民事再生法 第193条(再生債務者の義務違反による手続廃止)
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。
- 一再生債務者が第三十条第一項の規定による裁判所の命令に違反した場合
- 二再生債務者が第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定に違反し、又は第五十四条第二項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をした場合
- 三再生債務者が第百一条第五項又は第百三条第三項の規定により裁判所が定めた期限までに認否書を提出しなかった場合
- 2.前項の決定をする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。
この条文の基本情報
再生債務者の義務違反による手続廃止とは何ですか?
定義再生債務者の義務違反による手続廃止とは、民事再生法第193条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第193条(再生債務者の義務違反による手続廃止)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第193条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。」で始まります。
- 民事再生法第193条は第九章 再生手続の廃止に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第193条の前の条は民事再生法第192条です。
- 民事再生法第193条の次の条は民事再生法第194条です。
- 民事再生法第193条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第193条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第193条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/193
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法193条は、再生債務者が保全処分違反・無断の資産処分・認否書の未提出をした場合に、裁判所が職権でも再生手続を廃止できると定める。廃止前には審尋が必要。
Q · 民事再生を申し立てたあと、何をやると手続を打ち切られるの?
義務違反が一つあれば手続は廃止され、多くは破産へ移行します
民事再生法193条により、再生債務者が保全処分命令(30条)に違反し、監督委員の同意を要する財産処分(54条2項)を無断で行い、又は認否書を期限までに提出しなかった場合、裁判所は監督委員・管財人の申立て又は職権で再生手続を廃止できます。廃止されれば再生計画による債務減額の恩恵は消え、多くは牽連破産(250条)へ移行します。ただし2項により、廃止決定の前に必ず再生債務者を審尋しなければならず、弁明と是正の最後の機会が保障されています。
解説
民事再生を申し立てて一息ついた、その安心が落とし穴になる。193条は、再生債務者が手続中に課された義務に違反したとき、裁判所が手続そのものを打ち切れると定める。引き金は三つ。保全処分の命令(30条1項)に背いたとき、許可や監督委員の同意が必要な行為(41条、42条、54条2項)を無断でやったとき、そして認否書を期限までに出さなかったとき。これは過料のような軽い罰ではない、もっと重い。手続が廃止されれば再生計画も債務カットの恩恵も消え、多くの場合そのまま破産(250条)へ移行する。ただし救いもある。2項は、裁判所が廃止を決める前に必ずあなたを審尋しなければならないと定める。つまり言い分を述べる最後の一回が、法律上保証されている。
法的な位置づけ
民事再生法193条は、再生手続開始後の廃止事由を定める規定である。再生債務者が保全処分命令に違反し、許可・監督委員の同意を要する行為を無断で行い、又は認否書を期限内に提出しなかったときに、裁判所は監督委員・管財人の申立て又は職権で手続を廃止でき、その決定前には再生債務者の審尋を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.許可・同意が必要な行為を先にリスト化 資金繰りに動く前に、保全処分(30条)の内容と、許可・監督委員の同意(41条・42条・54条2項)を要する行為を一覧化する。資産処分・借入・重要契約は判を押す前に「これは同意が要る行為か」を必ず確認
- 2.認否書と各期限を一元管理 裁判所が定めた認否書の提出期限(101条5項・103条3項)を最優先の締切として管理する。間に合わない兆候が出た時点で、提出前でも書記官に連絡し期限伸長を上申する
- 3.違反の兆候を察したら即時に是正 廃止の申立てや職権発動の気配を察したら、必要な許可の事後追完申請、認否書の緊急提出、流出資産の回復を直ちに行う。黙って放置するのが最悪手
- 4.2項の審尋に主張と疎明を用意して臨む 審尋には必ず出席し、違反の経緯・是正状況・再生継続の合理性を主張する。是正済みであれば「廃止は重きに失する」と裁判所が判断する余地が生まれる。再生申立代理人の弁護士と事前に主張を詰める
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の廃止とは何ですか?
裁判所が進行中の再生手続を途中で打ち切ることです。民事再生法193条は、義務違反があった場合に監督委員・管財人の申立て又は職権で廃止できると定めます。
Q2再生手続はどんなときに職権で廃止されますか?
保全処分命令への違反、監督委員の同意なき財産処分、認否書の期限内未提出のいずれかがあれば、裁判所は職権でも廃止できます(193条1項)。
Q3民事再生の廃止決定に不服があるときは?
即時抗告ができます。原則として裁判の告知から1週間以内に申し立てる必要があります(現行の期間は要確認)。抗告により廃止の当否が上級審で審理されます。
Q4再生手続が廃止されるとどうなりますか?
再生計画による債務減額の効果は生じず、多くの事案で牽連破産(250条)へ移行します。事業は破産管財人の管理下に置かれ、資産は換価・配当されます。
Q5廃止の前に必ず審尋があるのですか?
はい。193条2項により、裁判所は廃止決定をする前に必ず再生債務者を審尋しなければなりません。弁明と違反是正を主張する最後の機会です。
Q6監督委員の同意なく会社の資産を売るとどうなりますか?
54条2項の同意を欠く処分は193条1項2号の廃止事由に当たります。機械一台の売却でも、手続全体を廃止する引き金になり得ます。
Q7牽連破産とは何ですか?
再生手続が廃止・不認可となった場合に、裁判所の職権で連続して開始される破産手続です(民事再生法250条)。再生から破産への強制的な乗り換えを意味します。
Q8保全処分に違反するとどうなりますか?
30条1項の保全処分命令に違反すると193条1項1号の廃止事由に当たります。財産の散逸を防ぐ命令を破る行為は、再生手続そのものを失わせます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認否書って一日遅れただけでも、本当に再生が打ち切られるんですか?
条文上は101条5項・103条3項の期限を徒過すれば193条1項3号の廃止事由に該当します。ただし「できる」規定なので、裁判所は必ず廃止するわけではなく、2項の審尋で事情を聴いた上で裁量判断します。実務のポイント:期限に間に合わないと分かった時点で、提出前でも裁判所書記官に連絡して事情を伝え、期限伸長を上申しておくと心証が大きく変わります。黙って落とすのが最悪手です(最新の運用は管轄裁判所にご確認ください)
Q2債権者の立場で、再生債務者があやしい資産隠しをしている。手続をやめさせられますか?
あなた自身に廃止の申立権はありませんが、監督委員・管財人に違反の証拠を提供すれば、193条1項の申立てや裁判所の職権発動につながります。廃止されれば250条で破産へ移行し、否認権で流出資産を取り戻せる可能性が出ます。実務のポイント:監督委員は中立ですが、送金記録や契約書など具体的な証拠を整理して渡すほど動きやすい。漠然と『怪しい』と訴えるだけの債権者は相手にされにくく、証拠を固めた債権者の情報が手続を動かします
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生を申し立てれば借金の取立ては止まる」とあなたは知っているが、その止まった状態が義務違反一つで崩れることまでは知らない。30条の保全処分に背いたり、認否書を出し忘れたりするだけで、裁判所は職権で手続を打ち切れる。申立ては安全地帯ではなく、監視付きの執行猶予に近い
- 「廃止されても、また申し立て直せばいい」と考えるなら、問いの立て方が間違っている。一度義務違反で廃止されれば多くは牽連破産(250条)へ直行し、再申立てで同じ債務を再構築する余地はほぼない。考えるべきは「どう取り返すか」ではなく「どう一度も違反しないか」だ
- あなたから見れば「ちょっと許可を取り忘れた財産処分」でも、裁判所から見れば「監督に服さない債務者」という信用の崩壊だ。この温度差が、軽い気持ちの一手で手続全体を失わせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 廃止の原因 | 193条:手続上の義務違反(保全処分違反・無断処分・認否書未提出) | 191条:認可前の再建見込み欠如等の廃止事由 250条:廃止・不認可に伴う牽連破産への移行 |
| 発動主体 | 監督委員・管財人の申立て又は裁判所の職権 | 裁判所の職権が中心 裁判所の職権(廃止確定後に連続開始) |
| 審尋の要否 | 廃止決定前に再生債務者の審尋が必須(2項) | 事由により手続保障の内容が異なる 破産手続開始の枠組みに従う |
| 帰結 | 再生計画・債務減額の恩恵が消滅、多くは破産へ | 再生の断念、破産移行の可能性 破産手続で資産換価・配当 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法人の再建を公司法「重整」、個人を消費者債務清理条例「更生」で分けて規律。重整計画の不認可・履行不能時の終止は日本の廃止に相当する
韓国は再生と破産を統合した「채무자 회생 및 파산에 관한 법률」で規律。회생절차の폐지事由と手続保障は日本の枠組みと近い
ドイツは自己管理(Eigenverwaltung)を裁判所が取り上げる制度を持ち、債務者の監督違反があれば管財人管理へ切り替える点で機能が対応する
米国 Chapter 11は『cause』がある場合に手続を dismiss または Chapter 7清算へ convert できる。義務違反・報告懈怠による転換は日本の廃止・牽連破産と機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 監督委員の同意が要ると知らず、運転資金欲しさに会社の機械を一台売ってしまった。54条2項違反だ。その一台が、再生手続全体を吹き飛ばす引き金になりうる
- 認否書の提出期限まであと三日、経理は混乱、社長は資金繰りに奔走。もしこの期限を一日でも落としたら? 101条5項の期限徒過で、裁判所は職権でも手続廃止に動ける
- 取引先が民事再生に入った。あなたは債権者だが、その会社が保全処分を無視して資産を流出させている。監督委員に証拠を入れれば、193条1項の申立てで手続を廃止させ、破産・否認権で資産を取り戻す道が開く
- 再生計画はほぼ固まっていた。だが社長が裁判所の許可なく関連会社へ資金を移した一件が発覚。審尋の場で説明を尽くせなければ、認可目前の計画ごと廃止される
取るべき行動
被害を受けた側:(債権者・監督委員側)1. 再生債務者の義務違反(無断の資産処分、保全処分違反、認否書未提出)を日付と証拠付きで記録する2. 監督委員または管財人に情報提供し、193条1項の申立てを促す。裁判所への職権発動を求める上申も可3. 廃止後は250条の牽連破産を見据え、否認権(破産法160条以下)で流出資産の取戻しを準備4. 配当見込みを試算し、廃止圧力を計画修正交渉のカードに使うかも並行して検討する
訴えられた側:(再生債務者側)1. 廃止の申立てや職権発動の兆候を察したら、即座に違反状態を是正:必要な許可の追完申請、認否書の緊急提出、流出資産の回復2. 2項の審尋には必ず出席し、違反の経緯・是正状況・再生継続の合理性を主張、是正を裏づける疎明資料を準備3. 再生申立代理人の弁護士と審尋前に主張を詰める4. 廃止が避けられない場合でも、計画の自主的見直しや早期の和解的解決で破産移行のダメージを最小化する
時効(請求できる期限):193条自体に出訴期間のような時効はない。鍵は手続内の各期限:認否書は裁判所が定めた期限(101条5項、103条3項)まで。廃止決定に不服があれば即時抗告が可能で、原則として裁判の告知から1週間以内(民事再生法9条が準用する民事訴訟法332条)に申し立てる必要がある(現行効力を要確認)
学説
通説:193条1項は「廃止することができる」との裁量規定であり、期限徒過や同意欠缺があっても直ちに廃止が確定するわけではない。2項の審尋を通じて違反の是正状況や再生継続の合理性を考慮し、廃止が相当かを裁判所が判断するとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:和議法に代わる民事再生法(平成11年法律第225号)として制定。DIP 型再建を基本としつつ、手続上の義務違反による廃止事由と、廃止前の審尋保障を明文化
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