要点破産法244条の4は、信託財産の破産手続開始を申し立てられる者を定める。信託債権者・受益者のほか受託者等も申立人となり、信託終了後も残余財産の給付が終わるまで申立てが可能である。
Q · 家族信託の財産が借金だらけになったら、受託者の私が自己破産するしかないの?
いいえ、信託財産だけを破産させられ、あなた個人の破産とは別枠です
破産法244条の4により、信託財産は受託者個人と切り離して破産手続を開始できます。申立人になれるのは信託債権者・受益者のほか、受託者や信託財産管理者等です(1項)。受託者が一人、または全員でそろって申し立てる場合は破産原因の疎明が不要で、債務超過等の事実を示すだけで足ります(3項)。さらに信託が終了した後でも、残余財産の給付が終わるまでは申立てが可能です(4項)。破産するのは信託財産であって、受託者個人ではありません。
信託という仕組みには、ふつうの財産とは別の顔がある。受託者個人が破産しても、信託財産はそこに巻き込まれない。逆に信託財産だけが債務超過に陥れば、受託者個人は無事でも、その信託財産『だけ』を破産させられる。これが信託財産の破産であり、244条の4はその入口、つまり『誰が破産を申し立てられるか』を定める。もしあなたが受益者や信託債権者なら、あなた自身が申立人になれる。受託者本人や信託財産管理人も申し立てられる。鍵は二つ。第一に、申立てには破産原因を疎明(一応確からしいと裁判官に思わせる程度の説明で、証明より軽い)すれば足り、受託者が一人または全員でそろって申し立てるなら、その疎明すら要らない。第二に、信託が終わった後でも、残余財産を配り終えるまでは申し立てられる。終わったはずの信託に、まだ破産の扉が残っている。
破産法244条の4は、信託財産についての破産手続開始の申立権者とその疎明要件を定める規定である。信託債権者・受益者のほか、受託者や信託財産管理者等も申立人となり得る。受託者が一人または全員で申し立てる場合は破産原因の疎明を要せず、信託終了後も残余財産の給付が終わるまでは申立てが認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
受託者個人ではなく、信託財産『だけ』を破産させる手続です。信託財産が債務超過や支払不能に陥った場合に、破産法244条の2以下が独自の清算の道を用意しています。
信託債権を有する者、受益者のほか、受託者や信託財産管理者・信託財産法人管理人等(受託者等)も申立人になれます(破産法244条の4第1項)。
受託者が一人、または受託者全員でそろって申し立てる場合は破産原因の疎明が不要です(3項)。一部の受託者のみなら破産原因の疎明が要ります(2項2号)。
破産の対象が異なります。信託財産の破産で清算されるのは信託財産のみで、受託者個人の固有財産は原則巻き込まれません。分別管理が前提です。
受託者全員が一致して申し立てれば疎明不要ですが、一部の受託者だけが申し立てる場合は破産原因の疎明が必要です。人数が増えると手続が重くなります。
信託財産の資産総額を負債(信託債権等)が上回る状態が債務超過です。賃料停止、借入延滞、分配停止などが兆候で、財産目録と債権額で判断します。
信託債権者は信託財産を引き当てとする債権者として手続に参加します。取扱いの詳細は破産法244条の7が定めています。
原則として手続の対象外です。ただし信託契約に責任財産限定特約がなければ、信託債権者から受託者個人が追及される余地は別途残ります。
あなた個人の自己破産にはなりません。破産するのは『信託財産』であって、受託者であるあなた個人の財産とは別枠です(破産法244条の4、信託財産と固有財産の分別)。あなたは申立人の一人になれますが、債務を個人で背負うかは別の問題です。業界裏話ヒント:受託者が信託財産のために負った債務でも、信託契約に『責任財産限定特約』があれば、債権者は信託財産までしか追及できません。契約書のこの一行があるかないかで、あなた個人が巻き込まれるかが決まる。家族信託を組む前に必ず確認すべき条項です
申し立てられます。破産法244条の4第4項は、信託終了後でも『残余財産の給付が終了するまで』は申立てを認めています。終了イコール即終わり、ではありません。業界裏話ヒント:実務では信託終了後に隠れていた債務が判明することがあります。残余財産を受益者に配り切ってしまうと破産の道が閉じ、後は配った財産を取り戻す重い争い(否認や不当利得返還)になる。終了処理を進める前に債務の洗い出しを終えておくのが、玄人の段取りです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 破産の対象 | 信託財産のみ(受託者個人と別枠) | — |
| 申立てできる人 | 信託債権者・受益者・受託者等(244条の4) | — |
| 疎明の要否 | 受託者が一人/全員なら破産原因の疎明不要(3項) | — |
| 終了後の申立て | 残余財産の給付完了まで可能(4項) | — |
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