要点商法 748 条は、航海傭船で船長が船積準備完了を通知し、船積期間はその通知時から起算すると定める。期間経過後の船積みには特約がなくても相当な滞船料が発生する。
Q · 傭船した船を港で待たせてしまったら、契約書に何も書いてなくても滞船料を払うの?
払います。特約がなくても超過分は請求されます
商法 748 条 3 項により、傭船者が船積期間の経過後に船積みをした場合、運送人は特約がないときであっても相当な滞船料を請求できます。船積期間は船長の船積準備完了通知(同 2 項)から起算され、不可抗力で積めなかった期間は算入されません。したがって「契約書に滞船料条項がないから無料」という理屈は通らず、通知の到達日時と不可抗力期間の記録が請求額を大きく左右します。
あなたの会社が海外から大量の原料を、船一隻まるごとチャーターして運ぶとする。港でその船が貨物の積み込みを待っている間、船は一日数十万円から数百万円のコストを生み続ける。誰がそれを負担するのか。商法748条が、その分岐点を握っている。船長は船積みの準備を終えたら、遅滞なく傭船者へ通知する義務を負う。そしてこの通知こそが、船積期間(積み込みに許される時間)のカウントダウンの起算点になる。期間を過ぎても積み終わらなければ、運送人は特約がなくても相当な滞船料を請求できる。つまり「契約書に滞船料の定めがないから払わなくていい」という理屈は通らない。通知がいつ届いたか、不可抗力で積めなかった期間がどれだけあったか、その記録一つで請求額が数百万円変わる。船積みの現場は、法的にはストップウォッチの戦いなのだ。
商法 748 条は、航海傭船契約における船積みの通知、船積期間の起算、および滞船料を定める規定である。船長は船積準備完了後に遅滞なく傭船者へ通知し、船積期間は当該通知時から起算され、不可抗力による不能期間は算入されない。期間経過後の船積みについては、特約の有無を問わず相当な滞船料が発生する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
船積期間を超えて船を港に待たせた場合に、運送人へ支払う対価です。デマレージとも呼ばれ、商法 748 条 3 項が特約なき場合でも相当額の請求を認めています。
始期の定めがなければ、船長の船積準備完了通知が到達した時から起算します(商法 748 条 2 項)。不可抗力で積めなかった期間は算入されません。
本船が荷役可能な状態に達したことを傭船者へ知らせる通知です。実務では書面で発出し、到達時刻が船積期間の起算点を決めるため極めて重要です。
デマレージは船積期間超過に対する滞船料、ディテンションはコンテナや機器の返却遅延に対する留置料です。749 条系の傭船と複合輸送で使い分けられます。
実務では契約に日額(demurrage rate)を明記します。明記がない場合は商法 748 条 3 項の『相当な額』を市場相場と船舶固定費から立証します。
荷役の経過を時系列で記録した荷役記録書です。船積期間の超過日数や不可抗力期間を客観的に立証する基礎資料になります。
滞船料は主に航海傭船(船積期間が問題になる契約)で生じます。定期傭船では時間単位で傭船料が発生する仕組みのため、滞船料の概念は異なります。
748 条自体に出訴期限の定めはありません。運送契約上の金銭債権として一般の消滅時効(民法 166 条)が問題となり得るため、早期の請求が安全です。
あります。商法748条3項は、特約がなくても運送人が船積期間経過後の船積みについて相当な滞船料を請求できると定めています。『条項がない=無料』ではありません。業界裏話ヒント:実務では契約書に滞船料率(demurrage rate)を明記するのが通常で、明記があればその額に拘束されます。明記がない場合は『相当な額』を巡って争いになり、結局は市場相場の鑑定合戦になる。だからこそ、契約時に率を書き込んでおく方が双方にとって予測可能性が高い
『不可抗力によって船積みをすることができない期間』であれば、商法748条2項により船積期間に算入されません。ただし通常の悪天候や自社の段取り不足は不可抗力に当たらないことが多く、線引きは厳格です。業界裏話ヒント:実務の傭船契約では『荒天免責(WWD:Weather Working Days)』など、どの天候を期間から除くかを契約で細かく定めます。契約条項が商法の不可抗力より優先するので、何が免除されるかは契約書の文言で決まる。法律論より先に契約書を読むべき理由がここにある
商法748条1項は通知の方法を限定していませんが、船積期間の起算点(同2項)を左右するため、実務では書面(NOR:Notice of Readiness)で発出し記録するのが鉄則です。業界裏話ヒント:到達時刻を巡る争いは滞船料紛争の典型で、NORをいつ、どの状態で出せるか(本船が着岸し、検疫・通関を終え、実際に荷役可能な状態か)が激しく争われる。準備未完のまま出したNORは無効とされ、起算点が後ろにずれることがある。通知は『出した事実』より『有効に出せる状態だったか』が問われる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 商法 748 条:航海傭船の船積み(通知・船積期間・滞船料) | — |
| 期間の起算点 | 船長の船積準備完了通知(748 条 2 項) | — |
| 滞船料の請求 | 特約なくても相当な滞船料を請求可(748 条 3 項) | — |
| 想定される当事者 | 船舶全部・一部をチャーターする傭船者と運送人 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。