民事再生法 第35条(再生手続開始の公告等)
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- 裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第百六十九条の二第一項に規定する社債管理者等がないときは、第三号に掲げる事項については、公告することを要しない。
- 一再生手続開始の決定の主文
- 二前条第一項の規定により定めた期間
- 三再生債務者が発行した第百六十九条の二第一項に規定する社債等について同項に規定する社債管理者等がある場合における当該社債等についての再生債権者の議決権は、同項各号のいずれかに該当する場合(同条第三項の場合を除く。)でなければ行使することができない旨
- 2.前条第二項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第五項本文において準用する次項第一号及び第三十七条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第百二条第一項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。
- 3.次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
- 一再生債務者及び知れている再生債権者
- 二第五十四条第一項、第六十四条第一項又は第七十九条第一項前段の規定による処分がされた場合における監督委員、管財人又は保全管理人
- 4.前項の規定にかかわらず、再生債務者がその財産をもって約定劣後再生債権(再生債権者と再生債務者との間において、再生手続開始前に、当該再生債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法(平成十六年法律第七十五号)第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあることが明らかであるときは、当該約定劣後再生債権を有する者であって知れているものに対しては、前項の規定による通知をすることを要しない。
- 5.第一項第二号、第三項第一号及び前項の規定は、前条第一項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について準用する。ただし、同条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。
この条文の基本情報
再生手続開始の公告等とは何ですか?
定義再生手続開始の公告等とは、民事再生法第35条に定められた規定で、「裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第百六十九条の二第一項に規定する社債管理者等がないときは、第三…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第35条(再生手続開始の公告等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第35条の条文原文は「裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第百六十九条の二第一項に規定する社債管理者等がないときは、第三…」で始まります。
- 民事再生法第35条は第二節 再生手続開始の決定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第35条の前の条は民事再生法第34条です。
- 民事再生法第35条の次の条は民事再生法第36条です。
- 民事再生法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法35条は、裁判所が再生手続開始の決定後、直ちに再生債権の届出期間等を官報で公告し、知れている再生債権者には個別に通知すると定める。届出期間を徒過した債権は原則失権する。
Q · 取引先が民事再生を申し立てたのに、うちには何の連絡も来ません。売掛金はどうなりますか?
個別通知が来ない債権者は官報で届出期間を確認しないと失権します
民事再生法35条により、裁判所は再生手続開始の決定をしたとき、直ちに再生債権の届出期間等を官報で公告します。あわせて「知れている再生債権者」には個別に通知されますが(3項1号)、債務者があなたを債権者として把握していなければ個別通知は届かず、頼りは官報公告のみになります。届出期間内に再生債権を届け出なければ、追完が認められる例外を除き、その債権は再生計画の権利変更の対象として原則失権します。連絡が来ないからといって諦めず、まず官報と裁判所で届出期間を確認してください。
解説
取引先の会社が経営難で民事再生を申し立てた。あなたはその会社に売掛金が残っている。さて、あなたはいつ、どうやってそれを知るのか。民事再生法35条が、その答えを握っている。裁判所は再生手続の開始を決定したら、直ちに官報で公告しなければならない。だが公告は新聞の片隅以下の存在で、毎日読む人はまずいない。あなたが確実に救われるのは「知れている再生債権者」に該当する場合だけで、そのときは個別に通知が届く(3項1号)。逆に、債務者があなたを債権者として把握していなければ、頼みの綱は官報の公告一本になる。そして公告には再生債権の届出期間が書かれており、その期間内に債権を届け出なければ、あなたの売掛金は再生計画の権利変更の対象として原則失権する。会社が静かに再生を申し立てた瞬間、知らない債権者は時計の針が回り始めたことにすら気づかない。
法的な位置づけ
民事再生法35条は、再生手続開始の決定に伴う公告および通知を定める規定である。裁判所は開始決定後直ちに、決定主文・再生債権の届出期間・社債等の議決権行使制限を官報で公告し、知れている再生債権者や監督委員等には個別に通知する。集団的手続の迅速性と個別債権者の手続保障を、債権者の把握可能性という基準で調整する仕組みとして機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.官報と裁判所で届出期間を確認する 取引先が民事再生を申し立てたと知ったら、まず官報の再生開始公告と裁判所の手続情報で再生債権の届出期間を確認する。初日を押さえて逆算で動く
- 2.個別通知の有無を確認する 自分に個別通知(3項)が届いているか確認する。届いていなければ『知れている再生債権者』に入っていない可能性が高く、官報頼みの立場だと自覚して能動的に動く
- 3.債権額と疎明資料をそろえる 売掛金・貸金の額を確定し、契約書・請求書・納品書など債権の存在と額を疎明する資料をまとめる。約定劣後再生債権を持つ場合は通知が来ないこと(4項)を前提に自ら動く
- 4.届出期間内に再生債権を届け出る 確認した届出期間内に、裁判所へ再生債権の届出をする(94条)。期間を過ぎると追完が認められる例外を除き原則失権するため、期限厳守で提出する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法35条とは何ですか?
裁判所が再生手続開始を決定したとき、届出期間等を官報で公告し、知れている再生債権者に個別通知することを義務づける規定です。債権者が手続に参加する起点になります。
Q2再生手続開始の公告はどこで確認できますか?
官報に掲載されます。裁判所の手続情報でも確認できます。個別通知が来ない債権者は、官報の再生開始公告で届出期間を自ら確認する必要があります。
Q3再生債権の届出期間はいつまでですか?
開始決定と同時に裁判所が定めます(34条1項)。公告と通知はこの期間を知らせるためのもので、期間を過ぎると原則として失権します。
Q4民事再生の公告は官報にいつ載りますか?
裁判所が再生手続開始の決定をした後、直ちに公告されます(35条1項)。開始決定の主文と届出期間が同時に掲載されます。
Q5「知れている再生債権者」とは誰のことですか?
債務者や裁判所が帳簿・名簿等で把握している債権者を指します。この者には個別通知が届きますが、把握漏れの債権者には官報公告しか届きません。
Q6民事再生で債権を届け出ないとどうなりますか?
届出期間を過ぎた再生債権は、追完が認められる例外を除き、再生計画の権利変更の対象として原則失権します。請求書があっても手続の外に置かれます。
Q7約定劣後再生債権とは何ですか?
破産手続なら劣後的破産債権に後れる旨を合意した債権です。配当の見込みがないことが明らかなときは、個別通知すら省略されます(35条4項)。
Q8民事再生と会社更生で公告のルールは違いますか?
どちらも開始決定の公告と債権届出期間の通知を要します。会社更生は会社更生法が別に規律し、対象や管財人体制が異なりますが、公告・通知による手続告知の構造は共通します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が倒産したらしいけど、うちには何も連絡が来ません。売掛金はもう諦めるしかないですか?
諦めるのは早い。連絡が来ないのは、あなたが債務者の『知れている再生債権者』に入っておらず、個別通知(35条3項1号)の対象外だった可能性が高い。まず官報で再生開始公告と届出期間を確認し、期間内に債権届出をすれば手続に参加できる。実務のポイント:実務では取引先の異変を察知したら、官報チェックのサービスや裁判所への問い合わせで届出期間を自力で取りに行く。通知を待つ姿勢の債権者ほど取りこぼす。
Q2官報って毎日見ないと、再生手続が始まったことに気づけないんですか?
残念ながら個別通知が来ない限り、原則そうなる。官報は毎日発行され、再生開始公告はその一項目に過ぎない(35条1項)。だから債務者が『知れている再生債権者』として把握しているかどうかが決定的に重要になる。実務のポイント:取引先に与信を出している事業者は、平時から内容証明や残高確認書のやり取りを残しておくと、自分が債権者として認識されやすくなり、いざという時に個別通知が届く側に回れる。
Q3劣後ローンを出していたのですが、再生手続で通知が来ませんでした。なぜですか?
約定劣後再生債権の場合、債務者の財産で優先する債権を完済できないことが明らかなときは、通知を省略できる(35条4項)。配当が回らないことが見えているため、手続上の通知コストを省く趣旨である。実務のポイント:劣後特約付きで貸した時点で、いざという時は通知すら来ず情報から最も遠い立場に置かれることを覚悟しておく。劣後債権者は自分から手続状況を取りに行かないと、何も知らないまま終わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生手続が始まれば債権者には連絡が来る」とは知っていても、その連絡が全債権者に個別に届くわけではないことまでは知らない人が多い。個別通知が義務づけられるのは『知れている再生債権者』だけ(3項1号)で、債務者の帳簿に載っていない、あるいは把握漏れの債権者には官報公告しか届かない
- 「官報に載るなら見逃さない」と思うかもしれないが、官報は毎日発行され、再生開始公告はその一項目に過ぎない。実務では官報を専門にチェックする調査サービスを使うか、自ら裁判所に問い合わせなければ、まず気づけない
- 「届出期間に間に合わなくても、債権があるのだから後で請求できる」という前提そのものが誤っている。届出期間を過ぎた再生債権は、追完が認められる例外を除き、再生計画の権利変更の対象として原則失権する。請求書が手元にあっても、手続の外に置かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事項 | 35条:再生手続開始の公告と通知 | 34条:再生債権の届出期間の決定 37条:知れている再生債権者等への通知 |
| 誰に向けた手続か | 全債権者(官報公告)+ 知れている債権者(個別通知) | 裁判所が期間そのものを定める(対内部) 知れている再生債権者・監督委員等への通知 |
| 本条との関係 | 34条で定めた期間を公告・通知する出口 | 35条が公告する『期間』の根拠 35条の通知規律を具体化・補完 |
| 期間徒過の効果 | 公告・通知は届出の起点、徒過は原則失権(95条の追完で例外) | 期間の変更時は35条5項で再公告・再通知 通知漏れは後の争いと再生計画の不安定要因 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の重整裁定や破産宣告について公告を要する点で共通するが、日本の民事再生のような DIP 型一般再建手続の統一規律は形が異なる
韓国は統合倒産法(채무자회생법)で会生手続開始決定の公告を定め、日本と近い告知構造を持つ
ドイツは倒産手続開始決定を裁判所が公示(elektronische Bekanntmachung)する制度を採り、電子的公告への移行が進んでいる点で日本の官報公告と対比される
米国は債権者への notice を規則で詳細に定め、債権者一覧(schedules/creditor matrix)に基づく個別通知を重視する。官報型の一括公告より個別通知に比重がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし取引先が静かに民事再生を申し立てたら、あなたはどうやって気づくのか。個別通知が来なければ頼りは官報だけ。届出期間まであと数週間という事実すら、知らないまま過ぎていく
- 下請けとして元請けの建設会社に多額の工事代金が残っている。元請けが民事再生を申し立てたが、あなたは契約書上の正式な取引先ではなく孫請け経由だったため、債務者の債権者名簿に載っていなかった。個別通知は来ず、気づいたときには届出期間が終わっていた
- あなたが再生を申し立てる債務者側だとしたら、知れている再生債権者を漏れなく裁判所に届け出る責任がある。把握漏れの債権者に通知が届かず後で争われれば、再生計画全体の信頼が揺らぐ
- あなたは社債を保有している。発行会社が再生に入った。社債管理者等がいなければ、あなたの議決権は一定の場合にしか行使できない(1項3号)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が民事再生を申し立てたと知ったら、すぐ官報と裁判所の手続情報で再生債権の届出期間を確認する2. 自分に個別通知が届いているか確認、届いていなければ『知れている再生債権者』に入っていない可能性が高い3. 売掛金・貸金の額と疎明資料(契約書、請求書、納品書)をまとめ、届出期間内に再生債権の届出をする4. 約定劣後再生債権を持つ場合は4項により通知すら来ないことがあるので、自分から手続状況を取りに行く
訴えられた側:1. 再生を申し立てる側なら、知れている再生債権者を漏れなく把握して裁判所に届け出る、漏れは後の紛争と再生計画の不安定要因になる2. 社債等を発行している場合、社債管理者等の有無で公告事項が変わる(1項3号、ただし書)ので確認3. 約定劣後再生債権者への通知省略の可否(4項)は、財産で優先債権を完済できるかの判断に依存するので慎重に4. 監督委員・管財人・保全管理人が選任されていれば、これらの者への通知も必要(3項2号)
時効(請求できる期限):再生債権の届出期間は、再生手続開始決定と同時に裁判所が定める(前条=民事再生法34条1項)。公告・通知はその期間を知らせるためにある。期間に変更が生じた場合は5項により改めて公告・通知される。届出期間を徒過した再生債権は、追完が認められる例外を除き原則失権する(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:35条の公告・通知規律は、多数当事者を一括処理する再生手続の迅速性と、個別債権者の手続保障とを調整する制度と理解される。官報公告を基本としつつ、把握可能な『知れている再生債権者』に個別通知を義務づけ、配当見込みのない約定劣後再生債権者には通知を省略することで、効率と保護のバランスを図る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(法律第225号)により新設。従来の和議法を廃止し、再生手続開始の公告・通知に関する規律として本条を置いた
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