要点民事再生法261条は、監督委員や管財人等が職務に関し賄賂を収受すると三年以下、不正の請託を受けると五年以下の拘禁刑と定める収賄罪である。罰せられるのは受け取った側で、渡した側は262条で処罰される。
Q · 倒産手続の監督委員や管財人に賄賂を渡したら、渡した人も261条で罰せられるの?
受け取った本人が処罰されます。渡した側は262条です
民事再生法261条が罰するのは、監督委員・調査委員・管財人・保全管理人・個人再生委員などが職務に関して賄賂を収受・要求・約束する行為で、法定刑は三年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。「不正の請託」を受けたうえで受領すれば五年以下に加重されます。渡した側は本条ではなく贈賄罪(262条)で処罰されます。第5項では、債権者集会や書面等投票での議決権行使に関し賄賂を受け取った債権者側も五年以下の対象となり、収受した賄賂は没収され、没収できないときは価額が追徴されます(6項)。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたは数千万円の売掛金を抱える債権者だ。ここから先、あなたが実際にいくら回収できるかを静かに左右するのは、裁判所が選んだ監督委員という人物(多くは弁護士)の判断である。その監督委員が、再生債務者や別のライバル債権者から裏金を受け取って判断を歪めたら、あなたの取り分は誰にも気付かれぬまま削られていく。261条は、この監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員が職務に関して賄賂を受け取れば三年以下の拘禁刑、さらに「不正の請託」つまり具体的に不正をやってくれと頼まれたうえで受け取れば五年に跳ね上がると定める。罰せられるのは渡した側ではなく、受け取った側だ。そして多くの解説書が素通りする第五項。債権者集会であなたの一票を金で買おうとする者がいて、あなたがそれに乗れば、被害者だったはずのあなた自身が五年以下の拘禁刑の被告人になる。
民事再生法261条は、再生手続の公正を担う監督委員・調査委員・管財人・保全管理人・個人再生委員等が職務に関して賄賂を収受・要求・約束する行為を処罰する収賄罪の規定である。刑法の公務員収賄罪とは別に、私人である手続機関の中立性および債権者集会の議決の純粋性を刑罰で保護し、不正の請託の有無によって法定刑を三年以下と五年以下に区分する。
倒産手続で裁判所が選んだ監督委員・調査委員・管財人・保全管理人・個人再生委員などが職務に関して賄賂を受け取ると処罰される、私人向けの特別な収賄罪の規定です。
渡した側は261条ではなく、贈賄罪を定める民事再生法262条で処罰されます。261条は受け取った側、262条は渡した側と役割が分かれています。
不正の請託のない単純収賄(三年以下)は3年、不正の請託を受けた加重類型や5項(五年以下)は5年が原則です(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)。
対象です。261条1項は監督委員・調査委員・管財人・保全管理人・個人再生委員および管財人代理・保全管理人代理を列挙しており、個人再生委員も明記されています。
3項が適用され、その職務を行う役員や職員が賄賂を収受・要求・約束したときに処罰されます。法人自身に収受させる行為も同様に対象です。
6項により没収されます。金銭を使ってしまうなど全部または一部を没収できないときは、その価額が追徴され、受け取り得は成立しません。
裁判所が選任します。多くは弁護士が務め、再生手続全体の公正を担う準公的な立場だからこそ、261条という専用の収賄罪が用意されています。
あります。破産法にも破産管財人等を対象とする同種の収賄罪が置かれており、倒産法制全体で手続機関の廉潔性を刑罰で担保する構造になっています。
公務員ではありません。ですが裁判所が選任し、再生手続全体の公正を担う準公的な立場なので、刑法197条の公務員収賄とは別に、民事再生法261条が専用の収賄罪を設けています。業界裏話ヒント:倒産事件の監督委員や管財人は地元の弁護士が務めることが多く、債権者からの接待や付け届けの線引きは実務上きわめてシビアです。少額でも「職務に関し」と認定されれば一発で危ない。だから真面目な実務家ほど、関係者からの飲食すら避けます
重いです。5項で五年以下の拘禁刑。再生計画の成否を左右する議決権を金で歪める行為だからで、監督委員の単純収賄(1項・3年以下)より重く設定されています。書面等投票(民事再生法169条2項2号)の票も同じく対象です。業界裏話ヒント:大口債権者への「協力金」「ご挨拶」名目の支払いは、中身次第で261条5項と262条(贈賄)の両方に触れます。スポンサー交渉や計画案の根回しの現場で、実務家が最も神経をすり減らす部分がここです
261条はあくまで受け取った側を罰する条文だからです。渡した側は別に贈賄罪(民事再生法262条)で処罰されます。受領者と供与者を分けて規定するのは刑法の収賄・贈賄と同じ建て付けです。業界裏話ヒント:受け取った側は没収・追徴(6項)で経済的にも丸裸にされます。「もらった金は使ってしまった」は通用せず、価額が追徴される。受け取り得という発想が成り立たない設計になっているのが、この条文の隠れた牙です(現行効力をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 261条:賄賂を収受した監督委員・管財人等(受け取る側) | — |
| 行為主体の性質 | 裁判所が選任した私人(多くは弁護士) | — |
| 法定刑(単純類型) | 三年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(不正の請託で五年以下) | — |
| 没収・追徴 | 6項により収受した賄賂を没収、不能なら価額を追徴 | — |
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