受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第7条(再生事件の移送)

クイックジャンプ
  1. 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。
  2. 一再生債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所
  3. 二再生債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所
  4. 三第五条第二項に規定する地方裁判所
  5. 四次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所
  6. 一第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所
  7. 二再生債権者の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所
  8. 三再生債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所
  9. 五第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に再生事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所

この条文の基本情報

再生事件の移送とは何ですか?

定義再生事件の移送とは、民事再生法第7条に定められた規定で、「裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第7条(再生事件の移送)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第7条の条文原文は「裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。」で始まります。
  3. 民事再生法第7条は第一章 総則に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第7条の前の条は民事再生法第6条です。
  7. 民事再生法第7条の次の条は民事再生法第8条です。
  8. 民事再生法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第7条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/7

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法7条は、裁判所が著しい損害又は遅滞を避けるため必要と認めるとき、職権で再生事件を法定の他の地方裁判所へ移送できると定める。当事者の同意は不要である。

Q · 民事再生を申し立てた裁判所で、最後まで手続が進むとは限らないの?

限りません。裁判所が職権で別の裁判所へ移送できます

民事再生法7条により、裁判所は著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で再生事件を移送できます。移送先は、主たる営業所以外の営業所所在地の地方裁判所、再生債務者の住所地の地方裁判所、第5条第2項に規定する地方裁判所などに限られます。当事者の同意や申立ては不要で、裁判所だけの判断で事件が動きます。本社は東京でも、営業所・債権者・従業員が地方に集中していれば移送の対象になりえます。

解説

資金繰りに行き詰まり、東京の専門部がある裁判所で民事再生を申し立てた。これで手続は東京で進む、そう思い込んでいないか。民事再生法7条は、裁判所が職権で、つまりあなたや債権者の申立てを待たずに、著しい損害または遅滞を避ける必要があると判断すれば、事件を別の裁判所へ移送できると定める。移送先は、主たる営業所以外の営業所所在地、あなたの住所地、あるいは5条が定める大規模裁判所など。なぜこの仕組みがあるか。5条で再生事件を申し立てられる裁判所の選択肢が大きく広げられているからだ。本社が東京でも、工場と取引先と従業員が大阪に集中しているなら、東京で進めれば債権者集会も現地調査も非効率になる。7条はその歪みを裁判所の側から正す安全弁だ。あなたが選んだ土俵が、いつまでもあなたの土俵とは限らない。

法的な位置づけ

民事再生法7条は再生事件の職権移送を定める規定であり、裁判所が著しい損害又は遅滞を避けるため必要と認めるときに、当事者の申立てを待たず職権で、法定の他の地方裁判所へ事件を移送できる旨を規定する。第5条が広げた管轄選択の自由を、手続の実効性の観点から裁判所側で調整する安全弁として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.申立て前に営業所・債権者の地理的重心を整理 再生の申立先を決める前に、主たる営業所だけでなく、工場・従業員・主要債権者の所在地を地図上で整理する。実体が特定地域に集中していれば、専門部狙いの遠方申立ては7条の移送リスクを抱えると認識する
  2. 2.移送を促すなら著しい損害・遅滞を定量化 債権者や利害関係人として移送を促す場合、著しい損害又は遅滞を抽象論でなく数値で示す。債権者数、所在地分布、債権者集会への移動コスト、現地調査の必要性を上申書に具体的に記載する
  3. 3.動くなら事件係属の早期に 移送を求めるなら、財産評定や第一回債権者集会が本格始動する前の事件係属初期に上申する。手続が進むほど移送による仕切り直しの損害が大きくなり、裁判所は今さら動かす方が遅滞を生むと判断しやすくなる
  4. 4.移送に直面したら要件充足を精査 自らが申し立てた裁判所からの移送に直面したら、移送が7条の要件(著しい損害又は遅滞を避けるため必要)を満たすか精査し、現裁判所での継続が合理的な事情(既に進んだ財産評定、専門部の処理力)を意見書で主張する

よくある質問 AI による整理

Q1民事再生の職権移送とは何ですか?

裁判所が当事者の申立てを待たず、自らの判断で再生事件を別の裁判所へ移す制度です。民事再生法7条が根拠で、著しい損害又は遅滞を避ける必要があることが要件です。

Q2申し立てた裁判所を裁判所が勝手に変えることはできますか?

できます。民事再生法7条は職権移送を認めており、当事者の同意は不要です。ただし著しい損害又は遅滞を避けるため必要という厳格な要件を満たす場合に限られます。

Q3再生事件はどこの裁判所に移送されますか?

主たる営業所以外の営業所・事務所所在地、再生債務者の住所・居所の所在地、第5条第2項の地方裁判所など、7条が列挙する裁判所に限られます。任意の裁判所へは移送できません。

Q4債権者は再生事件の移送を求められますか?

移送そのものは裁判所の職権ですが、債権者は著しい損害又は遅滞を理由に職権発動を促す上申ができます。所在地分布や移動負担を具体的に示すと考慮されやすくなります。

Q5民事再生の移送はいつまでに求めるべきですか?

固有の申立期間はありませんが、財産評定や債権者集会が進むほど移送の仕切り直し負担が増し、ハードルが上がります。動くなら事件係属の早期が事実上の期限です。

Q6職権移送に不服がある場合どうすればよいですか?

移送決定に対する不服申立ての可否・期間は手続段階により異なります。決定書に記載された不服申立ての教示を確認し、早期に代理人へ相談してください。

Q7本社が東京なら東京地裁で最後まで進みますか?

限りません。実体である営業所・債権者・従業員が地方に集中していれば、東京では遅滞すると判断され、7条により地方の地方裁判所へ移送されうるからです。

Q8民事再生法7条と5条の関係は何ですか?

5条は再生事件を申し立てられる裁判所を広げて選択の自由を与える規定、7条はその自由が招く非効率を職権移送で是正する規定です。両者は表裏の関係にあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1民事再生を東京地裁で申し立てたんですが、勝手に地方の裁判所に移されることってあるんですか?

あります。7条は裁判所が職権で、つまりあなたの同意なく、著しい損害又は遅滞を避けるため必要と認めれば事件を移送できると定めます。本社は東京でも、実体である営業所・債権者・従業員が地方に集中していれば移送の対象になりえます。実務のポイント:実務では東京・大阪の専門部の処理力を狙って申し立てるケースが多いが、実体が伴わない戦略的申立ては移送リスクを抱える。申立て前に債権者と資産の地理的重心を整理しておくと、移送される確率を下げられる

Q2債権者なんですが、債務者が遠くの裁判所で再生を始めて集会に行くのが大変です。何かできますか?

裁判所に対し、著しい損害又は遅滞を理由に7条の職権移送を促す上申ができます。決定権は裁判所にありますが、債権者の所在地分布や移動負担を具体的に示せば考慮されます。実務のポイント:単に遠いだけでは動きません。債権者の過半がどの地域に集中しているか、現地での財産調査がどれだけ必要かを定量的に示すのが鍵。多数債権者が連名で上申すると、裁判所が遅滞の現実味を認識しやすくなる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「申し立てた裁判所で最後まで進む」と思い込んでいるが、7条は裁判所の職権移送を認める。当事者の同意も申立ても要らず、裁判所だけの判断で事件が動く
  • 移送制度があること自体は知っていても、それが「著しい損害又は遅滞を避けるため必要」という厳格な要件に縛られている点を見落としがちだ。単なる便宜や好みでは移送されない。逆に言えば、移送を求める側はこの高いハードルを具体的に立証しなければ裁判所を動かせない
  • 「どこで申し立てれば自分に有利か」と問う人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。5条で広い選択肢があっても、7条の移送リスクがある以上、本当に問うべきは「実体に即した裁判所はどこか」だ。実体から乖離した戦略的な選択は、職権移送で巻き戻される
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割民再7条:職権による再生事件の移送(是正弁)民再5条:再生事件の管轄(申立先の選択肢)
民再6条:管轄の専属性(移送先の枠を画定)
発動主体裁判所の職権(当事者の同意・申立て不要)申立人が管轄裁判所を選択
法律が専属管轄を定める
要件・基準著しい損害又は遅滞を避けるため必要と認めるとき主たる営業所所在地・関連会社係属地等の該当
専属管轄として法定されていること
移送先の範囲他営業所所在地・住所地・5条2項の裁判所等に限定5条各項が列挙する裁判所
6条の専属枠内

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
民事訴訟法第28条・破産法

台湾では倒産・重整事件の移送は主に民事訴訟法の一般移送規定に依拠する。裁判所の裁量による移送が認められる点で日本と類似するが、再建手続固有の移送列挙規定は限定的である

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률

韓国は統合倒産法(債務者回生及破産法)が管轄と이송を規律。裁判所が効率と債権者保護の観点から事件を移送しうる点で日本と共通する

ドイツ
InsO § 3・§ 4, ZPO §§ 281 ff.

ドイツは倒産法(InsO)が管轄を定め、移送は民事訴訟法(ZPO)の準用による。中心的利益所在地(COMI)を軸に管轄・移送が判断される点が特徴

アメリカ
28 U.S.C. § 1412 (Change of venue)

米国連邦倒産法では、正義または当事者の便宜のために事件を他の地区へ移送できる。日本の民事再生法が参照した Chapter 11と同じ体系に属し、venue transfer の柔軟性が高い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 本社登記は東京、でも工場も主要取引先も従業員も大阪に集中している。東京地裁の専門部を狙って申し立てたが、もし裁判所が「債権者の大半が関西で、東京では遅滞する」と判断したら? 7条で大阪地裁へ移送されうる。あなたの戦略的な裁判所選びが、職権で覆る瞬間だ
  • あなたが債権者の立場で、債務者が遠方の裁判所で民事再生を申し立てた。債権者集会のたびに片道数百キロ、現地調査もままならない。これは「著しい損害又は遅滞」を構成する事情になりうる。裁判所への上申で、より近い裁判所への移送を促せる場合がある
  • 再生手続が始まって数週間。財産評定も債権者集会も走り出した後で移送されると、手続は一度仕切り直しに近い負担を負う。移送を争うなら、係属の早い段階で動くしかない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 現在の裁判所が遠方等で著しい損害・遅滞を生むと考えるなら、債権者・利害関係人として裁判所に移送を促す上申書を出す(職権発動の促し) 2. 著しい損害又は遅滞を具体的に立証:債権者の所在地分布、移動コスト、現地調査の必要性を数値化する3. 動くなら事件係属の早期に。手続が進むほど移送による損害が相殺され、ハードルが上がる4. 移送先候補は7条が列挙する裁判所(営業所所在地、住所地、5条2項の裁判所等)に限られる点を確認する

訴えられた側:1. あなたが申し立てた裁判所からの移送に直面したら、まず移送が7条の要件(著しい損害又は遅滞を避けるため必要)を満たすか精査2. 現在の裁判所での手続継続が合理的である事情、つまり既に進んだ財産評定、債権者の同意、専門部の処理能力を主張3. 移送は職権だが当事者の意見が考慮される余地はある、係属裁判所に意見書を提出する4. 移送決定が出た場合に備え、手続承継の段取りを早期に代理人と詰める

時効(請求できる期限):7条の移送に固有の申立期間はない(裁判所の職権発動のため)。ただし実務上、再生手続が進行するほど移送のハードルは上がるため、動くなら事件係属の早期が事実上の期限となる。移送決定に対する不服申立ての可否・期間は手続段階により異なるため、決定書の教示を確認すること(最新の運用をご確認ください)

学説

通説:民再7条の職権移送は、5条が広げた管轄選択の自由と手続の実効性・債権者の参加機会との均衡を、裁判所の裁量によって調整する規定と解される。著しい損害又は遅滞の要件は厳格に解され、単なる便宜では足りず、実体に即した処理の必要性を要すると理解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。従来の和議法に代わる DIP 型再建手続の導入とともに、広い管轄選択を認める5条とセットで、手続の実効性を確保する職権移送の枠組みを整備した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›