要点民事再生法 217 条の同意再生は、届出再生債権者の全員が書面で計画案に同意すれば、債権調査も債権者集会の決議も省いて裁判所が再生を決定できる制度である。
Q · 同意再生って、普通の民事再生と何がそんなに違うの?
全員が書面同意すれば、多数決も債権調査も省ける最速の再生手続です
民事再生法 217 条の同意再生は、届け出た再生債権者の全員が書面で計画案に同意し、かつ債権の調査・確定手続を省くことに同意した場合に限り、裁判所が債権者集会の決議も債権調査も経ずに再生を決定する制度です。多数決を残す簡易再生(211 条)と異なり、全員一致を条件に多数決すら不要にします。手続は数ヶ月単位で短縮され、弁護士費用や予納金も圧縮されますが、債権者が一社でも同意しなければ成立せず、事実上は少数かつ協力的な債権者構成の小規模事業に限られます。
会社の資金繰りが詰まり、再生手続を考え始めたあなた。通常の民事再生は、債権の調査、確定、債権者集会での多数決と、半年から一年がかりの長丁場だ。だが取引先(債権者)が数社しかなく、全員が協力的なら、その全部を飛ばせる裏ルートがある。それが同意再生だ。217条は、届け出た再生債権者の全員が書面で「再生計画案に同意し、債権調査の手続も省く」と意思表示すれば、裁判所が同意再生の決定を出せると定める。簡易再生(211条)が多数決を残すのに対し、同意再生は全員一致を条件に多数決すら不要にする。手続は数ヶ月単位で短縮され、弁護士費用も裁判所への予納金も圧縮される。鍵はただ一つ、債権者全員のハンコを申立ての前に揃えられるか、その一点に勝負が集約される。
同意再生とは、民事再生法 217 条が定める再生手続の特則であり、届け出た再生債権者の全員が書面により再生計画案へ同意し、かつ債権の調査・確定手続を省くことに同意した場合に、裁判所が債権者集会の決議を経ずに再生を決定する制度をいう。多数決を残す簡易再生に対し、同意再生は全員一致を条件に決議自体を不要とする点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民事再生法 217 条が定める再生手続の特則です。届出再生債権者の全員が書面で計画案に同意すれば、債権調査も債権者集会の決議も省いて裁判所が再生を決定できます。
簡易再生(211 条)は議決権の 5 分の 3 以上の多数決で足りますが、同意再生は債権者全員の書面同意を条件に多数決そのものを不要にします。全員一致のハードルが決定的な違いです。
債権届出期間の経過後、かつ一般調査期間が始まる前という限られた窓でしか申し立てられません(217 条 1 項)。この窓を逃すと簡易再生か通常手続に回ります。
債権調査手続や債権者集会が省かれるため、手続期間が数ヶ月単位で短縮され、弁護士費用や裁判所への予納金も通常の再生より圧縮されます。金額は事案規模で異なります。
217 条 5 項により計画案に住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を組み込む余地があります。住宅ローン債権者を同意の母数から外すなどの調整で自宅を守る設計が可能です。
財産状況報告集会での報告、または 125 条 1 項の報告書提出を経た後でなければ、裁判所は同意再生の決定を出せません(217 条 2 項)。報告書の準備が前提です。
債権者が少数で全員が協力的な小規模事業に事実上限られます。債権者が十数社を超えると一社の非協力で成立しないため、通常は使えません。
消えません。法人の再生計画で債務が減額されても、社長が連帯保証していれば債権者は保証人個人へ満額を請求できます。法人と保証は別の戦場です。
できません。217条1項は『すべての届出再生債権者』の書面同意を条件にしており、一社でも拒否や無回答があれば不成立です。その場合は議決権の5分の3以上で足りる簡易再生(211条)か、通常の再生手続へ切り替えます。業界裏話ヒント:実務では同意書を回収できる見込みが立ってから同意再生を選ぶ。見切り発車で申し立てて一社に断られると、やり直しの時間ロスが致命傷になる
いいえ。全員同意でも、裁判所は174条2項各号(3号を除く)の不認可事由、たとえば計画が法律違反だったり履行の見込みがなかったりする事情があれば、申立てを却下します(217条3項)。業界裏話ヒント:全員一致だからと中身の甘い計画を出すと却下される。同意は通行証ではなく入場券にすぎず、計画の実現可能性という審査は最後まで残る
可能性があります。217条5項は計画案に住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を組み込む場合の特例を定めており、住宅ローン債権者を同意の母数から外すなどの調整をして、自宅を守りながら他の債務を整理する設計ができます(198条、202条)。業界裏話ヒント:住宅条項を絡めると手続が一段複雑になるので、住宅ローン特則の経験がある弁護士を選ぶかどうかで、家を残せるかが実際に分かれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件 | 217 条 同意再生:届出再生債権者の全員が書面で同意 | — |
| 省略される手続 | 債権の調査・確定手続 + 債権者集会の決議 | — |
| 申立ての時間窓 | 債権届出期間経過後・一般調査期間開始前(217 条 1 項) | — |
| 適した場面 | 債権者が少数で全員が協力的な小規模事業 | — |
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