要点民事再生法166条の2は、債務超過の株式会社が再生計画で募集株式を発行する場合、株主総会決議に代えて裁判所の許可で足りると定める。既存株主の同意は不要となる。
Q · 民事再生に入った会社は、株主の同意なしに新株を発行できるの?
株主総会は不要で、裁判所の許可があれば発行できます
民事再生法166条の2により、債務超過の株式会社は再生計画で募集株式を発行する条項を定めることができ、会社法199条・309条が本来求める株主総会の特別決議に代えて、裁判所の許可があれば足ります。この計画案を提出できるのは再生債務者だけです(1項)。裁判所が許可するのは、財産で債務を完済できず、かつその増資が事業の継続に欠くことのできないものと認める場合に限られます(3項)。既存株主の同意は不要となり、拒否権は実質的に失効します。
自社株の 60% を握っていれば、会社のことは自分の同意なしには何も決まらない。多くの創業者がそう信じている。だが債務超過という一線を越え、会社が民事再生に入った瞬間、その前提は崩れる。民事再生法 166条の2 は、債務超過の株式会社が新しい出資者を募って株式を発行する条項を再生計画に盛り込むことを認める。しかもその計画案を出せるのは再生債務者だけ(1項)、必要なのは株主総会の特別決議ではなく裁判所の許可(2項)。会社法 199条なら絶対に必要だった既存株主の同意が、ここでは丸ごと外れる。裁判所が許可するのは、財産で債務を完済できない状態にあり、かつその増資が事業の継続に欠かせないと認めるときに限られる(3項)。つまり、あなたの株主としての拒否権は、会社が沈み始めた瞬間に静かに失効する。
民事再生法166条の2は、債務超過にある株式会社が再生手続において募集株式を発行するための特則を定める規定である。会社法199条が要求する株主総会決議に代えて裁判所の許可を要件とし、当該条項を含む再生計画案は再生債務者のみが提出できる。裁判所の許可は、財産で債務を完済できず、かつ増資が事業継続に不可欠と認められる場合に限られる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
債務超過の会社が再生計画で募集株式を発行する際、株主総会決議ではなく裁判所の許可で足りると定める特則です。会社法199条の原則を倒産局面で修正します。
既存株主の同意なく新株が発行されるため持株比率が希薄化します。債務超過では株主は経済的価値を実質的に失っており、拒否権も裁判所の許可に置き換わります。
使えます。債権者が債権を出資に振り替えて株主になる手法の器が本条の募集株式の枠組みです。裁判所の許可を得て再生計画に組み込みます。
会社更生法では株主の権利がほぼ完全に整理対象となります。民事再生は裁判所の許可という歯止めを残す点で中間的な位置づけです。
不要です。166条の2が会社法199条・309条の株主総会決議要件を排除し、裁判所の許可(2項)に置き換えています。
株主総会での反対はできません。争う土俵は裁判所の許可審査で、3項の債務超過要件や事業継続への不可欠性を否定できるかが鍵です。
財産評定により資産と負債を評価し、財産で債務を完済できない状態かを認定します。この結果が固まる前が株主の実質的な争いどころです。
外部の出資者(スポンサー)が再生計画で募集株式を引き受け、資本を注入して事業を再建する手法です。本条がその法的枠組みを支えます。
経済的にはほぼ無価値ですが、形式的な株主の地位は残ります。ただし民事再生で募集株式を発行する場面では、166条の2 により株主総会決議が不要となり、あなたの議決権は意思決定に反映されません。業界裏話ヒント:実務は「株主は出資の限りで既に価値を失っている」という前提で動くからこそ同意を外せます。逆に言えば、わずかでも純資産がプラスなら 3項の債務超過要件が崩れる余地があり、ここを争える株主は少なくない
株主としての拒否権では止められません。166条の2 が株主総会決議を不要にしているからです。止める道があるとすれば、3項の許可要件、つまり「債務超過」か「事業継続への不可欠性」を裁判所の段階で否定することです。業界裏話ヒント:弁護士は希薄化を止めるより「どの段階で動けば間に合うか」をまず見ます。財産評定が固まる前か後かで打てる手が全く違い、相談が一か月遅れると許可が出て万事休すになるケースが多い
債務超過の会社では既存株主は出資分の価値を実質的に失っており、残余財産への取り分がゼロだからです。取り分のない者に拒否権を与えると再生そのものが止まる。だから 166条の2 は株主の同意を裁判所の許可に置き換えました。業界裏話ヒント:会社更生法(より強力な手続)ではこの傾向がさらに徹底され、株主の権利はほぼ完全に整理対象になります。民事再生はその中間で、裁判所の許可という歯止めを残しているのが特徴です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 同意・決定機関 | 166条の2:株主総会不要、裁判所の許可(2項) | — |
| 適用の前提 | 債務超過 + 増資が事業継続に不可欠(3項) | — |
| 提出・提案権者 | 再生債務者のみが計画案を提出できる(1項) | — |
| 既存株主の拒否権 | 実質的に失効(議決権が反映されない) | — |
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