この節の規定は、商行為をする目的で専ら湖川、港湾その他の海以外の水域において航行の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。以下この編において「非航海船」という。)によって物品を運送する場合について準用する。
要点商法747条は、商行為目的で非航海船が物品を運送する場合に海上物品運送の規定を準用すると定める。ろかい船は除外され、内水面運送にも運送人の1年責任消滅が及ぶ。
Q · 川や湖を渡る貨物船の事故も、海の法律で裁かれるの?
原則として海上物品運送のルールが準用される
商法747条は、商行為をする目的で非航海船(湖川・港湾その他の海以外の水域を航行する動力船)が物品を運送する場合に、海上物品運送の規定を準用すると定めます。そのため川・湖・港湾内の運送でも、運送人の責任が引渡しから1年で消える短期消滅(585条準用)、堪航能力担保義務(739条準用)、高価品の特則(577条準用)が及びます。ただしろかいのみ、または主としてろかいで運転する舟は除外されます。
「海上運送」と聞けば、太平洋を渡る巨大なコンテナ船を思い描く。だが商法747条は、その先入観を裏切る。琵琶湖を横断するはしけ、信濃川を下る貨物船、港湾の内側だけを往復する運搬船。これら「海ではない水域」を行く船による物品運送にも、海上物品運送のルールが丸ごと準用される。あなたが内水面の運送業を営んでいるなら、自分の事業が民法や陸上運送の規定ではなく、海商編の責任体系で裁かれることを意味する。堪航能力の担保義務、運送人の責任が1年で消える短期消滅、高価品の特則。これらが川や湖の運送にそのまま乗ってくる。ただし境界は引かれている。ろかいだけで漕ぐ舟、主として櫓櫂で動かす小舟は除外される。近代的な動力船で商売として荷を運ぶか、それとも手こぎの舟か。その一線が、あなたに海商法が及ぶかどうかを分ける。
商法747条は非航海船による物品運送への海上物品運送規定の準用を定める規定である。非航海船とは、商行為をする目的で専ら湖川・港湾その他の海以外の水域を航行する船舶を指し、ろかいのみまたは主としてろかいで運転する舟は除外される。河川・湖沼・港湾内の動力船による運送には、海商編の責任体系が準用される。
商行為をする目的で専ら湖川・港湾その他の海以外の水域を航行する船舶です。ろかいのみ、または主としてろかいで運転する舟は除かれます(商法747条)。
個品運送契約の規定一式で、堪航能力担保義務、運送人の責任の1年消滅、損害賠償額の定型化、高価品の特則などが内水面運送にそのまま準用されます。
運送品の引渡し(全部滅失なら引き渡すべき日)から1年以内に裁判上の請求をしないと、運送人の責任は消滅します(585条準用)。陸上運送の感覚より短い点に注意が必要です。
あります。商行為目的の非航海船による運送には739条が準用され、船舶を安全に運送できる状態に保つ注意義務を負います。整備不良は責任の根拠になります。
海を航行の用に供するのが航海船、専ら湖川・港湾など海以外の水域を航行するのが非航海船です。前者は海商編が直接適用、後者は747条で準用されます。
原則として適用されません。同法は船舶による海上の国際運送を対象とし、海以外の水域を航行する非航海船は射程外で、国内法の準用枠組みで処理されます。
準用されません。747条は「商行為をする目的で」非航海船が運送する場合に限られるため、営業性のない私的な運送は一般の運送・民法の規定で処理されます。
平成30年(2018年)の商法及び国際海上物品運送法の一部改正で海商編が現代語化され、平成31年(2019年)4月1日に施行されました。約120年ぶりの抜本改正です。
商法747条が、商行為目的で非航海船(湖川・港湾など海以外の水域を行く船)が物品を運ぶ場合に、海上物品運送の規定を準用すると定めているからです。見た目が川や湖でも、法律上は海上運送のルールが乗ってきます。業界裏話ヒント:この準用で一番効いてくるのが、運送人の責任が引渡しから1年で消える短期消滅(585条準用)です。陸上輸送の感覚で「まだ時効まで余裕がある」と構えていると、海商編の1年で先に権利が消える。内水面の運送だと気付いた瞬間から、時計の進み方が変わる
いいえ。747条はろかいのみ、または主としてろかいで運転する舟を明文で除外しています。手こぎの小舟による運送は海商編の準用対象外で、一般の運送・民法の規定で処理されます。業界裏話ヒント:相手が運送人で「海商法の1年でもう時効」と言ってきても、その舟がろかい船なら準用の前提自体が崩れます。船が動力船か手こぎかという一点が、適用される法律と時効をまるごとひっくり返す。まず船の駆動方式を確認するのが先決です
はい。準用される高価品の特則(577条準用)では、貨幣・有価証券その他の高価品は、荷送人が運送を委託するにあたり種類と価額を明告しなければ、運送人はその滅失・損傷・延着について賠償責任を負わないとされています。業界裏話ヒント:明告しないと、たとえ高額機械が全損しても「高価品とは知らなかった」で賠償が大きく削られます。逆に運送状や契約書に種類と価額を明記しておけば、責任を運送人に正面から負わせられる。一行の明告が、賠償ゼロと満額の分かれ目になる(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用される運送法 | 非航海船(747条):海商編の海上物品運送規定を準用 | — |
| 対象となる船舶 | 商行為目的・湖川港湾等の海以外の水域を行く動力船 | — |
| 運送人の責任消滅 | 引渡しから1年で消滅(585条準用) | — |
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