民事再生法 第206条(住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消し等)
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- 住宅資金特別条項を定めた再生計画についての第百八十九条第一項第二号に掲げる事由を理由とする再生計画取消しの申立ては、同条第三項の規定にかかわらず、再生計画の定めによって認められた権利(住宅資金特別条項によって変更された後のものを除く。)の全部(履行された部分を除く。)について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる当該権利を有する再生債権者であって、その有する履行期限が到来した当該権利の全部又は一部について履行を受けていないものに限り、することができる。
- 2.住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消しの決定が確定した場合における第百八十九条第七項ただし書及び第百九十条第一項ただし書の規定の適用については、これらの規定中「再生債権者が再生計画によって得た権利」とあるのは、「再生債権者が再生計画によって得た権利及び第二百四条第一項本文の規定により生じた効力」とする。
この条文の基本情報
住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消し等とは何ですか?
定義住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消し等とは、民事再生法第206条に定められた規定で、「住宅資金特別条項を定めた再生計画についての第百八十九条第一項第二号に掲げる事由を理由とする再生計画取消しの申立ては、同条第三項の規定にかかわらず、再生計画の定め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第206条(住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消し等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第206条の条文原文は「住宅資金特別条項を定めた再生計画についての第百八十九条第一項第二号に掲げる事由を理由とする再生計画取消しの申立ては、同条第三項の規定にかかわらず、再生計画の定め…」で始まります。
- 民事再生法第206条は第十章 住宅資金貸付債権に関する特則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第206条の前の条は民事再生法第205条です。
- 民事再生法第206条の次の条は民事再生法第207条です。
- 民事再生法第206条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第206条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第206条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/206
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法206条は、住宅ローン特則付き再生計画の取消し申立てを、評価総額の十分の一以上を有する未払い債権者に限定し、小口債権者一人による計画取消しを防ぐ特則である。
Q · 個人再生で家を残したのに、一回でも返済が遅れたら計画を取り消されて家を失うの?
小口債権者一人では取り消せません(206条)
住宅資金特別条項付きの再生計画は、189条1項2号の不履行があっても、誰でも取消しを申し立てられるわけではありません。民事再生法206条1項は申立適格を、裁判所が評価した権利総額の十分の一以上を有し、かつ履行期が到来した分の弁済を受けていない再生債権者に限定しています。小口の債権者一人が腹いせに計画を潰すことはできず、未払い分を速やかに履行すれば取消事由自体が消える余地もあります。取消しが確定すると206条2項により204条1項の効力にも影響が及ぶため、保証人への波及も確認が必要です。
解説
借金が膨らんでも家だけは手放したくない。その願いを叶えるのが個人再生の住宅資金特別条項、いわゆる住宅ローン特則だ。あなたは裁判所で再生計画を認可してもらい、住宅ローンは従来通り払い続けながら、その他の借金を大幅に圧縮できる。だが認可されただけで安心してはいけない。普通の再生計画なら、あなたが弁済を一回怠っただけで、債権者は誰でも一人で計画取消しを申し立てられる(189条1項2号)。取消しが確定すれば、圧縮された借金が元に戻り、家も危うくなる。206条はここに防壁を築いた。住宅ローン特則付きの計画については、取消しを申し立てられるのは、裁判所が評価した権利総額の十分の一以上を持ち、かつ履行期が来たのに支払いを受けていない債権者だけに限られる。小口の債権者一人が腹いせに計画を潰す、その道を塞いだのだ。あなたが知らないところで、家を守る二重の鍵がかかっている。
法的な位置づけ
民事再生法206条は、住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消しに関する特則である。189条1項2号を理由とする取消しについて、189条3項の一般原則を修正し、申立適格を、裁判所が評価した権利総額の十分の一以上を有し、かつ履行期到来分の弁済を受けていない再生債権者に限定する。少数債権者の申立てで計画全体が崩れることを防ぐ機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取消し申立通知が来たら申立人の適格を確認 取消し申立ての通知を受けたら、まず申立人が206条1項の適格を満たすか確認する。裁判所評価の権利総額の十分の一以上を有し、かつ履行期到来分の未払いがある債権者か。住宅資金特別条項で変更された後の権利は分母から除く点に注意。満たさなければ適格欠如で却下を求める
- 2.未払い分を速やかに履行して取消事由を消す 取消しの前提は「履行期到来分の未払い」なので、滞納分を速やかに履行すれば189条1項2号の取消事由や206条の適格前提が消える余地がある。パニックで弁護士費用を気にする前に、まず滞納を埋める一手を検討する
- 3.保証人への波及(206条2項・204条1項)を確認 住宅ローンに保証人が付いている場合、取消し確定により206条2項の読替えで204条1項の効力とともに保証人の義務が復活しうる。確定前に保証人へ影響を説明し、対応を準備する
- 4.個人再生に強い専門家へ相談し答弁書期限を死守 個人再生・倒産処理に強い弁護士または司法書士に即相談し、答弁書や意見書の提出期限を死守する。適格の争い方と履行による事由消滅のどちらで戦うかを早期に決める
よくある質問 AI による整理
Q1住宅資金特別条項とは何ですか?
個人再生で住宅ローンだけは従来通り払い続け、住宅を手放さずに他の借金を圧縮できる特別な条項です。いわゆる住宅ローン特則で、民事再生法の個人再生手続で用いられます。
Q2民事再生法206条の「十分の一」とは何の十分の一ですか?
裁判所が評価した、再生計画で認められた権利の総額(住宅資金特別条項で変更された後の権利と履行済み部分を除く)の十分の一です。この額以上を持つ未払い債権者だけが取消しを申し立てられます。
Q3再生計画は認可後でも取り消されますか?
取り消される余地があります。認可はゴールではなく遂行義務のスタートで、弁済を怠れば189条1項2号の取消事由になります。ただし住宅特則付きは206条で申立適格が絞られます。
Q4個人再生の保証人は計画取消しで影響を受けますか?
受けます。取消し決定が確定すると、206条2項の読替えにより、204条1項本文の規定で生じた効力とともに保証人の義務の扱いが決まります。確定後すぐに影響を確認すべきです。
Q5履行期が来ていない債権でも取消しを申し立てられますか?
できません。206条1項は「履行期限が到来した権利の全部又は一部について履行を受けていない」債権者に適格を限定しており、期限前の債権では申立てできません。
Q6住宅ローン特則付きの計画は普通の計画と何が違いますか?
普通の計画は債権者一人でも取消しを申し立てられますが、住宅特則付きは206条により十分の一以上の未払い債権者に適格が限定される点が違います。住宅維持のための追加の壁です。
Q7再生計画取消しの決定が確定するとどうなりますか?
原則として圧縮されていた債権が満額に復活し、住宅も危うくなります。住宅特則付きでは206条2項の読替えにより204条1項の効力も含めて権利関係が処理されます。
Q8民事再生法189条と206条はどう関係しますか?
189条が再生計画取消しの一般原則を定め、206条がそのうち住宅特則付き計画について189条3項の申立適格を加重します。206条は189条の特則という関係です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生で家を残したのに、一回でも返済が遅れたら計画を取り消されて家を失うんですか?
一回の滞納で直ちに家を失うわけではありません。普通の再生計画なら債権者一人でも取消しを申し立てられますが、住宅ローン特則付きの計画は206条で適格が絞られ、評価総額の十分の一以上を持つ未払い債権者しか申し立てられません。実務のポイント:取消し申立てが来ても、未払い分を急いで履行すれば取消事由そのものが消えることが多い。多くの債務者はパニックで弁護士費用ばかり気にしますが、まず滞納を埋める一手が最も効きます
Q2うちは少額しか貸していないんですが、相手が滞納したので計画を取り消させたいです。できますか?
あなた一人の債権額が、裁判所が評価した権利総額の十分の一に満たなければ、単独では取消しを申し立てられません(206条1項)。同じく未払いの他の債権者と合わせて十分の一以上にする必要があります。実務のポイント:取消しを勝ち取っても、債務者が支払不能で破産へ移行すれば、無担保のあなたの配当はかえって減ることが多い。計画通り回収を続ける方が手取りが大きいケースは珍しくありません
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生計画が認可されれば、もう取り消されない」と思っている人が多いが、認可後でも弁済を怠れば取消しの対象になる(189条1項2号)。認可はゴールではなく、遂行義務のスタート地点だ
- 取消しのリスクは知っていても、その深刻さを見誤っている人がいる。取消しが確定すると、圧縮されていた借金が原則として元の満額に戻る。3年かけて減らしたはずの債務が一瞬で復活し、失うのは家だけではない
- あなたから見れば「たった一回の滞納」でも、小口債権者から見れば「取消しを仕掛ける口実」。だが206条という法律の目盛りで測れば、その債権者が十分の一の壁を越えない限り、口実は申立てにすらならない。この三者の見え方の落差を知らないと、不要な恐怖に支配される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取消しを申し立てられる者 | 206条:評価総額の十分の一以上を有し、かつ履行期到来分が未払いの債権者のみ | 189条:再生債権者は原則誰でも申立て可(1項2号) 204条:取消し規定ではなく住宅特則付き計画の効力を定める |
| 対象となる計画 | 住宅資金特別条項を定めた再生計画に限る | すべての再生計画に適用 住宅資金特別条項を定めた計画の効力全般 |
| 趣旨・機能 | 小口債権者の暴走を防ぎ、住宅維持と多数債権者の回収を安定させる | 計画不履行に対する一般的な取消しの枠組み 住宅ローンの権利変更とその効力の確定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所認可の更生方案により住宅維持型の債務整理が可能。方案の取消し・撤銷において申立適格を条文単位で加重する日本206条のような特則の有無は制度設計が異なる
韓国の個人回生も裁判所の変更・取消しの枠組みを持つが、住宅ローン維持を前提とした取消し申立適格の加重という日本固有の構造とは差がある
ドイツは消費者倒産と残債務免責を中心に構成され、住宅ローン特則付き計画に固有の取消し適格加重という発想は薄い
米国 Chapter 13は住宅ローン維持型プランを認め、プランの変更・転換・却下(dismissal)の枠組みがある。取消し適格を持分割合で加重する日本206条のような条文技術とは制度が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人再生で家を守り、3年間真面目に返済してきた。ある月、急な出費で他の債権者への弁済を一度だけ遅らせた。普通なら取消しの引き金(189条1項2号)だが、住宅ローン特則付きのあなたの計画は、その小口債権者一人では取り消せない。206条の十分の一要件が、一度のつまずきを致命傷にしない盾になっている
- もしあなたが個人再生中の債務者に貸し付けた小口の債権者で、相手の滞納に怒っているとしたら? 普通の計画なら一人で取消しを申し立てられるが、住宅ローン特則付きの計画相手では、あなた一人の債権額が評価総額の十分の一に届かなければ門前払い。仲間の未払い債権者を募って合計十分の一を超えなければ、取消しの土俵にすら上がれない
- 住宅ローンに親が保証人として付いていた。再生計画の取消し決定が確定した今、206条2項の読替えにより、保証人の負う義務が204条1項の効力とともにどう扱われるかが決まる。確定後すぐ、親への影響を確認しないと手遅れになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消し申立ての通知が来たら、まず申立人が206条の適格を満たすか確認する。裁判所評価の権利総額の十分の一以上を持ち、かつ履行期到来分の未払いがある債権者か。満たさなければ適格欠如で却下を求める。2. 適格があっても、未払い分を速やかに履行すれば取消事由(189条1項2号)が消える余地がある。3. 個人再生に強い弁護士・司法書士に即相談し、答弁書の提出期限を死守する
訴えられた側:1. 取消しを申し立てる前に、自分の債権額が裁判所評価の権利総額の十分の一以上かを確認する。住宅資金特別条項で変更された後の権利は分母から除く点に注意。2. 単独で届かなければ、同じく未払いの他債権者と連携し合計十分の一を確保する。3. 履行期が到来し未払いであることが適格要件で、期限前の債権では申し立てられない。4. 取消しのメリット(債権の満額復活)と、債務者が破産へ移行して回収額が下がるリスクを天秤にかける
時効(請求できる期限):189条1項2号を理由とする取消し申立てに特化した固有の法定期間は条文上明示されないが、申立適格は「履行期が到来した権利の未払い」が前提なので、起算点は各弁済の履行期到来時となる。再生計画の遂行が完了すれば取消しの基礎自体を失う。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:206条1項は、住宅資金特別条項付き再生計画において少数・小口の債権者による取消し申立てで計画全体が崩れ、債務者の住宅維持と多数債権者の回収利益が損なわれる事態を防ぐ趣旨と解される。申立適格を十分の一以上かつ未払いの債権者に加重することで、少数の拒否権と多数の安定の均衡を図る規定と理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 個人債務者再生手続の創設に伴い、住宅資金貸付債権に関する特則(第10章)の一部として新設。住宅ローン特則付き再生計画の取消し申立適格を十分の一以上の未払い債権者に加重した。その後の改正有無は要人的検証
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:個人債務者再生手続および住宅資金貸付債権に関する特則の創設に伴い新設。住宅資金特別条項付き再生計画の取消し申立適格を、評価総額の十分の一以上を有する未払い債権者に加重した。以後の改正有無は要人的検証
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