要点民事再生法 211 条は簡易再生を定め、債権額の五分の三以上を持つ債権者が書面同意すれば、裁判所は債権調査を省く決定をする。ただし計画案の可決決議までは省けない。
Q · 簡易再生って、債権者の同意さえあれば手続が全部ショートカットできるの?
省けるのは債権調査だけで、計画の決議は必要です
民事再生法 211 条の簡易再生は、届出再生債権者の総債権額の五分の三以上を持つ債権者が、再生計画案と「債権調査・確定手続を省くこと」の両方に書面で同意した場合に、裁判所が調査を経ずに行う決定です。数か月かかる債権調査(第 4 章第 3 節)を丸ごと飛ばせますが、再生計画案を可決する債権者集会の決議までは省けません。申立ては債権届出期間の経過後・一般調査期間の開始前という短い窓に限られ、174 条 2 項各号の不認可事由があれば却下されます。
民事再生は時間との戦いだ。会社が再生手続に入ると、債権者一人ひとりの債権を調査し確定する手続が走り、これに数か月かかる。その間に取引先は離れ、信用は削られ、事業価値はみるみる溶けていく。211 条はこの最大のボトルネックを丸ごと飛ばす裏ルートを用意している。「簡易再生」だ。届出再生債権者の総債権額の五分の三以上を握る債権者が、書面で(1)あなたの出した再生計画案に同意し、かつ(2)債権調査・確定の手続を省くことにも同意すれば、裁判所は簡易再生の決定をする。数か月かかる調査をゼロにして、一気に計画の可決へ進める。条件は厳しいが、主要債権者と早期に話がついている中小企業にとって、これは事業価値が溶ける前に再生を駆け抜ける高速レーンになる。
簡易再生とは、届出再生債権者の総債権額の五分の三以上に当たる債権を有する届出再生債権者が、再生計画案および債権調査・確定手続を経ないことに書面で同意した場合に、裁判所が再生債権の調査及び確定の手続を経ずに行う決定をいう。民事再生手続の迅速化を図る特則である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民事再生法 211 条に基づき、主要債権者の書面同意があれば債権調査・確定手続を省いて進める再生手続です。数か月の短縮になりますが、計画案の可決決議は通常どおり必要です。
簡易再生(211 条)は債権調査だけを省きます。同意再生(217 条)は全債権者の同意で計画案の決議まで省く、さらに簡易な手続です。省ける範囲が違います。
債権届出期間の経過後、一般調査期間の開始前という短い窓に限られます(211 条 1 項)。この期間を過ぎると通常の調査・確定手続を経るしかありません。
債権者の頭数ではなく、裁判所が評価した総債権額の五分の三です。大口債権者が額の五分の三を握れば、頭数で多数の小口債権者が反対でも進められます。
必要です。簡易再生が省くのは債権調査・確定手続だけで、再生計画案を可決する決議は通常どおり行われます。ここを同意再生と混同しないことが重要です。
再生計画案に 174 条 2 項各号(3 号を除く)の不認可事由があると裁判所が認めるときは却下されます(211 条 3 項)。計画が法律に違反する場合などです。
使えます。住宅資金特別条項付きの計画なら、五分の三の計算から住宅資金貸付債権を除く特則があります(211 条 4 項)。マイホームを守る再生でも簡易版が可能です。
211 条 2 項は申立て時に労働組合等への通知を義務づけます。未払賃金や退職金が再生計画を左右するため、通知を怠ると手続の正当性が揺らぐおそれがあります。
軽くなるのは手続の長さです。債権を一件ずつ調査・確定する手続(民事再生法第 4 章第 3 節)を丸ごと省けるため、数か月の短縮になります。ただし主要債権者の五分の三の書面同意という高いハードルがあります。業界裏話ヒント:実務では、申立て前の段階で主要債権者の内諾を固めてから申立てる「事前調整型」が主流です。申立ててから同意を集めようとすると信用不安が広がり、かえって同意が取れなくなる。順番が成否を分けます
なりません。同意があっても、裁判所は再生計画案に第 174 条 2 項各号(3 号を除く)の不認可事由があると認めれば申立てを却下します(211 条 3 項)。たとえば計画が法律に違反する場合などです。業界裏話ヒント:同意を取り付けることに集中するあまり、計画案自体の適法性チェックを後回しにして却下されるケースがあります。同意集めと計画の適法性確認は並行して進めるのが鉄則です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 省略される手続 | 211 条(簡易再生):債権調査・確定手続のみ省略 | — |
| 必要な同意 | 総債権額の五分の三以上を持つ債権者の書面同意 | — |
| 申立ての時期 | 債権届出期間の経過後・一般調査期間の開始前 | — |
| 却下・不認可の審査 | 174 条 2 項各号(3 号を除く)の不認可事由で却下(3 項) | — |
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