民事再生法 第172条の4(再生計画案の変更)
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再生計画案の提出者は、議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法が定められた場合には、再生債権者に不利な影響を与えないときに限り、債権者集会において、裁判所の許可を得て、当該再生計画案を変更することができる。
この条文の基本情報
再生計画案の変更とは何ですか?
定義再生計画案の変更とは、民事再生法第172条の4に定められた規定で、「再生計画案の提出者は、議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法が定められた場合には、再生債権者に不利な影響を与えないときに限り、債権…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第172条の4(再生計画案の変更)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第172条の4の条文原文は「再生計画案の提出者は、議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法が定められた場合には、再生債権者に不利な影響を与えないときに限り、債権…」で始まります。
- 民事再生法第172条の4は第三節 再生計画案の決議に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第172条の4の前の条は民事再生法第172条の3です。
- 民事再生法第172条の4の次の条は民事再生法第172条の5です。
- 民事再生法第172条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第172条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第172条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/172_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法172条の4は、再生計画案の提出者が債権者集会で、再生債権者に不利益を与えないときに限り、裁判所の許可を得て計画案を変更できることを定める。
Q · 取引先の再生計画案は、債権者集会の当日でも変更されることがあるんですか?
はい、ただし債権者に不利益がない範囲に限られます
民事再生法172条の4により、再生計画案の提出者は、債権者集会で議決権を行使する方式が定められた場合に限り、裁判所の許可を得て、その場で計画案を変更できます。ただし『再生債権者に不利な影響を与えないとき』に限定されており、あなたの弁済率を一円でも下げる変更は本条では通せません。当日に配られる変更書面を受け取り、変更後の弁済率を変更前と照合することが、債権者にとっての最後の防衛線になります。
解説
取引先が民事再生に入り、あなたは債権者として再生計画案の束を受け取った。提出された書面が最終形だと思っていないか。実は違う。172条の4は、計画案の提出者が債権者集会の当日に、裁判所の許可を得て、その場で計画案を変更できると定める。ただし鍵となる縛りが一つある。再生債権者に不利な影響を与えないときに限る、という一点だ。誤記の訂正、弁済率を下げない範囲の文言調整、こうした軽微な手直しなら、何ヶ月もかけた手続を一からやり直さずに済む。逆に言えば、あなたの取り分を一円でも削る変更は、この条文では通せない。それをやるには別の重い手続が要る。当日に配られる変更内容を見て、自分の弁済率が動いていないかを確認する、それがあなたの最後の防衛線になる。
法的な位置づけ
民事再生法172条の4にいう再生計画案の変更とは、債権者集会において議決権行使の方式が定められた場合に、提出者が裁判所の許可を得て、再生債権者に不利な影響を与えない範囲で当該計画案を修正する手続をいう。決議付託前の修正(167条)とは局面を異にし、集会当日の決議直前まで行使しうる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.集会通知で変更予告の有無を確認 債権者集会の通知が届いたら、議事内容に再生計画案の変更予告があるかを確認する。予告がなくても当日変更はありうるため、当日は変更内容の書面を必ずその場で受け取る前提で臨む
- 2.変更後の弁済率を変更前と項目別に照合 当日変更が申し出られたら、変更内容の書面を受け取り、自分の弁済率・弁済時期を変更前の数字と項目別に電卓で照合する。文言だけを見て損得を判断しない
- 3.不利益があれば許可前にその場で異議を述べる 照合の結果、自分の取り分が下がるなど不利益があると判断したら、裁判所の許可が下りる前に『172条の4の不利益要件を満たさない』と発言し、議事録に記録させる。集会後では許可は既に下りている
- 4.許可済みなら認可決定に対する不服で争う 既に許可が下りていても、再生計画の認可決定(174条)に対する意見や即時抗告により、不利益変更を争う余地が残る。要件と期間を弁護士に確認して手続を選ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法172条の4とは何ですか?
再生計画案の提出者が、債権者集会で議決権行使の方式が定められた場合に、再生債権者に不利益がないときに限り、裁判所の許可を得て計画案をその場で変更できる規定です。
Q2再生計画案はいつまで変更できますか?
債権者集会に決議が付され、その決議が終わるまでの局面で変更できます。集会当日の機会を逃すと、その計画案を変更する余地は失われます。
Q3再生計画案の変更に裁判所の許可は必要ですか?
必要です。172条の4は裁判所の許可を要件とし、許可の審査は『再生債権者に不利な影響を与えないか』の一点に集約されます。
Q4再生計画案の変更で自分の弁済率は下がりますか?
172条の4で通せる変更は定義上、再生債権者に不利益を与えないものに限られます。弁済率を下げる変更はこの条文では認められません。
Q5再生計画案の変更に異議を出すにはどうしますか?
許可が下りる前に、債権者集会の場で『172条の4の不利益要件を満たさない』と述べ、議事録に残させます。許可後では手遅れになります。
Q6スポンサーの弁済原資の上積みは当日でも計画案に入れられますか?
入れられます。弁済原資の上積みは債権者に有利な変更なので、当日その場で裁判所の許可を得て計画案に組み込めます。
Q7再生計画案の変更が認められないのはどんな場合ですか?
弁済率を下げるなど再生債権者に不利益がある変更、書面決議のみで議決権行使の方式が定められていない場合などです。不利益変更には別の重い手続が要ります。
Q8再生計画の認可決定に不服がある場合はどうしますか?
認可又は不認可の決定(174条)に対しては、法定の要件のもとで即時抗告により争う余地があります。変更後の内容もこの事後統制の対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1集会の当日にいきなり計画が変わるなんて、不意打ちじゃないんですか?
確かに当日変更ですが、172条の4は『再生債権者に不利な影響を与えないとき』に限定し、さらに裁判所の許可も要求しています。あなたの取り分を削る変更は、この条文では通せません。実務のポイント:実務での当日変更のほとんどは誤記訂正か、スポンサーによる弁済原資の上積みです。不利益変更が紛れ込むことはまずないが、それでも変更書面は必ずその場で受け取り、弁済率の数字だけは指差しで確認する。経験のある債権者代理人は例外なくこれをやる
Q2提出前の修正と、集会当日の変更って何が違うんですか?
修正(167条)は決議に付す旨の決定が出るまで提出者が裁判所の許可を得て行うもの、変更(172条の4)はさらにその先、債権者集会の場で行うもので、時間軸が違います。実務のポイント:弁護士は重要な不備をすべて167条の修正段階で潰しきり、172条の4の当日変更は『債権者に有利な追加』だけに使う。当日に不利益のある修正を持ち出すと許可が下りず、最悪は計画案そのものが否決される。当日変更は攻めの一手であって、ミスの後始末には使わない
間違えやすい点 AI による整理
- 「提出された再生計画案は確定版で、もう変わらない」と思いがちだが、債権者集会の決議直前まで変更の余地がある。提出前の修正(167条)と、集会当日の変更(172条の4)は別の局面で、後者は賛否を問う最後の瞬間まで動く可能性を残している
- 「変更されるなら自分が損するかもしれない」と身構える人がいるが、問いの立て方そのものがずれている。172条の4で通せる変更は、定義上、再生債権者に不利益を与えないものに限られる。本当に心配すべきは『この変更で誰かが得をしていないか』ではなく、『不利益なしという裁判所の判断が本当に正しいか』を検証できているかだ
- 「裁判所の許可が要る」ことは知っていても、その許可が何を審査しているかまで見ている人は少ない。審査の核心は『再生債権者に不利な影響を与えないか』の一点に集約される。許可が下りるという事実を知るだけでなく、許可の判断基準を握ること。そこを突けば、不利益のある変更は止められる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 局面(いつ行うか) | 172条の4:債権者集会で決議に付された後、当日その場 | 167条:決議に付す旨の決定があるまで(決議付託前) 174条:決議・変更後の認可/不認可の事後統制 |
| 行為の主体・性質 | 提出者による計画案の当日変更 | 提出者による決議前の修正 裁判所による認可又は不認可の決定 |
| 許される内容の限界 | 再生債権者に不利な影響を与えない範囲に限定 | 決議前のため修正の幅は相対的に広い 可決要件(172条の3)充足や不認可事由の有無を審査 |
| 債権者の防衛手段 | 許可前の異議(不利益要件を満たさない旨) | 修正後の内容を前提に賛否を再検討 認可決定への意見・即時抗告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個人の再建は消費者債務清理条例の更生、法人は公司法の重整で対応する。更生方案・重整計畫の可決手続の中で変更が問題となる点で機能的に類似するが、日本のように『集会当日変更を不利益禁止で縛る』単一条文の形はとらない
韓国は倒産三法を統合した回生・破産法で回生計画案の変更を規律する。債権者の権利を害しない範囲での修正という発想は日本と共通する
ドイツ倒産法は、計画提出者が議決の終結まで、討論の結果に基づいて倒産計画を変更できると定める。集会での討論を踏まえ決議直前まで変更を許す点で172条の4と極めて近い構造
米国連邦倒産法第11章は、確認前・確認後の計画修正を規律する。DIP 型の柔軟な再建という思想は民事再生法が参照した源流の一つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 債権者集会の当日、提出者がいきなり計画案の変更を申し出たら、あなたはどうする。その変更が自分の弁済率を下げるものなら裁判所は許可できないが、文言だけ見て損得が分からなければ、その場で異議も出せないまま賛否を問われる
- 再生計画案を提出した後で、弁済原資の計算ミスに気付いた。集会まであと3日。一から出し直せば手続が大幅に遅れ、配当開始も後ろにずれる。172条の4なら、債権者に不利益が及ばない訂正に限り、当日に裁判所の許可を得て直せる
- スポンサーが直前に弁済原資の上積みを申し出た。債権者にとっては有利な変更だ。これも当日その場で計画案に組み込める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債権者集会の通知が来たら変更の予告があるか確認し、当日は変更内容の書面を必ずその場で受け取る2. 変更後の自分の弁済率・弁済時期を、変更前の数字と項目別に照合する3. 不利益があると判断したら、許可前にその場で『172条の4の不利益要件を満たさない』と異議を述べ、議事録に残させる4. 既に許可が下りていても、再生計画の認可決定(174条)に対する意見・即時抗告で争う余地がある
訴えられた側:1. 軽微な不備は集会前に修正(167条)で潰しておき、当日変更は最終手段に回す2. 当日変更するなら、再生債権者に不利益が及ばないことを疎明できる資料を準備し、裁判所の許可審査に備える3. 弁済率を下げる変更は172条の4では不可、それが必要なら計画案の取下げ・再提出を検討する4. 弁済原資の上積みなど有利な変更は、賛成獲得のてことして当日に提示する戦略も成り立つ
時効(請求できる期限):変更が可能なのは、再生計画案が債権者集会の決議に付され、その決議が終わるまでの局面に限られる。提出前の修正(167条)は決議に付す旨の決定があるまで。いずれも特定の起算日付きの消滅時効ではなく、手続の進行段階によって区切られる。集会当日の機会を逃せば、その計画案を変更する余地は失われる
学説
通説:172条の4の当日変更は、書面等による議決権行使のみが定められた場合ではなく、集会での議決権行使(169条2項1号・3号)が定められた場合に限って許される。実質は『再生債権者に不利な影響を与えないとき』という一方向の制約により、手続の柔軟性と債権者の既得的地位保護との均衡を図るものと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(平成11年法律第225号)。旧来の和議法に代わる DIP 型の再建手続として整備され、再生計画案の決議・変更に関する枠組みが置かれた。
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