要点民事再生法 210 条は、外国管財人が未届出の再生債権者を代理して再生手続に参加でき、再生債務者等が届出再生債権者を代理して外国倒産処理手続に参加できると定める。ただし和解等には本人の授権が必要である。
Q · 海外の取引先が現地で倒産して、日本でも民事再生に入った。日本で債権届出を忘れたらもう終わりですか?
外国管財人が代理して日本の手続に参加できる余地があります
民事再生法 210 条 1 項により、外国倒産処理手続に参加している債権者であれば、日本で届出をしていなくても、外国管財人がその債権者を代理して再生手続に参加できます。ただし当該外国の法令により外国管財人が代理権限を有する場合に限られます。逆に、日本で届出済みだが外国手続に参加していない債権者については、再生債務者等が代理して外国手続に参加できます(2 項)。もっとも 3 項但書により、届出の取下げ・和解その他権利を害するおそれのある行為には、本人の授権が必要です。
グローバルに取引する会社が破綻すると、その後始末は一つの国では完結しない。日本で民事再生、本国で破産、というように複数国で手続が同時並行に走る。問題は、あなたの債権がその両方で正しく拾われるとは限らないことだ。210条は、この国境をまたぐ穴を二方向から塞ぐ。第一に、日本で債権届出をしていない債権者でも、海外の倒産手続に参加していれば、その外国管財人があなたを代理して日本の再生手続に参加できる(1項)。第二に、逆方向もある。日本で届出済みだが海外手続には参加していない債権者を、日本の再生債務者側が代理して海外手続に参加させられる(2項)。ただし届出の取下げや和解など、あなたの権利を削る危険のある行為には、あなた自身の授権が要る(3項)。代理はされても、損する決定まで勝手にはされない。その線引きがこの条文の肝だ。
民事再生法 210 条は、外国倒産処理手続と日本の再生手続との相互の手続参加を定める規定である。外国管財人は当該外国の法令により権限を有する場合に限り、未届出の再生債権者を代理して再生手続に参加でき、再生債務者等は届出再生債権者を代理して外国倒産処理手続に参加できる。権利を害するおそれのある行為には当該債権者の授権を要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
日本の再生手続と外国の倒産処理手続との間で、当事者が相互に代理して手続に参加できることを定めた国際倒産の特則です。1 項は外国管財人、2 項は再生債務者等が代理人になります。
外国の倒産手続で選任され、財産の管理処分権や事業の再建を行う者です。日本の管財人や再生債務者等に相当し、定義は承認援助法 2 条に置かれています。
外国倒産処理手続に参加していれば、外国管財人が代理して日本の再生手続に参加できます(210 条 1 項)。ただし外国管財人が本国法上その権限を有することが条件です。
210 条 1 項但書により、当該外国の法令によって代理権限が与えられていない場合です。本国法が域外での代理権を認めていなければ、その代理参加は効力を持ちません。
できません。3 項但書は、届出の取下げ・和解その他債権者の権利を害するおそれがある行為には、当該届出再生債権者の授権を要求しています。
受けられません。国内外の手続で重複した弁済を受けた場合、配当の調整(ホッチポット・ルール)が働き、後行手続での取り分が減額される仕組みになっています。
承認援助手続は外国倒産処理手続そのものを日本で承認し援助する制度です。210 条は既に進行中の日本の再生手続に、代理という形で外国側をつなぐ規定にとどまります。
210 条自体に固有の期間制限はありませんが、日本の再生債権の届出期間と外国手続の参加期限は独立に進行します。短い方を基準に直ちに動く必要があります。
外国管財人は、外国の倒産手続で裁判所等に選任された管理処分権者で、日本の管財人や再生債務者に相当します。ただし210条1項の代理が有効なのは「当該外国の法令によりその権限を有する場合」だけです。承認援助法2条で外国倒産処理手続の範囲も定まっています。業界裏話ヒント:実務では、外国管財人が日本で本格的に動くにはまず承認援助手続を通すのが筋で、210条だけで完結する場面は限られます。代理権限を示す本国の選任証明や宣誓供述書(affidavit)の有無を最初に確認します。
いいえ。3項但書が、届出の取下げ・和解その他あなたの権利を害するおそれのある行為には、あなた自身の授権を要求しています。授権なく代理人がこれらをすれば、その行為はあなたに効力を及ぼさないか、代理人が責任を負う構造です。業界裏話ヒント:「包括的に任せます」と一筆書くと、この但書の保護が骨抜きになります。授権書には「減額和解・取下げは事前承認制」と個別留保を入れておくと、代理されても不利な決定だけは自分の手に残せます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 民事再生法 210 条:日本の再生手続と外国倒産処理手続の相互の手続参加 | — |
| 誰が動くか | 外国管財人(1 項)または再生債務者等(2 項)が債権者を代理する | — |
| 本人の授権の要否 | 参加自体は授権不要。届出取下げ・和解等には授権が必要(3 項但書) | — |
| 怠った場合のリスク | 国内外いずれかの手続で債権が拾われず、配当原資に届かない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。