民事再生法 第161条(再生債務者の株式の取得等に関する定め)
クイックジャンプ
- 再生計画によって株式会社である再生債務者が当該再生債務者の株式の取得をするときは、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一再生債務者が取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
- 二再生債務者が前号の株式を取得する日
- 2.再生計画によって株式会社である再生債務者の株式の併合をするときは、会社法第百八十条第二項各号に掲げる事項を定めなければならない。
- 3.再生計画によって株式会社である再生債務者の資本金の額の減少をするときは、会社法第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めなければならない。
- 4.再生計画によって株式会社である再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更をするときは、その変更の内容を定めなければならない。
この条文の基本情報
再生債務者の株式の取得等に関する定めとは何ですか?
定義再生債務者の株式の取得等に関する定めとは、民事再生法第161条に定められた規定で、「再生計画によって株式会社である再生債務者が当該再生債務者の株式の取得をするときは、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第161条(再生債務者の株式の取得等に関する定め)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第161条の条文原文は「再生計画によって株式会社である再生債務者が当該再生債務者の株式の取得をするときは、次に掲げる事項を定めなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第161条は第一節 再生計画の条項に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第161条の前の条は民事再生法第160条です。
- 民事再生法第161条の次の条は民事再生法第162条です。
- 民事再生法第161条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第161条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第161条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/161
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法161条は、再生計画で会社が自社株式の取得・株式併合・資本金の額の減少・発行可能株式総数の定款変更を行う際の記載事項を定める。債務超過なら株主の同意なく株式は無補償で消える。
Q · 出資した会社が民事再生したら、私の株はどうなるの?
債務超過なら同意なく株式は無補償で消える
民事再生法161条により、再生計画で会社は自社株式の取得・株式併合・資本金の額の減少・発行可能株式総数の定款変更を定めることができます。通常の会社法なら減資も株式併合も株主総会の特別決議が必要ですが、会社が債務超過のとき株主は議決権を失い、同意なしにこれらが行われます。これがいわゆる100パーセント減資です。効力は再生計画の認可決定が確定した時に生じ、その瞬間に株式は無補償で消滅しうるため、確定前に動くことが重要です。
解説
あなたが取引先の中小企業の株を持っている、あるいは知人が立ち上げたスタートアップに出資して株主になった。その会社が民事再生を申し立てた。多くの人はここで「最悪でも株がゼロになるだけ、それ以上失うものはない」と高をくくる。だが本当の問題は別の場所にある。民事再生法161条は、再生計画によって会社が自社株式を取得し、株式を併合し、資本金をゼロまで減らし、発行可能株式総数の定款を変える、その四つを一つの条文でまとめて可能にする。通常の会社法では、資本金の減少も株式併合も株主総会の特別決議が要る。ところが会社が債務超過のとき、株主はその議決権を失い、あなたの同意なしに株式は消える。これがいわゆる100パーセント減資だ。スポンサーが入る再生では、まず既存株主を一掃し、次にスポンサーへ新株を発行する(162条)。あなたが握っていた株券は、再生計画の認可決定が確定したその瞬間、無補償で紙切れになる。
法的な位置づけ
民事再生法161条は、再生計画によって株式会社である再生債務者が自社株式の取得、株式の併合、資本金の額の減少、発行可能株式総数に関する定款変更を行う場合に、計画へ記載すべき事項を定める規定である。会社法上の株主総会決議に代えて、再生計画の認可によりこれらの効力を生じさせる倒産手続上の特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生計画案の株式条項を最初に読む 分厚い計画案が届いたら、まず161条関連の条項(取得する株式数・取得日・資本金減少額・発行可能株式総数の定款変更)と、認可決定の予定時期を探す。冒頭からではなく株式・資本の項目から確認する
- 2.会社が本当に債務超過かを財産評定書で検証 株式が消えるかの分水嶺は債務超過の有無。財産評定書の不動産・知的財産・売掛金の評価を確認し、過小評価がないかを検証する。債務超過でなければ株主に議決権が残り、計画への異議が可能になる
- 3.議決権の有無に応じて反対・意見申述する 議決権が残るなら関係人集会で株式条項に反対する。議決権がない場合でも、意見申述の機会(書面・集会)を逃さず、財産評定への疑義を記録に残す
- 4.認可決定の確定前に弁護士へ相談・即時抗告を検討 株式取得・減資等の効力は認可決定の確定で発生する。確定前であれば認可決定への即時抗告の余地がある。公告日から起算される抗告期間を逃さないよう、確定前に弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の100パーセント減資とは何ですか?
再生計画で資本金をゼロまで減らし既存株式を消す手法です。民事再生法161条を根拠に、債務超過なら株主の同意なく行われ、持分は無補償で消滅します。
Q2民事再生で株式が消えるのはいつですか?
申立て時でも破産時でもなく、再生計画の認可決定が確定した時です。それまでは異議や即時抗告の余地が残りますが、確定後は法的に消滅します。
Q3民事再生の減資に株主総会は必要ですか?
通常は会社法447条で特別決議が必要ですが、再生では認可が決議に代わります。債務超過の株主は議決権を失うため、総会を経ず減資できます。
Q4民事再生で株主に補償はありますか?
債務超過の会社では原則として補償はありません。株式の経済的価値はゼロと評価され、161条により無補償で取得・消却されます。
Q5従業員持株会の株も民事再生で消えますか?
消える可能性があります。自社株を積み立てていても、会社が再生に入れば161条の株式取得・減資の対象となり、認可確定で無価値になり得ます。
Q6スポンサー型の民事再生では株主はどうなりますか?
まず既存株主を100パーセント減資で一掃し、次にスポンサーへ新株を発行します(162条)。旧株主の持分は原則ゼロから再出発できません。
Q7会社が債務超過でないと主張できたら株は残りますか?
財産評定で債務超過でないと争えれば株主に議決権が残り、減資・株式取得条項に反対する交渉力が生まれます。評価が分水嶺になります。
Q8上場株を持つ会社が民事再生したらどうなりますか?
通常は上場廃止となり、その後161条の減資・株式取得で持分が消えることが多いです。整理銘柄の売買期間が最後の現金化機会です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が民事再生したら、株主の私には何の補償もないんですか?
債務超過の会社であれば、原則として補償はありません。株式の経済的価値はゼロと評価され、161条に基づき無補償で取得・消却されます。残余財産があるなら別ですが、債務超過とは負債が資産を上回る状態なので、株主の取り分は残らないという前提です。実務のポイント:補償の有無は実質的に「債務超過か否か」で決まります。会社側は減資を通すため債務超過を主張しますが、財産評定は不動産や知的財産の評価次第で動く。評価を争えれば株主に価値が残る余地があり、ここを見ずに諦める株主がほとんどです
Q2減資って株主総会の決議が要るはずですよね?なんで勝手に消せるんですか?
通常の会社法447条なら株主総会の特別決議が必要です。しかし民事再生では、再生計画の認可がその決議に代わる仕組みになっており、債務超過の株主は議決権を失うため、同意なしに減資・株式取得が可能になります(161条)。実務のポイント:この「株主総会を飛ばせる」点こそ再生のスピードの源泉です。だからスポンサーは民事再生を好む。既存株主の抵抗を制度的に封じられるからで、株主側がこれを覆すには債務超過という前提そのものを崩すしかありません
Q3上場株を持っているんですが、その会社が民事再生したら株はどうなりますか?
民事再生を申し立てると上場廃止になるのが通常で、その後161条の減資・株式取得で持分が消えることが多いです。上場廃止前の整理銘柄期間に売れれば多少は回収できますが、再生計画で100パーセント減資となれば残った株は無価値です。実務のポイント:整理銘柄としての売買期間の数日間が最後の現金化チャンス。再生=必ず100パーセント減資ではありませんが、債務超過企業ではほぼそうなります。「いつか戻る」と握り続けると、認可確定の日にゼロになります
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主は会社のオーナーだから、減資や株式消却には自分の同意が要る」と信じられている。だが会社が債務超過のとき、株主は再生手続で議決権を失い(株主の取り分が残らないため)、同意なしに株式は消える。オーナーのはずが、手続の中で最も発言権のない立場へ転落する
- 民事再生で株がゼロになることは何となく知っていても、その「タイミング」の深刻さを知る人は少ない。株式が法的に消えるのは申立ての時でも破産の時でもなく、再生計画の認可決定が確定した瞬間だ。それまでに動かなければ、気付いたときには手元の株はもう存在しない
- あなたから見れば「出資先が苦しいなら、減資して立て直すのは当然」に映る。だが法律から見れば、161条の減資はあなたの財産権(憲法29条)を計画で消し去る行為であり、本来は同意や補償が問題になる領域である。この落差を理解しないまま、異議を述べる機会そのものを逃す株主が大半だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定める内容 | 161条:自社株式の取得・株式併合・資本金減少・発行可能株式総数の定款変更の記載事項 | 162条:スポンサー等への募集株式発行の定め 154条:再生計画で定めるべき事項の総則 |
| 株主への効果 | 既存株主の持分を消す(100パーセント減資)方向 | 新株主(スポンサー)を迎え入れる方向 計画全体の枠組みを定めるのみ |
| 効力の発生 | 再生計画の認可決定の確定により発生(効力規定は別条・要確認) | 認可決定の確定後、計画の定めに従い発行 計画認可により全体が拘束力を持つ |
| 会社法との関係 | 会社法180条2項・447条1項の記載事項を準用しつつ株主総会決議を代替 | 会社法の募集株式発行規律を修正して適用 会社法の各手続の上位枠として機能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生(重整)でも重整計画に減資・株式取得を定めうる。裁判所の認可を前提とする点で日本と近いが、株主権処遇の枠組みは会社法内に置かれる。
韓国の回生手続でも回生計画で資本減少・株式消却が可能。債務超過株主の議決権制限という発想は日本と類似する。
ドイツ倒産計画は株主の持分権に直接介入でき、デット・エクイティ・スワップを含む再編を計画で実現できる点で161条・162条と機能的に対応する。
米国チャプター11の計画では既存株主の持分を消却(cancellation of equity)でき、絶対優先原則の下で無価値な株主が排除される点が共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 応援したくて知人のスタートアップに300万円出資し、株主になった。会社が民事再生を申し立て、再生計画に100パーセント減資が盛り込まれた。あなたの株式は無補償で取得・消却され、出資金は一円も戻らない。スポンサーが新しい株主になり、あなたの持分はゼロから再出発する余地すらない
- もし、あなたの取引先が民事再生に入り、分厚い再生計画案があなたのもとに届いたとしたら? 計画案には株式の取得・減資の条項が並んでいる。だが債務超過の会社の株主には議決権がなく、意見を述べる窓口も限られる。残された時間は計画認可までのわずか数週間
- あなたが債務超過に陥った会社の経営者で、スポンサー型再生を狙っている。161条の四つの定め(取得する株式の数・取得日・併合・資本金減少額・発行可能株式総数の定款変更)を計画に正確に書き込まないと、計画は認可されず、スポンサーは降りる。一行の記載漏れが再建そのものを潰す
- 親が遺した非上場株。その会社が民事再生に入った。株は、計画認可の日に消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生計画案が届いたら、まず161条関連の条項(株式の取得日・取得する株式数・資本金減少額)と認可決定の予定時期を確認2. 会社が本当に債務超過かを財産評定書で検証、債務超過でなければ株主に議決権が残り、計画への異議が可能になる3. 議決権があるなら関係人集会で反対し、なければ意見申述の機会を逃さない4. 認可決定が確定する前に弁護士へ相談、確定後は株式が法的に消滅し回復は極めて困難
訴えられた側:1. スポンサー型再生で100パーセント減資を行うなら、161条の四つの定め(取得株式数・取得日・株式併合・資本金減少額・発行可能株式総数の定款変更)を計画に漏れなく記載2. 種類株式発行会社は種類及び種類ごとの数まで特定3. 会社法180条2項・447条1項各号の記載事項を満たし、形式不備で不認可とならないよう精査4. 株主への説明と異議対応を想定し、債務超過を裏付ける財産評定の根拠を固めておく
時効(請求できる期限):特定の出訴期間ではなく、再生計画認可決定の確定が事実上の期限となる。株式の取得・減資等の効力は計画認可決定の確定により発生する(民事再生法166条、現行の条番号・効力を要確認)。認可決定への即時抗告は決定の公告から起算される期間内に行う必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:債務超過会社の株主は清算価値がゼロと評価されるため再生手続で議決権を失い、161条による株式取得・減資は無補償でも財産権侵害には当たらないと解される。ただし財産評定が過小であれば前提が崩れ、株主に価値が残る余地がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法整備 会社法の制定に伴い、本条が引用する条文を旧商法から会社法(180条2項・447条1項)へ改めた。株式併合・資本金減少の記載事項の参照先を会社法体系に整理した改正
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定に伴い、再生計画による株式取得・株式併合・資本金減少・発行可能株式総数の定款変更に関する記載事項を定める規定として新設された。
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備。本条が引用する記載事項の参照先を旧商法から会社法(180条2項・447条1項)へ改め、株式併合・資本金減少の手続体系を会社法へ整理した。
- 民事再生法 第154条再生計画で定めるべき事項の総則規定
- 民事再生法 第162条スポンサーへの募集株式発行に関する定め
- 民事再生法 第166条株式取得・減資等の効力発生時期(現行の条番号を要確認)
- 会社法 第180条株式の併合の手続、本条2項が準用する記載事項
- 会社法 第447条資本金の額の減少の手続、本条3項が準用する記載事項
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める