この節の規定は、地方公共団体が、保有個人情報の開示、訂正及び利用停止の手続並びに審査請求の手続に関する事項について、この節の規定に反しない限り、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。
要点個人情報保護法第 108 条は、地方公共団体が開示・訂正・利用停止や審査請求の手続について、国の規定に反しない範囲で条例を定められると規定する。実体ルールは国が統一している。
Q · 役所に自分の個人情報の開示を求めるとき、手続が全国一律じゃないのはなぜ?
開示の中身は全国統一、手続の細部だけ条例に委ねられているからです
個人情報の保護に関する法律第 108 条は、地方公共団体が保有個人情報の開示・訂正・利用停止の手続、および審査請求の手続に関する事項について、同法第 5 章の規定に反しない限り、条例で必要な規定を定めることを妨げないと定めます。令和 3 年改正で個人情報の実体的な保護ルールは国の法律に一元化されましたが、手続の細部については各自治体が条例で独自に定める余地が残されています。そのため開示の手数料や申請様式などが自治体ごとに異なることがあります。
平成の間、日本には個人情報保護のルールが二千本近く並立していた。国の法律が一本、そして全国の自治体がそれぞれ独自の個人情報保護条例を持っていたからだ。定義も手続も自治体ごとにバラバラで、コロナ禍では自治体をまたぐ医療データの共有がこの『2000個問題』で滞った。令和3年(2021年)の大改正が、これを一本の個人情報保護法へ統一し、令和5年(2023年)4月に地方公共団体もこの国の法律の下に組み込まれた。§108は、その大統一が地方に残した数少ない『余白』を定める。開示、訂正、利用停止、審査請求の『手続』に関する事項に限り、しかも国の規定に反しない範囲でのみ、自治体は今も条例で独自ルールを置ける。あなたが役所に自分の個人情報の開示を求めるとき、そのやり方が全国一律なのか、地元の条例で微調整されているのか、その分かれ目がこの一条にある。
個人情報の保護に関する法律第 108 条は、個人情報保護法制の一元化における条例との関係を定める規定である。地方公共団体は、保有個人情報の開示・訂正・利用停止の手続および審査請求の手続に関する事項に限り、同法第 5 章の規定に反しない範囲で、条例により必要な規定を定めることができる。実体的な保護ルールは国の法律に一元化され、条例が補いうるのは手続の細部にとどまる。
地方公共団体が開示・訂正・利用停止や審査請求の手続について、国の規定に反しない範囲で条例を定められると認める規定です。令和 3 年改正で新設され、令和 5 年 4 月に地方に施行されました。
令和 5 年 4 月に多くの自治体が旧条例を全面改正し、実体ルールは国の法律へ一元化されました。現行の条例は手数料や様式など手続の細部だけを定める薄い内容に作り替えられています。
国の法律に加え全国の自治体が独自の個人情報保護条例を持ち、定義や手続がバラバラだった状態を指します。コロナ禍のデータ共有の障害となり、令和 3 年改正による一元化の契機になりました。
開示・訂正・利用停止と審査請求の手続に関する事項に限られます。開示義務の範囲など実体ルールを条例で狭めると、国の規定に反して無効になります。
違うことがあります。手数料や申請様式などの手続は 108 条を根拠に条例で定められるため、自治体ごとに微妙に異なります。開示の中身自体は全国で統一されています。
手続の細部を超えて、開示範囲など実体を国より制限する条例は、「この節の規定に反しない限り」という 108 条の枠を超え無効になりえます。
保有している行政機関や地方公共団体の窓口に請求します。請求権の根拠は国の法律(第 76 条)で全国共通ですが、申請様式や手数料は自治体の条例で定められている場合があります。
実体は「何を開示するか・どんな義務を負うか」という中身、手続は「どう申請し・どう処理するか」という進め方です。108 条で条例が定められるのは手続だけです。
手続に関する部分は今も有効です。令和3年改正で個人情報の実体ルールは国の法律に一本化されましたが、§108は開示、訂正、利用停止、審査請求の『手続』については、国の規定に反しない範囲で条例が残れると定めています。業界裏話ヒント:多くの自治体は2023年4月に旧条例を全面改正し、手数料や様式などの手続だけを定める『薄い条例』へ作り替えました。古い条例を見ているなら、それはもう失効している可能性が高い。必ず改正後の現行条例を確認する。
従う必要はない可能性が高いです。§108は条例を『この節の規定に反しない限り』でしか認めていません。開示の範囲そのもの(実体)を国より狭める条例は、この制限に反して無効となりえます。業界裏話ヒント:条例が有効か無効かは『手続の細則』か『実体の制限』かで決まります。窓口の担当者が条例を根拠に断ることはありますが、それが実体制限なら、国の法律(§76の開示請求権)を直接の根拠に争える。個人情報保護委員会への相談窓口も使える。
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| 規律の内容 | 第 108 条:条例で定めうる手続の範囲(委任・余地規定) | — |
| 条例で上書きできるか | 手続の細部(手数料・様式・窓口等)のみ可 | — |
| 根拠の性質 | 国の統一の上に地方の余地を残す枠づけ | — |
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