要点民事再生法 216 条は、簡易再生の決定があった場合に再生債権の調査・確定に関する規定群を適用除外とする条文。議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意が前提となる。
Q · 取引先が簡易再生に入ると、自分の債権額はどう扱われるの?
手続内では査定されず、争いは別訴に回る代わり再建は早い
民事再生法 216 条により、簡易再生の決定があると再生債権の調査・確定に関する規定(第四章第三節等)が適用除外になります。つまり手続の中では債権額が確定されず、額に争いがあれば別途の訴訟などで確定するしかありません。その引き換えとして、議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を前提に、通常再生より数か月早く弁済計画へ進めます。速さと債権者の手続保障を天秤にかけた設計です。
取引先が倒れたとき、あなたが受け取る通知に『簡易再生』の四文字があるかどうかで、その後の数か月が変わる。民事再生法 216 条は、簡易再生の決定が出た瞬間に、通常の再生手続で動くはずだった『再生債権の調査及び確定』の機械を、まとめて停止させる条文だ。第四章第三節をはじめ、ずらりと並んだ条番号がすべて『適用しない』とされる。なぜか。簡易再生は、議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を先に取り付けることを条件に、面倒な債権調査を丸ごと省いて手続を速める制度だからだ。あなたが債権者なら、これは『自分の債権額が手続の中では確定されない』ことを意味する。帳簿に少なく書かれていても、手続内の査定で争う道は閉ざされる。あなたが債務者なら、同意さえ集まれば数か月の短縮が手に入る。216 条は、その速さと引き換えに何を手放すかを定めたエンジンルームの設計図だ。
民事再生法 216 条は簡易再生の特則を定める規定であり、簡易再生の決定があった場合に、再生債権の調査・確定に関する第四章第三節等の規定を適用除外とする。議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を前提として債権調査手続を省略し、通常の再生手続を迅速化する機能を担う。
議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を条件に、再生債権の調査・確定手続を省いて通常再生より早く進める民事再生の特則です。民事再生法 211 条以下が根拠です。
再生計画案を提出できる段階に達し、議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を得ることが必要です。この同意が調査手続省略の前提になります(民事再生法 211 条)。
簡易再生は 5 分の 3 以上の同意で調査を省きますが、同意再生(民訴再生法 217 条)は債権者全員の同意を前提により強く手続を短縮する制度です。
債権届出自体は前提となりますが、届出後の調査・確定手続が 216 条で適用除外になります。額に争いがあれば手続外で確定することになります。
再生計画案を提出できる段階で申し立てます。特定の消滅時効ではなく手続上の時機の問題で、逃すと選択肢自体が消えます(民事再生法 211 条以下)。
債権者が手続内で債権額を争えなくなる点です。速さは債務者の利益で、額に不満のある債権者は別訴という追加負担を負います。
手続の中では争えません。査定の規定が適用除外のため、争いがあれば別途の給付訴訟や確認訴訟で確定する必要があります。
使えます。主要債権者が金融機関中心で協力的な中小企業の再建で選ばれやすく、資金繰りのリミットが近い局面で時間短縮の効果が大きくなります。
最大の違いは『再生債権の調査・確定の手続を省く』点です。議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意を先に得ることを条件に、民事再生法 216 条が査定・確定の規定群をまとめて適用除外にし、その分だけ手続が数か月早く終わります。業界裏話ヒント:実務では主要債権者が金融機関中心で協力的な案件ほど簡易再生が選ばれやすい。逆に小口債権者が多く揉めそうな案件では、あえて通常再生で査定手続を残した方が後の紛争を防げる。どちらを選ぶかは申立て前の債権者の顔ぶれで事実上決まっている
手続の『中』では争えません。216 条で査定の規定(第四章第三節)が適用除外になるため、簡易再生では債権額を確定する手続が動かず、争いがあれば別途の訴訟などで確定する必要があります。業界裏話ヒント:だからこそ簡易再生では、債務者が各債権をいくらと『認める』かの認否段階が実質的な勝負になる。決定が出る前に、自分の債権額を正確に認めるよう書面で申し入れておくと、後で別訴訟をする手間そのものを防げる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 同意要件 | 216 条(簡易再生):議決権者の総債権額の 5 分の 3 以上の同意(211 条) | — |
| 債権調査・確定手続 | 適用除外(省略) | — |
| 手続の速さ | 速い(数か月短縮) | — |
| 債権者の争い方 | 手続外の別訴で確定 | — |
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