民事再生法 第183条の2(再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めた場合の取扱い)
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- 第百五十四条第四項の規定により再生計画において募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めたときは、会社法第百九十九条第二項の規定にかかわらず、取締役の決定(再生債務者が取締役会設置会社である場合にあっては、取締役会の決議)によって、同項に規定する募集事項を定めることができる。この場合においては、同条第四項並びに同法第二百四条第二項及び第二百五条第二項の規定は、適用しない。
- 2.会社法第二百一条第三項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。
- 3.第一項の募集株式を引き受ける者の募集による変更の登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本又は抄本を添付しなければならない。
この条文の基本情報
再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めた場合の取扱いとは何ですか?
定義再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めた場合の取扱いとは、民事再生法第183条の2に定められた規定で、「第百五十四条第四項の規定により再生計画において募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めたときは、会社法第百九十九条第二項の規定にかかわらず、取締役の決定(…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第183条の2(再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めた場合の取扱い)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第183条の2の条文原文は「第百五十四条第四項の規定により再生計画において募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めたときは、会社法第百九十九条第二項の規定にかかわらず、取締役の決定(…」で始まります。
- 民事再生法第183条の2は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第183条の2の前の条は民事再生法第183条です。
- 民事再生法第183条の2の次の条は民事再生法第184条です。
- 民事再生法第183条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第183条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第183条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/183_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法183条の2は、再生計画に募集株式の条項を定めた場合、会社法199条2項の株主総会決議によらず、取締役会の決議で募集事項を決められると定める特則である。
Q · 民事再生に入った会社は、株主総会を開かずに新株を発行できるの?
再生計画に条項を定めれば取締役会決議だけで可能です
民事再生法183条の2により、再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めて再生計画が認可されれば、会社法199条2項が求める株主総会の特別決議によらず、取締役会の決議(取締役会非設置会社では取締役の決定)だけで募集事項を決められます。株主保護規定である会社法199条4項・204条2項・205条2項も適用されません。代わりに再生計画認可という裁判所のチェックが公正を担保します。募集株式発行による変更登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本または抄本の添付が必要です。
解説
会社が民事再生に入ると、経営陣と裁判所の認可だけで新しい株を発行できる。本来、新株発行には株主総会の決議が要る(会社法199条2項)。だが183条の2は、再生計画にその条項を盛り込めば、取締役会の決議(取締役会のない会社なら取締役の決定)だけで募集事項を決められると定める。つまり、潰れかけた会社の既存株主は、自分の持ち株が薄まる決定に一票も投じられない。スポンサーが資本を注入して経営権を握る場面、債権者が貸付金を株式に振り替えるデット・エクイティ・スワップの場面、そのどちらもこの一条が土台になっている。あなたが小さな会社の株を持っていて、その会社が再生手続に入ったなら、あなたの知らないところで持ち株比率が大きく動く。逆にあなたが再建を目指す経営者なら、株主の反対で身動きが取れなくなる事態を、この条文が解いてくれる。
法的な位置づけ
民事再生法183条の2は、民事再生手続における募集株式発行の特則を定める規定である。再生計画に会社法上の募集株式条項を盛り込み再生計画が認可された場合、通常は株主総会の決議を要する募集事項の決定を、取締役会の決議または取締役の決定のみで行うことを認める。既存株主の個別の同意権に代えて、再生計画認可という裁判所の関与が手続の公正を担保する仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生計画案に募集株式条項を盛り込む スポンサーや債権者と新株発行のスキームを固めたうえで、民事再生法154条4項の募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を再生計画案に明記する。誰に何株をどの条件で発行するかを設計する
- 2.再生計画の認可確定を待つ 再生計画は債権者の決議と裁判所の認可を経て効力を生じる。認可決定が確定するまでは募集株式の発行手続には進めない。認可裁判書の謄本または抄本を取得しておく
- 3.取締役会決議で募集事項を決定する 認可確定後、取締役会の決議(取締役会非設置会社では取締役の決定)で会社法199条1項の募集事項を定める。株主総会の特別決議は不要で、199条4項・204条2項・205条2項も適用されない
- 4.公開会社は募集事項を公告または通知する 公開会社の場合、183条の2第2項が準用する会社法201条3項から5項までに従い、募集事項を公告または通知する。割当て・引受け・払込みの手続を進める
- 5.変更登記に認可裁判書謄本を添付して申請する 募集株式の発行による変更登記の申請書に、再生計画認可の裁判書の謄本または抄本を必ず添付する(183条の2第3項)。効力発生から原則2週間以内に本店所在地で申請する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の募集株式とは何ですか?
再生計画に基づき再生債務者が新株を発行し、その引受人を募集することです。民事再生法183条の2が、その決定手続を取締役会の決議で行える特則を定めています。
Q2民事再生で株主総会が不要になるのはなぜですか?
債務超過の会社の株式は経済的価値がほぼゼロとされ、保護すべき株主利益が小さいためです。個別の同意に代えて再生計画認可という裁判所のチェックが行われます。
Q3民事再生で100%減資されることはありますか?
実務では既存株式を100%減資で消したうえ、スポンサーへ新株を割り当てる組み合わせが定番です。気づいたときには持ち株がゼロになっていることがあります。
Q4民事再生の新株発行に必要な登記書類は何ですか?
募集株式の発行による変更登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本または抄本を添付しなければなりません(183条の2第3項)。これを欠くと登記が通りません。
Q5スポンサー型民事再生とは何ですか?
スポンサーが資本を注入して経営権を握る再建手法です。183条の2でスポンサーへ新株を割り当て、既存株主の反対をくぐり抜けて資本再構成を実現します。
Q6取締役会を設置していない会社でも使えますか?
使えます。取締役会設置会社は取締役会の決議、取締役会非設置会社は取締役の決定によって募集事項を定められると183条の2第1項が規定しています。
Q7民事再生に入ると株の価値はどうなりますか?
債務超過の段階で株式の経済的価値はほぼゼロとされます。さらに募集株式の発行や減資で持ち株比率が大きく薄まることがあります。
Q8公開会社の場合は公告や通知が必要ですか?
必要です。183条の2第2項が会社法201条3項から5項までを準用するため、公開会社は募集事項の公告または通知をしなければなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が民事再生したら、株主の私は何も言えずに株が薄められるんですか?
募集株式の発行は取締役会で決められ、あなた個別の同意は不要です(183条の2第1項、会社法199条2項を適用排除)。ただし再生計画全体には裁判所の認可が必要で、その前に意見を述べる機会はあります。実務のポイント:実務では100%減資でいったん既存株式を消し、その後スポンサーへ新株を割り当てる組み合わせが定番。気づいたときには持ち株がゼロになっている。再生計画案が出た瞬間に動けるかが分かれ目です。
Q2借金を株に換えるデット・エクイティ・スワップって、この条文と関係あるんですか?
あります。債権者が再生債務者への債権を現物出資し、その対価に新株を受け取るのがDESで、その新株発行の決定手続をこの条文が簡略化します(183条の2第1項)。実務のポイント:DESは債権者から見れば「現金で1割回収」より「株で会社の再建益を取りに行く」選択になる。再建が成功すれば現金回収を上回ることもあるが、失敗すれば株も紙くず。賭ける価値があるかは再生計画の事業計画の精度次第です。
間違えやすい点 AI による整理
- 株主の立場では「自分の会社の株なのだから、新株を出すなら当然自分の同意が要る」と考える。だが再生手続に入った会社を法律はこう見る。債務超過の会社の株式はもはや経済的価値がほぼゼロであり、保護すべき既存株主の利益も小さい、と。この見え方の落差こそが、株主総会決議を不要とする根拠になっている
- 募集株式の発行が取締役会だけで決まること自体は知っていても、その威力の深刻さを見落としがちだ。スポンサーに90%以上の新株を割り当てれば、既存株主は実質的に会社から締め出される。「希薄化」という言葉の生ぬるさとは裏腹に、現実には支配権の総入れ替えが一回の取締役会で起きる
- 「民事再生なら株主の権利も手続全体で守られるはず」と思われがちだが、募集株式に関しては逆だ。会社法の株主保護規定(199条4項、204条2項、205条2項)が条文上はっきり適用除外されている。個々の株主の同意に代わって、再生計画の認可という裁判所のチェックがその役割を引き受ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 募集事項の決定機関 | 民再183条の2:取締役会の決議(または取締役の決定) | 会社法199条:株主総会の特別決議が原則 民再154条:再生計画の条項として定め裁判所が認可 |
| 株主保護規定の適用 | 会社法199条4項・204条2項・205条2項を適用排除 | 199条4項等の株主保護規定が全面適用 計画の認可審査で集団的に公正を担保 |
| 前提となる手続 | 再生計画に募集株式条項あり+認可確定 | 平時の会社運営(倒産手続外) 再生計画の策定・可決・認可 |
| 変更登記の添付書類 | 再生計画認可の裁判書の謄本または抄本(3項) | 株主総会議事録・取締役会議事録等 —(計画認可決定が前提) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社法上の『重整』手続で重整計画に資本変更を定め、裁判所の関与のもと株主会決議を排除しうる点で日本と発想が近い
韓国は統合倒産法のもと会生計画による新株発行・出資転換を認め、計画認可で株主の個別同意を代替する
ドイツは2012年のESUG改正で倒産計画におけるデット・エクイティ・スワップを明文化し、株主の同意なき資本再構成を可能にした
米国Chapter 11は再建計画で証券の発行や債務の株式化を定めることを認め、計画認可で実現する。日本の再建型倒産法の参照元の一つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが10年前に勤めていた会社の株を少しだけ持っていたとする。その会社が民事再生を申し立てたと聞いたが、放っておいたらどうなる? 再生計画でスポンサーに大量の新株が発行され、あなたの持ち株比率は数十分の一に薄まる。株主総会の通知すら来ないまま、決定は取締役会で済んでいく
- あなたが資金繰りに行き詰まった会社の社長で、スポンサー候補が「過半数の株をくれるなら出資する」と言っている。だが既存株主の一部が感情的に反対している。民事再生に入り再生計画に募集株式条項を入れれば、その反対をくぐり抜けてスポンサーへ新株を割り当てられる
- 取引先に多額の売掛金があったが、相手が民事再生に入った。現金では1割しか戻らないと言われたところに、再生計画で借金を株式に振り替えるデット・エクイティ・スワップが提案された。あなたは債権者から、その会社の株主へと立場が変わる
- 再生計画の認可が確定した。新株発行の変更登記まで残された時間はわずか。認可裁判書の謄本を添えなければ、その登記は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会社が民事再生を申し立てたら、まず再生計画案に募集株式条項があるか確認する。2. あれば、いつ・誰に・何株発行されるかを見て、自分の持ち株比率がどこまで薄まるか試算する。3. 異議があるなら再生計画案の段階で意見を述べる。認可決定の確定後は登記まで一気に進み、覆すのは極めて難しい。4. 手続に著しい不当性を疑うなら、再生計画認可決定に対する即時抗告(民事再生法)の可否を弁護士に相談する。(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. スポンサーや債権者と新株発行のスキームを固めたら、再生計画に154条4項の募集株式条項を明記する。2. 認可後、取締役会(取締役会非設置なら取締役)の決定で募集事項を定める。会社法199条2項の株主総会決議は不要。3. 公開会社なら会社法201条3項から5項の準用に従い、募集事項を公告または通知する。4. 変更登記の申請書には必ず再生計画認可の裁判書の謄本または抄本を添付する(3項)。これを欠くと登記が通らない。
時効(請求できる期限):特定の消滅時効が問題になる条文ではない。要点は手続上の期限で、新株発行による変更登記は効力発生から原則2週間以内(会社法915条)に本店所在地で行う。前提として再生計画認可の決定が確定していること、認可裁判書の謄本または抄本の添付が必須。(具体的な登記期間は最新の改正状況をご確認ください)
- 民事再生法 第154条再生計画に募集株式条項を定める根拠
- 民事再生法 第174条再生計画認可の決定、認可裁判書添付の前提
- 会社法 第199条募集事項決定の原則(株主総会決議)を修正
- 会社法 第201条公開会社の募集事項決定の特則を準用
- 会社法 第204条募集株式の割当て、第2項の適用を排除
- 会社法 第205条引受けの申込み・割当ての特則、第2項を排除
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