要点破産法164条は、対抗要件の具備が権利設定から15日超かつ支払停止等を知ってされた場合、破産管財人がその具備行為のみを否認できると定める。設定契約が有効でも担保の対抗力は失われる。
Q · 抵当権の契約はちゃんとしているのに、登記が遅れただけで倒産時に担保が消えることがあるの?
本当です。設定から15日超で支払停止を知って登記すると否認され得ます
破産法164条により、権利の設定から15日を経過した後、相手の支払停止等を知りながら対抗要件(登記・登録)を備えると、破産管財人はその対抗要件具備行為だけを否認できます。抵当権設定契約そのものは有効でも、登記が財団に対抗できなくなり、あなたは優先弁済を受けられる別除権者から無担保の一般破産債権者へ転落します。ただし、設定直後に打った仮登記に基づいて後に本登記をした場合は、但書により否認を免れます。
取引先に金を貸す見返りに、その不動産へ抵当権を設定してもらった。契約書も交わした。だがあなたは登記を後回しにした。数か月後、取引先の資金繰りが怪しくなり、慌てて登記所へ走る。この「慌てて登記した」一歩こそが、破産法164条の狙い撃ちにあう。条文はこう言う。権利の設定から15日を過ぎた後、相手が支払停止状態にあると知りながら対抗要件(登記・登録)を備えた場合、破産管財人はその対抗要件具備行為だけを否認できる、と。抵当権の設定契約そのものは有効なのに、登記という最後の一手だけが無効化される。つまりあなたの担保は破産財団に対抗できず、別除権者からただの一般債権者へ転落する。担保を取ったつもりが、いざというとき手元には何も残らない。鍵は「設定から15日」と「悪意(支払停止を知っていたこと)」の二本の線。この両方を越えた瞬間、あなたの登記は紙くずになる。
破産法164条は対抗要件否認を定める規定であり、権利の設定・移転・変更を第三者に対抗するために必要な行為が、その設定日から15日を経過した後に支払停止等を知ってされた場合、破産管財人が当該対抗要件具備行為のみを否認できる旨を規定する。設定契約の効力とは切り離し、対抗要件を備えた時期と主観的認識を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
権利の設定・移転・変更の対抗要件を備える行為だけを、設定契約とは切り離して否認する制度です。破産法164条が根拠で、遅れた登記のみが財団に対抗できなくなります。
権利の設定・移転・変更があった日から起算します。この15日以内に対抗要件を備えれば、後に相手が倒産してもこの否認は及びません。
偏頗行為否認(162条)は担保供与や弁済そのものを狙い、対抗要件否認(164条)は登記など対抗要件を備える行為だけを狙います。設定契約は有効なまま登記だけが否認される点が特徴です。
されます。確定日付ある通知(民法467条)の具備が支払停止後かつ15日超なら、164条2項で否認の標的になります。ファクタリングの通知遅れも同じ危険があります。
破産手続開始の日から2年、または対象行為の日から20年で行使できなくなります(破産法176条)。管財人の主張時期自体も争点になり得ます。
優先弁済を受けられなくなり、配当率が数パーセントまで落ちることも珍しくありません。回収額の桁が変わるため、実務上の打撃は極めて大きいです。
あります。民事再生法129条が破産法164条とほぼ並行する対抗要件否認を定めており、再生手続でも同様の枠組みが適用されます。
支払停止は債務者が支払能力の欠如を外部に表示する行為(手形不渡り等)を指し、支払不能はその客観的状態です。164条は「支払停止等」を知っていたかを問題にします。
守られるとは限りません。破産法164条は、設定から15日を過ぎ、相手の支払停止を知りながら登記した場合、その登記行為だけを否認できると定めます。契約は有効でも対抗要件が否認され、あなたは別除権を失い一般債権者になります。業界裏話ヒント:実務では契約と登記を別日に処理する慣行が広く、この15日のギャップが否認の入口になる。金融機関が設定と同時に登記を急ぐのは、まさにこの条文を熟知しているからだ
客観的事情から推認されます。相手の手形不渡り情報、支払遅延、取引先からの噂、そうした情報にあなたが接していたかが問われ、立証責任は管財人側にあります(破産法164条)。業界裏話ヒント:「知らなかった」と言い張っても、あなたが債権回収を急に強化した時期と相手の信用不安の時期が重なると、悪意を推認されやすい。逆に淡々と通常取引を続けた記録は善意の証拠になる。回収を焦った形跡こそが、自分の首を絞める
設定直後(15日以内が安全圏)に仮登記をしておけば、後にその仮登記に基づいて本登記をした場合、164条但書により否認を免れます。仮登記の順位保全効が効くわけです。業界裏話ヒント:仮登記は本登記より費用も手間も軽い。だが多くの債権者は「いずれ本登記すればいい」と仮登記すら省く。この一手の有無が、相手の倒産時に担保の生死を分ける。プロは「とりあえず仮登記」を癖にしている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 否認の対象 | 164条:対抗要件を備える行為(登記・登録)のみ | — |
| 設定契約の扱い | 設定契約は有効のまま、対抗力だけを剥奪 | — |
| 主な要件 | 設定から15日超+支払停止等の悪意 | — |
| 免れる手段 | 15日以内の具備、または先行仮登記に基づく本登記(但書) | — |
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