民事再生法 第167条(再生計画案の修正)
クイックジャンプ
再生計画案の提出者は、裁判所の許可を得て、再生計画案を修正することができる。ただし、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、この限りでない。
この条文の基本情報
再生計画案の修正とは何ですか?
定義再生計画案の修正とは、民事再生法第167条に定められた規定で、「再生計画案の提出者は、裁判所の許可を得て、再生計画案を修正することができる。ただし、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第167条(再生計画案の修正)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第167条の条文原文は「再生計画案の提出者は、裁判所の許可を得て、再生計画案を修正することができる。ただし、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、この限りでない。」で始まります。
- 民事再生法第167条は第二節 再生計画案の提出に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第167条の前の条は民事再生法第166条の2です。
- 民事再生法第167条の次の条は民事再生法第168条です。
- 民事再生法第167条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第167条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第167条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/167
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法167条は、再生計画案の提出者が裁判所の許可を得て計画案を修正できると定める。ただし決議に付する旨の決定後は修正できない。
Q · 再生計画案を出した後でも、弁済率などの条件を書き直せますか?
決議に付する決定の前なら裁判所の許可を得て修正できます
民事再生法167条により、再生計画案の提出者は裁判所の許可を得て計画案を修正できます。ただし修正できるのは、その計画案を決議に付する旨の決定(169条)がされる時までです。決定後は一切の修正ができなくなるため、債権者の不満を吸い上げて弁済条件を手直しできるのは、投票にかける決定が下りるまでの限られた窓に限られます。この窓を逃すと、不満を抱えたままの案で採決に臨むことになります。
解説
あなたの会社が民事再生を申し立て、再生計画案を裁判所に提出した。ところが債権者の何社かが「この弁済率では納得できない」と難色を示している。ここで多くの経営者が見落とすのが、計画案を書き直せる窓には期限があるという事実だ。民事再生法167条は、再生計画案の提出者が裁判所の許可を得て計画案を修正できると定める。ただし、その計画案を決議に付する旨の決定(裁判所が「この案を債権者の投票にかけます」と決めること、169条)がされた後は、もう修正の道は閉じる。つまり、債権者の不満を吸い上げて弁済条件を手直しできるのは、投票にかける決定が下りるまでの限られた窓だけだ。この窓を逃せば、不満を抱えたままの案で採決に臨むことになり、否決されれば再生手続そのものが廃止に追い込まれる。修正のタイミングを握れるかどうかが、会社が生き残るか清算へ転落するかの分かれ目になる。
法的な位置づけ
民事再生法167条は再生計画案の修正に関する規定であり、再生計画案の提出者が裁判所の許可を得て、提出済みの計画案を修正できる旨を定める。ただし、その修正が可能なのは再生計画案を決議に付する旨の決定がされる時までであり、当該決定の後は一切の修正が認められない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決議に付する決定の予定時期を裁判所に確認する 計画案提出後、まず「決議に付する旨の決定」がいつ下りる見込みかを裁判所へ確認する。この決定が修正の窓を閉じる終期なので、そこから逆算して交渉カレンダーを組む
- 2.主要債権者の感触を探り不足票を把握する 決議に付する決定の前に、主要債権者へ弁済条件への感触をヒアリングし、可決に必要な議決権額に対して何が不足しているかを早期に把握する
- 3.有利方向の修正案を固める 不足が見えたら、弁済率の引き上げ・弁済期の前倒しなど債権者に有利な方向で修正案を固める。不利益変更は許可のハードルが高いため慎重に組む
- 4.裁判所へ修正許可を申し立てる 決議に付する決定が下りる前に、裁判所へ再生計画案の修正許可を申し立てる。合意の熱があるうちに正式な計画案へ落とし込むと、決議で可決される確度が高まる
よくある質問 AI による整理
Q1再生計画案はいつまで修正できますか?
再生計画案を決議に付する旨の決定(169条)がされる時までです。決定後は民事再生法167条ただし書により一切修正できなくなります。
Q2再生計画案を修正するのに裁判所の許可は必要ですか?
必要です。民事再生法167条は「裁判所の許可を得て」修正できると定めており、提出者が単独で自由に書き換えることはできません。
Q3再生計画案を修正すると債権者の同意を取り直しますか?
一から取り直す必要はありません。167条の修正は提出済みの計画案を手直しする手続で、新規の提出ではないため、既存手続の枠内で進みます。
Q4弁済率を下げる修正は認められますか?
認められにくいです。債権者を不当に害する不利益変更は裁判所の許可が下りにくく、弁済率を上げるなど有利な方向の修正の方が通りやすい傾向があります。
Q5決議に付する決定の後に条件を変えたい場合はどうしますか?
167条の修正はできません。認可前なら不認可を求める(174条)、認可後なら再生計画の変更(187条)を検討する方向に戦略を切り替えます。
Q6個人再生でも計画案を修正できますか?
できます。個人再生(住宅資金特別条項を含む)も民事再生法の手続なので167条が及び、決議前なら収入見込みの変化に応じて弁済額を調整できます。
Q7債権者は計画案の修正を求められますか?
直接の修正権はありませんが、決議に付する決定の前に提出者や裁判所へ要望を出せば、167条の修正として条件に反映される余地があります。
Q8民事再生法167条の修正と187条の変更はどう違いますか?
167条は認可前・決議前の計画『案』の手直し、187条は認可後に確定した再生計画そのものの変更です。適用場面と要件が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1計画案を修正したら、また一から債権者の同意を取り直すんですか?
一から取り直す必要はありません。167条の修正は、すでに提出した計画案を裁判所の許可を得て手直しする手続で、新規の提出ではないからです。ただし修正できるのは決議に付する決定の前まで(169条)。実務のポイント:実務では、可決に向けた「歩み寄り修正」が水面下で進みます。主要債権者と事前に弁済条件をすり合わせ、その合意を167条の修正として正式に反映する。表の手続より、裏の根回しが先に動いている
Q2裁判所はどんな修正でも許可してくれるんですか?
どんな修正でも通るわけではありません。裁判所は、修正が再生手続の公正を害さないか、債権者を不当に害さないかを審査します。決議直前の大幅な不利益変更は許可されにくい。実務のポイント:弁済率を下げる修正は債権者の反発を招くため許可のハードルが高く、逆に弁済率を上げる、弁済期を早めるなど債権者に有利な修正は通りやすい。修正の方向で許可の見込みが大きく変わるので、申立て前に方向性を見極めるのが代理人の腕の見せどころ
間違えやすい点 AI による整理
- 「計画案は一度出したら投票まで固定」と思い込み、提出時に完璧を期そうとする人がいるが、問いの立て方が逆だ。167条があるから、提出後も決議前なら修正できる。完璧を狙って提出を遅らせるより、まず出して債権者の反応を見てから修正する方が、実務では交渉の主導権を握れる
- 修正できること自体は知っていても、その締切が「決議に付する決定」という見えにくいタイミングだと気付いていない人が多い。この決定は債権者集会の招集等とほぼ連動して下りることがあり、意識していないと、気付いたときには修正の窓がすでに閉じている。締切の重さを甘く見ると、最後の調整機会を失う
- 「裁判所の許可があれば自由に修正できる」と思われがちだが、許可は無制限ではない。債権者を不当に不利にする修正や、再生計画の同一性を失わせるほどの大幅な変更は許可されない。許可制は形式ではなく、実質的な歯止めとして機能している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 167条:提出済みの再生計画『案』の修正 | 163条:修正の対象となる計画案の提出 187条:認可後に確定した再生計画の変更 |
| 時期 | 決議に付する旨の決定(169条)がされる時まで | 裁判所の定める期間内に提出 再生計画認可後、再生手続終結前 |
| 要件 | 裁判所の許可(債権者に不当な不利益を与えない範囲) | 提出権者による適法な計画案の提出 やむを得ない事由による変更+所定の手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個人向けの更生(消費者債務清理條例)と会社の重整(公司法)で再建手続が分かれる。日本の民事再生が両者を包括する点と構造が異なるが、計画案を認可前に調整する発想は共通する。
韓国は2005年に統合倒産法(DRBA)を制定し、日本の民事再生法・会社更生法に相当する回生手続を一本化。회생계획안の修正も認可前の枠内で行われる。
ドイツ倒産法は倒産計画(Insolvenzplan)の変更を § 240で規律。決議・認可前の計画修正を許す点で日本の167条と機能的に対応する。
米国チャプター11では、計画の確認(confirmation)前は提案者が計画を修正でき、確認後も一定要件下で修正可能。DIP 型再建の柔軟性は民事再生法の母法的発想の一つ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 債権者集会の数日前、主要債権者から「弁済率を上げないと反対する」と通告が来たら、どうする? 決議に付する決定がまだなら、167条で計画案を修正して反対を切り崩せる。だが決定後なら、もう条件は一ミリも動かせない。あと何日でその決定が下りるか、それがあなたの交渉カレンダーを支配する
- あなたが再生債務者の代理人弁護士で、計画案提出後に新たな別除権者が現れ、担保評価が狂った。計画の弁済原資が足りなくなる。決議前なら裁判所の許可を得て計画案を修正し、数字を作り直せる。この修正許可の申立てを怠れば、実現不能な計画のまま採決へ進み、認可後に頓挫して再び窮地に立つ
- 取引先が民事再生に入り、あなたは債権者。届いた計画案の弁済率に不満がある。交渉の余地は「決議に付する決定」の前だけだ。それを過ぎたら、あなたにできるのは賛成か反対の投票だけになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受け取った再生計画案の弁済率・弁済期に不満があれば、決議に付する決定が下りる前に動く、これが絶対の前提2. 提出者(再生債務者等)へ弁済条件の改善を求める要望書を出し、裁判所にも写しを送る3. 同調する他の債権者と連携し、否決の現実味を示して交渉力を高める、議決権の額が交渉の重みになる4. 決定後は修正の道が閉じるので、それ以降は反対票と、要件を満たせば再生計画不認可(174条)を求める方向へ戦略を切り替える
訴えられた側:1. 計画案提出後は主要債権者の感触を継続的に探り、可決に足りない票を早期に把握する2. 不足が見えたら、決議に付する決定の前に弁済条件を上方修正する案を固め、裁判所へ修正許可を申し立てる3. 修正は債権者に有利な方向ほど許可が通りやすく、不利益変更は慎重に組む4. 決定が下りる時期を裁判所と事前に確認し、修正の窓を自分で管理する、ここを逃すと採決まで条件が固定される
時効(請求できる期限):再生計画案の修正は、再生計画案を決議に付する旨の決定(169条)がされる時まで。この決定の後は一切修正できない。決定の時期は債権者集会の招集等と連動するため、提出後は決定時期を裁判所に確認して逆算管理する必要がある(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:167条による再生計画案の修正は、書面提出済みの計画案を柔軟に手直しできる制度であるが、裁判所の許可を要件とすることで手続の公正と債権者保護を担保する。修正の終期を決議付議決定に置くのは、債権者が何に投票するのかを確定させ、決議手続の安定を図る趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(平成11年法律第225号)により新設。旧和議法に代わる再建型倒産手続として、再生計画案の柔軟な修正を認める規定として設けられた。
- 民事再生法 第163条修正の対象となる再生計画案の提出規定
- 民事再生法 第169条修正可能期間の終期を画する決議付議の決定(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第174条修正後の計画案が辿る認可・不認可の決定(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第185条更生手続における更生計画案の修正に対応する規定(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める