民事再生法 第215条(再生計画の効力等の特則)
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- 簡易再生の決定があった場合において、再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)は、第百五十六条の一般的基準に従い、変更される。
- 2.前項に規定する場合における第百八十二条、第百八十九条第三項及び第二百六条第一項の規定の適用については、第百八十二条中「認可された再生計画の定めによって認められた権利又は前条第一項の規定により変更された後の権利」とあり、並びに第百八十九条第三項及び第二百六条第一項中「再生計画の定めによって認められた権利」とあるのは、「第二百十五条第一項の規定により変更された後の権利」とする。
- 3.第一項に規定する場合において、約定劣後再生債権の届出がないときは、再生債務者は、約定劣後再生債権について、その責任を免れる。
- 4.第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
この条文の基本情報
再生計画の効力等の特則とは何ですか?
定義再生計画の効力等の特則とは、民事再生法第215条に定められた規定で、「簡易再生の決定があった場合において、再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権及び再…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第215条(再生計画の効力等の特則)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第215条の条文原文は「簡易再生の決定があった場合において、再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権及び再…」で始まります。
- 民事再生法第215条は第一節 簡易再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第215条の前の条は民事再生法第214条です。
- 民事再生法第215条の次の条は民事再生法第216条です。
- 民事再生法第215条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第215条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第215条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/215
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法215条は、簡易再生の計画認可が確定すると、すべての再生債権者の権利が156条の基準で一律変更されると定める。約定劣後再生債権の届出がなければ責任は免れる。
Q · 取引先が簡易再生になったら、届け出ていない自分の債権はどうなるの?
計画認可の確定で一律変更され、届出がないと失権します
民事再生法215条により、簡易再生の決定後に再生計画認可の決定が確定すると、すべての再生債権者の権利が156条の一般的基準に従って一律に変更されます。届出をしなかった約定劣後再生債権は3項で再生債務者が責任を免れ、届け出ていない売掛金なども変更後の額で固定されます。調査手続を省く簡易再生では、権利を主張できる窓が裁判所の定める債権届出期間に限られる点に注意が必要です。
解説
中小企業の社長が、会社を潰さずに借金を圧縮して立て直す。その最短ルートが簡易再生だ。通常の民事再生では、債権者一人ひとりの債権を裁判所が調査し確定する手続を踏むが、簡易再生はこの調査を丸ごと省く。再生債権額の五分の三以上を持つ債権者が書面で同意すれば、調査をスキップして一気に計画認可へ進める。215条は、その省略の代償として何が起きるかを定める。簡易再生の計画認可が確定すると、すべての再生債権者の権利が156条の一般的基準に従って一律に変更される。調査されなかった債権も、あなたが届け出を忘れた約定劣後再生債権も、計画の効力に飲み込まれる。届出のない約定劣後債権について債務者は責任を免れる、と3項が明言する。スピードと引き換えに、債権者が一度逃した権利は戻らない。この条文の本当の読み手は、再建を急ぐ債務者ではなく、油断した債権者の側だ。
法的な位置づけ
民事再生法215条は簡易再生の効力を定める規定であり、簡易再生の決定後に再生計画認可の決定が確定したとき、すべての再生債権者の権利が第156条の一般的基準に従って一律に変更される旨を規定する。約定劣後再生債権の届出がない場合、再生債務者はその責任を免れ、共助対象外国租税の請求権については権利変更の効力が徴収共助との関係でのみ主張できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開始通知で債権届出期限を最優先で確認 取引先が簡易再生を申し立てたら、裁判所からの再生手続開始通知でまず債権届出の期限を確認する。内容を読み込む前に、期限の日付だけをカレンダーへ書き込むのが鉄則
- 2.自社債権の種類と金額を整理 自社の債権が一般の再生債権か約定劣後再生債権かを判別する。特に役員借入金などの劣後債権は、届出を忘れると215条3項で消滅するため、種類の判別を最優先で行う
- 3.期限内に債権届出書を正確に提出 簡易再生は調査手続が省かれるため、届出の正確さがそのまま後の権利を決める。事件番号・債権額・債権の原因・議決権額を正確に記載し、証拠書類を添えて期間内に提出する
- 4.大口債権者なら計画内容に意見を反映 自社が大口債権者であれば、5分の3同意の形成に関与し、再生計画が156条の一般的基準(債権者平等)を満たすよう意見を反映させる。少額債権者は反対よりも計画内容の交渉に労力を回す
よくある質問 AI による整理
Q1簡易再生とは?
簡易再生は、通常の民事再生で行う債権の調査・確定手続を省略し、再生債権額の5分の3以上の同意を得て迅速に計画認可へ進む手続です。民事再生法211条以下が定めます。
Q2約定劣後再生債権とは?
当事者の合意で他の再生債権に劣後して弁済されると定められた債権です。役員借入金が典型で、簡易再生で届出をしないと215条3項により債務者が責任を免れます。
Q3再生債権の届出期間はいつまで?
裁判所が再生手続開始決定で定める債権届出期間内です(民事再生法94条以下)。この期間を過ぎると失権し、215条の権利変更を受けた額で固定されます。
Q4簡易再生の要件は?
再生債権額の5分の3以上を持つ債権者の書面同意が必要です(民事再生法211条)。全員同意は不要で、反対債権者の権利も215条で一律変更されます。
Q5共助対象外国租税とは?
租税条約に基づく徴収共助の対象となる外国租税の請求権です。215条4項により、権利変更の効力は徴収共助との関係においてのみ主張できます。
Q6民事再生法156条の一般的基準とは?
再生計画で債権者の権利をどう変更するかを定める基準で、債権者平等が核心です。簡易再生の権利変更も215条1項によりこの基準に従います。
Q7簡易再生の計画が認可されないのはどんな場合?
計画が156条の一般的基準(債権者平等)を満たさない場合や、法定の不認可事由に当たる場合は、5分の3の同意を得ても認可されません。
Q8簡易再生で罰金や税金はどうなる?
再生手続開始前の罰金等は215条1項の一律変更の対象から除外されます。共助対象外国租税は4項の特則により扱いが別に定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が簡易再生になったら、うちの売掛金は全額もらえなくなるんですか?
全額カットではなく、156条の一般的基準に従って一律に減額・弁済期の猶予がされる形が一般的です。簡易再生は調査手続を省くだけで、債権そのものが消えるわけではありません。ただし期限内に届出をしないと失権します。実務のポイント:簡易再生は通常再生より早く終わるため、債権者が「まだ時間がある」と油断した頃には届出期間が締め切られていることがある。開始通知が届いたら、内容を読み込む前に届出期限の日付だけ先に確保するのが鉄則です
Q2社長が自分の会社に貸したお金は、簡易再生でどうなりますか?
役員借入金が約定劣後再生債権に当たる場合、届出をしなければ3項により会社は返済義務を免れます。つまり社長個人の貸金が消えます。届け出れば劣後の扱いで一部回収の可能性が残ります(民事再生法215条3項)。実務のポイント:再生計画では役員借入金をあえて届け出ず放棄させ、計画の弁済率を上げて一般債権者の同意を得やすくする実務がある。社長自身が損を被ることで会社を救う構図で、税務上の取扱いも絡むため税理士と必ず相談する
Q3債権者全員が反対しても簡易再生はできるんですか?
全員の同意は不要です。再生債権額の五分の三以上を持つ債権者の書面同意があれば簡易再生の決定ができ、反対した残りの債権者の権利も215条で一律変更されます(民事再生法211条)。実務のポイント:この五分の三という数字を握るのは多くの場合メインバンクなどの大口債権者。少額債権者がいくら反対しても、大口が同意すれば手続は進む。自社が少額債権者なら、反対に労力を使うより計画内容の交渉に回す方が現実的です
間違えやすい点 AI による整理
- 債権者から見れば「まだ調査されていない自分の債権は手つかずで守られている」と感じるが、法律から見れば簡易再生の計画認可確定はすべての再生債権を一律に変更する。この落差に気付かないまま届出期間を逃すと、債権はカットされた額で固定され、手続外で取り戻す手段はほぼ残らない
- 約定劣後再生債権を持つ貸し手は「劣後だから弁済が後回しになるだけ」と理解しているが、その深刻さを見落としている。簡易再生で届出をしなければ、後回しどころか3項で債務者が責任そのものを免れる。順位が一段下がるのではなく、請求権が消える
- 「簡易再生は債権者全員の同意がいる」と思われがちだが、必要なのは再生債権額の五分の三以上の同意であって全員ではない。残り五分の二が反対でも簡易再生は成立し、反対した債権者の権利も215条で一律変更される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 民再215条:簡易再生の計画確定による権利の一律変更効 | 民再156条:再生計画による権利変更の一般的基準(変更内容のルール) 民再211条:簡易再生の開始要件(再生債権額5分の3以上の同意) |
| 調査手続との関係 | 調査手続が省略され迅速化される代わりに権利主張の窓が届出期間に限定 | 変更基準を定めるのみで手続の省略には触れない 開始の可否(同意要件)を定めるのみ |
| 届出を怠った場合 | 権利が変更後の額で固定、約定劣後再生債権は3項で消滅 | 直接の失権効はない(変更内容の基準規定) 直接の失権効はない(開始要件規定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は独立した再生法を持たず、企業再建は会社法の重整手続で処理する点が日本と構造的に異なる
韓国は統合倒産法の中に簡易再生に相当する簡易回生手続を持ち、小規模事業者向けの迅速化を図る
ドイツは倒産計画手続で債権者集会の多数決により権利変更する。ESUG 改正で自己管理型再建を強化した
米国はプレパッケージ型 Chapter 11が簡易再生に近く、事前の同意集約により迅速に計画確認へ進む
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の製造会社が簡易再生を申し立てた。あなたの会社は500万円の売掛金を抱えている。債権届出の期限はあと10日。この10日で自社の債権を正確に届け出なければ、215条で権利が一律変更された額に固定され、後から「自分は調査を受けていない」と争う道はない
- もし、あなたが会社に2000万円を貸し付けた社長で、その借入が約定劣後再生債権だったとしたら? 簡易再生で届出をしなければ、3項により会社はあなたへの返済義務を免れる。自分が助けようとした会社に、自分の貸金を消されることになる
- メインバンクが五分の三の同意を出した。あなたは少額債権者で反対した。それでも215条であなたの権利は一律変更される
- あなたが再建を目指す中小企業の経営者で、債権調査に何か月もかけている余裕がない。主要債権者から五分の三の同意を集めれば、簡易再生で通常再生より数か月早く計画認可へ進める。ただし計画は156条の債権者平等を満たさなければ、せっかく集めた同意も認可の段階で崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が簡易再生を申し立てたら、まず裁判所からの通知で債権届出の期限を確認、これが最優先2. 自社の債権額と種類(一般の再生債権か約定劣後再生債権か)を整理、特に劣後債権は届出を忘れると3項で消滅する3. 期限内に債権届出書を提出、簡易再生は調査が省かれるため届出の正確さがそのまま後の権利を決める4. 自社が大口債権者なら、五分の三同意の形成に関与し、156条の一般的基準を満たす計画内容に意見を反映させる
訴えられた側:1. 簡易再生を狙うなら、再生債権額の五分の三以上の書面同意を確保できるか早期に見極める(民事再生法211条) 2. 約定劣後再生債権(役員借入金など)の扱いを整理、届出がなければ3項で責任を免れるが、主要債権者の信頼を損なわないよう説明を尽くす3. 共助対象外国租税があれば4項の特則を踏まえ税務専門家と連携4. 計画は156条の一般的基準(債権者平等)を満たす内容にする、ここを外すと認可されない
時効(請求できる期限):簡易再生に固有の時効はないが、再生債権者にとって決定的なのは裁判所が定める債権届出期間(民事再生法94条以下)。この期間を過ぎると失権し、215条による権利変更を受けた額で固定される。権利変更の効力自体は、再生計画認可決定が確定した時点で生じる
学説
通説:簡易再生の権利変更効(215条1項)は、調査手続の省略を再生債権額5分の3以上の同意という多数決の正統性と、156条の債権者平等で正当化するものと解される。届出のない約定劣後再生債権は3項で失権し、債務者は責任を免れる。
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年) 租税条約等実施特例法の改正に伴う徴収共助制度の導入に対応し、共助対象外国租税の請求権に関する第4項を新設。権利変更の効力を共助との関係においてのみ主張できる旨を定めた
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(和議法廃止)に伴い、簡易再生の効力規定として新設。再生計画認可の確定により全再生債権者の権利が156条の一般的基準に従い一律変更される旨を定めた
- 2.平成25年(2013年) 改正:租税条約等実施特例法の徴収共助制度導入に対応し第4項を新設。共助対象外国租税の請求権について権利変更の効力を徴収共助との関係に限定した
- 民事再生法 第156条再生計画による権利変更の一般的基準、本条が従う変更ルール
- 民事再生法 第211条簡易再生の決定要件(債権額5分の3以上の同意)
- 民事再生法 第182条再生債権者表の記載の効力、本条2項の読替え対象
- 民事再生法 第189条再生計画認可後の権利の取扱い、本条2項3項の読替え対象
- 民事再生法 第206条債権の取扱いに関する規定、本条2項1項の読替え対象
- 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 第11条共助対象外国租税の徴収共助、4項が参照する特例(通称 租税条約等実施特例法)
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