要点商法 827 条は、貨物が損傷・一部滅失して到達地に着いたとき、目減り率を保険価額に乗じた額を海上保険者がてん補すると定める。計算の土台は相場ではなく契約時の保険価額である。
Q · 輸入した商品が半分傷んで届いたら、保険金も半分もらえるの?
損した額ではなく、目減り率に保険価額を掛けた額がてん補されます
商法 827 条により、海上保険のてん補額は「損した金額」そのものではなく、目減り率を保険価額に乗じた額です。無傷時価額から損傷後価額を引いた額を無傷時価額で割って目減り率を出し、それを保険価額(約定保険価額があればその額)に掛けます。土台が到達地の市場価格ではなく契約時の保険価額のため、保険価額を低く申告していれば、同じ目減り率でも受取額は縮みます。一部保険ならさらに比例で削られます(保険法 19 条)。
海を越えて届いた貨物の箱を開けたら、半分が濡れて型崩れしていた。あなたはこう考える。元の価値の半分が消えたのだから、保険金も半分もらえる、と。商法 827 条はそう単純ではない。本条が定めるのは比例てん補の計算式だ。到達地で「無傷だったらいくらの価値か」から「傷んだ後の価値」を引いた額を、無傷時の価値で割って「目減り率」を出す。その率を保険価額(約定保険価額があればその額)に掛けた額が、保険者の払う金額になる。つまり補償の土台は到達地の市場価格そのものではなく、契約時に決めた保険価額だ。ここに静かな罠がある。保険価額を実際より低く設定していれば、目減り率が同じでも受け取る金額は縮む。一部保険であれば、なおさら削られる。契約書に書き込んだ一つの数字が、損害が出た日のあなたの受取額の天井を、あらかじめ決めている。
商法 827 条は、海上保険における貨物の分損てん補を定める規定である。損傷又は一部滅失後に到達地へ到着した貨物について、無傷であった場合の価額から損傷・一部滅失後の価額を控除した額の、無傷時価額に対する割合を保険価額に乗じた額をてん補額とする。約定保険価額があるときは、その額が計算の土台となる。
貨物が全損には至らず、一部が損傷・滅失して価値が部分的に減った状態を指します。商法 827 条は、この分損について目減り率を保険価額に乗じた比例てん補を定めています。
損害をそのまま全額払うのではなく、目減り率を保険価額に掛けた割合で支払う方式です。保険価額が実価額に満たない一部保険では、その割合分さらに縮みます(保険法 19 条)。
全損・委付は貨物全体が失われた場合で保険価額の全額が対象、分損は一部の損傷・滅失で目減り率に応じた比例てん補です。商法 827 条は分損の計算式を定めます。
貨物の損害状況や損傷後価額を中立の立場で検査・証明する専門家です。損害検査報告書は目減り率を立証する重要証拠となり、廃棄前の取得が鍵になります。
国際輸送中の浸水・破損リスクをカバーするため、転売目的の個人輸入でも有用です。保険価額を仕入値で申告するか転売見込み額で申告するかで受取額が変わります。
滅失分の価値を無傷時の全体価額で割った率を保険価額に乗じます。損傷の場合と同じ枠で扱われ、計算の土台は到達地相場でなく契約時の保険価額です(商法 827 条)。
損害発生後に「無傷なら本来いくらか」という評価争いを封じ、合意した額が計算の土台に固定されます。相場変動に左右されず、保険金交渉の主導権を確保できます。
廃棄・転売の前に独立したサーベイヤーの損害検査報告書を取得し、写真・動画で記録します。証拠がないと目減り率を立証できず、てん補額を低く査定されます。
本条(商法 827 条)が払うのは「損した金額」そのものではなく、目減り率を保険価額に掛けた額だからです。到達地の市場価格が保険価額より高ければ、損失額より受取額が小さく見えることがあります。業界裏話ヒント:保険価額を市場価格と思い込んで請求すると交渉でつまずきます。契約時に約定保険価額を入れてあれば、その合意額が土台になるので、損害が出てから価額を争う消耗戦を避けられる。証券を見て約定の有無をまず確認するのがプロの順番です
請求前の廃棄は危険です。本条の計算には「損傷後の価額」が必須で、それを証明できなければ目減り率を立証できず、てん補額が低く査定されます(商法 827 条)。業界裏話ヒント:保険会社は損傷後価額の証拠が薄いほど低く見積もります。捨てる前に必ず独立したサーベイヤー(海事検定人)の検査報告書を取る。この一枚があるかないかで、最終的な保険金が数十万円違うことがある。処分は査定が終わってからです
それは一部保険にあたり、分損でも比例して削られます。保険価額が実価額に満たなければ、その割合に応じて保険金が縮小します(保険法 19 条、商法 827 条の保険価額基準)。業界裏話ヒント:保険料を少し節約するつもりの過少設定が、損害時に何割もの目減りを招く。逆に過大設定しても超過分は無効(保険法 9 条)で払い損になる。適正な保険価額を最初に計算して付保するのが、結局いちばん安く確実です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商法 827 条:貨物の分損てん補額の計算式(目減り率×保険価額) | — |
| 対象となる損害 | 損傷・一部滅失による分損 | — |
| 計算の土台 | 保険価額(約定保険価額があればその額)に目減り率を乗じる | — |
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