民事再生法 第179条(届出再生債権者等の権利の変更)
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- 再生計画認可の決定が確定したときは、届出再生債権者及び第百一条第三項の規定により認否書に記載された再生債権を有する再生債権者の権利は、再生計画の定めに従い、変更される。
- 2.前項に規定する再生債権者は、その有する債権が確定している場合に限り、再生計画の定めによって認められた権利を行使することができる。
- 3.第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
この条文の基本情報
届出再生債権者等の権利の変更とは何ですか?
定義届出再生債権者等の権利の変更とは、民事再生法第179条に定められた規定で、「再生計画認可の決定が確定したときは、届出再生債権者及び第百一条第三項の規定により認否書に記載された再生債権を有する再生債権者の権利は、再生計画の定めに従い、変更…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第179条(届出再生債権者等の権利の変更)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第179条の条文原文は「再生計画認可の決定が確定したときは、届出再生債権者及び第百一条第三項の規定により認否書に記載された再生債権を有する再生債権者の権利は、再生計画の定めに従い、変更…」で始まります。
- 民事再生法第179条は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第179条の前の条は民事再生法第178条です。
- 民事再生法第179条の次の条は民事再生法第180条です。
- 民事再生法第179条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第179条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第179条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/179
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法179条は、再生計画認可決定の確定により、届出再生債権者の権利が計画の定めに従い一律に変更されると定める。権利行使には債権の確定を要する。
Q · 民事再生の再生計画が認可されたら、反対した債権者の権利も勝手に減らされるの?
反対しても、認可確定で権利は計画どおり変更されます
民事再生法179条1項により、再生計画認可決定が確定すると、届出再生債権者および認否書記載の再生債権者の権利は計画の定めに従って一律に変更されます。債権者集会で反対票を投じた者もこの変更に拘束されます。さらに2項により、変更後の権利を実際に行使できるのは、その債権が確定している場合に限られます。届出だけでなく確定まで踏まないと、減額された弁済すら受けられません。
解説
取引先が民事再生を申し立て、あなたの会社の売掛金1000万円が宙に浮いた。半年後、裁判所から「再生計画認可決定が確定した」という一通が届く。その瞬間、あなたの1000万円は再生計画の定めに従って書き換えられる。たとえば9割カットされ、残り100万円が10年分割払いになる。これが179条の効力だ。肝心なのは、あなたが債権者集会で反対票を投じていても、この変更からは逃げられないという点。再生計画は多数決と裁判所の認可で成立し、いったん確定すれば全届出債権者を一律に拘束する。さらに2項には落とし穴がある。あなたの債権が「確定」していなければ、変更後の権利すら行使できない。相手が債権額を争っていてまだ確定していなければ、弁済の列に並ぶことすらできないのだ。届出と確定、この二段階を踏み外すと、減額された債権すら回収できなくなる。
法的な位置づけ
民事再生法179条は再生計画の権利変更効を定める規定であり、再生計画認可決定の確定により、届出再生債権者および認否書に記載された再生債権者の権利が計画の定めに従い変更されることを規定する。変更後の権利の行使は、当該債権が確定していることを要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債権届出期間内に債権届出書を提出する 再生手続開始決定の通知が届いたら、まず定められた債権届出期間を確認し、期限内に債権届出書を提出する。届出を怠ると181条で失権し、そもそも179条の権利変更の対象にすら入れなくなる
- 2.認否書で自分の債権が認められているか確認する 再生債務者が提出する認否書を取り寄せ、自分の債権が認められているか、否認(争いあり)とされていないかを確認する。否認されていれば次のステップへ進む
- 3.否認された債権は査定の申立て等で確定させる 否認された場合は再生債権査定の申立てを行い、債権を確定させる。179条2項により確定していない債権は計画上の権利を行使できないため、放置すると減額後の弁済すら受けられない
- 4.計画案に不満があれば決議で反対と根拠を示す 減額幅に不満があるなら、認可前の債権者集会の決議段階で反対票と具体的根拠を提出する。認可確定後は179条で権利が固まり覆せないため、影響力を行使できるのはこの段階が最後
- 5.認可確定後は計画どおりの弁済を受け不払いに備える 認可決定確定後は計画の定めに従い弁済を受ける。約束どおり弁済されない場合は計画取消しの申立て(189条)や破産移行の検討に入る。認可決定確定日を証する書面は税務上も保管する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法179条とは何ですか?
再生計画認可決定の確定により、届出再生債権者らの権利が計画の定めに従い一律に変更されると定める規定です。権利行使には債権の確定も要件となります。
Q2再生計画の認可はいつ効力が生じますか?
認可決定そのものではなく、それが確定した時に179条の権利変更効が生じます。即時抗告期間の経過等で確定して初めて権利が書き換わります。
Q3債権を届け出ないとどうなりますか?
届出をしなかった再生債権は、原則として失権します(181条)。179条の権利変更の対象は届出債権者と認否書記載の債権者に限られます。
Q4民事再生で反対しても拘束されるのはなぜですか?
再生計画は法定多数の同意と裁判所の認可で成立し、179条1項が反対した届出債権者も一律に拘束するためです。個別同意は要件ではありません。
Q5再生計画による権利変更とは何ですか?
債権額の減免、弁済期の繰延べ、分割払いへの組み替えなど、計画の定めに従って債権の内容が変更されることをいいます。
Q6確定していない債権でも弁済を受けられますか?
受けられません。179条2項により、変更後の権利を行使できるのは債権が確定している場合に限られます。査定の申立て等で確定させる必要があります。
Q7共助対象外国租税の債権はどう扱われますか?
179条3項により、外国租税の請求権への権利変更の効力は、租税条約等実施特例法11条1項の徴収共助との関係でのみ主張できます。
Q8再生計画が確定した後に弁済されないとどうなりますか?
履行を怠ると再生計画の取消し(189条)を経て破産手続へ移行するおそれがあり、回収額がさらに目減りする可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再生計画で9割カットされたら、残りの1割も結局取りっぱぐれませんか?
計画弁済が滞れば計画取消し(189条)を経て破産移行となり、回収はさらに不確実になります。ただし通常は監督委員が履行を監督し、再生債務者も信用回復のため弁済を続ける動機があります。実務のポイント:認可前に提出される計画案の弁済原資(スポンサー支援か自力再建か)を見ると、その1割が現実に支払われる見込みかどうかが透けて見えます。スポンサー型のほうが履行確実性は高い
Q2債権者集会で反対したのに、なぜ私まで減額に従わされるんですか?
再生計画は法定多数の同意と裁判所の認可で成立し、179条1項により反対した届出債権者も一律に拘束されるためです。個別の同意は要件ではありません。実務のポイント:影響力を持てるのは認可後ではなく決議の前。議決権額が大きい債権者は計画案の修正を引き出せる余地があり、早い段階で監督委員や再生債務者側と交渉した者ほど有利な条項を勝ち取っています
Q3うちの会社が貸した分、カットされた金額は税金の損金にできますか?
再生計画認可決定により切り捨てられた債権部分は、貸倒損失として損金算入できる場合があります。計上時期は権利変更が確定した事業年度が基本です。実務のポイント:損金計上のタイミングを誤ると税務調査で否認されかねません。179条の権利変更がいつ「確定」したかが分水嶺になるため、認可決定確定日を証する書面を必ず保管しておくこと(最新の税務取扱いをご確認ください)
Q4個人再生でも同じ仕組みですか?マイホームは守れるんですか?
個人再生も認可確定で債権が圧縮される点は同じ枠組みです。住宅資金特別条項(196条以下)を使えば、住宅ローンはそのまま払い続けて自宅を維持しつつ、それ以外の借金を大幅に圧縮できます。実務のポイント:住宅ローンを延滞してからでも特則は使える場合がありますが、保証会社が代位弁済してから6か月を過ぎると道が狭まります。延滞に気づいた時点で早く動くほど選択肢が残る
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「反対したのに勝手に減額された、不当だ」と映る。だが法律から見れば、多数決と裁判所の認可を経た再生計画は全届出債権者を平等に拘束する正当な手続である。この落差を理解せず「自分だけ全額払え」と主張し続けると、確定した計画の前で時間と弁護士費用を空費するだけになる
- 「債権を届け出さえすれば配当はもらえる」ことは知っていても、2項の『債権の確定』が別の関門であることを見落とす人が多い。届け出ても再生債務者が認否書で否認すれば、確定の手続を踏まない限り計画上の権利を行使できない。届出と確定は別物だという深刻さに、たいてい弁済が止まってから気づく
- 「全額もらえないなら再生に協力する意味がない、破産させたほうがマシだ」と思いがちだが、実は再生計画による弁済のほうが破産清算の配当より手取りが多いケースが大半。清算価値保障原則(174条2項)により、計画弁済額は破産配当を下回らない設計になっているからだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 179条:認可確定による権利変更の効力と行使要件 | 174条:再生計画の認可・不認可の決定と清算価値保障 181条:届出をしなかった再生債権者の権利の特則(失権) |
| 対象となる者 | 届出再生債権者+認否書記載の再生債権者 | 手続に参加する再生債権者全体 届出をしなかった再生債権者 |
| 効果 | 権利が計画どおり変更され、確定していれば行使可 | 計画を認可すれば権利変更の前提が整う 原則として権利を失う(失権) |
| 権利行使の要件 | 債権が確定していること(2項) | 清算価値保障原則を満たすこと(174条2項) 特則の要件を満たす限度でのみ主張可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は自然人の更生と会社の重整で別建て。更生方案・重整計画の認可により権利が変更・拘束される構造は日本と類似する
韓国の統合倒産法も会生計画の認可決定で権利が変更・失権する。日本の民事再生法と会社更生法を統合した枠組み
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の確定により、計画に定めた権利変更が全関係人に対して生じる。単一の倒産手続内で処理する点が特徴
米国は再建計画の確定(confirmation)で債務者と全債権者を拘束し、免責的効果も生じる。DIP 型の枠組みは日本の民事再生法に影響を与えた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 長年の取引先が民事再生を申立て、あなたの会社の売掛金が回収不能になりかけている。再生計画で8割カット、残り2割を5年分割。腹は立つが、この計画が認可確定すれば179条であなたの債権は自動的に書き換えられる。今やるべきは怒ることではなく、債権届出と確定を期限内に固めて、せめてその2割を取りこぼさないことだ
- 債権者集会で「うちだけは全額返してもらう」と反対し続けたのに、計画は可決され裁判所も認可した。あなたから見れば理不尽だが、179条1項は反対債権者も等しく拘束する。反対の一票は、認可前の決議でしか意味を持たなかった
- もし、あなたの債権額を再生債務者が認否書で「争いあり」として否認していたら、どうなるか。2項により、債権が確定するまであなたは計画上の権利を行使できない。査定の申立てで確定させない限り、減額された配当の列にすら並べない
- あなたが個人で、住宅ローン以外の借金500万円に首が回らなくなった。個人再生を使えば借金が100万円程度に圧縮され、家を手放さずに3〜5年で返す。認可確定の日が、あなたの借金が法的に書き換わる再起の起点になる
- 再生計画が認可確定したのに、再生債務者が約束どおり弁済してこない。残り日数の感覚が大事だ。履行を怠れば計画取消し(189条)から破産移行に転じる可能性があり、あなたの取り分はさらに目減りしかねない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生手続開始の通知が来たら、まず債権届出期間を確認し、期限内に債権届出書を提出する(怠ると181条で大幅に不利になる) 2. 認否書を取り寄せ、自分の債権が認められているか否認されていないか確認3. 否認されていたら査定の申立て等で債権を確定させる(2項対策、ここを放置すると弁済を受けられない) 4. 計画案に不満なら債権者集会の決議で反対票と具体的根拠を提出5. 認可確定後は計画どおりの弁済を受け、不払いがあれば計画取消しの申立て(189条)を検討する
訴えられた側:再生債務者の立場なら:1. 再生計画案は清算価値保障原則(174条2項)を満たすよう設計する(破産配当を下回ると認可されない) 2. 届出債権を認否書で正確に処理し、争う債権は理由を明示して否認する3. 認可確定後は179条で全届出債権者の権利が変更され、計画どおりの弁済義務を負う4. 履行を怠ると計画取消し(189条)から破産移行のリスクがあるため、資金繰り計画を厳守する
時効(請求できる期限):債権届出は再生手続開始決定で定められた届出期間内(事案により概ね数週間)。これを過ぎると181条の不利益を受ける。権利変更の効力は再生計画認可決定が確定した時に生じる(2項により債権が確定している場合に権利行使可)。各期間は事案ごとに裁判所が定めるため、最新の決定内容と改正状況を必ず確認すること
学説
通説:179条1項の権利変更効は、法定多数の同意と裁判所の認可を経た再生計画に対する信頼と、清算価値保障原則(174条2項)による下限保証を根拠に、反対債権者を含む全届出債権者を一律に拘束するものと解される。2項の債権確定要件は、額に争いのある債権の弁済を確定手続後に留保する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 民事再生法は平成11年(1999年)制定。第3項の共助対象外国租税に関する規定は、徴収共助を導入した租税条約等実施特例法改正(平成25年/2013年前後)に伴い後から追加された可能性が高いが、追加年次・条文番号の異動・他の改正回数を確定できないため、人的検証を要する。捏造を避け total_revisions を -1とした
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。旧・和議法に代わる再建型倒産手続として、認可確定による権利変更効を規定
- 民事再生法 第174条権利変更の前提となる認可決定と清算価値保障
- 民事再生法 第178条認可確定による免責的効力、権利変更と一体
- 民事再生法 第180条再生計画の効力が及ぶ人的範囲
- 民事再生法 第181条届出をしなかった債権者の権利の特則
- 民事再生法 第101条認否書記載債権の範囲、1項が直接参照
- 会社更生法 第204条株式会社の更生計画認可による権利変更の対応規定(現行効力を要確認)
- 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 第11条共助対象外国租税の徴収共助の根拠(通称 租税条約等実施特例法)
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