要点破産法 83 条は、破産管財人が破産者の役員への説明請求・帳簿検査に加え、破産者の子会社等の業務・財産状況も調査できると定める。議決権の過半数を握る会社も子会社等とみなされる。
Q · 本体だけ倒産させて、資産を移した子会社は調べられずに済むの?
子会社も調査され、資産移転は否認権で巻き戻される
破産法 83 条により、破産管財人は破産者の役員等への説明請求と破産財団の帳簿検査に加え、破産者の子会社等の業務・財産状況を調査し帳簿を検査できます。議決権の過半数を握る会社は子会社等とみなされ(3 項)、法人格が別でも支配下にあれば中身を開かされます。倒産直前の資産移転は調査で痕跡が出れば否認権(160 条)で巻き戻され、悪質なら詐欺破産罪(265 条)に発展します。
会社をたたむと決めたとき、多くの経営者が最後に考えるのは「手元に何を残せるか」だ。長年育てた事業を別会社(子会社)に移し、本体だけ倒産させればその子会社は守れる、そう信じる人は少なくない。破産法83条は、その期待を正面から崩す。破産管財人は、破産者本人やその取締役・監査役(40条が定める者)に説明を求め、帳簿や書類を検査できるだけでなく、破産者の子会社に対しても、業務と財産の状況について説明を求め、その帳簿を検査できる。さらに83条3項は、破産者が議決権の過半数を握る会社を「子会社とみなす」。つまり法人格が別でも、支配している限り中身は開かされる。そして40条の説明を拒んだり嘘をついたりすれば、268条で刑事罰が待っている。破産は資産を消すゲームではない。資産がどこへ流れたかを、管財人が法人の壁を越えて追跡する手続なのだ。
破産法 83 条は破産管財人の調査権を定める規定であり、40 条所定の者への説明請求・破産財団の帳簿検査に加え、破産者の子会社等に対する業務・財産状況の説明請求と帳簿検査を認める。破産者が議決権の過半数を有する会社を子会社等とみなし、支配下にある法人へ調査を及ぼす点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
裁判所が選任し、破産財団の管理・換価・配当を担う者です。83 条で破産者や子会社等の帳簿検査など強力な調査権を持ち、否認権も行使します。
83 条・40 条の説明や検査を拒否・虚偽説明すると 268 条の説明拒絶等の罪に問われ、3 年以下の拘禁刑(2025 年 6 月施行)又は 300 万円以下の罰金となり得ます。
破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を持つ場合、その会社を子会社等とみなし調査対象に加えるという 83 条 3 項の規定です。
破産前の不当な資産移転や偏頗弁済を、管財人が破産財団に取り戻す権限です(160 条以下)。83 条の調査で痕跡が出れば行使されます。
債権者を害する目的で財産を隠匿・損壊等した場合の罪です(265 条)。83 条の調査が刑事ルートの端緒になり得ます。
破産者の財産のうち管財人の管理処分に服し、債権者への配当原資となるものです。78 条で管財人に管理処分権が専属します。
個人でも議決権の過半数を持つ会社があれば 83 条 3 項で子会社等とみなされ、その会社の財産まで調査対象になります。
拒否や虚偽は 268 条の説明拒絶罪に直結します。ただし自己負罪拒否特権との関係は争いがあり、弁護士を介した対応が必要です。
調べられます。破産法83条2項は、破産者の子会社に対して管財人が業務・財産状況の説明を求め、帳簿等を検査できると明文で定めています。3項では議決権の過半数を握る会社も子会社とみなされます。業界裏話ヒント:倒産直前の子会社への資産移転は、調査で痕跡が出ると否認権(160条)で巻き戻されるだけでなく、悪質なら詐欺破産罪(265条)の刑事ルートに乗ります。「別法人だから安全」という設計ほど、管財人が最初に疑う対象です
破産法40条の説明義務を拒むと268条の説明拒絶罪に問われ得ますが、憲法38条の自己負罪拒否特権との関係は実務上、解釈が分かれている論点です。一律に「黙秘していい」とも「全部答えるべき」とも言えません。業界裏話ヒント:弁護士は、刑事責任に触れ得る事項とそうでない事項を切り分け、答え方を設計します。何も考えずに黙れば説明拒絶罪、何も考えずに全部話せば別の罪の証拠提供になる。この分岐点を一人で踏まないことが鉄則です
40条2項は、破産手続開始前にその会社の取締役・監査役等であった者にも説明義務を準用する場合があるためです(最新の条文をご確認ください)。退任は説明義務の自動的な免除にはなりません。業界裏話ヒント:在任中の意思決定に関わった元役員ほど、管財人は事情を知る者として重視します。退任後に「もう関係ない」と協力を拒むと、否認対象取引の当事者として後で民事の損害賠償(会社法429条等)まで波及することがある。早めに記録を整理しておく方が身を守れます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象・内容 | 83 条:子会社等を含む業務・財産状況の説明請求と帳簿検査 | — |
| 調査が及ぶ範囲 | 破産者本人+子会社等+議決権過半数のみなし子会社 | — |
| 違反時の制裁 | 268 条の説明・検査拒絶等の罪(刑事) | — |
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