要点民事再生法183条の2は、再生計画に募集株式の条項を定めた場合、会社法199条2項の株主総会決議によらず、取締役会の決議で募集事項を決められると定める特則である。
Q · 民事再生に入った会社は、株主総会を開かずに新株を発行できるの?
再生計画に条項を定めれば取締役会決議だけで可能です
民事再生法183条の2により、再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めて再生計画が認可されれば、会社法199条2項が求める株主総会の特別決議によらず、取締役会の決議(取締役会非設置会社では取締役の決定)だけで募集事項を決められます。株主保護規定である会社法199条4項・204条2項・205条2項も適用されません。代わりに再生計画認可という裁判所のチェックが公正を担保します。募集株式発行による変更登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本または抄本の添付が必要です。
会社が民事再生に入ると、経営陣と裁判所の認可だけで新しい株を発行できる。本来、新株発行には株主総会の決議が要る(会社法199条2項)。だが183条の2は、再生計画にその条項を盛り込めば、取締役会の決議(取締役会のない会社なら取締役の決定)だけで募集事項を決められると定める。つまり、潰れかけた会社の既存株主は、自分の持ち株が薄まる決定に一票も投じられない。スポンサーが資本を注入して経営権を握る場面、債権者が貸付金を株式に振り替えるデット・エクイティ・スワップの場面、そのどちらもこの一条が土台になっている。あなたが小さな会社の株を持っていて、その会社が再生手続に入ったなら、あなたの知らないところで持ち株比率が大きく動く。逆にあなたが再建を目指す経営者なら、株主の反対で身動きが取れなくなる事態を、この条文が解いてくれる。
民事再生法183条の2は、民事再生手続における募集株式発行の特則を定める規定である。再生計画に会社法上の募集株式条項を盛り込み再生計画が認可された場合、通常は株主総会の決議を要する募集事項の決定を、取締役会の決議または取締役の決定のみで行うことを認める。既存株主の個別の同意権に代えて、再生計画認可という裁判所の関与が手続の公正を担保する仕組みである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生計画に基づき再生債務者が新株を発行し、その引受人を募集することです。民事再生法183条の2が、その決定手続を取締役会の決議で行える特則を定めています。
債務超過の会社の株式は経済的価値がほぼゼロとされ、保護すべき株主利益が小さいためです。個別の同意に代えて再生計画認可という裁判所のチェックが行われます。
実務では既存株式を100%減資で消したうえ、スポンサーへ新株を割り当てる組み合わせが定番です。気づいたときには持ち株がゼロになっていることがあります。
募集株式の発行による変更登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本または抄本を添付しなければなりません(183条の2第3項)。これを欠くと登記が通りません。
スポンサーが資本を注入して経営権を握る再建手法です。183条の2でスポンサーへ新株を割り当て、既存株主の反対をくぐり抜けて資本再構成を実現します。
使えます。取締役会設置会社は取締役会の決議、取締役会非設置会社は取締役の決定によって募集事項を定められると183条の2第1項が規定しています。
債務超過の段階で株式の経済的価値はほぼゼロとされます。さらに募集株式の発行や減資で持ち株比率が大きく薄まることがあります。
必要です。183条の2第2項が会社法201条3項から5項までを準用するため、公開会社は募集事項の公告または通知をしなければなりません。
募集株式の発行は取締役会で決められ、あなた個別の同意は不要です(183条の2第1項、会社法199条2項を適用排除)。ただし再生計画全体には裁判所の認可が必要で、その前に意見を述べる機会はあります。業界裏話ヒント:実務では100%減資でいったん既存株式を消し、その後スポンサーへ新株を割り当てる組み合わせが定番。気づいたときには持ち株がゼロになっている。再生計画案が出た瞬間に動けるかが分かれ目です。
あります。債権者が再生債務者への債権を現物出資し、その対価に新株を受け取るのがDESで、その新株発行の決定手続をこの条文が簡略化します(183条の2第1項)。業界裏話ヒント:DESは債権者から見れば「現金で1割回収」より「株で会社の再建益を取りに行く」選択になる。再建が成功すれば現金回収を上回ることもあるが、失敗すれば株も紙くず。賭ける価値があるかは再生計画の事業計画の精度次第です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 募集事項の決定機関 | 民再 183条の2:取締役会の決議(または取締役の決定) | — |
| 株主保護規定の適用 | 会社法199条4項・204条2項・205条2項を適用排除 | — |
| 前提となる手続 | 再生計画に募集株式条項あり+認可確定 | — |
| 変更登記の添付書類 | 再生計画認可の裁判書の謄本または抄本(3項) | — |
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