保険契約者又は被保険者になる者は、海上保険契約の締結に際し、海上保険契約により塡補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において「危険」という。)に関する重要な事項について、事実の告知をしなければならない。
要点商法 820 条は、海上保険の契約者・被保険者が、危険に関する重要事項を保険者に聞かれなくても自発的に告知する義務を定める。違反すれば契約を解除されうる。
Q · 海上保険って、保険会社に聞かれなかったことも自分から言わないといけないの?
はい。聞かれなくても重要事実は自分から告知する義務があります
商法 820 条により、海上保険では保険契約者・被保険者になる者が、契約締結に際し「危険」(塡補対象の損害発生の可能性)に関する重要な事項を、保険者から質問されなくても自発的に告知しなければなりません。一般の損害保険は保険法 4 条で「質問応答義務」に変わりましたが、海上保険は古い自発的告知義務を維持しています。違反があり告知義務者に故意または重大な過失があれば、保険者は契約を解除でき(商法 821 条)、保険金が下りない事態になります。
船で運ぶ輸入貨物に保険をかける。その瞬間、あなたは普通の保険とは全く違うルールの下に立たされている。2010年に施行された保険法によって、生命保険も自動車保険も「保険会社が聞いてきたことに正直に答えればいい」という質問応答義務に変わった。ところが海上保険だけは、商法820条が古いルールを守り続けている。それが「自発的告知義務」だ。保険会社が何も聞いてこなくても、塡補される損害の発生可能性、つまり条文が「危険」と呼ぶものに関する重要な事実を、あなたの側から進んで申告しなければならない。船齢、航路、貨物の性質、過去の事故歴。聞かれなかったから黙っていた、では済まない。重要事実を告げずに契約すれば、後で保険会社は契約を解除でき、いざ貨物が海に沈んでも保険金は一円も下りない。この一条を知っているかどうかが、損失を保険でカバーできるか自腹で被るかを分ける。
商法 820 条は海上保険における告知義務を定める規定であり、保険契約者または被保険者になる者が、契約締結に際し、塡補対象の損害発生の可能性(危険)に関する重要な事項を自発的に告知すべき義務を課す。保険法 4 条の質問応答義務に対する特則として位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
海上保険の告知義務を定める規定です。契約者・被保険者になる者が、危険に関する重要事項を保険者から聞かれなくても自発的に告知すべき義務を課します。
告知義務者に故意または重大な過失があれば、保険者は契約を解除できます(商法 821 条)。解除されると貨物が全損しても保険金は支払われません。
契約締結に際して行う必要があります。商法 820 条は「海上保険契約の締結に際し」告知すべきと定めており、締結後に気づいて追完しても遅い場合があります。
平成 30 年改正(2019 年 4 月施行)で条文が現代語化され現行 820 条に整理されました。保険法が一般保険を質問応答義務に変えた後も、海上保険は自発的告知義務を維持しています。
船齢、航路、貨物の性質、過去の事故歴など、危険(損害発生の可能性)の評価に影響する事実です。自分から見て些細でも、危険評価に関われば重要事項になります。
あります。言い忘れが軽過失にとどまる場合や、その不告知と現実の損害との間に因果関係がない場合は、解除できず保険金が支払われる余地があります。
告知義務については商法 820 条が特則として優先し、自発的告知義務が適用されます。一般の損害保険の質問応答義務(保険法 4 条)はそのままでは及びません。
危険に関する重要事項を告げず、その不告知に故意または重大な過失があり、保険者が法定の期間内に解除権を行使した場合です(商法 821 条)。
普通の損害保険は2010年施行の保険法4条で「質問応答義務」、つまり保険会社が質問した事項に答えれば足ります。ところが海上保険は商法820条が「自発的告知義務」を維持しており、聞かれなくても危険に関する重要事実を自分から告げる義務があります。業界裏話ヒント:この違いは、海上保険が伝統的にプロ同士の取引とされてきた名残です。だから保険会社は「プロなら当然分かっているはず」という前提で、こちらから細かく聞いてこないことがある。その聞いてこなさが、後で不告知の罠になる
ダメです。商法820条は危険、つまり塡補対象の損害が発生する可能性に関する重要事項を、被保険者・契約者の側から告知せよと定めます。沈黙は許されません。業界裏話ヒント:何が重要事項かの線引きは、保険の専門家でも判断が分かれます。だからこそ実務では、迷ったら全部申告するのが鉄則。過剰申告で保険料が多少上がっても、不告知で契約ごと解除される損失とは比べものになりません
軽い不注意の言い忘れであれば、保険会社は契約を解除できません。商法821条は、告知義務違反による解除には告知義務者の故意または重大な過失を要求しています。業界裏話ヒント:争点は「軽過失か重過失か」の評価に集中します。保険会社は重過失だと主張し、こちらは軽過失だと反論する。締結時にブローカーとどんなやり取りをしたかの記録が、この評価を決定づける。だから締結時の通信は必ず保存する
かかります。商法820条は「保険契約者又は被保険者になる者」と定めるだけで、法人か個人かを区別しません。個人輸入で高額品に貨物保険をかける場合も、自発的告知義務はそのままあなたに及びます。業界裏話ヒント:個人は消費者だから保護されると思いがちですが、海上保険は保険法の消費者保護的な規定が一部及ばない場面があり、商法の自発的告知義務が前面に出る。個人だからと油断せず、プロと同じ慎重さで申告する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 告知の仕組み | 商法 820 条:自発的告知義務(聞かれなくても申告) | — |
| 適用対象 | 海上保険契約 | — |
| 違反の効果 | 告知義務の発生(違反は 821 条で処理) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。