民事再生法 第183条(再生計画により再生債務者の株式の取得等がされた場合の取扱い)
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- 第百五十四条第三項の規定により再生計画において再生債務者の株式の取得に関する条項を定めたときは、再生債務者は、第百六十一条第一項第二号の日に、認可された再生計画の定めによって、同項第一号の株式を取得する。
- 2.第百五十四条第三項の規定により再生計画において株式の併合に関する条項を定めたときは、認可された再生計画の定めによって、株式の併合をすることができる。この場合においては、会社法第百十六条、第百十七条、第百八十二条の四及び第百八十二条の五の規定は、適用しない。
- 3.前項の場合には、会社法第二百三十五条第二項において準用する同法第二百三十四条第二項の許可の申立てに係る事件は、再生裁判所が管轄する。
- 4.第百五十四条第三項の規定により再生計画において資本金の額の減少に関する条項を定めたときは、認可された再生計画の定めによって、資本金の額の減少をすることができる。この場合においては、会社法第四百四十九条及び第七百四十条の規定は、適用しない。
- 5.前項の場合には、会社法第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号の規定にかかわらず、資本金の額の減少について、その無効の訴えを提起することができない。
- 6.第百五十四条第三項の規定により再生計画において再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更に関する条項を定めたときは、定款は、再生計画認可の決定が確定した時に再生計画の定めによって変更される。
- 7.第二項、第四項又は前項の規定により、認可された再生計画の定めによる株式の併合、資本金の額の減少又は定款の変更があった場合には、当該事項に係る登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本又は抄本を添付しなければならない。
この条文の基本情報
再生計画により再生債務者の株式の取得等がされた場合の取扱いとは何ですか?
定義再生計画により再生債務者の株式の取得等がされた場合の取扱いとは、民事再生法第183条に定められた規定で、「第百五十四条第三項の規定により再生計画において再生債務者の株式の取得に関する条項を定めたときは、再生債務者は、第百六十一条第一項第二号の日に、認可された再生計画…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第183条(再生計画により再生債務者の株式の取得等がされた場合の取扱い)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第183条の条文原文は「第百五十四条第三項の規定により再生計画において再生債務者の株式の取得に関する条項を定めたときは、再生債務者は、第百六十一条第一項第二号の日に、認可された再生計画…」で始まります。
- 民事再生法第183条は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第183条の前の条は民事再生法第182条です。
- 民事再生法第183条の次の条は民事再生法第183条の2です。
- 民事再生法第183条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第183条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第183条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/183
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法183条は、再生計画に定めた株式の取得・併合・資本金減少が認可計画の定めのみで効力を生じ、会社法の買取請求や減資無効の訴えを適用除外すると定める。
Q · 投資先が民事再生になったら、持っている株はどうなるの?
再生計画次第で会社に取得・消却され、紙くずになり得ます
投資先が民事再生手続に入り、再生計画に株式の取得・併合・資本金の額の減少の条項が定められると、あなたの株は認可された計画の定めによって会社に取得され、最終的に消滅し得ます(183条1項)。前提は会社が債務超過であること(154条3項)で、株主の経済的取り分は法的にゼロという扱いです。会社法が平時に与える反対株主の買取請求や減資無効の訴えは適用除外され(183条2項・5項)、争える局面は再生計画認可決定への即時抗告に集中します。
解説
証券口座の片隅に塩漬けにしている株があるとする。その発行会社が、ある朝『民事再生手続開始』を発表する。多くの個人投資家は『再建すれば株価は戻るかもしれない』と持ち続ける。だがこの183条を読むと、その期待が砂上の楼閣だと分かる。再生計画に株式の取得や株式の併合、資本金の額の減少を盛り込めば、認可された計画の定めだけで、あなたの株は会社に吸い上げられ、併合で端株にされ、最後は100% 減資で消える。しかも会社法が平時の株主に与える盾、反対株主の買取請求も、減資への債権者異議手続も、無効の訴えも、すべて適用除外される。理由は冷酷だ。154条3項はこの株式条項を債務超過の会社にしか認めない。負債が資産を上回る以上、株主の取り分は法的にもう存在しない、だから守る盾も外される。
法的な位置づけ
民事再生法183条は、再生計画に基づく株式の取得・株式の併合・資本金の額の減少について定める特則である。これらは認可された再生計画の定めによって効力を生じ、会社法所定の反対株主の株式買取請求、債権者異議手続、減資無効の訴えの適用が除外される。適用の前提は再生債務者が債務超過であること(154条3項)にある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生計画案の株式条項を真っ先に確認 保有先が民事再生に入ったら、売却益や塩漬けの判断を急がず、再生計画案の『株式の取得・株式の併合・資本金の額の減少』条項の有無を最初に確認する。条項があれば、その株は認可で価値を失う前提
- 2.株主への意見聴取・通知の期限を死守し意見を述べる 株式条項がある場合、株主への意見聴取や通知の期限を確認し、計画案に対する意見を期限内に書面で表明する。条項そのものを止める術は限られるが、手続上の権利は確実に行使する
- 3.認可決定の確定前に即時抗告を検討 手続に重大な瑕疵があると考えるなら、認可決定の確定前に即時抗告を検討する(民事再生法175条、現行効力を要確認)。定款変更や株式取得の効力は認可確定で発生し、確定後では手遅れになる
- 4.株式の価値喪失による損失計上を税理士に確認 株式が取得・消却され価値ゼロが確定したら、損失計上の時期と方法を税理士に確認する。市場での売却損とは別ルートの『価値喪失』として扱われ得るため、申告のタイミングを誤らない
よくある質問 AI による整理
Q1100%減資とは何ですか?
発行済み株式の価値を全額消滅させ、既存株主の持分をゼロにする資本政策です。債務超過の再生会社でスポンサー出資と組み合わせ、既存株主を一掃して新資本を入れる手法として使われます。
Q2民事再生と会社更生で株主の扱いはどう違いますか?
どちらも再建型ですが、会社更生は管財人主導で株主権の縮減がより徹底します。民事再生は原則として経営者が残り、株式条項は債務超過の場合に154条3項を根拠として計画に盛り込みます。
Q3再生計画案に株主は反対できますか?
株主には意見を述べる機会はありますが、再生計画の決議権は原則として再生債権者にあります。債務超過下では株主の組による決議は予定されず、実効的な対抗手段は認可決定への即時抗告に限られます。
Q4民事再生で株式が消滅したら損失はいつ計上できますか?
計画で株式が取得・消却され価値ゼロが確定したタイミングが基準になります。市場での売却損とは計上ルートが異なるため、確定申告の時期と方法は税理士に確認してください(最新の税務取扱いを要確認)。
Q5スポンサーが既存株主を一掃する仕組みは?
債務超過を前提に再生計画へ株式取得・株式併合・100%減資・授権株式数の定款変更を組み込み、認可決定の効力だけで既存株主を排除します。会社法の特別決議や債権者異議手続を経ずに完了できます。
Q6民事再生の開始後も株は売れますか?
上場廃止前であれば市場で売却できる場合がありますが、再生計画に株式取得条項が入る見込みなら価値はほぼ消えます。売却益や塩漬けの判断より、計画の株式条項の有無を先に確認すべきです。
Q7株式併合で端株になったらどうなりますか?
1株未満の端株は会社が裁判所の許可を得て売却し、株主には代金が交付されます。再生中はこの売却許可の申立てを再生裁判所が管轄します(183条3項)。
Q8再生計画の認可決定に不服があるときは?
認可決定に対しては即時抗告が可能です(民事再生法175条、現行効力を要確認)。定款変更は認可決定の確定時に効力を生じるため(183条6項)、確定前の局面が実質的な勝負どころです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持っている株の会社が民事再生になりました。株はどうなりますか?
再生計画に株式の取得や100% 減資の条項が入れば、あなたの株は会社に取得され、最終的に消滅します。会社が債務超過(負債が資産を上回る)であることが条項を入れる前提(民事再生法154条3項)なので、株主の経済的取り分は法的に既にゼロという扱いです。実務のポイント:再生開始=即無価値ではなく、計画が認可されるまでは形式上株主のまま。だが反対株主の買取請求(会社法116条)はこの場面では使えないので(本条2項)、『買い取らせる』戦略は通用しません。期待で持ち続けるより、損失確定のタイミングを税理士と詰める方が実利的
Q2減資に反対だったら、無効だと訴えられないんですか?
平時の違法な資本金減少なら、効力発生日から6か月以内に無効の訴えを起こせます(会社法828条1項5号)。しかし再生計画による減資は、本条5項でその無効の訴えが明文で封じられています。裁判所が監督する再生手続が、平時の株主保護手続の代わりを果たすという建て付けです。実務のポイント:争う土俵は『減資の無効訴訟』ではなく『再生計画認可決定への即時抗告』です。入口の手続を間違えると、そもそも受け付けてもらえない。倒産事件に強い弁護士は、最初からこの一点に照準を合わせます
Q3再生会社の減資・株式併合の登記、普通の会社と何が違いますか?
通常の減資登記には債権者保護手続(会社法449条の公告・催告)の証明書類が要りますが、再生計画による場合はその手続自体が適用除外(本条4項)。代わりに再生計画認可の裁判書の謄本または抄本を添付します(本条7項)。実務のポイント:見落としやすいのが、株式併合で生じる端株の売却許可の管轄です。通常は会社の本店所在地を基準としますが、再生中は再生裁判所が管轄する(本条3項)。申立先を間違えると手続が止まります
間違えやすい点 AI による整理
- 『株を持っていれば、会社が再建したとき優先的に株主に戻れる』と思う人がいる。実は逆。債務超過の再生では、株主は最も後ろに並ぶ。債権者すら満額に満たない弁済で泣いている以上、その後ろの株主の取り分はゼロが原則。再建の果実は新しいスポンサーと再編後の株主が得る
- 『減資されても、いつか株価は戻る』と知っている人でも、183条の減資が『無効の訴えすら封じられた減資』だという深刻さまでは知らない。平時の違法な減資なら6か月以内に無効の訴えを起こせるが(会社法828条)、再生計画による減資にはその道が法律上ふさがれている(本条5項)
- 『どうすれば自分の株を守れるか』と問う株主は多い。だがその問い自体がずれている。債務超過下では守るべき経済的価値が既にない、というのが法の前提。問うべきは『株を守る方法』ではなく『再生計画案に意見を述べ、認可に即時抗告する手続を、いつまでに踏むか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の位置づけ | 183条:株式取得・併合・減資の効力と適用除外を定める特則 | 民再154条3項:株式条項を計画に定める根拠・要件(債務超過) 会社法449条:平時の資本金減少における債権者異議手続 |
| 株主・債権者の保護手続 | 買取請求・債権者異議・減資無効の訴えを適用除外(2項・4項・5項) | 債務超過を要件とし、株主の残余権ゼロを前提に条項を許容 公告・催告による債権者異議手続が必須 |
| 効力発生のしくみ | 認可計画の定めのみで効力発生、定款変更は認可確定時(6項) | 株式取得は161条1項2号の日に効力発生 所定の手続完了後に効力発生、登記が必要 |
| 争える手段 | 減資無効の訴えは不可(5項)、争点は認可決定への即時抗告 | 計画案への意見表明・認可への即時抗告 効力発生日から6か月以内に無効の訴え(会社法828条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社重整では重整計画に減資・株式併合・増資等を記載でき、裁判所の認可で効力を生じる点が日本と類似する。再建型手続で既存株主の持分を調整する基本構造を共有する。
韓国の回生手続でも回生計画により減資・出資転換が可能で、債務超過下の株主権の縮減を認める。会社法の個別株主保護より倒産法の枠組みを優先する点が共通する。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で持分権者の権利に介入でき、デットエクイティスワップや資本減少を計画に組み込める。会社法上の株主権を倒産手続で修正する発想が近い。
米国 Chapter 11の再建計画は既存株式の消却・修正を内容にでき、絶対優先原則の下で債務超過なら株主が無配となるのが原則。日本の183条と同じく株主を再建の原資とする構造を持つ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保有していた未上場ベンチャー株。突然『民事再生開始』の通知が届く。あなたは『計画が認可されたら株主に戻れるのか』と問う。だが計画に株式取得の条項があれば、161条1項2号の日にあなたの株は会社に取得され、その後の100% 減資で消える。株主として対抗できる手段は、ほとんど残っていない
- スポンサー企業として再生会社を引き受ける側に立つ。既存株主を一掃し、新株を引き受けて経営権を握りたい。183条の株式取得と資本金減少を計画に組み込めば、会社法が要求する株主総会特別決議も債権者保護手続も経ずに、認可決定の効力だけで100% 減資が完成する。再建型 M&A の現場で、この条文が時間を買う
- 持株が株式併合で端株になった。買取請求しようとしたら、会社法116条も182条の4も適用除外。端株は会社が裁判所の許可を得て売却し、あなたの手元には代金だけが振り込まれる
- 再生計画案が郵送されてきた。株式取得の条項が入っている。意見聴取と決議集会まであと数日。あなたが株主として実効的に動けるのは、計画案への意見表明と、認可決定への即時抗告くらい。条項そのものを止める術は限られ、時間も尽きかけている
- 再生会社の資本金減少と株式併合の登記を任された司法書士。会社法449条の債権者保護手続の証明書は不要、代わりに再生計画認可の裁判書の謄本を添付する。平時の減資登記とは添付書類が根本から違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保有先が民事再生に入ったら、売却益や塩漬けの判断を急がず、まず再生計画案の『株式の取得・併合・資本金の額の減少』条項の有無を確認2. 条項があれば、あなたの株は認可で価値を失う前提。株主への意見聴取や通知の期限を死守し、意見を述べる3. 手続に重大な瑕疵があると考えるなら、認可決定の確定前に即時抗告を検討(民事再生法175条、現行効力を要確認) 4. 株式の価値喪失による損失計上の時期と方法を税理士に確認する
訴えられた側:1. 既存株主の一掃と新資本導入を狙うなら、154条3項の要件(債務超過)を満たすことを前提に、再生計画へ株式取得・併合・減資・授権株式数の定款変更条項を設計2. 会社法の株主総会特別決議・債権者異議手続・買取請求は適用除外(本条2項・4項)、その分スケジュールを短縮できる3. 株式併合で端株が出る場合、売却許可の申立先が再生裁判所になる点に留意(本条3項) 4. 認可決定の確定後、登記申請書に認可の裁判書の謄本または抄本を添付する(本条7項)
時効(請求できる期限):株式取得は再生計画で定める日(民事再生法161条1項2号の日)に効力発生。定款変更は再生計画認可の決定が確定した時(本条6項)。株主が争うなら、認可決定に対する即時抗告の期間(公告が効力を生じた日から起算する法定期間、現行の規定をご確認ください)が実質的な勝負どころとなる
学説
通説:183条の株式取得・併合・減資は、154条3項の債務超過要件を満たす限り、会社法の株主保護手続を適用除外しても株主の財産権を侵害しないと解される。債務超過下では株主の残余持分に経済的価値がなく、裁判所が監督し即時抗告も可能な再生手続全体が、平時の個別的防御権に代わる手続保障として機能するためである。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)として制定。旧和議法に代わる再建型倒産手続を整備し、再生計画による権利変更の枠組みの中に株式取得等の特則を置いた。
- 民事再生法 第154条再生計画に株式取得等の条項を定める根拠規定
- 民事再生法 第161条権利変更の効力発生時期と対象株式の特定
- 民事再生法 第174条再生計画認可の決定、効力の起点
- 民事再生法 第175条認可決定に対する即時抗告(現行効力を要確認)
- 会社法 第116条反対株主の株式買取請求、本条で適用除外
- 会社法 第449条資本金減少の債権者異議手続、本条で適用除外
- 会社法 第828条会社組織行為の無効の訴え、本条で減資につき排除
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