定した債権額に基づき、157条・159条の事項を裁判所の定める期間内に補充する。この補充期限を徒過すると計画案として不備となるため厳守する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法164条とは何ですか?
再生計画案を債権届出期間の満了前に提出できると定める規定です。通常の提出時期(163条)の例外で、早期に再建の骨組みを示せます。
Q2再生計画案はいつまでに提出しますか?
通常は163条により裁判所の定める期間内に提出します。164条を使えば、申立て後・債権届出期間の満了前に前倒しで提出できます。
Q3163条と164条の違いは何ですか?
163条は通常の提出時期を定め、164条はその例外として事前提出を認めます。164条は157条・159条の事項を省略して出せる点も違います。
Q4再生計画案の補充とはどういう意味ですか?
164条2項で省略した157条・159条の事項を、債権届出期間の満了後・裁判所の定める期間内に後から書き加えることです。
Q5民事再生と会社更生の違いは何ですか?
民事再生は経営者が残りやすい DIP 型で中小企業向け、会社更生は管財人主導で大企業向けです。164条は民事再生の規定です。
Q6再生計画案は誰が提出できますか?
再生債務者等(再生債務者・管財人)です。164条は再生債務者等による事前提出を認めています。
Q7再生計画案を早く出すメリットは何ですか?
取引先・金融機関・スポンサーが離反する前に再建の絵を示せる点です。手続の主導権とスピード感を確保できます。
Q8補充期間を過ぎたらどうなりますか?
裁判所の定める補充期間を徒過すると計画案として不備になります。債権認否のスケジュールと連動した期限管理が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再生計画って、全部固まってから出すのが普通じゃないんですか?なぜわざわざ早く出すんですか?
通常は裁判所が定めた期間内に提出します(163条)が、164条はその前倒しを認めています。早く出す理由は時間です。再生手続では、取引先や金融機関が離反する前に再建の絵を示せるかが勝負を分けます。実務のポイント:実務では、スポンサー型の再生で「スポンサーが付いている」という事実とセットで早期に骨組みを出すと、債権者の同意が得やすくなる。計画の中身より「誰が支援しているか」を先に見せる順番が、可決の流れを左右することがある
Q2債権額がまだ確定していないのに計画案を出して、後で数字が変わったらどうなるんですか?
もともと164条2項は、157条・159条の事項を定めずに提出し、債権届出期間の満了後に裁判所の定める期間内で補充する仕組みです。確定後の数字で補充するので、矛盾は生じません。実務のポイント:早期に骨組みを出しておくと、裁判所と債権者に「この債務者は段取りができている」という心証を与えられる。同じ内容でも、提出が遅い債務者より手続がスムーズに進みやすいという、見えない効果がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「計画案は全部完成させてから出すもの」という前提そのものが、164条を読むと崩れる。問われるのは完成度ではなく出すタイミングだ。債権確定を待つ間に、守れたはずの取引関係が一社また一社と切れていく
- 「早く出すと、後で内容を直せなくなる」と思われがちだが逆である。157条・159条の事項はもともと後で補充する前提(164条2項)。早期提出は柔軟性を失う行為ではなく、確定部分と未確定部分を切り分けて先行させる戦術だ
- 事前提出ができること自体は知っていても、その「なぜ」の深刻さを見落としている人が多い。これは単なる手続の前倒しではない。取引先・従業員・金融機関の離反を食い止める、ほぼ唯一の早期シグナルになりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 164条:事前提出の特則 | 163条:通常の提出時期 157条:計画で定める権利変更の一般的基準 |
| 提出時期 | 申立て後・債権届出期間の満了前 | 裁判所の定める期間内 (提出時期の規定ではない) |
| 内容の完全性 | 157・159条事項を省略し後日補充できる | 原則として必要事項を備えて提出 権利変更の内容そのものを規律 |
| 主眼 | 速さ(早期の再建シグナル) | 正確さ・段取り 権利変更の実体的中身 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の再建を公司法の重整手続で扱い、重整計画の提出手続を定める。日本の民事再生のような一般的な事前提出の明文までは同一でないが、早期に再建計画を示す実務ニーズは共通する。
韓国は債務者回生・破産統合法(統合倒産法)で回生手続を規律し、回生計画案の提出時期を定める。DIP 的運用を認める点で日本の民事再生と近い。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)を InsO § 218で規律し、倒産手続の申立てと同時の計画提出も認める。早期の計画提出で再建を主導する発想は日本と共通する。
米国 Chapter 11は DIP による再建計画提出を認め、申立て前に債権者と合意したプレパッケージ型計画を即時提出する実務が発達。日本164条の事前提出は、この早期提出思想の日本版にあたる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 主力取引先が「再生計画が見えないなら、来月から取引を止める」と通告してきた。債権届出期間の満了まではあと2か月。それを待っていたら取引先は逃げる。164条1項で骨組みだけの計画案を今すぐ出し、取引継続の判断材料を相手の手に渡す
- もし、債権額がまだ全部確定していない段階で計画案を出したら、不完全だと突き返されるのか。いや、157条・159条の事項は後から補充できる。確定を待つ必要はない
- あなたが再生債務者の代理人弁護士で、スポンサー候補が「早く再建計画を見たい、見えないなら投資判断できない」と言っている。164条の事前提出で、スポンサー交渉のテーブルに具体的な計画を載せられる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが再生債務者(再生を申し立てた側)なら。1. 申立て直後から、計画の「確定できる骨組み部分」と「債権確定後でないと書けない部分(157条・159条の事項)」を切り分ける2. 取引先・金融機関・スポンサーの離反リスクが高いなら、債権届出期間の満了を待たず164条1項で骨組みを先行提出3. 裁判所が定める補充期間内に、確定した債権額に基づき157条・159条の条項を補充4. 補充期限を切らさないよう、債権認否のスケジュールと連動させて管理する
訴えられた側:あなたが債権者・取引先の側なら。1. 再生債務者が早期に計画案を出してきたら、それが骨組みだけの未補充状態か、確定済みかをまず見極める2. 自分の債権の取扱い(弁済率・期間)が未補充部分に含まれるなら、補充されるまで最終判断を保留しつつ、債権届出だけは確実に行う3. 早期提出は債務者の再建意欲のシグナル、取引継続か打ち切りかの判断材料にする4. 計画内容に不満なら、後の決議・認可の段階での意見表明・不同意の機会を逃さない
時効(請求できる期限):事前提出の始期は「再生手続開始の申立て後」、終期は「債権届出期間の満了前」(164条1項)。157条・159条の事項を省略して提出した場合、補充は「債権届出期間の満了後、裁判所の定める期間内」に行わなければならない(同条2項)。この補充期間を徒過すると計画案として不備となるため、裁判所の定める期間を厳守すること(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:164条は「確定できる骨組みは先行提出し、債権確定に依存する157条・159条の事項のみ後日補充する」という二段階構造を採る規定と理解される。再建の迅速性と計画内容の正確性を両立させる手続的工夫と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定に伴い新設。旧和議法に代わる DIP 型再建手続として、再生計画案の事前提出と157条・159条事項の後日補充を認める規定を設けた。
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