受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

民事再生法 第154条(再生計画の条項)

クイックジャンプ
  1. 再生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。
  2. 一全部又は一部の再生債権者の権利の変更
  3. 二共益債権及び一般優先債権の弁済
  4. 三知れている開始後債権があるときは、その内容
  5. 2.債権者委員会が再生計画で定められた弁済期間内にその履行を確保するため監督その他の関与を行う場合において、再生債務者がその費用の全部又は一部を負担するときは、その負担に関する条項を定めなければならない。
  6. 3.第百六十六条第一項の規定による裁判所の許可があった場合には、再生計画の定めによる再生債務者の株式の取得に関する条項、株式の併合に関する条項、資本金の額の減少に関する条項又は再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更に関する条項を定めることができる。
  7. 4.第百六十六条の二第二項の規定による裁判所の許可があった場合には、再生計画において、募集株式(会社法第百九十九条第一項に規定する募集株式をいい、譲渡制限株式であるものに限る。以下この章において同じ。)を引き受ける者の募集(同法第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものを除く。以下この章において同じ。)に関する条項を定めることができる。

この条文の基本情報

再生計画の条項とは何ですか?

定義再生計画の条項とは、民事再生法第154条に定められた規定で、「再生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第154条(再生計画の条項)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第154条の条文原文は「再生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。」で始まります。
  3. 民事再生法第154条は第一節 再生計画の条項に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第154条の前の条は民事再生法第153条です。
  7. 民事再生法第154条の次の条は民事再生法第155条です。
  8. 民事再生法第154条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第154条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第154条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/154
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法154条は、再生計画に再生債権者の権利の変更、共益債権・一般優先債権の弁済、知れている開始後債権の内容を必ず定めるよう義務づける規定である。

Q · 再生計画には何を書かないといけないの?書いてもいいことは?

必須は三条項、株式関連は裁判所の許可があれば書ける

民事再生法154条1項により、再生計画には(一)全部または一部の再生債権者の権利の変更、(二)共益債権および一般優先債権の弁済、(三)知れている開始後債権があるときはその内容、の三条項を必ず定めなければなりません。2項は債権者委員会の監督費用を再生債務者が負担する場合の条項を要求します。3項・4項は、裁判所の許可(166条・166条の2)があれば、株式の取得・併合、資本金の額の減少、募集株式の募集に関する条項を任意に定めうるとしています。

解説

取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社が抱える800万円の売掛金は、回収できるのか。その答えはすべて、相手が裁判所に出す「再生計画」という一枚の設計図に書き込まれる。民事再生法154条は、その設計図に何を必ず書かねばならないかを定める。第一に、再生債権者の権利をどう変更するか、つまりあなたの債権を何割カットし、残りを何年で払うか。第二に、共益債権と一般優先債権、つまり手続費用や税金をどう弁済するか。これらは「書かなければならない」必須条項だ。さらに3項・4項は、債務者が株式の併合や新株発行、つまり債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ、借金を株に振り替える再建手法)まで計画に盛り込めると定める。あなたが債権者なら、この一条が自分の取り分の天井と床を決めている。読み飛ばせば、相手の出した数字を鵜呑みにするしかなくなる。

法的な位置づけ

民事再生法154条は、再生計画の必要的記載事項と任意的記載事項を定める規定である。1項は再生債権者の権利の変更、共益債権および一般優先債権の弁済、知れている開始後債権の内容を必要的条項とし、3項・4項は裁判所の許可を前提に株式の取得・併合、資本金の額の減少、募集株式の募集に関する条項を任意に定めうるとする。

手順

  1. 1.自社の債権区分を確定する 手元の請求書・契約書・納品日を並べ、各債権が再生債権・共益債権・一般優先債権のいずれに当たるかを区分する。154条1項は区分ごとに扱いが異なり、共益債権・一般優先債権は原則として権利変更の対象外
  2. 2.債権届出期間内に届出を行う 裁判所から届く再生手続開始決定の通知に記載された債権届出期間内に、債権の額と原因を届け出る。届出を怠ると議決権を失い、再生計画の内容に意見を反映させる機会も失う
  3. 3.再生計画案の154条1項条項を精査する 送付された再生計画案について、一号(権利の変更=弁済率と弁済期間)、二号(共益債権・一般優先債権の弁済)、三号(知れている開始後債権)の三条項が漏れなく、かつ自社の債権区分と整合的に記載されているかを確認する
  4. 4.株式関連条項の有無と条件を確認する 154条3項・4項に基づく株式の取得・併合、資本金の額の減少、募集株式の募集に関する条項があれば、誰がいくらで株式を取得するのかを読み解く。デット・エクイティ・スワップは既存債権者と新スポンサーの取り分を左右する
  5. 5.債権者集会で議決権を行使し、必要なら不服を申し立てる 弁済率や株式条項に納得できなければ、債権者集会での議決権行使と意見陳述で反対する。可決・認可後も重大な瑕疵があれば認可決定に対する即時抗告を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1再生計画の必要的記載事項とは?

民事再生法154条1項の三条項です。再生債権者の権利の変更、共益債権および一般優先債権の弁済、知れている開始後債権の内容。欠けると計画不認可のリスクがあります。

Q2共益債権と再生債権の違いは?

共益債権は手続の遂行に必要な費用等で、計画によらず随時弁済されます。再生債権は154条1項一号の権利変更の対象となり、カットや分割払いの対象になります。

Q3知れている開始後債権とは?

再生手続開始後の原因で生じた債権のうち、共益債権にも一般優先債権にも当たらないものです。存在が判明していれば154条1項三号で内容を計画に記載します。

Q4デット・エクイティ・スワップは再生計画でできる?

できます。154条4項により、166条の2第2項の裁判所の許可があれば、譲渡制限株式である募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を再生計画に定められます。

Q5再生計画で資本金を減らせる?

154条3項により、166条1項の裁判所の許可があれば、資本金の額の減少に関する条項を再生計画に定められます。株式の併合や発行可能株式総数の定款変更も同様です。

Q6債権者委員会の監督費用は誰が払う?

154条2項により、再生債務者が費用の全部または一部を負担する場合は、その負担に関する条項を再生計画に定めなければなりません。負担の有無は計画で確認できます。

Q7再生計画に必要な条項が抜けたらどうなる?

法律の規定に違反することとなり、再生計画不認可事由に当たりうるため、裁判所の認可を得られない可能性があります。提出前の条項チェックが実務上不可欠です。

Q8民事再生と会社更生の再建計画は何が違う?

民事再生の計画条項は154条、会社更生の更生計画条項は会社更生法が定めます。更生手続は担保権も計画に取り込む点で拘束範囲が広く、大規模株式会社向けです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取引先が民事再生したら、売掛金は何割くらい戻るんですか?

事案次第ですが、再生債権の弁済率は数 % から数十 % が一般的です。154条1項一号でカット率と分割期間が再生計画に明記されます。ただし共益債権・一般優先債権は別枠で原則全額弁済(同項二号)。実務のポイント:取引先の資金繰り悪化を察知したら、債権を「開始後の継続的供給分」にできれば共益債権化でき、カット対象から外れる。倒産前の取引設計が回収率を左右する

Q2再生計画って、債権者は反対できないんですか?

できます。再生計画案は債権者集会の決議で可決が必要で、議決権者の過半数かつ議決権総額の2分の1以上の同意が要件です(民事再生法172条の3)。あなたが大口債権者なら否決のキャスティングボートを握ることもある。実務のポイント:可決後でも、計画に重大な瑕疵があれば認可決定への即時抗告で争える。ただし時間との勝負なので、計画案が届いた段階で弁護士に弁済率の妥当性を見てもらうのが先手

Q3借金を株にするって、デット・エクイティ・スワップですか?それって債権者に得なんですか?

154条4項の募集株式引受けにより、債権者が債権の代わりに再生債務者の株式を取得する手法です。会社が再建して株価が上がれば現金回収より得になることもありますが、再建失敗なら株は紙くず。実務のポイント:スポンサーが付く再生では、既存債権者より新スポンサーが有利な条件で株を取得することが多い。あなたが債権者なら、誰がいくらで株を取るかの条件を計画案で必ず確認する

間違えやすい点 AI による整理

  • 「民事再生になったら売掛金は全額パー」と思う人が多いが、154条1項二号により共益債権・一般優先債権は原則として全額弁済される。あなたの債権がどの区分に入るかで、回収率はゼロから100% まで分かれる
  • 再生計画で債権がカットされること自体は知っていても、そのカット率に自分で異議を述べ、議決権を行使できることまで知る債権者は少ない。再生計画案は債権者集会の決議事項であり、ただ通知を待つだけの書類ではない
  • 債権者から見れば154条は「どれだけ取り戻せるか」の条文だが、債務者から見れば「どこまで借金を消し、誰に経営権を渡すか」の条文。同じ一条が、立つ位置によって攻めの道具にも守りの盾にもなる。この落差を知らない側が、交渉のテーブルで主導権を失う
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象154条:再生計画に定める条項(必要的・任意的)155条:再生計画による権利の変更の内容そのもの
119条・122条:共益債権・一般優先債権の範囲
拘束力の性質記載義務。三条項を欠くと計画の適法性を欠く内容規制。債権者間の平等や弁済期間の上限を規律
定義規定。どの債権が権利変更の対象外かを決める
株式・資本との関係3項・4項で株式の取得・併合、減資、募集株式の条項を任意に記載可権利変更の内容として債権のカット率と分割を規律
対象外(債権の性質決定のみ)
前提となる手続3項は166条、4項は166条の2の裁判所の許可が前提債権者集会の決議(172条の3)と認可(174条)
債権届出・認否手続における区分判断

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第304条(重整計畫應訂明事項)

台湾は会社の再建を公司法上の「重整」手続で処理し、304条が重整計画の記載事項を列挙する。日本のように独立した再建型倒産法を持たない点が構造的な差

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제193조

韓国は2005年の統合倒産法で回生計画の記載事項を規定。会社更生型と民事再生型を一本化しており、日本の二本立てとは設計が異なる

ドイツ
InsO §§ 217, 221

ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)を清算・再建の双方に使える柔軟な器とし、gestaltender Teil に権利変更の内容を記載する。日本の民事再生・会社更生の分化に対応する概念が単一化されている

アメリカ
11 U.S.C. § 1123(Contents of plan)

米国 Chapter 11は plan の mandatory contents と permissive contents を条文上明確に区別する。日本の154条1項(必要的)と3項・4項(任意的)の構造は、この二分法と発想を共有する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 下請けとして納品し続けた取引先が民事再生を申し立てた。あなたの800万円の売掛金は再生債権として権利変更の対象になる。154条1項一号に基づき再生計画に「8割カット、残り2割を5年分割」と書かれていれば、それがあなたの回収額の上限になる。計画案に意見を述べられる期間を逃すと、その数字が確定する
  • もし、あなたの会社が資金繰りに行き詰まり、民事再生で立て直しを図るとしたら? 再生計画に何を書けるかが生死を分ける。154条3項を使えばスポンサーへの新株発行で資本を入れ替え、4項のデット・エクイティ・スワップで借金を株式に変えられる。書ける手札を知らない経営者は、再建の選択肢を自ら狭めている
  • 税金の滞納がある状態で取引先が民事再生。あなたが気にする租税債権は一般優先債権として扱われ、154条1項二号で「弁済」の条項が必要になる。優先債権は原則カットされにくい、ここを理解しているかで身の振り方が変わる
  • 債権者委員会の一員として再生計画の履行を監視する立場になった。154条2項は、その監督費用を再生債務者に負担させる条項を計画に入れられると定める。多くの債権者はこの仕組みを知らず、監視コストを自腹で負っている

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず自社の債権が再生債権・共益債権・一般優先債権のどれに当たるかを区分する、154条1項は区分ごとに扱いが違う2. 裁判所から届く再生計画案で、自分の債権の弁済率と弁済期間を確認3. 不当に低いと感じたら、債権者集会での議決権行使と意見陳述で異議を出す4. 計画認可後の取り分に納得できなければ、認可決定への即時抗告(174条以下)も検討する

訴えられた側:1. 再生計画には154条1項の必須三条項(権利変更・優先債権の弁済・知れている開始後債権)を漏れなく盛り込む、欠ければ計画不認可のリスク2. スポンサー型再建なら3項・4項の許可(166条・166条の2)を得て新株発行・株式化の条項を組む3. 弁済率は債権者の納得と事業継続可能性の両立点を探る、高すぎれば履行不能、低すぎれば否決4. 監督委員と早期にすり合わせ、可決可能性を高める

時効(請求できる期限):再生計画案の提出には裁判所が定める期間がある(民事再生法163条1項、債権届出期間満了後の所定の期間)。再生手続開始から認可まで標準的には半年程度。期間内に計画案を提出できないと手続が廃止され、破産へ移行しうる(最新の運用状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定に伴い新設。旧和議法に代わる再建型倒産手続として、再生計画に必ず定めるべき条項を明文化した

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 再生計画の条項

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›