要点民事再生法 172 条の 3 は、再生計画案の可決に頭数の過半数と議決権総額の二分の一以上の同意を要求する。約定劣後再生債権があれば債権者グループを分けて決議し双方の可決が必要になる。
Q · 債権額の大半を握っていれば、再生計画は自分の一票で通せますか?
通せません。頭数の過半数と議決権額の半分以上、両方の同意が必要です
民事再生法 172 条の 3 第 1 項は、再生計画案の可決に「議決権者の頭数の過半数」と「議決権総額の二分の一以上」の双方の同意を要求します。したがって債権額で圧倒する大口一社が賛成しても、小口債権者が頭数で反対多数を作れば否決されます。さらに約定劣後再生債権の届出がある場合は、再生債権者と劣後債権者がグループに分かれて別々に決議し、双方での可決が必要になります(同条 2 項・6 項)。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたは債権者として、再生計画案に投票する権利を握っている。ここで多くの人が足をすくわれる。再生計画を可決するには、172条の3が定める二つの壁を同時に越えなければならない。第一に、投票した議決権者の頭数の過半数。第二に、議決権総額の二分の一以上。この二段構えが意味するのは、債権額で圧倒する大口債権者一社が賛成しても、小口債権者が頭数で反対多数を作れば計画は否決されるということだ。逆に頭数を揃えても、額が足りなければ通らない。さらに約定劣後再生債権(あらかじめ契約で他の債権より後回しと合意された債権)がある場合は、再生債権者と劣後債権者がグループに分かれて別々に決議し、双方で可決が必要になる。あなたが大口債権者なら、小口を味方につける根回しこそが勝敗を分ける。
民事再生法 172 条の 3 は再生計画案の可決要件を定める規定であり、議決権者の頭数の過半数の同意と、議決権総額の二分の一以上を有する者の同意の双方を要求する。約定劣後再生債権の届出がある場合には、再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて決議を行い、両グループでの可決を必要とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
投票した議決権者の頭数の過半数が賛成しなければならないという可決要件です。民事再生法 172 条の 3 第 1 項が定め、議決権額要件と同時に満たす必要があります。
頭数の過半数と議決権総額の二分の一以上、二つの同意を同時に満たすことが必要です。どちらか一方だけでは可決できません(172 条の 3 第 1 項)。
裁判所が定める書面等投票の期限(169 条 2 項)までです。期限を過ぎた議決権は頭数・額いずれの母数にも算入されず、事実上の棄権となります。
契約で他の債権より後回しに弁済を受けると合意された債権です。届出があれば通常の再生債権者と分離して決議します(172 条の 3 第 2 項)。
そのまま破産手続に移行することが多いですが、続行期日の指定や計画案の修正による再決議の道が残る場合もあります(172 条の 5 関連)。
民事再生は経営陣が残り幅広い債務者が使える簡易な再建手続、会社更生は株式会社限定で管財人が経営を引き継ぐ大型再建手続です。可決要件も別建てです(会社更生法 196 条)。
あります。頭数の母数に入るため、小口が束になれば頭数の過半数で大口の意向を覆せます。少額でも一票の重みは軽視できません。
その議決権者一人につき頭数に 1、賛成頭数に 2 分の 1 を加算して計算します(172 条の 3 第 7 項)。一部同意の特殊な算入ルールです。
守られるとは限りません。172条の3の二重要件を満たして計画が可決されると、反対した債権者も含め全員が再生計画に拘束されます(174条による認可後)。減額や弁済期の繰延べも、反対者に等しく及びます。業界裏話ヒント:倒産実務では、単独で反対しても可決されれば無力です。だから反対するなら一人で意思表示するより、頭数を集めて否決多数を作る方が実効的。逆に少数なら、否決より修正交渉に賭ける方が回収率は上がります
通りません。172条の3第1項は議決権額の2分の1以上に加えて、頭数の過半数も要求します。あなたが債権額の9割を握っていても、投票した債権者の頭数で過半数を取れなければ計画は否決されます。業界裏話ヒント:再生手続の交渉現場で最も読まれるのは、実は債権額より「賛成しそうな債権者の人数」です。小口債権者をどれだけ束ねられるかが、額の大きさを上回る局面が現実に起こります
あらかじめ契約で「他の債権より後回しで弁済を受ける」と合意された債権です。本条2項は、こうした劣後債権者と通常の再生債権者を別グループに分けて決議させ、6項で双方の可決を要求します。利害が真っ向から対立するため、混ぜて多数決すると一方が不当に押し切られるからです。業界裏話ヒント:ただし裁判所が相当と認めれば非分離決議も可能(本条3項)。劣後債権者に議決権を行使する者がいない場合は分離不要(2項但書)。グループ分けの有無自体が、可決の難易度を左右する戦略変数になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 可決要件 | 172 条の 3:頭数の過半数+議決権額の二分の一以上(双方) | — |
| 適用対象 | 民事再生手続の再生計画案(経営陣存続型) | — |
| グループ分け | 約定劣後再生債権があれば分離決議、双方で可決要(2 項・6 項) | — |
| 可決後の効果 | 174 条の認可決定により反対者も含め全員を拘束 | — |
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