民事再生法 第197条(抵当権の実行手続の中止命令等)
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- 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生債務者の申立てにより、相当の期間を定めて、住宅又は再生債務者が有する住宅の敷地に設定されている前条第三号に規定する抵当権の実行手続の中止を命ずることができる。
- 2.第三十一条第二項から第六項までの規定は、前項の規定による中止の命令について準用する。
- 3.裁判所は、再生債務者が再生手続開始後に住宅資金貸付債権の一部を弁済しなければ住宅資金貸付契約の定めにより当該住宅資金貸付債権の全部又は一部について期限の利益を喪失することとなる場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
この条文の基本情報
抵当権の実行手続の中止命令等とは何ですか?
定義抵当権の実行手続の中止命令等とは、民事再生法第197条に定められた規定で、「裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生債務者の申立てにより、相当の期間を定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第197条(抵当権の実行手続の中止命令等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第197条の条文原文は「裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生債務者の申立てにより、相当の期間を定…」で始まります。
- 民事再生法第197条は第十章 住宅資金貸付債権に関する特則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第197条の前の条は民事再生法第196条です。
- 民事再生法第197条の次の条は民事再生法第198条です。
- 民事再生法第197条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第197条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第197条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/197
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法197条は、住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込みがあるとき、裁判所が相当の期間を定めて自宅の抵当権実行(競売)手続の中止を命じられると定める。
Q · 住宅ローンを滞納して競売の通知が来た。家を守りながら借金を整理する方法はある?
認可見込みがあれば競売を一時停止できる。ただし代金納付前まで
民事再生法197条により、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可見込みがあると裁判所が認めれば、再生債務者の申立てで自宅の競売手続を相当の期間中止できます(1項)。これにより、住宅ローンは原則維持し、その他の借金を圧縮する個人再生を進める時間が生まれます。3項では、計画確定前でも住宅ローンの弁済を許可してもらい、期限の利益喪失(残額一括請求)を防げます。ただし中止が効くのは買受人が代金を納付する前までで、納付後は所有権が移転し取り返せません。
解説
住宅ローンを滞納し、銀行から競売を申し立てたという通知が届いた。多くの人はこの瞬間、もう家は終わりだと天を仰ぐ。だが民事再生法197条を知る者は、そこから反撃に入る。この条文は、住宅ローン以外の借金を大幅に圧縮しつつ自宅を手放さずに済む個人再生(住宅資金特別条項)について、計画が認可される見込みがあると裁判所が認めれば、進行中の競売手続そのものを一時停止させる中止命令を出せると定める(1項)。さらに3項では、再生計画が確定する前でも、ローンの一部を払い続けて期限の利益喪失(残額を一括請求される事態)を防ぐ許可を裁判所に求められる。つまりこの条文は、競売のカウントダウンに割り込んで時計の針を止める非常ブレーキだ。知らなければ家を失い、知っていれば守れる。その差がこの数行に詰まっている。
法的な位置づけ
民事再生法197条は、個人再生における住宅資金特別条項の実効性を担保する規定であり、住宅又はその敷地に設定された抵当権の実行手続について、裁判所が相当の期間を定めて中止を命じることを認める。あわせて、再生計画認可前における住宅資金貸付債権の弁済許可を定め、期限の利益の喪失を防止する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.売却期日と代金納付時期を確認する 競売開始決定の通知が届いたら、まず売却(開札)期日と代金納付の時期を確認する。これが中止命令を取れるかどうかのタイムリミットになる
- 2.個人再生が使えるか専門家に相談する 住宅ローン以外の借金を一覧化し、債務総額・継続収入の有無から個人再生が使えるかを、再生手続に強い弁護士・司法書士に相談する
- 3.再生手続開始と中止命令を同時に申し立てる 再生手続開始を申し立てると同時に、197条1項の競売中止命令を申し立て、住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込みを示す資料を提出する
- 4.3項の弁済許可を併せて申し立てる 手続中の延滞による期限の利益喪失を防ぐため、197条3項の弁済許可も併せて申し立てておく。これを取らずに延滞すると住宅特則の前提が崩れる
よくある質問 AI による整理
Q1個人再生で競売を止める方法は?
個人再生を申し立て、住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込みを裁判所に示し、民事再生法197条1項の中止命令を申し立てます。中止が効くのは代金納付前までです。
Q2住宅資金特別条項とは何ですか?
住宅ローンは原則そのまま払い続けて自宅を残し、それ以外の債務だけを再生計画で圧縮する個人再生の特則です。197条はその入口で競売の進行を止める装置です。
Q3競売中止命令はいつまで有効ですか?
「相当の期間」を区切った一時停止にすぎません。その期間内に再生計画を認可・確定まで持っていけなければ中止は解け、競売は再開します。
Q4個人再生で住宅ローンの家は残せますか?
住宅資金特別条項を使えば、住宅ローンは原則約定どおり弁済を続けることで自宅を残せます。197条の中止命令で手続中の競売進行を止められます。
Q5競売開始決定の通知が届いたらまず何をする?
まず売却(開札)期日と代金納付の時期を確認します。これがタイムリミットです。その上で個人再生に強い弁護士・司法書士へ早急に相談します。
Q6競売中止命令の申立てに必要なものは?
再生手続開始の申立てと、住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込みを疎明する資料(債務一覧、継続収入の証明等)が必要です。
Q7民事再生法197条3項の弁済許可とは?
再生計画確定前でも住宅ローンの一部弁済を裁判所が許可する制度です。手続中の延滞による期限の利益喪失を防ぎます。
Q8競売に間に合わないとどうなりますか?
買受人が代金を納付すると所有権が移転し、中止命令を出せなくなります。開札が目前だと打つ手が間に合わないため、通知到達時から動くことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売開始の通知が来てしまったんですが、もう手遅れですか?
まだ間に合う可能性が高いです。197条1項の中止命令は、競売手続が進行中でも、買受人が代金を納付する前であれば出してもらえます。個人再生を申し立て、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可見込みを裁判所に示すのが条件です。実務のポイント:中止命令は自動では出ません。再生債務者の「申立て」が必要で、認可見込みを疎明する資料も揃えねばならない。だから通知が来たら一日でも早く再生手続に強い専門家へ。開札期日が近いほど準備時間が削られ、間に合わないリスクが跳ね上がる
Q2再生手続の途中で住宅ローンの引き落としができなかったら、家はどうなりますか?
本来なら一度の延滞でも契約上の期限の利益を失い、残額を一括請求されかねません。しかし197条3項の弁済許可を裁判所から得ておけば、再生計画が確定する前でもローンを払い続けることが認められ、期限の利益の喪失を防げます。実務のポイント:この3項の弁済許可を最初から申立てに組み込むかで手続中の事故率が大きく変わる。慣れた代理人はセットで申し立てる。知らずに進めると、認可を待つ数か月の間に延滞事故が起き、住宅特則そのものが使えなくなる落とし穴がある
Q3中止命令が出れば、もう競売の心配はしなくていいんですか?
いいえ、中止命令はあくまで「相当の期間」を区切った一時停止であり、競売を消滅させるものではありません(197条1項)。最終的に住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可・確定して初めて、競売の取下げや手続の終了につながります。実務のポイント:中止命令は時間を買う道具であってゴールではない。この期間内に再生計画を仕上げて認可までこぎつけないと、中止が解けて競売が再開する。中止が出た瞬間に気を抜く人ほど、後で足をすくわれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「借金が払えなくなって法的整理をすれば、家は必ず競売で取られる」と思い込んでいる人が多い。だが個人再生の住宅資金特別条項を使えば、住宅ローンは原則そのまま払い続けて自宅を残しつつ、それ以外の債務だけを大幅に圧縮できる。197条はその入口で競売の進行を止めるための装置だ
- 競売通知が来た人がまず口にするのは「どうすれば競売を止められますか」だが、問いの立て方自体がずれている。本当に決定的なのは止め方ではなく残り時間。中止命令が効くのは買受人が代金を納付する前までで、相談に来た時点で開札が目前なら、もう打つ手が間に合わない。最初に確認すべきは方法ではなく締切だ
- 「中止命令さえ出してもらえれば、もう競売の心配はない」と安心する人がいる。実際は中止命令は相当の期間を区切った一時停止にすぎず、競売を消滅させるものではない。その期間内に再生計画を認可・確定まで持っていけなければ、中止は解け、競売は再開する。安心した瞬間こそ最も危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象とする手続 | 197条:住宅又はその敷地の抵当権実行(競売)手続の中止 | 31条:再生債権を被担保債権とする担保権実行手続の中止(一般) 198条:住宅資金特別条項を定めることができる場合の要件 |
| 効果の性質 | 相当の期間を定めた一時停止(消滅ではない) | 相当の期間を定めた一時停止 計画に特別条項を組み込む可否の問題 |
| 発動の要件 | 住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込み + 申立て | 再生のために必要 + 債権者の利益を不当に害さない + 申立て 住宅・住宅資金貸付債権・抵当権の定義(196条)を満たすこと |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も更生・清算の申立てに伴う保全処分として強制執行(拍賣を含む)の中止を認める。住宅保持の趣旨と時限的停止の構造が日本の197条に近い。
韓国の個人回生(개인회생)でも、開始決定前後に強制執行・担保権実行の中止・禁止命令が用意されており、債務者の更生機会の確保という機能が共通する。
ドイツは倒産手続中の不動産強制競売を、債権者間の調整や更生の見込みを理由に一時的に停止できる。住宅という生活基盤の保護という点で趣旨が近い。
米国は申立てと同時に自動停止が発生し、Chapter 13で個人が住宅ローンの延滞を計画弁済しながら住宅を保持できる。日本の197条+住宅特則は、この更生型・住宅保持型の発想を取り込んだもの。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住宅ローンを6か月滞納し、ついに競売開始決定の通知が届いた。開札期日まであと2か月。今から個人再生を申し立て、197条の中止命令を取れば、競売を止めて自宅を守りながら他の借金を圧縮できる。だが代金が納付された瞬間に家は買受人のものになり、もう取り返せない。残された時間で動けるかどうかがすべてを決める
- もし、リストラで収入が半減し、住宅ローンと教育ローンとカード払いが同時に苦しくなったら、どこから手をつける? 答えは家を守る順から。197条で競売を止め、住宅ローンは原則維持し、それ以外を再生計画で圧縮する設計が定石になる
- あなたが個人に金を貸し、担保として相手の自宅に抵当権をつけていたとする。競売を申し立てた途端、裁判所から中止命令が届く。回収のスケジュールが一方的に止まる。これが債権者側から見た197条の景色だ
- あなたが連帯保証していた親族の事業が焦げつき、自分の落ち度でもないのに自宅へ抵当権が実行されかけた。個人再生を申し立て、認可の見込みを裁判所に示せれば、197条の中止命令で競売の進行を止め、立て直しの時間を作れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 競売開始決定の通知が来たら、まず売却(開札)期日と代金納付の時期を確認、これがタイムリミット2. 住宅ローン以外の借金状況を一覧化し、個人再生が使えるか(債務総額・継続収入の有無)を再生手続に強い弁護士・司法書士に相談3. 再生手続開始を申し立てると同時に、197条1項の中止命令を申し立て、計画認可の見込みを示す資料を提出4. 手続中の延滞を防ぐため、3項の弁済許可も併せて申し立てる
訴えられた側:1. 中止命令が届いたら、まず命令書の「相当の期間」と対象範囲を確認2. 中止命令には不服申立て(31条準用の枠組みによる即時抗告等)の余地があるため、認可見込みの有無を精査3. 住宅資金特別条項を定めた再生計画案の弁済方法・期間を確認し、自社の回収にどう影響するか試算4. 計画に異議があれば再生手続内の意見聴取・決議の場で主張し、競売再開の条件を見極める
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はないが、中止命令が実効性を持つのは競売手続で買受人が代金を納付する前まで(納付後は所有権が移転し中止できない)。3項の弁済許可は再生計画認可の決定が確定する前に申し立てる必要がある。実質的なカウントダウンは競売開始決定通知の到達時から始まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:197条の中止命令は、住宅資金特別条項付き再生計画の認可見込みを前提に、競売手続を一時的に停止して債務者の経済的更生の機会を確保する制度と理解される。中止は競売を消滅させるものではなく、最終的には認可・確定した再生計画によって手続の帰すうが決まる、時間を区切った保全的措置と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正・平成13年(2001年)4月施行 民事再生法に個人再生手続と住宅資金貸付債権に関する特則(第10章)が新設され、本条もこのとき新たに設けられた。住宅を手放さずに債務整理を行う道を開いた制度的中核。その後の改正状況は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。倒産処理の迅速・柔軟化を図る再生型手続として成立。
- 2.平成12年(2000年) 改正:個人再生手続および住宅資金貸付債権に関する特則(第10章)を新設し、本条もこのとき設けられた。平成13年4月施行。住宅を手放さずに債務整理を行う道を開いた制度的中核。その後の改正状況は人的検証が必要。
- 民事再生法 第196条住宅・住宅資金貸付債権・抵当権の定義、本条が前提とする前条
- 民事再生法 第198条住宅資金特別条項を定めることができる場合等
- 民事再生法 第199条住宅資金特別条項の内容、認可見込み判断の基準
- 民事再生法 第31条担保権の実行手続の中止命令、2項で手続を準用
- 民事執行法 第180条不動産担保権の実行方法、本条が中止する競売手続の根拠(倒産手続が個別執行に優先)
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