民事再生法 第192条
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- 債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、第二十一条第一項に規定する再生手続開始の申立ての事由のないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務者、管財人又は届出再生債権者の申立てにより、再生手続廃止の決定をしなければならない。
- 2.前項の申立てをする場合には、申立人は、再生手続廃止の原因となる事実を疎明しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第192条は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第192条の条文原文は「債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、第二十一条第一項に規定する再生手続開始の申立ての事由のないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務…」で始まります。
- 民事再生法第192条は第九章 再生手続の廃止に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第192条の前の条は民事再生法第191条です。
- 民事再生法第192条の次の条は民事再生法第193条です。
- 民事再生法第192条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第192条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第192条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/192
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法192条は、認可決定の確定前に再生手続開始の申立て事由がないと判明した場合、裁判所が再生債務者・管財人・届出再生債権者の申立てにより再生手続を廃止しなければならないと定める。
Q · 取引先が民事再生を申し立てたけど、途中で止めることはできますか?
認可確定前なら債権者の申立てで廃止できます
民事再生法192条により、債権届出期間の経過後から再生計画認可決定の確定前までの間に、再生手続開始の申立ての事由(21条1項の破産のおそれ・弁済不能)が存在しないと明らかになった場合、裁判所は再生債務者・管財人・届出再生債権者の申立てにより再生手続を廃止しなければなりません。届出再生債権者であるあなたも申立適格者です。2項により、申立人は廃止原因となる事実を疎明(一応確からしいと思わせる程度)すれば足り、完全な証明までは求められません。
解説
再生手続が始まったからといって、それが最後まで走り切るとは限らない。民事再生法192条は、手続の途中で「そもそも再生する理由なんてなかった」と判明したとき、走り出した列車に非常ブレーキをかける仕組みだ。条件は二つの時点に挟まれている。債権届出期間が過ぎた後で、まだ再生計画の認可決定が確定する前。この窓のなかで、21条1項が定める申立ての事由(破産に至るおそれ、または事業の継続に著しい支障をきたさずには弁済期にある債務を弁済できないこと)が存在しないと明らかになれば、裁判所は再生債務者・管財人・届出再生債権者の申立てにより、手続を廃止しなければならない。あなたがある会社の取引先で、その会社が再生手続を盾に支払いを引き延ばしているのではと疑っているなら、これがあなたの一手になる。ただし2項に落とし穴がある。申立人は廃止の原因となる事実を「疎明」しなければならない。証明(裁判官を確信させる)より軽い負担だが、何も出さなくていいわけではない。「一応確からしい」と裁判官に思わせる資料を、あなたの側が並べる立場に立つ。
法的な位置づけ
民事再生法192条は、再生計画認可前の手続廃止を定める規定である。債権届出期間の経過後から認可決定の確定前までの間に、再生手続開始の申立ての事由が存在しないと判明した場合、裁判所は再生債務者・管財人・届出再生債権者の申立てにより再生手続の廃止を義務づけられる。申立人には廃止原因の疎明が求められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.手続の時点を確認する まず債権届出期間がすでに経過し、かつ再生計画認可決定がまだ確定していないかを確認する。この一区間の外なら192条は使えないため、裁判所の掲示・通知や事件記録で時的位置を特定する
- 2.21条1項の事由不存在を示す資料を集める 破産のおそれや弁済不能が申立て時に存在しなかったことを裏づける資料を収集する。直近の決算書、資産評価、現預金残高、申立て直前の不自然な資金移動などを整理する
- 3.廃止の申立てを疎明とともに提出する 届出再生債権者として裁判所に再生手続廃止の申立書を提出する。2項により、廃止原因となる事実を疎明(一応確からしいと思わせる程度)すれば足りるため、外形的な不自然さの提示に注力する
- 4.廃止後のシナリオを想定して回収戦略を組む 廃止が認められると牽連破産(250条)へ移行することが多い。破産配当という別ルールを前提に、回収見込みと担保・相殺の可否を再計算し、通常の権利行使への復帰も視野に入れる
よくある質問 AI による整理
Q1再生手続の廃止とは何ですか?
進行中の再生手続を途中で打ち切ることです。民事再生法192条では、開始の申立て事由が消えたと判明した場合に、裁判所が申立てにより廃止を決定します。
Q2取引先の民事再生を債権者が止められますか?
止められる余地があります。届出再生債権者は192条の申立適格者で、認可確定前なら再生手続の廃止を申し立てられます。疎明資料の準備が鍵です。
Q3民事再生の廃止を申し立てられる期間はいつまでですか?
債権届出期間の経過後から、再生計画認可決定が確定する前までです。この窓を外れると192条による廃止申立てはできません。
Q4再生手続が廃止されたら債権は全額戻りますか?
戻るとは限りません。廃止は手続の枠組みを外すだけで、その後に牽連破産(250条)へ移行し破産配当になることが多いです。
Q5民事再生の廃止に必要な立証はどの程度ですか?
192条2項により疎明で足ります。裁判官に確信を抱かせる証明までは不要で、一応確からしいと思わせる資料を並べれば審理に入れます。
Q6誰が再生手続の廃止を申し立てられますか?
再生債務者・管財人・届出再生債権者の三者です。債務者本人だけでなく、債権者側からも申立てができる点が実務上重要です。
Q7認可決定が確定した後でも再生を止められますか?
192条では止められません。認可決定の確定が終期であり、確定後は事由が真実でも同条による廃止申立てはできなくなります。
Q8192条の廃止と191条の廃止は何が違いますか?
192条は開始の申立て事由が消滅した場合の廃止で、疎明を要件とします。191条は計画認可前の別の廃止事由に基づくもので、局面が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再生手続が裁判所に認められて始まったら、もう途中で止められないんですか?
止められます。開始決定はあくまで入口の審査で、192条は手続の途中で申立ての事由(21条1項)が消えたと判明した場合に廃止する別の仕組みです。再生債務者だけでなく、管財人や届出再生債権者にも申立適格があります。実務のポイント:弁護士は受任時にまず「いま手続のどの段階か」を確認します。債権届出期間の前後、認可決定の前後で打てる手がまったく変わるからです。同じ「再生を止めたい」でも、191条なのか192条なのか、使える条文が時点で切り替わる。この地図を持っている債権者と持っていない債権者では、最初の一手が違う
Q2「疎明しなければならない」とありますが、証明とどう違うんですか?
疎明は、裁判官に「一応確からしい」と思わせる程度の立証で、確信を抱かせる「証明」より負担が軽い概念です(民事訴訟法188条が定義)。192条2項は申立人に疎明だけを求めているので、完全な証拠固めを待たずに動けます。実務のポイント:この「疎明で足りる」という一語が実務では大きい。証明を要求される場面なら相手の内部資料を握るまで動けませんが、疎明なら外形的な不自然さ(直近の黒字決算、資産超過の兆候)を並べるだけで審理に持ち込める。立証の重さを相手に押し返す、地味だが効く設計です
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生手続が裁判所に認められて始まったのだから、もう途中で覆らない」と思い込んでいる人は多い。だが開始決定は入口の審査にすぎず、192条は「走り出した後でも事由が消えれば止める」という別軌道の安全装置だ。開始が認められたことと、最後まで進むことは、まったく別の話
- 「廃止を申し立てるなら、再生事由がないことを裁判で証明し切らないといけない」と身構える人が多いが、これは前提が違う。2項が求めるのは『疎明』であって『証明』ではない。裁判官に確信を抱かせる必要はなく、「一応確からしい」と思わせる程度で足りる。立証のハードルが一段低いことを知っているかどうかで、申立てに踏み出せるかが変わる
- 「廃止されれば自分の債権が満額戻る」と期待するのは早計だ。192条はあくまで再生手続という枠組みを外すだけ。手続が消えた後、債務者が本当に支払えるのかは別問題で、しばしば牽連破産(250条)に移行し、結局は破産配当という別の土俵になる。廃止はゴールではなく、次の局面への入口
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象局面 | 民訴再生192条:認可前・届出期間経過後、開始事由の消滅で廃止 | 民訴再生191条:認可前の別の事由に基づく手続廃止 民訴再生250条:廃止・不認可の後、破産手続へ移行(牽連破産) |
| 申立権者 | 再生債務者・管財人・届出再生債権者 | 事由に応じた申立て・職権(局面により異なる) 裁判所の職権による破産手続開始が中心 |
| 立証の程度 | 廃止原因となる事実の疎明で足りる(192条2項) | 事由ごとに要件が定まる 破産手続開始原因の存在を前提 |
| 帰結 | 再生手続の枠組みが外れ、次局面へ | 再生手続の枠組みが外れる 破産配当という別ルールへ切替 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個人の更生を消費者債務清理條例、企業の再建を公司法の重整で扱う。手続の要件が失われた場合の終止・廃止が定められる点で日本の再生手続廃止と機能が対応する
韓国の統合倒産法(DRBA)は回生手続の廃止事由を規定する。回生の見込み・事由が失われた場合の手続打切りという発想は日本192条と共通する
ドイツ倒産法212条は『開始原因の消滅による手続の廃止(Einstellung wegen Wegfalls des Eröffnungsgrundes)』を定め、開始事由が消えたときに手続を止める点で192条と最も近い構造を持つ
米国連邦倒産法は Chapter 11事件の却下(dismissal)・移行(conversion)を規定する。利害関係人の申立てにより手続を打ち切る仕組みで、日本の再生手続廃止の比較対象となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、取引先が民事再生を申し立てた後で、実は最新の決算は黒字、現預金も借入返済に十分あると分かったとしたら? あなたが届出再生債権者なら、192条で廃止を申し立てられる。再生を口実に支払いを止めているだけの「見せかけ再生」は、申立ての事由がないとして崩せる
- あなたの会社が下請けで、元請けが再生手続中。債権届出期間はもう過ぎ、認可決定はまだ。残された行動の窓はこの一区間だけ。認可が確定してしまえば192条は使えなくなり、あなたは再生計画に従った減額弁済を受け入れるしかなくなる。動くなら今
- 再生債務者として手続を進めている側でも、自ら192条の申立人になりうる。事業環境が好転し、もはや再生の必要がなくなったと自社が判断した場合だ。ただし安易に廃止すれば、債権者は通常の権利行使に戻り、場合によっては牽連破産(250条)へ転がり落ちる。出口の選択は慎重に
- 管財人として選任されたあなたが、帳簿を精査するうちに「この会社、申立て時点で本当は支払不能のおそれがなかった」と気づいた。あなたには廃止を申し立てる適格がある。疎明資料は手元の財務調査結果そのものだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず時点を確認。債権届出期間がもう過ぎていて、かつ認可決定がまだ確定していないか。この窓の外なら192条は使えない2. 21条1項の事由(破産のおそれ・弁済不能)が存在しないことを示す資料を集める。直近の決算書、資産評価、申立て直前の資金の動きなど3. 再生債務者・管財人と並ぶ申立適格者として、裁判所に廃止の申立てをする。2項により、廃止原因となる事実を疎明(一応確からしいと思わせる程度)すれば足りる4. 廃止後の展開(牽連破産への移行、通常の権利行使への復帰)まで見越して、回収シナリオを組み直す
訴えられた側:1. あなたが再生債務者で廃止を申し立てられた側なら、申立て時点では確かに21条1項の事由が存在したことを示す資料で反論する。判断の基準時は申立て当時の状況2. 時点の抗弁を活用。すでに認可決定が確定していれば、そもそも192条による廃止はできない3. 相手の疎明はあくまで「一応確からしい」レベルにすぎないので、それを上回る具体的資料(資金繰り表、債務超過の実態)で打ち返す4. 廃止されれば牽連破産に進みかねないため、廃止を避ける弁護方針と、最悪破産に転じた場合の備えを同時に立てる
時効(請求できる期限):申立てが可能な時的範囲は条文自体が画している。債権届出期間の経過後、かつ再生計画認可の決定が確定する前。この区間を外れると、事由が真実でも192条による廃止申立てはできない。特定の消滅時効はないが、認可確定という終期が事実上のデッドラインとして機能する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:192条の廃止は、再生手続開始の申立て事由(21条1項)が存在しないと明らかになった場合の是正手段であり、申立適格を債務者側だけでなく届出再生債権者にも認めることで、再生手続の濫用抑止を図る趣旨と理解される。2項が疎明で足りるとするのも同趣旨の表れとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧来の和議法に代わる再建型倒産手続として、開始事由が消滅した場合の認可前廃止と疎明要件を明文化した。
- 民事再生法 第21条本条が参照する再生手続開始の申立ての事由
- 民事再生法 第33条再生手続開始の決定、廃止判断の前提となる手続の起点
- 民事再生法 第191条再生計画認可前の手続廃止、本条と並ぶ廃止事由(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第174条再生計画認可の決定、本条の終期となる認可決定の確定(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第250条牽連破産、再生手続廃止後の破産手続への移行
- 民事訴訟法 第188条疎明の概念、本条2項の立証程度の根拠
- 破産法 第30条再生手続廃止後に移行しうる破産手続開始の枠組み(現行効力を要確認)
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