この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。
要点商法 543 条は、他人間の商行為の媒介を業とする者を仲立人と定義する。仲立人には結約書の交付義務や帳簿の作成義務が課され、媒介の対象が商行為に限られる点で民事仲立人と区別される。
Q · 会社同士を紹介して手数料をもらう副業も、商法の仲立人になるの?
媒介を反復して業とすれば仲立人になります
商法 543 条により、他人間の商行為の媒介を業とする者は仲立人に当たります。単発の紹介なら『業とする』に当たりませんが、反復継続して手数料を得れば仲立人になり、結約書の交付義務(546 条)や帳簿の作成義務(547 条)が生じます。また依頼者が代金を渡しても原則として正式な弁済にならず(544 条)、報酬は成約への寄与が前提です(550 条)。『仲介してるだけ』という認識でも、定義に該当すれば義務の束が一括で起動します。
副業で取引先と取引先を引き合わせ、成約したら手数料を受け取る。SNSで企業と企業をつなぐマッチングサービスを回す。M&Aの売り手と買い手を仲介する。これらに共通するのは「他人間の商行為の媒介を業とする」という一点であり、商法はそういう人をまとめて「仲立人」と名付け、特別なルールの束を被せる。ただの紹介屋ではない。仲立人になった瞬間、あなたには結約書(契約成立を証明する書面)を当事者に交付する義務(商法546条)、取引の帳簿をつける義務(商法547条)が生じ、逆に成約に寄与しなければ報酬を請求できないという原則(商法550条)に縛られる。さらに依頼者があなたに代金を渡しても、原則ではそれは正式な弁済にならない(商法544条、給付受領権限の制限)。「仲介してるだけ」と思っている人ほど、自分がこの定義の射程に入っていることに気づいていない。
商法 543 条にいう仲立人とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。当事者の一方を代理するのではなく、双方の間に立って契約成立を取り持つ点に特徴があり、媒介の対象が商行為に限られる。これに当たる者には結約書交付義務や帳簿義務など仲立営業の特別規定が適用される。
商法 543 条にいう仲立人とは、他人間の商行為の媒介を業とする者です。当事者を代理せず双方の間に立って契約成立を取り持ち、媒介の対象が商行為に限られる点に特徴があります。
結約書とは、契約成立後に仲立人が当事者・目的物・条件を記載して各当事者に交付する書面です(商法 546 条)。媒介の事実と内容を証明し、後の紛争を防ぐ役割があります。
仲立人は自己の名で契約せず媒介するだけですが、問屋(商法 551 条)は自己の名で他人の計算により売買します。契約当事者になるか否かが両者の決定的な違いです。
依頼者の求めで相手方の氏名を結約書に記載しなかった仲立人は、自らその取引を履行する義務を負います(商法 549 条)。紹介者のはずが履行責任の当事者になります。
仲立契約の法的性質は準委任(民法 656 条)と解されます。仲立人は善管注意義務を負い、媒介の事務を誠実に処理する必要があります。
仲立人は媒介した取引について帳簿を作成し、当事者の請求があれば謄本を交付する義務があります(商法 547 条)。怠ると損害賠償責任の火種になります。
株式譲渡や事業譲渡という商行為を反復して媒介する M&A 仲介は、商法上の仲立人に当たりうります。双方から手数料を取る両手取引では利益相反が論点になります。
報酬は契約が成立し、かつ仲立人の媒介がそれに寄与したことが前提です(商法 550 条、成功報酬の原則)。引き合わせただけでは原則として請求できません。
媒介の対象が商行為で、それを反復継続して業とするなら商法上の仲立人に当たり、結約書の交付義務(546条)や帳簿の作成義務(547条)が生じます。業界裏話ヒント:単発の紹介なら「業とする」に当たらず仲立人にはならない。だが反復した瞬間に義務の束が一気にかかる。境界は『反復継続の意思』があるかどうかで、ここを知らずに副業を続ける人が多い
多くは違います。不動産仲介や結婚仲介は商行為の媒介とは限らないため「民事仲立人」と呼ばれ、商法の仲立営業の規定は直接は適用されず、民法の準委任(656条)が基本のルールになります。業界裏話ヒント:民事仲立人には商法546条の結約書交付義務がない代わり、報酬については商法550条が類推適用されると解されることが多い。同じ『仲介』でも適用条文の組み立てが違うと知っていると、手数料トラブルでの主張がまるで変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 契約当事者になるか | 仲立人(543 条):ならない、媒介のみ | — |
| 対象・機能 | 他人間の商行為の媒介 | — |
| 従属性 | 独立・不特定多数のために媒介 | — |
| 報酬 | 成功報酬・双方折半が原則(550 条) | — |
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