民事再生法 第209条(外国管財人の権限等)
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- 外国管財人は、第二十一条第一項前段に規定する場合には、再生債務者について再生手続開始の申立てをすることができる。この場合における第三十三条第一項の規定の適用については、同項中「第二十一条」とあるのは、「第二百九条第一項前段」とする。
- 2.外国管財人は、再生債務者の再生手続において、債権者集会に出席し、意見を述べることができる。
- 3.外国管財人は、再生債務者の再生手続において、第百六十三条第一項に規定する期間(同条第三項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間)内に、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる。
- 4.第一項の規定により外国管財人が再生手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、再生手続開始の決定があったときは第三十五条第一項の規定により公告すべき事項を、第三十四条第一項の規定により定めた期間に変更を生じたときはその旨を、再生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。
この条文の基本情報
外国管財人の権限等とは何ですか?
定義外国管財人の権限等とは、民事再生法第209条に定められた規定で、「外国管財人は、第二十一条第一項前段に規定する場合には、再生債務者について再生手続開始の申立てをすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第209条(外国管財人の権限等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第209条の条文原文は「外国管財人は、第二十一条第一項前段に規定する場合には、再生債務者について再生手続開始の申立てをすることができる。」で始まります。
- 民事再生法第209条は第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第209条の前の条は民事再生法第208条です。
- 民事再生法第209条の次の条は民事再生法第210条です。
- 民事再生法第209条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第209条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第209条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/209
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法209条は、外国管財人が日本の裁判所に再生手続開始を申し立て、債権者集会で意見を述べ、再生計画案を提出できると定める。国境をまたぐ倒産で外国管財人に日本手続への入口を開く規定である。
Q · 取引先の外国本社が本国で倒産したら、日本にある在庫や売掛金はどうなるの?
外国管財人が民事再生法209条で日本の手続に参加してきます
取引先の外国本社が本国で倒産すると、その手続で選任された外国管財人が民事再生法209条に基づき日本の裁判所に再生手続開始を申し立てられます(1項)。さらに債権者集会に出席して意見を述べ(2項)、163条の期間内に再生計画案を作成・提出できます(3項)。日本にある在庫・売掛金・子会社株式などの資産は、この日本の再生手続を通じて処理されるのが原則です。日本の債権者は債権届出や議決権行使で自らの利益を守る必要があります。
解説
取引先の外国本社が本国で倒産した。日本にある在庫や売掛金、子会社の事業はどうなるのか。ここで多くの人が見落とすのが、外国で選任された管財人(外国管財人、海外の倒産手続で財産の管理処分権を握る人)が、日本の裁判所に直接乗り込んでくる権限を持つという事実だ。民事再生法209条は、外国管財人に四つの武器を与える。第一に、日本で再生手続開始の申立てができる(1項)。第二に、債権者集会に出席して意見を述べられる(2項)。第三に、再生計画案そのものを作って裁判所に提出できる(3項、163条の提出期間内)。第四に、申立てをすれば、包括的禁止命令や開始決定の内容が外国管財人へ通知される(4項)。つまり、あなたの債権の運命を握るプレイヤーが、国境を越えて一人増える。相手が外資系で本国に倒産リスクがあるなら、契約段階からこの構図を頭に入れているかどうかで、いざというときの回収順位が変わる。
法的な位置づけ
民事再生法209条は外国管財人の権限を定める規定である。外国倒産処理手続で選任された外国管財人が、日本において再生手続開始の申立て(1項)、債権者集会での意見陳述(2項)、再生計画案の作成・提出(3項)を行い、一定の決定内容の通知を受ける(4項)ことを認め、国際倒産の協調的処理を可能にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.外国本社の信用不安を察知したら日本資産を棚卸し 取引先の外国本社に倒産の兆候が出たら、まず日本国内資産(在庫・売掛金・子会社株式)の所在と自社の債権額を一覧化する。契約段階なら準拠法と倒産時の取扱いを条項に織り込んでおく
- 2.外国管財人の申立てと公告を確認 外国管財人が民事再生法209条1項で日本の再生手続を申し立てたか、裁判所の公告(35条1項)を確認する。包括的禁止命令や開始決定の通知(209条4項)の有無も追う
- 3.債権届出期間を絶対に逃さない 34条1項で定まる債権届出期間内に債権を届け出る。期間を過ぎると配当から外れ権利行使が封じられるため、期間の起算点(35条1項の公告時)から逆算して管理する
- 4.計画案提出期間を把握し弁護士と精査 163条1項の再生計画案提出期間(3項による伸長を含む)を把握し、外国管財人の計画案が日本の債権者に不利でないか国際倒産に強い弁護士と精査。監督委員や裁判所へ日本債権者の事情を早期に伝え、議決権行使で対応する
よくある質問 AI による整理
Q1外国管財人とは何ですか?
海外の倒産手続で選任され、債務者財産の管理処分権を握る人です。外国倒産処理手続の承認援助に関する法律2条に定義があり、民事再生法209条で日本手続への参加権が与えられます。
Q2民事再生法209条はどんな条文ですか?
外国管財人に四つの権限を与える条文です。日本での再生手続開始の申立て(1項)、債権者集会での意見陳述(2項)、再生計画案の提出(3項)、決定内容の通知受領(4項)を認めます。
Q3クロスボーダー倒産で日本の債権はどうなりますか?
日本にある資産は日本の再生手続を通じて処理されるのが原則です。債権届出期間内に届出をしないと配当から外れるため、外国管財人の申立てと裁判所の公告を必ず確認する必要があります。
Q4外国管財人は日本の裁判所に申立てできますか?
できます。民事再生法209条1項により、外国管財人は日本の再生債務者について再生手続開始を申し立てられます。33条1項の適用について読替え規定も置かれています。
Q5外国倒産処理手続の承認援助に関する法律とは何ですか?
UNCITRAL 国際倒産モデル法を日本が取り込んだ法律です。外国管財人の定義や、外国倒産手続を日本で承認・援助する枠組みを定め、民事再生法209条と連動します。
Q6再生手続と破産手続で外国管財人の扱いは違いますか?
基本構造は同じです。破産手続では破産法245条が外国管財人に同趣旨の権限を与えます。再生(再建型)か破産(清算型)かで手続の目的が異なる点に注意が必要です。
Q7取引先の海外本社が倒産したら何を確認すべきですか?
まず日本国内資産(在庫・売掛金・子会社株式)と自社債権額を整理し、外国管財人が209条で申立てをしたか裁判所の公告を確認し、債権届出期間と計画案提出期間を把握します。
Q8UNCITRAL モデル法とは何ですか?
国連が1997年に作成した国際倒産の統一枠組みで、外国倒産手続の承認と外国管財人の参加を各国が取り込むためのモデル法です。日本は承認援助法と民事再生法209条で導入しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国の倒産手続って、日本にある資産には関係ないですよね?
関係します。外国管財人は民事再生法209条1項で日本の裁判所に再生手続開始を申し立てられ、債権者集会で意見も述べられます(2項)。日本資産は日本の手続を通じて処理されるのが原則です。実務のポイント:外国管財人が動くか、日本側の関係者が別途申し立てるかで、どちらの陣営が手続のフレームを設計するかが変わります。信用不安を察知したら、待つより先に日本で動いた側が結果的に有利な位置に立つことが多い。
Q2外国管財人が作った再生計画案に、日本の債権者は反対できますか?
できます。外国管財人が作成・提出できるのは計画案(209条3項)であって、可決には日本の債権者集会での決議が必要です。日本の債権者は議決権を行使して反対できます。実務のポイント:外国管財人の計画案は本国の債権者全体の利益を優先しがちで、日本の少数債権者には不利な弁済設計になることがある。案が出る前に監督委員や裁判所へ日本債権者の事情を伝えておくと、認可段階での主張が通りやすくなる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「外国の倒産手続は日本の資産には及ばない」と思い込んでいる人が多いが、外国管財人は209条1項で日本の裁判所に再生手続を申し立て、債権者集会で意見も述べられる(2項)。海を越えた手続が、日本の自分の債権の処理フレームを直接動かしてくる。
- 外国管財人が「申立て」できることは知っていても、その管財人が再生計画案まで作成して裁判所に提出できる(3項)ことの重大性を見落としている。計画案を握る者は、誰にいくら配るかという弁済設計の最初のたたき台を握る。出てきた案に反対するのと、案を作る側に立つのとでは、交渉の出発点がまるで違う。
- 「外国管財人が乗り込んできたら日本の債権者は蚊帳の外」と考えるのは、視点がずれている。外国管財人から見れば日本資産は本国債権者全体への配当原資だが、日本の裁判所と日本の債権者集会から見れば、可決・認可の最終決定権はあくまで日本側にある。この力関係の構図を取り違えると、出せたはずの異議を出しそびれる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申立ての主体 | 外国管財人(民再209条1項) | 債務者・債権者(民再21条の通常の申立権者) 外国管財人(破産法245条・破産手続版) |
| 認められる権限 | 申立て・意見陳述・計画案提出(209条1〜3項) | 再生手続開始の申立て(21条) 破産手続開始の申立て等(破産法245条) |
| 手続の性質 | 民事再生(再建型) | 民事再生(再建型) 破産(清算型) |
| 根拠となる枠組み | 承認援助法・UNCITRAL 国際倒産モデル法 | 民事再生法本則 破産法・UNCITRAL 国際倒産モデル法 |
他国ではどう定めているか 4 か国
韓国も UNCITRAL モデル法を採用し、外国倒産手続の代表者(외국도산절차의 대표자)に申立て・参加権を認める点で日本と類似する
中国は外国裁判の承認・執行の枠組みで渉外破産を規律。相互主義・公序を要件とし、外国管財人の直接参加は日本ほど明文化されていない
ドイツは EU 域内は倒産規則(自動承認)、域外は国際倒産法(InsO 第11部・UNCITRAL モデル法系)で処理し、主手続と従手続の区別を採る
米国は Chapter 15で外国代表者(foreign representative)に申立権・参加権を与える。UNCITRAL モデル法の代表的採用例で、本条と設計思想を共有する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の外国親会社が本国で倒産手続に入った。日本にある在庫や売掛金は、外国管財人に持っていかれるのか? 実は外国管財人は209条1項で日本の再生手続を申し立て、日本資産を倒産処理の枠組みに取り込もうとしてくる。あなたの債権がどう扱われるかは、この申立てが出るか出ないかで分岐する。
- あなたが日本子会社の経営者で、外国本社が破綻。外国管財人が日本で再生手続を申し立て、債権者集会に出席して意見を述べ始める(2項)。子会社の事業継続を望むあなたは、外国管財人と利害が一致するのか対立するのか、最初の集会で見極める必要がある。読み違えると、事業を残す交渉の主導権を一気に失う。
- 再生計画案の提出期間はあと三週間。外国管財人がこの期間内に独自の計画案を出してくる(3項)。債権者として弁済条件を反映させたいなら、案が出される前に動くしかない。
取るべき行動
被害を受けた側:日本の債権者の立場。1. 取引先の外国本社に倒産の兆候が出たら、まず日本国内資産(在庫・売掛金・子会社株式)の所在と自社債権額を整理。2. 外国管財人が209条で日本の再生手続を申し立てたか、裁判所の公告(35条1項)を確認。3. 債権届出期間(34条1項で定まる期間)を絶対に逃さない、過ぎると配当から外れる。4. 計画案の提出期間(163条)を把握し、外国管財人の計画案が日本の債権者に不利でないか国際倒産に強い弁護士と精査、議決権行使で対応する。
訴えられた側:再生債務者(日本法人)側の立場。1. 外国本社の管財人が209条で申立てをしてきたら、自社が再生債務者になる構図をまず確認。2. 外国管財人の権限は申立て・意見陳述・計画案提出に及ぶが(1項から3項)、手続の主体は日本の裁判所と監督委員であり、可決・認可は日本側の手に残る。3. 包括的禁止命令や開始決定の通知(4項)を受けたら、事業継続に必要な資金繰りと取引先対応を即座に設計。4. 本国手続との整合を取るため、国際倒産に精通した弁護士を早期に確保する。
時効(請求できる期限):外国管財人の申立てそのものに固有の出訴期間はないが、手続に乗ったあとは期間管理が命。再生計画案の提出は163条1項の期間内(伸長は同条3項)、債権届出は34条1項で定まる期間内に行わなければ権利行使が封じられる。開始決定や包括的禁止命令に関する効力は、決定の告知・公告(35条1項)の時を起算点とする(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:民事再生法209条は外国管財人に申立て・意見陳述・計画案提出という参加権を与えるが、手続の主体は日本の裁判所・監督委員であり、再生計画案の可決および認可権限は日本の債権者集会と裁判所に留保される。国際協調(普遍主義)と国内債権者の手続保障の均衡点として理解される。
- 民事再生法 第21条再生手続開始の申立権の原則規定
- 民事再生法 第33条再生手続開始決定の要件と読替え対象
- 民事再生法 第35条開始決定の公告事項、通知内容の中身
- 民事再生法 第163条再生計画案の提出期間の根拠
- 民事再生法 第27条包括的禁止命令、通知対象の前提
- 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律 第2条外国管財人の定義の根拠
- 破産法 第245条破産手続における外国管財人の同趣旨規定
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