民事再生法 第5条
クイックジャンプ
- 再生事件は、再生債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
- 2.前項の規定による管轄裁判所がないときは、再生事件は、再生債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。
- 3.前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第五十九条第三項第二号及び第四項並びに第百二十七条の二第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百二十七条の二第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について再生事件又は更生事件(以下この条において「再生事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百二十七条の二第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての再生手続開始の申立ては、親法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について再生事件等が係属しているときにおける親法人についての再生手続開始の申立ては、子株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
- 4.子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。
- 5.第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について再生事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての再生手続開始の申立ては、当該株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について再生事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての再生手続開始の申立ては、当該他の法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
- 6.第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について再生事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての再生手続開始の申立ては、当該法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について再生事件が係属している場合における当該法人についての再生手続開始の申立ては、当該法人の代表者の再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。
- 7.第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について再生事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての再生手続開始の申立ては、当該再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。
- 一相互に連帯債務者の関係にある個人
- 二相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人
- 三夫婦
- 8.第一項及び第二項の規定にかかわらず、再生債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。
- 9.第一項及び第二項の規定にかかわらず、再生債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。
- 10.前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、再生事件は、先に再生手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第5条は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第5条の条文原文は「再生事件は、再生債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営…」で始まります。
- 民事再生法第5条は第一章 総則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第5条の前の条は民事再生法第4条です。
- 民事再生法第5条の次の条は民事再生法第6条です。
- 民事再生法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法5条は、再生事件を原則として再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が扱うと定める。債権者が1,000人以上なら東京地裁または大阪地裁にも申し立てられる。
Q · 民事再生って、本社がある場所の裁判所でしか手続できないの?
原則は主たる営業所所在地の地裁だが、規模や構造で選べる余地がある
民事再生法5条により、原則は再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所です(1項)。ただし債権者が500人以上なら高裁所在地の地裁(8項)、1,000人以上なら東京地裁または大阪地裁にも申し立てられます(9項)。さらに親会社と子会社、連結決算グループ、法人代表者、連帯債務者・保証人・夫婦の関係にある個人は、関連事件が係属する同じ裁判所にまとめて申し立てられます(3〜7項)。二以上の裁判所が管轄を持つときは、先に申し立てた裁判所が管轄します(10項、先願主義)。
解説
取引先が突然「民事再生を申し立てた」と聞いたとき、あるいは自社の資金繰りが行き詰まったとき、最初に決まるのが「どこの裁判所で手続をするか」である。民事再生法5条は、原則として再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が扱うと定める。だがこの条文の本当の威力は、その例外の山にある。債権者が1,000人以上いれば、本来の管轄を無視して東京地裁または大阪地裁に申し立てられる。500人以上なら高裁所在地の地裁。親会社と子会社、連結決算をする会社グループ、さらには夫婦や連帯債務者の関係にある個人まで、一つの裁判所にまとめて持ち込める。どこに申し立てるかは、担当裁判官の倒産処理の経験値、手続のスピード、運用の読みやすさを左右する。そして二つ以上の裁判所が管轄を持つときは、先に申し立てた裁判所が勝つ。土俵は早い者勝ちだ。
法的な位置づけ
民事再生法5条は再生事件の土地管轄を定める規定である。原則として再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄権を有し、これがないときは財産所在地の地方裁判所が管轄する。さらに親子会社・連結グループ・法人代表者・連帯債務者等の個人については関連事件が係属する裁判所への申立てを認め、債権者数に応じた大規模事件の特則および先願主義による競合調整を置く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が選べる管轄を棚卸しする 資金繰りが本格的に詰まる前に、主たる営業所・財産所在地・債権者数・親子会社や代表者個人との関係の四つを整理する。追い込まれてからでは最寄りの裁判所に駆け込むしかなく、土俵を選ぶ余裕を失う
- 2.規模・構造の特則で申立先を選ぶ 債権者500人以上なら高裁所在地の地裁(8項)、1,000人以上なら東京・大阪地裁(9項)を選べる。親子会社・連結グループ・代表者個人は関連事件の係属裁判所にまとめる(3〜7項)。倒産処理に慣れた裁判所ほど手続が読める
- 3.先願主義を意識して申立てを固める 複数の裁判所が管轄を持ちうる局面では、別の債権者の破産申立てに先んじて再生手続開始を申し立てる(10項)。半日の判断の差が清算と再建の分岐になる。申立書一式を事前に準備しておく
- 4.債権者側は届出期限を最優先で管理する 取引先の再生申立てを知ったら、申立先の裁判所と債権届出期間をまず確認する。期間を一日過ぎるだけで弁済・配当から外れることがある。届出は郵送で可能なので、遠方でも基本的に出向く必要はない
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の管轄裁判所はどこですか?
原則は再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所です(民再5条1項)。営業所がなければ財産所在地の地裁が管轄します(2項)。
Q2民事再生 債権者1000人以上ならどこに申し立てられる?
債権者が1,000人以上なら、原則管轄に加えて東京地方裁判所または大阪地方裁判所にも申し立てられます(民再5条9項)。倒産専門部での処理を狙えます。
Q3親会社と子会社の民事再生は同じ裁判所でできますか?
できます。親法人が総株主の議決権の過半数を持つ子株式会社は、親法人の再生事件が係属する地裁にも申し立てられます(民再5条3項)。逆方向も可能です。
Q4民事再生の先願主義とは何ですか?
二以上の地方裁判所が管轄権を持つとき、先に再生手続開始の申立てをした裁判所が管轄する原則です(民再5条10項)。申立てのタイミングが土俵を決めます。
Q5個人の民事再生を夫婦で一緒に申し立てられますか?
できます。夫婦や連帯債務者どうし、主債務者と保証人の関係にある個人は、一方の事件が係属する地裁にまとめて申し立てられます(民再5条7項)。
Q6連結決算の会社グループの民事再生の管轄は?
会社法444条の連結計算書類を作成し定時株主総会で報告した会社は、連結対象の他の法人と互いに、事件が係属する地裁にも申し立てられます(民再5条5項)。
Q7遠方の裁判所でも債権届出はできますか?
できます。債権届出は所定の書面を郵送で提出でき、債権者集会も委任状による代理出席が可能です。出向くのは大口で争点が大きい場合に限られます。
Q8なぜ民事再生はどこの裁判所か選べるのですか?
関連する倒産事件を一つの裁判所に集約し矛盾のない一体的な再建を可能にするためです。専門部のある裁判所での迅速処理という運用上の利点もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちみたいな小さい会社でも、東京地裁を選べるんですか?
原則は主たる営業所の所在地の地裁です(5条1項)。ただし債権者が500人以上なら高裁所在地の地裁、1,000人以上なら東京地裁または大阪地裁にも申し立てられます(8項・9項)。前払い客や少額債権者が多い B2C 事業は、意外とこの人数要件を満たします。実務のポイント:東京地裁・大阪地裁には倒産事件を専門に扱う部があり、運用の予測可能性が高い。要件を満たすなら、あえて専門部のある裁判所を選ぶのが実務の定石です
Q2取引先が遠くの裁判所で民事再生を申し立てました。回収には現地まで行くしかない?
基本的に行く必要はありません。債権届出は所定の書面を郵送で提出できますし、債権者集会も委任状で代理人に出席してもらえます(再生債権者の議決権行使を含む)。出向くのは大口で争点が大きい場合に限られます。実務のポイント:本当に効いてくるのは交通費より「届出期間の見落とし」です。期間を一日過ぎただけで弁済対象から外れることがある。通知が届いたら、まず届出期限だけは赤で手帳に書く、これが回収の生死を分けます
間違えやすい点 AI による整理
- 「倒産する会社の裁判所なんて、本社所在地で自動的に決まる」と思われているが、債権者数やグループ構造を使えば申立先を戦略的に選べる。どこを選ぶかで手続のスピードと質が変わり、その選択権を放棄しているのは申立人自身であることが多い
- 個人にも民事再生があることは知られてきたが、夫婦や連帯債務者・主債務者と保証人の関係にある個人が「同じ裁判所にまとめて申し立てられる」ことまでは知られていない。バラバラに申し立てると手続が二重になり、費用も時間も倍かかる。制度は知っていても、その使い込み方を知らないと損をする
- 「体力のあるうちは動かず、ぎりぎりまで待つのが得」と先延ばしにする経営者がいるが、問いの立て方が逆。複数の裁判所が管轄を持ちうる局面では、先に申し立てた者が土俵を握る(10項)。遅らせることは、土俵の選択権を相手の債権者に手渡す行為にほかならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 原則管轄 | 民再5条:主たる営業所所在地の地裁(なければ財産所在地) | 破産法5条:債務者の主たる営業所所在地または普通裁判籍の地裁 会社更生法5条:主たる営業所所在地の地裁 |
| 大規模事件の特則 | 500人以上→高裁所在地の地裁/1,000人以上→東京・大阪地裁 | 破産法5条:同様の債権者数による特則あり 会社更生法5条:東京・大阪地裁への特則あり |
| グループ・関係者の一体管轄 | 親子会社・連結・法人代表者・連帯債務者等の個人(3〜7項) | 破産法5条:親子会社・関係者の特則あり 会社更生法5条:親子会社等の特則あり(対象は株式会社) |
| 競合時の処理 | 先願主義:先に申し立てた地裁が管轄(10項) | 破産法5条:先願主義 会社更生法5条:先願主義 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は破産事件を債務者の住所地・営業所所在地の地方法院の専属管轄とし、会社の重整は本店所在地の法院が管轄する。グループ一体管轄の明文特則は日本ほど整備されていない。
韓国は統合倒産法(回生・破産統合法)で、債務者の普通裁判籍・営業所所在地を基準に管轄を定め、ソウル回生裁判所など専門裁判所への集中も進む。日本の債権者数特則に近い規律を持つ。
ドイツ倒産法は債務者の一般裁判籍を原則とし、独立した経済活動の中心(COMI)があればその所在地を優先する。EU 越境倒産では EU 倒産規則(2015/848)の COMI 概念が上位で作用する。
米国はドミサイル・主たる営業所・主要資産所在地、または関連事件(affiliate)の係属地を venue とし、日本のグループ一体管轄・先願主義に類似した実務運用がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先のメーカーが民事再生を申し立てた。通知書を見ると申立先は大阪地裁、あなたの会社は札幌。債権者集会や債権届出のために、毎回大阪まで行くのか? 実際には債権届出は郵送でできるが、再生計画案を巡る重要局面では現地代理人のコストがじわじわ効いてくる。申立先がどこかで、回収戦略の手間が丸ごと変わる
- ネット通販で急成長したスタートアップが資金ショート。全国に1万人の前払い顧客を抱えている。本社は福岡だが、債権者が千人を超えるので東京地裁にも申し立てられる。倒産処理の蓄積が最も厚い東京地裁の倒産専門部に事件を持ち込めるかどうかで、再生計画の練度と通る確率が変わる
- 親会社が民事再生中。子会社も連鎖で傾いた。子会社の再生申立ては、親会社の事件が係属する裁判所にもできる。グループを同じ裁判官の下に揃えれば、再建シナリオに矛盾が出ない
- あと二日でメインバンクが債権回収に動く。同じ会社に対し、別の債権者が先に破産を申し立てようとしているという噂が流れている。先に再生手続開始を申し立てた裁判所が管轄を握る。一日の差で、清算に流れるか再建で踏みとどまるかが分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の再生申立てを知ったら、まず申立先の裁判所と債権届出期間を確認、この期間を逃すと弁済・配当から外れる2. 債権届出は郵送・書面で可能、遠方の裁判所でも基本的に出向く必要はない3. 再生計画案に不服があれば債権者集会で議決権を行使、委任状による代理参加もできる4. 大口債権者なら、複数管轄が成立しうる局面で処理の早い裁判所への申立てを促す動きも検討する
訴えられた側:1. 申立て前に管轄の選択肢を洗い出す、主たる営業所・財産所在地・債権者数・親子会社や代表者個人との関係の四つを確認2. 債権者千人以上なら東京・大阪地裁、五百人以上なら高裁所在地の地裁を選べる、倒産処理に慣れた裁判所ほど手続が読める3. グループ会社・連結対象・代表者個人を同じ裁判所にまとめる一体申立てを検討4. 複数管轄が競合しうるなら先願主義(10項)を意識し、申立てのタイミングを逃さない
時効(請求できる期限):管轄に特有の消滅時効はない。ただし二以上の地方裁判所が管轄権を持つ場合、先に再生手続開始の申立てをした裁判所が管轄する(10項、先願主義)。起算点は各申立ての受付時。申立てが遅れると、別の債権者による破産申立てなどで土俵を先取りされるリスクがある
学説
通説:民再5条は原則管轄を主たる営業所所在地に置きつつ、親子会社・連結グループ・関係個人・大規模事件について例外管轄を広く認めるのは、関連倒産事件を一裁判所に集約して一体的・矛盾のない再建を可能にし、専門部による迅速処理を実現する趣旨と解される。競合は10項の先願主義で調整される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定により、旧和議法に代わる再建型倒産手続として本条を新設。主たる営業所所在地の原則管轄に加え、親子会社・連結グループ・関係個人・大規模事件の特則と先願主義を定めた。施行は平成12年(2000年)4月1日。
- 民事再生法 第21条再生手続開始の申立て、管轄を適用する場面
- 民事再生法 第59条本条が議決権の定義を共有する条文
- 民事再生法 第127条の2親法人・子株式会社の定義を共有する条文
- 破産法 第5条破産事件の管轄、並行する倒産手続の管轄規定
- 会社更生法 第5条更生事件の管轄、本条が参照する更生事件等の規律
- 会社法 第444条連結計算書類の作成、5項の連結グループ管轄の前提
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める