要点民事再生法 207 条は、外国倒産処理手続がある場合、再生債務者等が外国管財人に対し協力と情報提供を求めることができ、自らも協力に努めると定める。ただしこの協力は努力義務にとどまる。
Q · 倒産した取引先の財産が海外にあるとき、日本の再生手続で何かできるんですか?
外国管財人に協力と情報提供を求められるが、強制力は乏しい
民事再生法 207 条 1 項により、再生債務者等(再生債務者本人・管財人・監督委員)は、外国で開始された倒産処理手続を仕切る外国管財人に対し、再生に必要な協力と情報の提供を求めることができます。2 項は逆に、再生債務者等が外国管財人へ協力・情報提供をするよう努める義務を定めます。ただし 2 項は努力義務であり、相手が拒んだ場合に直接強制する手段は乏しいのが実情です。実効性を高めるには、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律による承認援助手続の併用が検討されます。
取引先が倒産した。それだけで回収は難しいのに、その会社の主要な財産が海外の子会社や海外口座にあると判明した瞬間、戦場は一気に二つの国に広がる。日本の再生手続だけを睨んでいても、国外の財産には手が届かない。207条が用意したのは、その断絶を埋める一本の連絡線だ。日本側の再生債務者等(再生債務者本人や管財人、監督委員)は、外国で進む倒産手続を仕切る外国管財人(その国で会社の財産を管理処分する権限を持つ人物)に対し、再生に必要な協力と情報の提供を求めることができる。逆に、外国管財人から求められれば、日本側も協力するよう努める義務を負う。国境で分断されていた二つの手続を、情報と協力でつなぐ仕組みである。あなたが債権者なら、この回路が機能するかどうかで、海外に流れた財産が配当原資に戻るか、現地で溶けて永遠に届かないかが分かれる。
民事再生法 207 条は国際倒産における協力を定める規定であり、再生債務者について外国倒産処理手続が存在する場合に、再生債務者等が外国管財人に対し再生に必要な協力および情報の提供を求める権限を有し、併せて外国管財人に対して協力および情報の提供をするよう努める義務を負う旨を規定する。属地主義の現実を前提としつつ、相互協力によって手続の一体性を確保する。
外国で開始された破産・再生に相当する手続において、債務者の財産を管理し処分する権限を持つ者をいいます。民事再生法 207 条 1 項が定義しています。
外国で開始された手続のうち、日本の破産手続または再生手続に相当するものを指します。名称ではなく機能で判断され、清算型か再建型かは問いません。
直接には困難です。倒産処理には属地主義の影響が残り、財産所在国の手続が支配します。だから 207 条は「協力を求める」形をとっています。
207 条 2 項は努力義務のため、直接強制する手段は乏しいです。外国倒産処理手続の承認援助に関する法律による承認援助手続や、現地裁判所への申立てが代替ルートになります。
条文上、求める主体は「再生債務者等」です。個々の債権者は監督委員や管財人を通じて協力要請を働きかける形になります。
規律の構造はほぼ並行しており、207 条は再生手続、破産法 245 条は破産手続における外国管財人との協力を定めます。適用される手続の種類が異なるだけです。
外国倒産処理手続の効力を日本国内で援助してもらう必要がある場合に、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律に基づき裁判所へ申し立てます。207 条の協力と併用されます。
事実上きわめて困難です。ただし民事再生法 210 条の配当調整(ホッチポット)により、外国で弁済を受けた債権者の国内配当が調整される場合があります。
倒産処理には属地主義という考え方が根強く残っていて、財産がある国の手続がその財産を支配するのが原則だからです。だから民事再生法207条は、外国管財人に「協力を求める」という形をとります。業界裏話ヒント:日本の管財人が直接海外資産を差し押さえられるわけではないため、実務では現地の弁護士・管財人とのパイプを持つ法律事務所を選べるかで結果が大きく変わります。事務所選びの段階でクロスボーダー倒産の実績を確認するのが分かれ目です
207条2項の協力は努力義務なので、拒まれても強制する直接の手段は乏しいのが実情です。ただし承認援助法に基づく日本での承認援助手続や、相手国の裁判所への申立てという別ルートが残ります。業界裏話ヒント:「努力義務だから無意味」と諦める人がいますが、実務では協力を求めた記録自体が、後に相手国の手続で『日本側は誠実に連携を試みた』という主張の土台になります。求める行為そのものに意味があるのです
条文上、協力を求められるのは「再生債務者等」(管財人・監督委員・再生債務者本人)で、個々の債権者が直接外国管財人に要請する建付けではありません。ただし債権者は監督委員や管財人を通じて協力要請を働きかけられます。業界裏話ヒント:大口債権者が監督委員に海外資産の調査・協力要請を強く求めると、止まっていた手続が動くことがあります。『自分は当事者じゃない』と黙っている債権者ほど、海外資産の存在を見落とされて損をします
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 207 条:外国管財人との協力・情報提供 | — |
| 作用の方向 | 双方向(求める権限+努める義務) | — |
| 強制力 | 1 項は請求権、2 項は努力義務で強制力は乏しい | — |
| 実務で効く局面 | 海外資産の換価・分配が始まる前の情報収集 | — |
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