民事再生法 第172条の2(基準日による議決権者の確定)
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- 裁判所は、相当と認めるときは、再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日における再生債権者表に記録されている再生債権者を議決権者と定めることができる。
- 2.裁判所は、基準日を公告しなければならない。この場合において、基準日は、当該公告の日から二週間を経過する日以後の日でなければならない。
この条文の基本情報
基準日による議決権者の確定とは何ですか?
定義基準日による議決権者の確定とは、民事再生法第172条の2に定められた規定で、「裁判所は、相当と認めるときは、再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に、一定の日(以下この条において「基準日」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第172条の2(基準日による議決権者の確定)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第172条の2の条文原文は「裁判所は、相当と認めるときは、再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に、一定の日(以下この条において「基準日」という。」で始まります。
- 民事再生法第172条の2は第三節 再生計画案の決議に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第172条の2の前の条は民事再生法第172条です。
- 民事再生法第172条の2の次の条は民事再生法第172条の3です。
- 民事再生法第172条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第172条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第172条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/172_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法172条の2は、裁判所が基準日を定め、その日の再生債権者表に記録された再生債権者を議決権者とできると定める。基準日は公告日から二週間を経過する日以後に限られる。
Q · 債権を買ったのに、再生計画案の決議で投票できないことがあるって本当?
基準日に債権者表へ記録されていなければ投票できません
民事再生法172条の2により、裁判所は再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に基準日を定め、その日の再生債権者表に記録されている再生債権者だけを議決権者とすることができます。したがって基準日後に債権を譲り受けても、原則として議決権は前の債権者に残ります。基準日は公告され、公告の日から二週間を経過する日以後でなければならないため、この二週間が名義書換や届出補正の実質的な締め切りになります。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたはその会社に売掛金500万円を持つ債権者だ。再生計画案に賛成するか反対するか、その一票はあなたの回収率を左右する。ところが、ある一日を境に「誰が投票できるか」が凍結される。それが基準日だ。裁判所は再生計画案を決議に付すと決めたとき、相当と認めれば一日を基準日に指定できる。その日に再生債権者表へ記録されている者だけが議決権者になり、基準日後に債権を譲り受けても、原則として一票も投じられない。しかも基準日は公告の日から二週間を経過した日以後でなければならない。この二週間は、誰が投票権を持つかを確定させ、債権譲渡や名義変更の駆け込みを締め切るための猶予だ。あなたが債権を売買する側に立つなら、この日付を一日見落としただけで、せっかく手に入れた債権が議決の場で沈黙する。
法的な位置づけ
民事再生法172条の2は、再生計画案の決議における議決権者を確定するための基準日を定める規定である。裁判所は相当と認めるとき、決議に付する旨の決定と同時に基準日を定め、その日の再生債権者表に記録されている再生債権者を議決権者とすることができる。基準日は公告を要し、公告の日から二週間を経過する日以後の日でなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生債権者表への記録状況を確認する 自分の再生債権が届出済みで、再生債権者表に正しい名義・金額で記録されているかを確認する。譲受債権なら譲渡の記録が反映されているかを重点的に見る
- 2.基準日の公告を捕捉する 裁判所は基準日を公告しなければならない(172条の2第2項)。公告の日を起点に二週間を経過する日以後が基準日になるため、公告日を記録し決議日程から逆算する
- 3.基準日前に名義書換・届出補正を完了させる 譲受人として議決権を得るには、基準日到来前に再生債権者表の記録を自分名義へ更新する。公告から二週間の猶予が実質的な締め切りになる
- 4.間に合わない場合は議決権行使の委任を取り付ける 基準日に記録が間に合わなければ議決権者は前所有者のままとなる。前所有者から議決権行使の代理権を得る交渉を行い、可能なら債権譲渡契約時点で委任条項を組み込んでおく
よくある質問 AI による整理
Q1議決権の基準日とは何ですか?
再生計画案の決議で誰が投票できるかを一日で確定させる日です。民事再生法172条の2により、基準日の再生債権者表に記録されている再生債権者だけが議決権者となります。
Q2基準日はいつ決まるのですか?
裁判所が相当と認めるとき、再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に定めます。設定は裁量であり、すべての再生事件で置かれるわけではありません。
Q3基準日は公告されますか?
されます。裁判所は基準日を公告しなければならず、基準日は公告の日から二週間を経過する日以後の日でなければなりません(172条の2第2項)。
Q4基準日後に債権を譲り受けたらどうなる?
原則として議決権は前の債権者に残り、譲受人は投票できません。実務では前所有者から議決権行使の委任を受けて対応する例があります。
Q5基準日の二週間はどう数えますか?
公告の日を起点に二週間を経過する日以後でなければ基準日にできません。債権者側はこの期間内に名義書換や届出の補正を終える必要があります。
Q6基準日が設定されたか確認する方法は?
裁判所の公告で確認します。公告は基準日設定の法定要件であり、公告がなければ二週間の起算点も生じません。
Q7議決権者は再生債権者表で決まるの?
基準日が設定された事件では、基準日時点で再生債権者表に記録されている者が議決権者です。届出や記録が未了なら債権があっても投票できません。
Q8基準日は必ず設定されますか?
いいえ。裁判所が相当と認めるときに限られます。債権譲渡が活発でない小規模事件では設定されないことも少なくありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権を買ったのに投票できないって、どういうことですか?
基準日が設定された再生事件では、その日に再生債権者表へ記録されている人だけが議決権者です(民事再生法172条の2第1項)。基準日後に債権を譲り受けても、原則として議決権は前の所有者に残ります。実務のポイント:実務では、基準日に間に合わなかった譲受人が、前所有者に議決権の代理行使を委任してもらって乗り切ることがある。買受契約の段階でこの委任条項を入れておくかどうかで、票が生きるか死ぬかが変わる。
Q2基準日って、どの再生事件でも必ず設定されるんですか?
いいえ、設定するかどうかは裁判所の裁量で、相当と認めるときに決議に付す決定と同時に定められます(民事再生法172条の2第1項)。債権の売買が活発でない小規模な事件では設定されないことも多い。実務のポイント:基準日が設定されたかどうかは公告で分かる。大口債権の売買や敵対的な票集めが噂される事件ほど基準日が打たれやすく、その公告自体が「この再生は揉めている」というシグナルになる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権さえ持っていれば当然投票できる」と思いがちだが、基準日が設定された再生事件では、その日に再生債権者表へ記録されている者だけが議決権者だ。届出が遅れていたり、譲渡の記録が間に合わなければ、債権はあっても一票も投じられない。
- 基準日という制度があることは知っていても、その重みを見誤る人が多い。基準日は単なる事務上の区切りではなく、賛否のパワーバランスを物理的に固定する装置だ。一票差で再生計画の可否が分かれる場面では、基準日前後の債権譲渡が結果そのものをひっくり返す。
- 「いつ投票すればいいか」を気にする人は、問いの立て方を一つ間違えている。本当に効くのは投票日ではなく、その手前の基準日に自分が名簿へ載っているかどうかだ。投票用紙が届くかどうかは、ずっと前の段階で決まっている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 172条の2:議決権者を確定する基準日 | 169条:議決権を有する者の範囲 172条:再生計画案を決議に付する手続 |
| 設定主体・裁量 | 裁判所が相当と認めるときに設定(裁量的) | 法律上当然に範囲が定まる 裁判所の決定により決議に付す |
| 時間的制約 | 公告の日から二週間を経過する日以後でなければならない | 時間的制約の定めなし 決議に付する旨の決定時点が起点 |
| 実務上の影響 | 基準日後の債権譲渡は原則として議決権に反映されない | 議決権の有無・額の基礎を画する 決議方式・期日の設計に影響 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生(重整)では、申報・審査を経た債権者が関係人会議で表決権を行使する。日本のように独立した「基準日」条文を置く構成ではなく、申報期間と審査手続が議決権者確定の機能を担う点が異なる
韓国では回生手続における関係人集会で議決権を行使する。議決権者の確定は債権届出・調査手続と連動しており、具体的な基準日条文の有無・内容は現行法の確認を要する
ドイツは議決権の有無・額をめぐる争いを Abstimmungstermin における裁判所の裁定で処理する構成をとり、日本のような事前の名簿締切日を必須の要件とはしていない
米国 Chapter 11では claim の holder が plan に対して accept/reject を投票する。誰が holder かは record date 的な運用(裁判所命令による voting record date)で処理され、機能的には日本の基準日に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 再生計画案の決議が来週に迫っている。あなたは先月この債権を譲り受けたが、基準日はその譲渡日の前日に設定されていた。では、投票できるのは誰か? 答えは前の債権者であって、あなたではない。残された手は、前所有者に議決権の代理行使を委任してもらう交渉だけ、しかも時間は数日しかない。
- あなたが再生債務者側で、特定のスポンサー案を通したいとする。反対しそうな大口債権者が、債権を強硬派のファンドへ売り抜けようと動いている。裁判所に早めの基準日設定を上申し公告まで持っていければ、譲渡が間に合わず議決権は穏健な現所有者に固定される。基準日をいつに置くかが、そのまま票読みの戦略になる。
- サービサーが不良債権を束で買い取った。基準日までに再生債権者表の名義を書き換えられなければ、買った債権の議決権はゼロだ。回収のプロほど、この一日を血眼で追う。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の再生債権が届出済みで、再生債権者表に正しく記録されているかをまず確認する2. 裁判所の基準日公告を見落とさない、公告日から二週間を経過した日以後が基準日になる3. 債権を譲り受けた側なら、基準日が来る前に名義書換と記録の更新を完了させる4. 間に合わないなら、前の債権者に議決権の代理行使を委任してもらう交渉を急ぐ
訴えられた側:1. 再生債務者やスポンサーとして決議を見据えるなら、基準日設定を裁判所へ上申するタイミングを戦略的に検討する2. 基準日は公告日から二週間後以降という制約を踏まえ、決議日程から逆算して段取りを組む3. 敵対的な債権譲渡が予想されるなら、早期の基準日設定で議決権者を固定する4. 手続の公正を欠く運用は計画不認可のリスクになるため、設定の合理性を確保しておく
時効(請求できる期限):基準日は公告の日から二週間を経過する日以後の日でなければならない(民事再生法172条の2第2項)。議決権を確保したい債権者は、この公告日を起点に名義書換や届出補正を完了させる必要があり、基準日経過後の取得は原則として議決権へ反映されない。
学説
通説的理解:基準日は、手続の途中で移転しうる再生債権について議決権者を一日で確定し、招集・票数計算・決議の安定を確保する技術的制度と解される。他方で議決権行使の機会を奪う効果を伴うため、設定を裁判所の裁量に委ね、公告および二週間の猶予を要求することで手続保障との均衡が図られている。
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