民事再生法 第4条(再生事件の管轄)
クイックジャンプ
- この法律の規定による再生手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。
- 2.民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。
この条文の基本情報
再生事件の管轄とは何ですか?
定義再生事件の管轄とは、民事再生法第4条に定められた規定で、「この法律の規定による再生手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第4条(再生事件の管轄)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第4条の条文原文は「この法律の規定による再生手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合…」で始まります。
- 民事再生法第4条は第一章 総則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第4条の前の条は民事再生法第3条です。
- 民事再生法第4条の次の条は民事再生法第5条です。
- 民事再生法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法4条は、日本国内に営業所・住所・居所または財産を有する場合に限り再生手続を申し立てられると定める。日本企業への債権も国内財産とみなされる。
Q · 海外に住んでいる、あるいは外国の会社だけど、日本で民事再生ってできるの?
日本国内に営業所・財産・債権が一つでもあれば可能
民事再生法4条1項により、法人は日本国内に営業所・事務所または財産を、個人は営業所・住所・居所または財産を有するときに限り、再生手続開始を申し立てられます。国籍は問いません。さらに2項は、日本の裁判所に裁判上の請求ができる債権(日本企業への売掛金・貸金など)を『日本国内にある財産』とみなすため、不動産や預金がなくても回収可能な債権が一本あれば要件を満たします。管轄は申立て時点で判断されるため、相手が資産を海外へ動かす前に動くことが重要です。
解説
国境をまたいで事業をしている、あるいは海外移住したが日本の取引先に売掛金が残っている。そんなとき、日本の裁判所で借金を立て直す『民事再生』を使えるかどうかを決めるのが、この4条だ。1項は冷たく線を引く。個人なら日本国内に営業所・住所・居所または財産があるとき『に限り』、法人なら営業所・事務所または財産があるとき『に限り』、申立てができる。日本と何の接点もなければ門前払いだ。だが本当の武器は2項にある。『民事訴訟法の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす』。つまり、日本に不動産も預金もなくても、日本企業に対する売掛金や貸金が一本あれば、それが『日本国内の財産』とみなされ、再生の扉が開く。多くの人が『日本の財産』を不動産や口座だと思い込んでいる隙に、目に見えない一本の債権が管轄を生む。
法的な位置づけ
民事再生法4条は再生事件の裁判管轄権を定める規定であり、日本国内に営業所・事務所・住所・居所または財産を有する場合に限り再生手続開始の申立てを認める。加えて、民事訴訟法上の裁判上の請求ができる債権を日本国内にある財産とみなし、管轄の基礎を拡張する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.日本国内の接点を洗い出す 債務者(自分または相手方)が日本国内に営業所・事務所・住所・居所または財産を有するか確認する。物理的資産だけでなく、日本企業への売掛金・貸金・敷金返還請求権などの債権も4条2項で国内財産とみなされる点に注意する
- 2.管轄権と土地管轄を確定する 4条で日本の裁判所が扱えることを確認したら、次に民事再生法5条でどの地方裁判所に申し立てるか(主たる営業所・住所の所在地など)を詰める
- 3.相手が資産を動かす前に申立書を整える 管轄は申立て時点で固定されるため、債務者が最後の日本国内債権を回収・処分する前に再生手続開始の申立て(民事再生法21条)の準備を進める
- 4.渉外事案は外国手続との調整を確認 海外資産や外国倒産手続が絡む場合、日本の手続と外国手続の優先関係・承認援助の要否を、倒産事件に強い弁護士と早期に整理してから動く
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生とは何ですか?
経済的に行き詰まった債務者が、事業や生活を継続しながら債務を圧縮して立て直す再建型の倒産手続です。清算する破産と異なり、財産を残して再スタートできます。
Q2民事再生と破産はどう違いますか?
破産は財産を換価して債権者に配当し法人格は消滅する清算型、民事再生は事業や生活を続けたまま債務を再編する再建型です。民事再生では原則として経営者が事業を継続できます。
Q3民事再生はどこの裁判所に申し立てますか?
土地管轄は民事再生法5条が定め、原則として債務者の主たる営業所や住所を管轄する地方裁判所です。4条は日本の裁判所が扱えるかという管轄権の入口を定めます。
Q4民事再生の管轄はいつの時点で決まりますか?
管轄は申立ての時点を基準に判断されます。そのため申立て後に日本国内の財産や債権が失われても、いったん生じた管轄権は維持され、手続を続行できます。
Q5債権者から民事再生を申し立てることはできますか?
できます。民事再生法21条により債権者にも申立権があります。債務者が日本国内に財産や債権を残しているうちに申し立てれば、4条の管轄要件を満たせます。
Q6個人でも民事再生を使えますか?
使えます。個人は日本国内に営業所・住所・居所または財産を有すれば4条1項の要件を満たします。海外移住者でも日本企業への未回収報酬があれば申立ての足場になります。
Q7会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社限定で管財人が経営権を握る大規模再建型、民事再生は法人・個人問わず原則経営者が事業を継続できる柔軟な手続です。管轄権はそれぞれ会社更生法4条・民事再生法4条が定めます。
Q8海外資産がある場合、日本の民事再生と外国の手続はどちらが優先しますか?
外国倒産処理手続との調整は外国倒産処理手続の承認援助に関する法律などで規律されます。国境をまたぐ事案では両手続の優先関係を弁護士と整理する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国の会社でも、日本で民事再生ってできるんですか?
できます。4条1項は国籍を問わず、その会社が日本国内に営業所・事務所または財産を持っているかだけを見ます。日本支店や国内資産が一つでもあれば申立て可能です。実務のポイント:実務では『財産』のハードルが極めて低く、日本企業への売掛金一本でも4条2項で国内財産とみなされます。日本に拠点がないからと門前で諦める外国企業ほど、見落とした一本の債権で実は要件を満たしていることが多い
Q2日本に不動産も預金もないけど、日本の会社にお金を貸しています。これで要件を満たしますか?
満たす可能性が高いです。4条2項は、日本の裁判所に裁判上の請求ができる債権を『日本国内にある』とみなします。日本企業への貸金や売掛金は通常これに当たります。実務のポイント:このみなし規定は破産法4条2項にもある倒産法共通の仕掛けで、海外移住者が『もう日本に財産はない』と思っていても、回収していない一本の債権が管轄を生かしているケースは珍しくない。回収する前に手続を考えるのが順番だ
間違えやすい点 AI による整理
- 『日本国内の財産』とは不動産や銀行預金のことだと思い込んでいるが、4条2項は日本企業に対する売掛金・貸金・預け金のような『債権』まで日本国内の財産とみなす。目に見えない権利一本で管轄が生まれる
- 『外国人だから日本の民事再生は使えない』と問いを立てる人がいるが、その問いの立て方自体が誤っている。4条が見るのは国籍ではなく、日本との接点(営業所・住所・居所・財産)の有無だ。日本人でも接点がゼロなら使えず、外国人でも接点があれば使える
- あなたから見れば『もう日本に何も残っていない』状態でも、法律から見れば未回収の一本の債権が『日本国内の財産』として残っている。この認識のズレが、使えるはずの再生手続を自ら閉ざす原因になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を定めるか | 民再4条:日本の裁判所が再生を扱えるかの管轄権(国内接点の有無) | 民再5条:どの地方裁判所かの土地管轄 破産法4条:破産事件の管轄権(姉妹規定) |
| 判断基準 | 日本国内の営業所・事務所・住所・居所・財産(債権のみなしを含む) | 主たる営業所・住所の所在地など 民再4条とほぼ同一の枠組み |
| みなし規定の有無 | あり:裁判上の請求ができる債権を国内財産とみなす(2項) | なし(土地管轄の技術的規定) あり:破産法4条2項に同旨のみなし規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は再建型・清算型を破產法と消費者債務清理條例で規律し、管轄は債務者の住所地・営業所所在地を基準とする点で日本と発想が近い
韓国は回生・破産を統合法で規律し、債務者の営業所・住所・財産所在地を管轄基準とする。日本の枠組みと類似する
ドイツは債務者の営業活動の中心地(COMI)を基準とし、EU 域内事案では EU 倒産規則が直接適用される
米国は債務者の住所・主たる資産所在地で裁判籍を定め、国境をまたぐ事案は Chapter 15で外国手続を承認・調整する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日本に支店を構えるだけの外国企業が資金繰りに行き詰まったら、本国に帰って清算するしかないのか。いや、日本国内に営業所か財産があれば、4条1項により日本で民事再生を申し立てられる。日本の取引先・従業員・債権者を巻き込んだまま、日本の裁判所の下で立て直す道が残る
- 数年前にタイへ移住したフリーランス。日本の不動産も預金も引き払ったが、未回収の業務委託報酬が日本のクライアントに残っている。この売掛金は4条2項で『日本国内にある財産』とみなされ、それ一本で日本の個人再生の入口に立てる
- 取引先の社長が海外へ資産を移し始めた。残された時間は読めない。日本国内に相手の財産が一円でも残っているうちなら、債権者として再生手続開始を申し立てる足場がある(民事再生法21条)。最後の一本が消える前に動けるかどうかだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債務者が海外がらみでも諦めず、相手が日本国内に持つ財産を洗い出す。不動産・預金だけでなく、日本企業への売掛金・貸付金・敷金返還請求権などの債権も4条2項で『国内財産』になる2. その一本を特定できれば、債権者として再生手続開始を申し立てられる(民事再生法21条) 3. 管轄は申立て時点で判断されるので、相手が資産を動かす前に申立書を整える4. 国際的な事案は外国倒産処理手続との調整もあるため、倒産事件に強い弁護士へ早期相談
訴えられた側:1. 日本で立て直したいなら、自分に日本国内の接点(営業所・事務所・住所・居所・財産)が一つでもあるか確認する。法人は営業所・事務所・財産、個人は営業所・住所・居所・財産のいずれか2. 物理的資産がなくても、日本企業への売掛金など回収可能な債権があれば4条2項で要件を満たす3. 接点が確認できたら、どの地裁に申し立てるか(民事再生法5条の管轄)を詰める4. 海外資産が絡む場合は、日本の手続と外国手続の優先関係を弁護士と整理してから動く
時効(請求できる期限):4条の管轄は申立ての時点を基準に判断される。管轄そのものに時効はないが、根拠となる債権が消滅時効(民法166条、原則5年または10年)で消えれば『日本国内の財産』も失われ、管轄の足場が崩れる。回収可能な債権があるうちに動くことが実質的な期限となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:4条2項の債権みなし規定は破産法4条2項と共通の倒産法上の仕掛けであり、日本の裁判所に裁判上の請求ができる債権が日本国内に所在するとみなすことで、渉外倒産における管轄の入口を実質的に広げる機能を担うと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定。旧来の和議法に代わる再建型倒産手続として整備され、本条で再生事件の裁判管轄権と債権みなし規定が明文化された。
- 民事再生法 第5条再生事件の土地管轄、どの地方裁判所かを定める
- 民事再生法 第21条再生手続開始の申立て、本条の管轄を前提とする
- 民事再生法 第33条再生手続開始の決定
- 民事再生法 第1条民事再生法の目的、再生救済の理念
- 破産法 第4条破産事件の裁判管轄権、同一の枠組みを定める姉妹規定
- 会社更生法 第4条更生事件の裁判管轄権の並行規定(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める