民事再生法 第177条(再生計画の効力範囲)
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- 再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
- 2.再生計画は、別除権者が有する第五十三条第一項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。
この条文の基本情報
再生計画の効力範囲とは何ですか?
定義再生計画の効力範囲とは、民事再生法第177条に定められた規定で、「再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第177条(再生計画の効力範囲)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第177条の条文原文は「再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。」で始まります。
- 民事再生法第177条は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第177条の前の条は民事再生法第176条です。
- 民事再生法第177条の次の条は民事再生法第178条です。
- 民事再生法第177条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第177条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第177条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/177
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法177条は再生計画の効力範囲を定める。1項で再生債務者や再生債権者を拘束する一方、2項は保証人への請求権や別除権者の担保権には影響しないと規定する。
Q · 取引先が民事再生したら、連帯保証人への請求も減っちゃうの?
会社の債務は減っても保証人への請求は満額のまま残ります
民事再生法177条2項により、再生計画は保証人・連帯債務者に対する再生債権者の権利や、別除権者の担保権に影響しません。会社の債務が再生計画で8割カットされても、連帯保証人への請求は満額のまま残ります。逆に、保証人が満額を肩代わりして取得する求償権は、再生した会社に対する再生債権として同様にカットされます(同条1項)。担保を持つ別除権者は計画の枠外で担保を実行できますが、実務では別除権協定で分割弁済に落とし込むのが通例です。
解説
取引先の会社が民事再生を申し立てた。あなたの売掛金は再生計画で8割カットされ、戻るのは2割だけ。泣き寝入りか。いや、もう一本の道がある。契約時にその会社の社長個人から連帯保証を取っていたなら、177条2項により、再生計画は保証人への請求権に一切影響しない。会社の債務が8割消えても、保証人への請求は満額のまま残る。逆の立場も同じだ。あなたが知人の会社のために連帯保証のハンコを押していたら、その会社が民事再生で生き延びても、あなた個人は満額を背負ったまま。さらに抵当権など担保を持つ別除権者は、再生計画の枠外で担保を実行できる。再生計画が縛るのは、無担保の再生債権者だけ。誰が縛られ誰が縛られないか、この線引きを知らないと、あなたは取れるはずの金を諦め、あるいは消えたはずの借金を払わされる。
法的な位置づけ
民事再生法177条は再生計画の効力範囲を画する規定である。第1項は再生計画が再生債務者および全再生債権者等を拘束する旨を、第2項は別除権者の担保権、保証人・連帯債務者等に対する再生債権者の権利、および再生債務者以外の者が提供した担保に再生計画が影響を及ぼさない旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生計画で減額された債権に保証人・担保がないか総点検 取引先が民事再生を申し立てたら、まず契約書一式を洗い出し、連帯保証人・物上保証人・別除権(抵当権等)の有無を確認する。保証や担保があれば177条2項の保護で満額回収の道が残る
- 2.保証人へ内容証明で満額請求 連帯保証人がいれば、再生計画による会社債務の減額に関わらず、保証債務は満額のまま。内容証明郵便で請求し、時効の完成猶予も確保する。放置すると回収機会を逃す
- 3.別除権があれば担保実行または別除権協定を検討 抵当権など担保を持つなら、再生計画の枠外で担保実行が可能。ただし事業用資産の突然の競売は再建を崩すため、実務では別除権協定で分割弁済に落とし込むことが多い。回収額と早期性を比較して選択する
- 4.自分が保証人の側なら早期にガイドラインで整理交渉 自分が保証人として請求された場合、177条2項で保証債務は減らない前提で、経営者保証に関するガイドラインを使い残存資産の確保や一部免除を交渉する。会社の弁済状況も把握し、二重取りを防ぐ。自力弁済が困難なら自己の民事再生・自己破産も視野に弁護士へ
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法177条とは何ですか?
再生計画の効力範囲を定める規定です。1項で再生債務者や全再生債権者を拘束する一方、2項で保証人への請求権と別除権者の担保権には影響しないと明記しています。
Q2別除権とは何ですか?
抵当権など担保権を持つ債権者が、再生手続の枠外で担保を実行できる権利です(民事再生法53条)。再生計画に縛られず、随時に競売等を申し立てられます。
Q3再生計画は誰を拘束しますか?
再生債務者と全ての再生債権者、および再生のために債務を負担・担保提供した者を拘束します(177条1項)。無担保の再生債権者が主な対象で、別除権者や保証人は枠外です。
Q4民事再生と会社更生で保証人の扱いは違いますか?
基本的に同じで、いずれも計画は保証人に影響しません(会社更生法203条に対応規定)。ただし会社更生は担保権者も手続内に取り込む点が民事再生の別除権制度と異なります。
Q5経営者保証に関するガイドラインとは何ですか?
中小企業の経営者個人保証について、一定要件下で保証債務の一部免除や残存資産の確保を交渉できる自主的準則です。会社の民事再生と併せて設計すると再建確率が上がります。
Q6物上保証人も再生計画の影響を受けませんか?
受けません。177条2項は再生債務者以外の者が提供した担保に影響しないと定めるため、物上保証人の不動産等は計画と無関係に担保実行の対象になり得ます。
Q7民事再生と自己破産で保証人への影響は同じですか?
同じ方向です。破産法253条2項も免責は保証人に影響しないと定めます。主債務者が手続で救済されても、保証債務は付従性の例外として満額存続します。
Q8別除権協定とは何ですか?
別除権者と再生債務者が担保実行を回避するため、分割弁済等を約束する実務上の合意です。工場など事業用資産の突然の競売を止め、事業継続を確保する狙いがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が民事再生したのに、保証人の私になぜ満額の請求が来るんですか?
民事再生法177条2項が、再生計画は保証人に対する債権者の権利に影響しないと定めているからです。会社の債務が圧縮されても、保証債務は満額のまま残ります。実務のポイント:銀行は会社の再生で債権をカットされた分を取り戻すため、むしろ保証人を真っ先に狙います。会社の手続に安心している間に保証人個人への請求が進む、という時間差を知っているかどうかで初動が変わる
Q2担保を持っている銀行は、再生計画を無視できるって本当ですか?
本当です。抵当権など担保を持つ債権者は別除権者(民事再生法53条)として再生計画の枠外に置かれ、計画と無関係に担保を実行できます(177条2項)。実務のポイント:とはいえ実務では、別除権者と再生債務者が「別除権協定」を結び、分割弁済で競売を止めるのが定番。いきなり工場を競売されるとは限らず、交渉の余地は十分にある
Q3保証人として全額払ったら、再生した会社に返してもらえますか?
原則として満額は戻りません。保証人が払って取得する求償権も、その会社に対する再生債権として再生計画でカットされるからです(177条1項)。実務のポイント:だからこそ保証人は、安易に満額を即払いせず、再生計画の認可前に会社・債権者と保証分の処理を一体で交渉した方がよい。払った後では取り返しがつかない
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が民事再生したのだから、保証人の自分も助かった」と思い込みやすいが、事実は逆。会社の債務が減った分、債権者はそれを取り戻そうと保証人を真っ先に狙う。会社が軽くなるほど、保証人個人が重くなる
- 連帯保証人が請求されること自体は知っていても、その深刻さを過小評価している人が多い。会社は債務8割カットで再建する一方、保証人は満額のまま。結果として、倒れた会社より保証人個人の方が重い負担を抱える逆転が起きる
- 「払ったあとで会社に求償すればいい」と考える人がいるが、問いの立て方そのものがずれている。保証人が満額を払っても、再生した会社への求償権は再生債権として同じく大幅カットの対象。立て替えた金はほとんど戻らない前提で動く必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 177条:再生計画の効力が及ぶ人的範囲 | 53条:別除権(担保権)の定義と手続外行使 178条:再生債権の免責の範囲 |
| 保証人への影響 | 177条2項:影響しない(保証債務は満額存続) | 53条:担保権自体が手続外のため当然存続 178条:債務者本人の免責であり保証人には及ばない |
| 担保の扱い | 177条2項:別除権・第三者提供担保に影響しない | 53条:担保権者は別除権者として随時実行できる 178条:担保権自体には直接触れない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社の重整・和議が保証人や共同債務者には及ばないという方向で、信用補完機能を保護する点は日本と共通する
韓国の統合倒産法も回生計画が保証人・連帯債務者に影響しないと明記し、日本177条2項とほぼ同旨
ドイツ倒産計画も、共同債務者・保証人に対する債権者の権利は計画に影響されないと規定する
米国破産法は、債務者の免責が保証人など第三者の責任に影響しないと定める(third-party release は別途厳格な要件下でのみ)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が民事再生を申し立て、あなたの売掛金3,000万円は再生計画で600万円に減額。だが契約時に社長個人の連帯保証を取っていたなら、残り2,400万円は保証人に満額請求できる。保証を取っていたかどうかで、回収額は5倍違う
- あなたは5年前、友人の会社の銀行融資に連帯保証のハンコを押した。会社は今、民事再生で借金を圧縮して生き延びた。だが銀行はあなたに満額を請求してくる。会社は救われ、保証人のあなただけが沈む
- あなたの会社が民事再生を申し立てたが、工場に抵当権を持つ銀行は再生計画の枠外。別除権者として、計画と無関係に競売を申し立てられる。本業の生産拠点を失えば、再建そのものが崩れる
- もし、あなたが保証人として満額を肩代わりして払ったら、再生した会社に立て替え分を請求できるのか。答えは、その求償権も再生債権として8割カットされる。払い損になるリスクを、誰も先に教えてくれない
- 保証人への請求書が届いた。対応の検討に残された時間はあとわずか。再生計画の効力範囲を確認せず安易に応じれば、整理や減額交渉の余地を自ら手放す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生計画で債権がカットされても、保証人・連帯保証人・物上保証人がいないか契約書を総点検する2. いれば177条2項により満額を保証人に請求できるので、内容証明で請求3. 抵当権など別除権があれば、再生計画と無関係に担保実行、または別除権協定で回収4. 保証人も無資力なら財産調査と早期の仮差押えを検討。会社の手続に気を取られ保証人への請求を放置すると、回収機会を逃す
訴えられた側:1. 会社が民事再生しても177条2項で自分の保証債務は減らないと理解する。請求自体は正当2. ただし満額即払いではなく、経営者保証に関するガイドラインで残存資産の確保や一部免除を交渉できる場合がある3. 会社が再生計画に基づき弁済した分は保証債務も減る(債権者は二重取りできない)ので、会社の弁済状況を把握4. 自力で払えないなら、自分自身の民事再生や自己破産も視野に弁護士へ
時効(請求できる期限):保証債務自体の消滅時効は、主債務の種類により権利を行使できる時から原則5年または10年(民法166条)。再生手続開始により主債務の時効は完成猶予されうるが、保証債務への波及は個別判断となる。請求書受領後の異議や交渉には手続上の期限が絡むため、届いたら直ちに弁護士へ(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:177条2項は、再生債務者の再建(1項による無担保再生債権のカット)と、保証・担保という信用補完の維持とを均衡させる規定と理解される。保証や担保まで消滅させれば信用取引が成り立たなくなるため、救済対象を債務者本人に限定した線引きとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定に伴い新設。旧和議法に代わる再建型手続として、再生計画の効力範囲と、別除権者・保証人・第三者担保への非影響を明文化した。
- 民事再生法 第53条別除権の定義、本条2項が直接参照
- 民事再生法 第156条再生債権者の権利変更の一般的基準(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第178条再生債権の免責、債務者本人の責任消滅(現行効力を要確認)
- 民法 第457条主債務に生じた事由の保証への効力、その例外を本条が画する
- 破産法 第253条免責は保証人に影響しないとする並行倒産手続の対応規定(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第203条更生計画の効力範囲に関する対応規定(現行効力を要確認)
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