要点民事再生法 205 条は、住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可確定したとき、一般の権利変更規定を適用せず、住宅ローン債権を 156 条の一般的基準に従って調整する規定である。
Q · 個人再生で家を残すとき、保証会社が立て替えた住宅ローンはどうなるの?
巻戻しで代位弁済がなかった扱いになり元の条件で払えます
住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可確定すると、民事再生法 205 条により、一般の権利変更規定(157 条・159 条・164 条 2 項後段・179 条)は適用されず、住宅ローン債権は 156 条の一般的基準に従って調整されます。保証会社が代位弁済していた場合でも、代位弁済日から 6 か月以内に申立てをすれば巻戻し(198 条 2 項)が働き、代位弁済がなかったものとして元のローン条件を維持しながら家を残せます。
住宅ローンが払えず数か月滞納すると、保証会社が銀行に残額を一括で立て替える(代位弁済)。この瞬間、あなたの住宅ローンは「分割で返せる借金」から「保証会社への一括返済義務」に変わり、競売へのカウントダウンが始まる。普通はここで家を失う。だが民事再生法には、その時計の針を巻き戻す隠し扉がある。代位弁済の日から6か月以内に個人再生を申し立て、住宅資金特別条項を定めれば、保証会社の立替えがなかったことになり、あなたは元のローン条件で払い続けられる。205条はその巻戻しの仕上げの条文だ。本来なら再生手続で債権者の権利が一律にカットされるところ、157条・159条・164条2項後段・179条の適用を外し、代わりに特別条項の基準(156条)に従って権利だけを調整する。家を守るために他の借金は減らしつつ、住宅ローンだけは生かしておく、その配線をつなぐブレーカーがこの条文である。
民事再生法 205 条は、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可決定が確定した場合における住宅ローン債権者等の権利変更の方式を定める規定である。一般の再生債権に適用される権利変更規定(157 条・159 条・164 条 2 項後段・179 条)を排除し、代わりに 156 条の一般的基準に従って住宅資金貸付債権の権利を調整する。保証会社が代位弁済した場合の取扱いも規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
個人再生手続で、住宅ローンだけは減額せず元の条件で払い続け、他の借金を圧縮して自宅を残す特則です。民事再生法 198 条以下が定めます。
保証会社が代位弁済した後でも、代位弁済日から 6 か月以内に申立てをすれば、代位弁済がなかったものとして元のローン条件に戻せる制度です(198 条 2 項)。
住宅資金特別条項の要件を満たすこと、住宅ローンを従前どおり払い続けること、代位弁済済みなら 6 か月以内に申立てることが基本条件です。
巻戻しが使えなくなり、住宅資金特別条項による救済が原則認められません。競売手続がそのまま進み、家を失う可能性が高くなります。
抵当権に住宅ローン以外の担保が付いている、代位弁済から 6 か月超過、住宅の定義を満たさない、弁済可能性がない、などの場合です。
民事再生法 197 条に基づき、再生手続中に住宅の競売手続を一時的に止める命令です。特別条項の準備中に家を守る手段になります。
住宅資金特別条項は約定どおりの弁済継続が前提です。認可確定までに 1 回でも滞ると特則が崩れ、家を残せなくなる恐れがあります。
住宅ローンは 1 円も減らず満額払い続けるため、他の借金を圧縮しても総返済額はむしろ増える場合があります。残す価値の見極めが必要です。
いいえ、逆です。住宅資金特別条項を使う限り、住宅ローンの元本も利息も1円も減りません(199条)。減額されるのは住宅ローン以外の借金で、その圧縮後の返済を続けながら、住宅ローンは満額払い続けるのが条件です。業界裏話ヒント:弁護士は最初の面談で『家を残すと総返済額はむしろ増えることがある』と必ず説明しますが、相談者は『家を残せる』の一言だけで安心しがち。自宅の市場価値・残ローン・今後の収入を冷静に並べ、本当に残す価値があるか先に計算するのがプロの手順です
手遅れとは限りません。代位弁済日から6か月以内に個人再生を申し立てれば、巻戻しによって代位弁済がなかったものとして扱われ、元のローン条件で払い続けられます(198条2項、205条1項)。業界裏話ヒント:この6か月の起算点は『代位弁済日』であって『通知が届いた日』ではありません。通知は数週間遅れて届くこともあり、気付いたときには残り4か月ということも。通知を受け取ったら、まず通知書に書かれた代位弁済日を確認するのが鉄則です
巻戻しが成立し元の条件で払い続けられれば、保証人への請求も基本的に止まります。逆に特則を使わず通常の再生で住宅ローンも対象にすると、保証人は別途請求を受けます。民事再生法の原則として、再生計画は保証人の責任に影響を及ぼさないからです(177条2項の趣旨)。業界裏話ヒント:個人再生は本人の借金を圧縮しても保証人の責任はそのまま残るのが原則。家族を保証人にしている場合、特則で家とローンを丸ごと生かす方が、結果的に家族を守ることになります(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 205 条:権利変更の仕上げ(一般規定を排除し 156 条基準で調整) | — |
| 住宅ローンの扱い | 205 条:減額せず 156 条の一般的基準に従って権利を調整 | — |
| 代位弁済との関係 | 205 条:保証会社の履行があった場合の権利変更も規律 | — |
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