民事再生法 第180条(再生計画の条項の再生債権者表への記載等)
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- 再生計画認可の決定が確定したときは、裁判所書記官は、再生計画の条項を再生債権者表に記載しなければならない。
- 2.前項の場合には、再生債権に基づき再生計画の定めによって認められた権利については、その再生債権者表の記載は、再生債務者、再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者に対して、確定判決と同一の効力を有する。
- 3.第一項の場合には、前項の権利で金銭の支払その他の給付の請求を内容とするものを有する者は、再生債務者及び再生のために債務を負担した者に対して、その再生債権者表の記載により強制執行をすることができる。ただし、民法第四百五十二条及び第四百五十三条の規定の適用を妨げない。
この条文の基本情報
再生計画の条項の再生債権者表への記載等とは何ですか?
定義再生計画の条項の再生債権者表への記載等とは、民事再生法第180条に定められた規定で、「再生計画認可の決定が確定したときは、裁判所書記官は、再生計画の条項を再生債権者表に記載しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第180条(再生計画の条項の再生債権者表への記載等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第180条の条文原文は「再生計画認可の決定が確定したときは、裁判所書記官は、再生計画の条項を再生債権者表に記載しなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第180条は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第180条の前の条は民事再生法第179条です。
- 民事再生法第180条の次の条は民事再生法第181条です。
- 民事再生法第180条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第180条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第180条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/180
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法180条は、再生計画認可の確定後、再生債権者表の記載が確定判決と同一の効力を持ち、給付請求権者は訴訟を経ずその記載で強制執行できると定める。
Q · 取引先が民事再生して計画どおり払わない。回収するにはまた裁判が必要?
訴訟は不要、再生債権者表で直接強制執行できます
再生計画認可の決定が確定すると、裁判所書記官があなたの債権を再生債権者表に記載し、その記載は確定判決と同一の効力を持ちます(民事再生法180条2項)。再生債務者が計画どおり弁済しなくなっても、改めて訴訟を起こす必要はなく、その記載を債務名義として直接強制執行を申し立てられます(同条3項)。ただし保証人に対しては民法452条・453条の催告・検索の抗弁が留保されています。
解説
再生計画が認可されて確定した瞬間、裁判所書記官があなたの債権を再生債権者表に書き込む。この一行は、ただの記録ではない。確定判決と同じ効力を持つ「債務名義」になる。つまり再生債務者が計画どおりに払わなくなったとき、あなたは改めて訴訟を起こす必要がない。その表の記載だけで、いきなり相手の財産を差し押さえる強制執行ができる。多くの債権者はここを知らず、不払いになってから弁護士に駆け込み「また裁判からですか」と肩を落とす。だが武器はとっくにあなたの手にある。さらに見落とされやすいのが第2項の射程だ。この効力が及ぶのは再生債務者と「再生のために債務を負担した者」だけ。会社の借金を個人保証した社長は、会社の債務が10分の1に圧縮されても、自分の保証債務は満額そのまま残る。同じ表の効力が、ある人には盾になり、別の人には何の救いにもならない。
法的な位置づけ
民事再生法180条は、再生計画認可決定の確定に伴う再生債権者表の効力を定める規定である。裁判所書記官が再生債権者表に計画条項を記載すると、その記載は再生債務者・再生債権者・再生のために債務を負担し又は担保を提供した者に対して確定判決と同一の効力を有し、給付請求権者は当該記載を債務名義として強制執行をすることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生債権を届出期間内に届け出る 取引先の再生手続開始を知ったら、まず裁判所が定める届出期間内に再生債権を届け出る。届け出ないと計画弁済からも再生債権者表の記載からも漏れる
- 2.認可確定後、再生債権者表の記載を確認 認可決定が確定したら、自分の債権が再生債権者表にどう記載されたか、弁済条件・金額・弁済期を正確に確認する。記載に誤りがあれば早期に争う準備をする
- 3.不払い発生時、執行文を得て差押え申立て 再生債務者が計画弁済を怠ったら、訴訟を起こさず再生債権者表の記載を債務名義として執行文の付与を受け、預金・売掛金・不動産の差押えを申し立てる
- 4.並行して保証人・物上保証人へ満額請求 会社の債務が減免されても、保証人・物上保証人への請求は別途満額で進められる(177条2項)。保証人の資力が残るうちに早く動く
よくある質問 AI による整理
Q1再生債権者表とは何ですか?
裁判所書記官が再生債権の内容と計画弁済条件を記載する公的な一覧表です。認可決定確定後の記載は確定判決と同一の効力を持ち、債務名義となります(民事再生法180条)。
Q2再生債権者表で強制執行する方法は?
認可確定後、再生債権者表の記載をもとに執行文の付与を受け、預金・売掛金・不動産などへの差押えを申し立てます。新たな給付訴訟は不要です(180条3項)。
Q3民事再生で計画通り払われないときどうする?
訴訟を起こす必要はありません。確定した再生債権者表の記載が債務名義になるため、執行文を得てそのまま強制執行に進めます。準備すべきは裁判ではなく執行です。
Q4再生計画認可が確定するとどんな効力が生じますか?
再生債権者表への記載がなされ、それが確定判決と同一の効力を持ちます。再生債務者・再生のために債務を負担し担保を提供した者に効力が及びます(180条2項)。
Q5再生債権者表の権利は時効が何年ですか?
確定判決と同一の効力を持つため、その権利の消滅時効は10年です(民法169条)。起算点は計画で定められた各弁済期となります。
Q6債務名義とは民事再生でどう関係しますか?
債務名義は強制執行の前提となる公的文書です。認可確定後の再生債権者表の記載は債務名義となり、判決を別途取らなくても執行できます(民事執行法22条)。
Q7民事再生でも保証人に請求できますか?
できます。180条2項の効力は保証人に及ばず、会社の債務が減免されても保証人への請求は原則満額のままです(177条2項)。早く動くほど回収率は上がります。
Q8再生債権の届出はいつまでにすべきですか?
裁判所が定める届出期間内に届け出る必要があります。これを逃すと計画弁済から漏れ、再生債権者表にも記載されず回収手段を失います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が民事再生して、計画どおりに払ってくれません。回収するにはまた訴えるしかないですか?
訴える必要はない。再生計画が認可確定すると、あなたの債権は再生債権者表に記載され、それが確定判決と同一の効力を持つ債務名義になる(180条2項・3項)。不払いがあれば、その記載をもとに直接強制執行を申し立てられる。実務のポイント:多くの債権者が「倒産=回収不能」と早合点して動かないが、計画が決まった案件は表という執行武器が既に手元にある。不払いの翌日に動ける債権者と、訴訟から始める債権者で、回収のスピードと順位が決定的に変わる
Q2うちの会社が民事再生したら、社長の私が個人保証している分も一緒に減りますか?
減らない。180条2項の効力が及ぶのは再生債務者と「再生のために債務を負担した者」だけで、もとからの保証人は含まれない。会社の債務が計画で大幅に減免されても、保証人への請求は原則満額のまま残る(177条2項)。実務のポイント:これを知らずに「会社が助かれば自分も助かる」と思う経営者は多い。だが実務では別途「経営者保証に関するガイドライン」による整理を申し出る道がある。会社の手続と並行して、自分の保証の出口戦略を早く立てた経営者ほど、個人破産を避けられる
Q3再生債権者表に載っていれば、もう何があっても確実に取り立てられるんですか?
執行力という意味では強力だが、万能ではない。表の記載が持つ「確定判決と同一の効力」が、争いを蒸し返せなくする既判力にまで及ぶかは実務上、解釈が分かれている。また保証人に対しては、催告の抗弁・検索の抗弁(民法452条・453条)が180条3項ただし書で留保されている。実務のポイント:相手が単なる保証人の場合、いきなり保証人の財産を執行しようとすると「先に主たる債務者に請求・執行せよ」と抗弁される余地がある。誰を最初に攻めるかの順番設計が、回収の成否を分ける
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「会社の債務が再生計画で減免された=もう取り立ては終わった」。だが法律から見れば、保証人や物上保証人への請求はまったく別の軌道を走り続ける(180条2項の効力はそこに及ばない、177条2項)。この落差を知らずに保証人は安心し、ある日満額の請求書で潰される
- 再生債権者表の記載が「確定判決と同一の効力」を持つことは知っていても、その効力が既判力(同じ争いを蒸し返せなくする力)にまで及ぶかは、実務上、解釈が分かれている。通説・判例は主に執行力を認める一方、既判力の範囲には争いがある。「表に書いてあるから何があっても絶対安泰」とまでは言い切れない
- 「計画どおりに払われなかったら、また裁判をやり直すしかない」と思い込んでいる債権者が多い。実際は逆で、訴訟は不要。180条3項により、再生債権者表の記載そのもので強制執行できる。やり直すべきは裁判ではなく、執行の準備だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力の根拠 | 180条:認可確定後の再生債権者表の記載(確定判決と同一の効力+執行力) | 157条:再生債権の調査・確定による再生債権者表の確定判決同一効力 民事執行法22条:債務名義一般(確定判決・和解調書等) |
| 効力が及ぶ範囲 | 再生債務者・再生債権者・再生のために債務負担/担保提供した者 | 再生手続内で確定した再生債権の当事者 債務名義に表示された当事者 |
| 保証人への扱い | もとからの保証人には効力が及ばない(177条2項参照)、催告・検索の抗弁を留保 | 保証人は手続外、別途請求が必要 保証人は別の債務名義が必要 |
| 強制執行の可否 | 給付請求権は記載のみで直接執行可(3項)、訴訟不要 | 確定により執行の基礎となる 債務名義として直接執行可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生(重整)の枠組みで重整債権を扱い、執行の前提となる債務名義は強制執行法4条が規律する。再生債権者表に相当する一覧の確定効を認める構造は類似する。
韓国の債務者回生法は会生債権者表への記載に確定判決と同一の効力を認め、執行できるとする点で日本と極めて近い。
ドイツ倒産法では確定したInsolvenztabelle(倒産債権表)が確定判決同様の効力を持ち、手続終了後はその記載から強制執行できる(§201)。日本180条の構造の比較対象となる。
米国Chapter 11では認可された再建計画が当事者を拘束し(res judicata的効力)、計画条項に基づく権利実現が可能。執行の仕組みは異なるが確定効を認める点で共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし取引先が民事再生を申し立て、認可後の計画で「3年かけて月々返済」と決まったのに、半年で支払いが止まったら、あなたはどう動く。答えは、訴訟ではない。確定した再生債権者表を債務名義として、その場で強制執行を申し立てられる。多くの債権者がこの一歩を知らず、回収のチャンスを数か月分溶かす
- あなたは友人の会社の連帯保証人になっただけだった。その会社が民事再生で債務の9割をカットしてもらった。あなたは「じゃあ自分の保証も9割減るんだろう」と思っている。違う。180条2項の効力はあなたに及ばない。債権者はあなたに満額を請求できる。会社が救われた分、保証人が背負う
- 下請けとして納品代金が未回収のまま、元請けが民事再生に入った。計画で「7割免除、3割を分割」と決まった。あなたは3割分について再生債権者表の記載という債務名義を手に入れる。だが残り7割は原則戻らない。3割の執行力を確実に握ることが、唯一の現実的な防衛線になる
- 再生債務者の社長として、認可後に資金繰りが再び悪化した。一人の債権者に「ちょっと待ってほしい」と頼んだ翌週、預金口座が差し押さえられた。相手は判決を取りに行ったのではない。再生債権者表があれば、催告も訴訟もいらない。あと一回の不払いが、即執行の引き金になる
- あなたに残された時間は、保証債務では実質ゼロに近い。会社の再生手続が動いている間も、保証人へのカウントは止まらない。債権者が保証人の資力が残っているうちに動けば動くほど回収率は上がる。会社の計画確定を待ってくれると思っているなら、その前提が崩れている
取るべき行動
被害を受けた側:債権者側の手順。1. 再生手続開始を知ったら、まず再生債権を期限内に届け出る(届け出ないと計画弁済からも漏れる)。2. 認可決定の確定後、自分の債権が再生債権者表にどう記載されたか、弁済条件・金額を正確に確認。3. 再生債務者が計画弁済を怠ったら、訴訟を起こさず再生債権者表の記載(180条3項)を債務名義として執行文を得て、預金・売掛金・不動産の差押えを申し立てる。4. 同時に、会社の債務が減免されても、保証人・物上保証人への請求は別途満額で進められる(177条2項)、保証人の資力が残るうちに動く
訴えられた側:再生債務者・保証人側の手順。1. 再生債務者は、計画弁済を一度でも怠れば即執行されうると認識し、資金繰りに余裕がなければ計画変更や再度の手続を弁護士と早期に検討。2. 保証人は、会社の再生で自分の保証が当然に減るとは考えない。経営者保証なら「経営者保証に関するガイドライン」に基づく別途整理の余地を探る。3. 自分が単なる保証人として請求されたら、催告の抗弁(民法452条)・検索の抗弁(民法453条)が180条3項ただし書で留保されている、まず主たる債務者への請求・執行を求められる場合がある。4. 表の記載内容に誤りがあれば、執行段階での争い方を弁護士に相談
時効(請求できる期限):再生債権の届出は手続上の届出期間内(裁判所が定める)に行う、これを逃すと計画弁済から漏れる。再生債権者表の記載は確定判決と同一の効力を持つため、それにより確定した権利の消滅時効は10年(民法169条)、起算点は計画で定められた各弁済期。執行自体に固有の出訴期限はないが、各弁済期からの時効進行に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:再生債権者表の記載が持つ『確定判決と同一の効力』は、執行力を認める点で争いがない。一方、既判力(同一の争いを蒸し返せなくする効力)にまで及ぶかは解釈が分かれており、効力の射程を執行力中心に理解する見解が有力である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定。和議法に代わる迅速な再建型倒産手続として導入され、平成12年(2000年)4月1日施行。180条は再生債権者表の効力と執行力を規定。
- 民事再生法 第157条再生債権確定の確定判決同一効力
- 民事再生法 第174条再生計画の認可決定
- 民事再生法 第177条保証人等に効力が及ばない原則
- 民事再生法 第178条再生債権の免責と権利変更
- 民事執行法 第22条債務名義としての位置づけ
- 民法 第452条保証人の催告の抗弁を留保
- 民法 第453条保証人の検索の抗弁を留保
- 破産法 第124条破産での債権者表記載の効力(現行効力を要確認)
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