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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

不動産登記法 第116条(官庁又は公署の嘱託による登記)

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  1. 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。
  2. 2.国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。

この条文の基本情報

官庁又は公署の嘱託による登記とは何ですか?

定義官庁又は公署の嘱託による登記とは、不動産登記法第116条に定められた規定で、「国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第116条(官庁又は公署の嘱託による登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第116条の条文原文は「国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。」で始まります。
  3. 不動産登記法第116条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第116条の前の条は不動産登記法第115条です。
  7. 不動産登記法第116条の次の条は不動産登記法第117条です。
  8. 不動産登記法第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第116条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/116

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法116条は、国や地方公共団体が当事者となる登記を官庁・公署が登記所へ嘱託すると定める。国等が権利者なら義務者の承諾、国等が義務者なら権利者の請求が必要である。

Q · 市役所と土地を売り買いしたら、登記は役所がやってくれるんですか?

役所が買う側なら承諾だけ、あなたが受ける側なら請求が必要

不動産登記法116条により、国や地方公共団体が当事者となる権利に関する登記は、官庁又は公署が登記所へ嘱託します。国等が登記権利者となる場合(あなたが役所に土地を売る場合)は、登記義務者であるあなたの承諾を得て遅滞なく嘱託されます。逆に国等が登記義務者となる場合(あなたが役所から買う、役所の抵当権を抹消する場合)は、登記権利者であるあなたの請求があって初めて嘱託義務が生じます。請求しない限り、登記は動きません。

解説

不動産の登記は、権利を得る人と失う人が一緒に申請する。これが大原則である(不動産登記法60条)。ところが取引の相手が国や地方公共団体になった瞬間、この原則は外れる。116条により、登記は官庁または公署が登記所へ「嘱託」する。あなたが法務局に出向く必要も、その登記のために司法書士へ報酬を払う必要もない。ただし条文は二つの場面を分けている。役所が権利を得る側、つまりあなたの土地を買う側なら、役所はあなたの承諾を得たうえで遅滞なく嘱託しなければならない。承諾はあなたの手に残された唯一の歯止めだ。逆に役所が義務を負う側、あなたが役所から買う、役所の抵当権を消す場面では、条文は「登記権利者の請求があったとき」と書く。あなたが請求しない限り、役所は嘱託の義務すら負わない。この一語の差を知らずに待ち続けた人が、何年も名義の動かない登記簿を抱えている。

法的な位置づけ

不動産登記法116条は、国又は地方公共団体が当事者となる権利に関する登記について、共同申請主義(同法60条)の例外として、官庁又は公署による登記所への嘱託手続を定める規定である。国等が権利者となる場合は登記義務者の承諾、国等が義務者となる場合は登記権利者の請求が、それぞれ嘱託の要件となる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.契約書で自分が権利者か義務者かを確定する 役所があなたの不動産を買う側なら116条1項(承諾がスイッチ)、あなたが役所から買う・役所の抵当権を消す側なら2項(請求がスイッチ)。この見分けを最初に行う
  2. 2.2項の場面なら書面で嘱託を請求する 口頭ではなく書面で担当課へ嘱託を請求し、控えに受付日を残す。この日が「遅滞なく」の起算点になり、後日の遅延責任を問う際の証拠にもなる
  3. 3.1項の場面なら承諾書の交付日を金銭の履行日にそろえる 承諾は役所に課された唯一の前提条件。補償金の入金日と承諾書の交付日を同日にする条件を契約書に書き込み、先に手放さない
  4. 4.前提となる相続登記・住所変更を先に自分で整える 嘱託の対象は契約対象の登記だけ。相続登記が未了、登記簿上の住所が旧住所のままといった前提の不備があると手続はそこで止まる
  5. 5.契約後1か月を目安に登記事項証明書で名義を自分で確認する 登記が動いたかは自分の目で確かめる。名義が動いていなければ担当課へ嘱託予定日を照会し、1月1日および融資実行日から逆算して催促する

よくある質問 AI による整理

Q1嘱託登記とは何ですか?

官庁や公署が登記所へ直接申し出て行う登記です。不動産登記法116条が根拠で、共同申請主義の例外として、私人が法務局へ出向かなくても登記が実行されます。

Q2市に土地を売ったのに登記が変わらないのはなぜ?

役所が登記権利者なら116条1項で承諾後に嘱託されますが、承諾書が未提出なら手続は起動しません。まず用地担当課に承諾の受領状況と嘱託予定日を確認してください。

Q3嘱託登記に期限はありますか?

条文は「遅滞なく」とのみ定め、具体的な日数の定めはありません。実務上の締切は固定資産税の賦課期日である1月1日と、住宅ローンの実行日になります。

Q4承諾書を出さないとどうなりますか?

116条1項の承諾は嘱託の前提条件なので、承諾がない限り役所は嘱託できません。逆に言えば、承諾書は代金や補償金の履行と引き換えにできる唯一の交渉材料です。

Q5役所の抵当権を消すにはどうすればいい?

制度融資の完済後も抵当権は自動では消えません。116条2項の場面なので、登記権利者であるあなたが担当課へ書面で嘱託を請求して初めて抹消手続が動きます。

Q6固定資産税は誰に来ますか?

賦課期日である1月1日時点の登記名義人に課税されるのが原則です。年末に売却して嘱託が年をまたぐと、翌年度の納税通知書は売主に届くことになります。

Q7差押えの登記も嘱託ですか?

はい。滞納処分による差押登記は税務署長等が登記所へ嘱託します(国税徴収法68条)。官公署が単独で登記簿を書き換える点で116条と同じ仕組みです。

Q8嘱託登記と共同申請は何が違う?

共同申請(60条)は権利者と義務者が一緒に申請しますが、嘱託は官庁・公署が単独で登記所へ申し出ます。私人の出頭を待たずに手続が進む点が最大の差です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1役所が登記してくれるなら、司法書士に頼まなくていいんですか?

その登記に限ればそのとおりである。116条の嘱託は官公署が登記所へ直接行うため、あなたが法務局へ出向く必要も、その登記のための報酬もない。ただしあなたが登記義務者なら、登記識別情報や印鑑証明書の提供は求められる。実務のポイント:役所が嘱託するのは契約対象の登記だけである。相続登記が未了、登記簿上の住所が旧住所のままといった前提の不備は、あなた自身が直さない限り手続は止まる。案件が最も長く滞留するのはここである

Q2権利証、いまでいう登記識別情報はいつ届くんですか?

法務局から直接は届かない。117条により、登記官は官庁または公署へ登記識別情報を通知し、官公署が遅滞なくあなたへ通知する。経路が一段長い分、通常の売買より手元に届くのが遅れる。実務のポイント:あらかじめ通知を希望しない旨の申出があれば作成されない扱いもある(21条ただし書)。届かないと感じたら、担当課に「識別情報の通知は誰が受け取ったか」と聞くのが最短である

Q3登録免許税は役所が払ってくれますよね?

相手が役所だから非課税、とは限らない。登録免許税法4条1項で非課税となるのは国や地方公共団体が自己のために受ける登記であり、市があなたの土地を買う場面がこれにあたる。あなたが市から買う場面では登記権利者はあなたであり、課税される。実務のポイント:嘱託であっても税を負担するのは登記権利者である。売買契約書の費用負担条項を、押印の前に読む

間違えやすい点 AI による整理

  • 「役所が相手なら登記も役所が全部やってくれる」という前提自体が半分誤っている。問うべきは「やってくれるか」ではなく「登記権利者はどちらか」である。役所が権利者なら承諾だけで動くが、あなたが権利者なら請求という一手を打つまで手続は起動しない
  • 嘱託登記でも登記識別情報(かつての権利証)は作成される。ここで知られていないのは深刻さではなく受取経路で、117条により登記官は官公署へ通知し、官公署からあなたへ渡る。法務局からの封書を待ち続けても、それは永久に届かない
  • 役所との取引だから登録免許税も無料、と思われがちだが、非課税なのは国や地方公共団体が自己のために受ける登記である(登録免許税法4条1項)。あなたが役所から買う場面では登記権利者はあなたであり、納税者もあなたになる
比較の観点この条文ほかの条文
手続の主体116条:官庁又は公署が単独で登記所へ嘱託60条:登記権利者と登記義務者が共同で申請
63条:判決を得た者が単独で申請
起動条件国等が権利者なら義務者の承諾、国等が義務者なら権利者の請求双方の合意と出頭(書類の相互提供)
確定判決その他これに準ずる文書の取得
私人側の負担法務局への出頭不要、その登記のための報酬も不要双方の書類準備、通常は司法書士へ委任
訴訟提起から確定まで時間と費用が必要
止まりやすい箇所承諾書の未提出、または請求をしないまま放置相手方が協力しない、行方不明
判決主文の特定不足で登記が通らない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地法第73条・土地登記規則(政府機関の囑託登記)

台湾も権利人と義務人の会同申請を原則とし、政府機関が土地を収回・撥用する場合等に登記機関への囑託を認める。承諾要件の置き方は日本116条1項ほど明示的ではない

韓国
부동산등기법(官公署の嘱託登記に関する規定)

韓国の不動産登記法は日本法を経由した構造を持ち、官公署が当事者となる場合の嘱託登記を認める。日本と同じく登記に公信力を与えない点も共通する

ドイツ
GBO § 38(Ersuchen einer Behörde)

ドイツでは法律の規定に基づき官庁が登記所に登記を求める嘱託(Ersuchen)が認められる。ただしドイツの Grundbuch は公信力を持ち、登記の実体的正確性を担保する制度設計が日本と異なる

アメリカ
各州の Recording statutes・eminent domain の condemnation deed

米国は登記ではなく記録(recording)制度で、公用収用の場合も裁判所命令や証書を郡の recorder に記録する。行政機関が単独で権利変動を公示させる点は機能的に類似する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 道路拡幅で庭の一部を市に売った。12月に契約し、補償金の入金も済んだ。だが承諾書を出した記憶が曖昧で、登記簿を取ると名義はまだあなたのまま。1月1日を越えれば翌年度の固定資産税の納税通知書はあなたに届く。残り3週間、用地担当課に嘱託の予定日を確認する電話を今日入れるかどうかで、一年分の税額が動く
  • 市の分譲宅地を買い、代金も完済した。それなのに半年経っても登記が動かないとしたら、役所の怠慢なのか。116条2項を読むと答えは冷たい。あなたが請求していない限り、役所には嘱託の義務そのものが発生していない。待つ側に回った時点で、時計は止まっている
  • 自治体の制度融資を完済した。登記簿の抵当権はまだ残っている。抹消も116条2項の世界で、請求しなければその記載は10年後も居座る
  • あなたが自治体の用地担当だったとする。年度末の予算執行に追われ、地権者の承諾書がそろわないまま嘱託を先に回したくなる。だが116条1項の承諾は嘱託の前提条件であり、これを欠いた処理は登記の適法性そのものを揺らがせ、後日の紛争の火種になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分が登記権利者か登記義務者かを契約書で確定する。役所が買う側なら1項、あなたが受ける側なら2項2. 2項の場面なら、口頭ではなく書面で嘱託を請求し、控えに受付日を残す。ここが「遅滞なく」の起算点になる3. 契約後1か月を目安に登記事項証明書を取得し、名義の動きを自分で確認する4. 前提となる相続登記や住所変更が未了なら、その部分は嘱託の対象外なので自分で先に整える

訴えられた側:1. 官公署側なら、1項の承諾書を取得する前に嘱託しない。承諾は省略可能な事務ではなく条文上の要件である2. 承諾を求められた登記義務者側なら、代金や補償金の履行と承諾書の交付を同時に行う条件を契約書に書き込む3. 2項で請求を受けたら、遅滞の理由を記録に残す。名義が動かない期間の課税や対抗要件をめぐる紛争は、後から担当者個人の説明責任に跳ね返る

時効(請求できる期限):116条には嘱託の期限日数の定めがなく、基準は「遅滞なく」である。2項の請求権自体に特別な時効はないが、売買契約に基づく登記請求権は債権として一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)の枠内にある。判例は、引渡しを受けて使用収益を続ける買主の登記請求権について時効の進行を否定する立場を示している(最新の判例状況をご確認ください)。実務上の本当の締切は1月1日の固定資産税賦課期日と、融資実行日である

学説

実務・通説的理解:116条1項の承諾は嘱託の前提要件であり、これを欠く嘱託は登記の適法性に疑義を生じさせると解されている。他方2項では登記権利者の請求が嘱託義務の発生要件であり、請求前は官公署に作為義務がないと読むのが条文の素直な理解である

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 オンライン申請導入を含む全部改正により、旧法下の官公署嘱託に関する規律が現代語で整理され、現行の116条として置かれた。その後の改正の有無と内容は人的検証が必要である

改正の年表

  1. 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、共同申請主義とその例外としての官公署嘱託の枠組みが確立した
  2. 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請の導入とあわせて旧法下の官公署嘱託の規律が現代語で整理され、現行116条として置かれた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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