民事再生法 第214条(債権者集会の特則)
クイックジャンプ
- 第二百十二条第三項に規定する債権者集会においては、第二百十一条第一項後段の再生計画案のみを、決議に付することができる。
- 2.裁判所は、財産状況報告集会における再生債務者等による報告又は第百二十五条第一項の報告書の提出がされた後でなければ、前項の再生計画案を決議に付することができない。
- 3.第一項の債権者集会に出席しなかった届出再生債権者が第二百十一条第一項後段に規定する同意をしている場合には、第百七十二条の三第一項及び第六項の規定の適用については、当該届出再生債権者は、当該債権者集会に出席して再生計画案について同意したものとみなす。ただし、当該届出再生債権者が、第一項の債権者集会の開始前に、裁判所に対し、第二百十一条第一項後段に規定する同意を撤回する旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。
この条文の基本情報
債権者集会の特則とは何ですか?
定義債権者集会の特則とは、民事再生法第214条に定められた規定で、「第二百十二条第三項に規定する債権者集会においては、第二百十一条第一項後段の再生計画案のみを、決議に付することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第214条(債権者集会の特則)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第214条の条文原文は「第二百十二条第三項に規定する債権者集会においては、第二百十一条第一項後段の再生計画案のみを、決議に付することができる。」で始まります。
- 民事再生法第214条は第一節 簡易再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第214条の前の条は民事再生法第213条です。
- 民事再生法第214条の次の条は民事再生法第215条です。
- 民事再生法第214条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第214条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第214条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/214
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法214条は、簡易再生の債権者集会の特則を定める。書面同意した債権者が欠席しても賛成とみなされ、撤回は集会開始前までしかできない。
Q · 簡易再生の同意書にサインして集会を欠席したら、私の票はどうなりますか?
欠席でも賛成票として数えられます
民事再生法214条3項により、書面で再生計画案に同意した届出再生債権者が債権者集会を欠席した場合、出席して同意したものとみなされ、可決の頭数(172条の3)に算入されます。気が変わって反対したい場合は、集会の開始前に同意を撤回する旨の書面を裁判所へ提出する必要があります。集会が始まった後は撤回できず、賛成票として確定します。
解説
取引先が民事再生を申し立て、あなたのもとに「簡易再生に同意するか」を問う書面が届く。通常の民事再生では、誰がいくら債権を持つかを一件ずつ確かめる債権調査の手続を踏む。簡易再生はそこを丸ごと外した高速ルートだ。だが速さには裏がある。民事再生法214条が定めるのは、この高速ルートでの債権者集会の特別ルールである。最大の罠は3項にある。あなたが書面で再生計画案に同意していれば、集会当日に欠席しても「出席して賛成した」とみなされ、可決の頭数(172条の3)に算入される。気が変わって反対したいなら、集会が始まる前に撤回書を裁判所へ出すしかない。一度始まれば、あなたの一票は賛成で固定される。同意書にサインした時点で、あなたはもう時計の針を動かし始めている。
法的な位置づけ
民事再生法214条は、簡易再生手続における債権者集会の特則を定める規定である。決議の対象を211条1項後段の再生計画案に限定し(1項)、財産状況報告を決議の前提要件とし(2項)、書面同意した届出再生債権者の欠席を賛成とみなす一方、集会開始前の撤回書提出を認める(3項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社の議決権額と割合を確認する 同意書が届いたら、まず自社の議決権額と全体に占める割合を確認し、5分の3ライン(211条1項)への影響力を測る。議決権額が大きいほど、同意の保留自体が弁済条件を引き上げる交渉圧力になる
- 2.弁済率・弁済期間・担保の扱いを精査する 簡易でも弁済率や債権カットの厳しさは通常再生と変わらない。弁済率・弁済期間・担保の扱いを精査し、納得できなければ安易にサインしない
- 3.気が変わったら集会開始前に撤回書を提出する すでに同意済みで気が変わったら、債権者集会の開始前に同意を撤回する旨の書面を裁判所へ提出する(214条3項但書)。当日持参に頼らず数日前に到達させ、郵送遅延や受付時間切れを避ける
- 4.債権者集会には可能な限り出席する 書面同意したまま欠席すると出席して賛成したものとみなされる(214条3項本文)。票の行方を自分で確認するため、集会には可能な限り出席する
よくある質問 AI による整理
Q1簡易再生とは何ですか?
簡易再生は、誰がいくら債権を持つかを確かめる債権調査手続を省略して再生を加速させる高速ルートです。議決権総額の5分の3以上の同意が前提となります(民事再生法211条1項)。
Q2簡易再生と通常の民事再生はどう違いますか?
通常再生は債権調査を経て慎重に進みますが、簡易再生はその工程を丸ごと外します。簡易化されるのは手続だけで、弁済率や債権カットの厳しさは通常再生と変わりません。
Q3簡易再生に必要な同意割合は?
議決権総額の5分の3以上の同意が必要です(211条1項)。大口債権者を一社でも取りこぼすとこの高速ルートは使えず、通常の民事再生に進むことになります。
Q4簡易再生で財産状況報告は必要ですか?
必要です。裁判所は財産状況報告集会での報告、または125条1項の報告書提出がされた後でなければ、再生計画案を決議に付せません(214条2項)。この順序を飛ばした決議は無効リスクがあります。
Q5簡易再生の再生計画案は誰が決議しますか?
212条3項の債権者集会が決議します。ただし決議に付せるのは211条1項後段の再生計画案のみに限定されます(214条1項)。
Q6民事再生で連帯保証人の債務は減りますか?
減りません。再生計画で会社の債務がカットされても、保証人の返済義務は影響を受けません(民事再生法177条)。簡易再生で早く可決されるほど、請求の矛先が保証人へ早く向かいます。
Q7簡易再生と同意再生の違いは?
簡易再生(211条以下)は債権調査を省いて計画案を決議に付す手続、同意再生は債権者全員の同意で決議自体を省く手続です。いずれも迅速化を狙いますが省く工程が異なります。
Q8簡易再生のメリットとデメリットは?
メリットは債権調査を省き再生計画を早く確定できる点です。デメリットは、債権者が立ち止まって判断する時間が削られ、欠席が賛成に化けるなど手続保障が薄くなる点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1簡易再生の同意書って、サインしないとダメなんですか?
義務ではありません。簡易再生は議決権総額の5分の3以上の同意が集まって初めて裁判所が決定できる手続です(民事再生法211条1項)。あなたが同意を渋れば、再生債務者は通常の民事再生に進むしかない。実務のポイント:大口債権者の同意は簡易再生の成否を握る切り札です。再生債務者側は5分の3のラインを越えたいので、同意の見返りに弁済条件の上乗せを交渉できる余地がある。安易にサインせず、まず自社の議決権割合を確認する
Q2一度同意したら、もう反対できないんですか?
集会の開始前なら撤回できます。民事再生法214条3項但書は、同意を撤回する旨の書面を裁判所に提出すれば賛成とみなす扱いを免れると定めています。ただし期限は「債権者集会の開始前」の一点。集会が始まれば撤回は一切認められません。実務のポイント:撤回書は当日持参を狙わず、数日前に裁判所へ到達させるのが鉄則。郵便の遅延や受付時間で「開始前」に間に合わなかった例は実際にある。気が変わったら、その日のうちに動く
間違えやすい点 AI による整理
- 同意書を出しても、集会に行かなければ自分の票は入らないと思っている人が多い。実際は逆で、書面同意したまま欠席すると「出席して賛成した」とみなされ、可決の数に算入される(214条3項本文)
- 撤回できること自体は知っていても、その締切が「債権者集会の開始前」という一瞬に固定されている重さを分かっていない。集会が始まった一秒後には、もう翻せない
- あなたから見れば「簡易=自分にも手早く有利に片付く」だが、法律から見れば簡易化されるのは手続だけで、弁済率や債権カットの厳しさは通常再生と変わらない。この「簡易」の語感と中身の落差が、軽い気持ちのサインを誘う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 214条:簡易再生の債権者集会の特則(決議対象・報告前提・みなし賛成) | 211条:簡易再生の決定要件(5分の3同意) 172条の3:再生計画案の可決要件 |
| 同意・可決の基準 | 214条:書面同意した欠席債権者を賛成に算入 | 211条:議決権総額の5分の3以上の同意 172条の3:頭数の過半数かつ議決権額の2分の1以上 |
| 決議の前提条件 | 214条2項:財産状況報告または125条1項報告書提出後でなければ決議不可 | 211条:再生計画案への同意が前提 125条:財産状況の報告書の提出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は債務者更生・会社重整で類似の集団的債務調整を行うが、日本の簡易再生のように債権調査を一括省略する専用の迅速ルートは限定的
韓国は『간이회생절차(簡易回生手続)』を明文で設け、小規模事業者向けに手続を簡素化する点で日本の簡易再生と機能的に近い
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で柔軟な再建を認めるが、事前同意を固めて調査を省く日本型の簡易ルートとは構造が異なる
米国のプリパッケージ型チャプター11は、申立前に計画への賛否投票を済ませておく点で簡易再生の事前同意方式と機能的に類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 長年取引してきた仕入れ先が民事再生を申し立て、簡易再生の同意書が郵送されてきた。サインすれば早く配当が決まると書いてある。だが本当にサインしていいのか? 同意した瞬間、欠席でも賛成票として数えられ、計画の中身を後から覆すのは極めて難しくなる
- あなたは資金繰りに行き詰まった会社の代表だ。一日でも早く再生計画を確定させたい。簡易再生なら債権調査を飛ばせる。ただし議決権総額の5分の3以上の同意を先に固める必要がある(211条1項)。大口債権者を一社でも取りこぼせば、この高速ルートは使えない
- 同意書を出してしまったが、計画の弁済率に納得できなくなった。債権者集会まであと3日。今からでも撤回できるのか? 答えは、集会が開始される前なら撤回書一通で間に合う(214条3項但書)。開始後は一切できない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 同意書が届いたら、まず自社の議決権額と全体に占める割合を確認、5分の3ラインへの影響力を測る2. 弁済率・弁済期間・担保の扱いを精査、納得できなければ安易にサインしない3. すでに同意済みで気が変わったら、債権者集会の開始前に撤回書を裁判所へ提出(214条3項但書)、当日持参に頼らず数日前に到達させる4. 集会には可能な限り出席する、欠席は賛成とみなされる(同条3項本文)
訴えられた側:1. 簡易再生の申述前に、議決権総額の5分の3以上の同意を書面で固める(211条1項)、大口債権者から先に攻める2. 財産状況報告集会での報告または125条1項の報告書提出を済ませる、これを欠くと裁判所は計画案を決議に付せない(214条2項) 3. 同意済み債権者の欠席は賛成算入されるが、撤回リスクが集会開始前まで残る点を織り込む4. 同意の撤回が相次げば5分の3を割る、票読みは集会直前まで続ける
時効(請求できる期限):同意の撤回は「債権者集会の開始前」まで(民事再生法214条3項但書)、開始後は不可。また裁判所は財産状況報告集会での報告または125条1項の報告書提出後でなければ計画案を決議に付せない(同条2項)、この順序を飛ばした決議は無効リスクがある
学説
通説:214条の2項と3項但書は、債権調査を省く簡易再生の迅速性を保ちつつ債権者の手続保障を補う二つの安全弁と理解される。2項は財産情報を得てから投票させ、3項但書は書面同意した債権者に集会開始前までの撤回権を残す。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定に伴い、簡易再生手続とその債権者集会の特則を創設。債権調査を省略した迅速な事業再生ルートを整備した
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める