要点民事再生法 213 条は、簡易再生の決定に対する即時抗告を認めるが、その抗告に執行停止の効力はなく、抗告しても再生手続は進行する。
Q · 取引先が簡易再生をした。即時抗告すれば売掛金の回収を止められる?
止められません。抗告に執行停止効はなく手続は進みます
民事再生法 213 条 1 項は簡易再生の決定に対する即時抗告を認めますが、2 項がその抗告に執行停止の効力を与えていません。したがって抗告しても再生手続はそのまま進行し、再生計画は可決・認可へと進みます。進行を止めたいなら、抗告とは別に手続の中止や処分の執行停止を同時に申し立てる必要があります。なお簡易再生の決定が取り消された場合は、裁判所が遅滞なく一般調査期間を定め直し(3 項)、中断していた訴訟は再生債務者等が受け継ぎます(5 項)。
取引先が倒産しかけて民事再生を申し立てた。しかも「簡易再生」という、債権調査の手続をまるごと省く特急ルートだ。議決権の五分の三以上を持つ債権者が書面で同意すれば成立し、あなたの売掛金は調査を経ずに再生計画へ組み込まれていく。あなたが少数派の反対債権者だったら、この決定にどう抗うか。213条1項は即時抗告という一手をあなたに渡す。だが2項を読み飛ばすと足をすくわれる。その即時抗告には執行停止の効力がない。抗告しても手続は止まらず、再生計画はあなたの異議をよそに前へ進む。さらに簡易再生の決定が後で取り消されたら、裁判所は遅滞なく一般調査期間を定め直し、中断していた訴訟は再生債務者等が受け継ぐ。簡易ルートが崩れた瞬間に通常ルートへ巻き戻る仕掛けまで、この一条に畳み込まれている。
民事再生法 213 条は、簡易再生に関する即時抗告等を定める規定である。簡易再生の決定に対する即時抗告を認めつつ、これに執行停止の効力を与えず、決定が取り消された場合には一般調査期間の再設定と中断した手続の受継を義務づける。迅速性を保ちながら通常手続への復元を担保する構造をとる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
議決権者の議決権総額の 5 分の 3 以上を有する債権者の書面による同意が必要です(211 条)。この同意を前提に債権調査手続を省いて再生計画へ進みます。
倒産手続の抗告期間は裁判の公告を起点に進みます(民事再生法 9 条)。自分宛ての書面が届く前に時計が動くため、公告日の確認が不可欠です。最新条文で起算点を要確認。
債権の存否や額を争う調査手続が省かれるため、少数・小口の債権者ほど異議を述べる場を失いやすくなります。省略されるのは調査であって、実質は発言機会です。
振り出しに戻って終わりではありません。裁判所が遅滞なく一般調査期間を定め直し(213 条 3 項)、通常の調査手続へ巻き戻ります。別の重い手続の始まりです。
簡易再生の決定が確定すると、40 条 1 項で中断した訴訟は再生債務者等が受け継ぎます(213 条 5 項)。受継の申立ては相手方からもできます。
即時抗告自体に執行停止効はありませんが、抗告と同時に手続の中止や処分の執行停止を別途申し立てれば、進行を押さえられる余地があります。同時に打つのが実務の要です。
不利になりやすい構造です。調査省略で自分の債権額や存在を争う場を静かに失いやすく、声の小さい債権者から先に発言機会が奪われる仕組みになっています。
届け出られた再生債権の存否・額などを調査するために裁判所が定める期間です。簡易再生では省かれますが、決定が取り消されると 213 条 3 項により定め直されます。
止められません。213条2項が即時抗告に執行停止の効力がないと明示しているため、抗告しても再生手続はそのまま進みます。止めたいなら、抗告とは別に手続の中止や処分の執行停止を申し立てる必要があります。業界裏話ヒント:実務では、抗告状だけ出して安心してしまい、その間に再生計画が可決・認可まで進む例が後を絶ちません。本気で進行を止めるつもりなら、抗告と同時に中止の申立てをセットで打つ、これが分かっている債権者と分かっていない債権者の差です
最大の違いは、債権調査の手続を省いて一気に再生計画へ進む点です(211条以下)。議決権の五分の三以上を持つ債権者が書面で同意することが前提で、その分だけ時間とコストを圧縮できます。業界裏話ヒント:省かれるのは「調査」であって、あなたの異議の機会そのものです。小口の債権者ほど、調査省略で自分の債権額や存在を争う場を静かに失いやすい。もし決定が取り消されれば一般調査期間が定め直されますが(213条3項)、そこまで待つ間に計画が走り切ることもある。決定の通知が来た瞬間に動けるかどうかが勝負です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 債権調査手続 | 簡易再生(211〜213 条):一般調査手続を省略 | — |
| 同意・可決要件 | 議決権総額の 5 分の 3 以上の書面同意が前提 | — |
| 即時抗告の執行停止効 | なし(213 条 2 項)——抗告しても手続は進行 | — |
| 取消し後の巻き戻し | 一般調査期間を定め直し中断手続を受継(3・5 項) | — |
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