国家公務員法 第106条の10(身分保障)
クイックジャンプ
- 委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
- 一破産手続開始の決定を受けたとき。
- 二拘禁刑以上の刑に処せられたとき。
- 三役職員又は自衛隊員(第百六条の八第一項に規定する政令で定める者を除く。)となつたとき。
- 四委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
この条文の基本情報
身分保障とは何ですか?
定義身分保障とは、国家公務員法第106条の10に定められた規定で、「委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第106条の10(身分保障)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第106条の10の条文原文は「委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。」で始まります。
- 国家公務員法第106条の10は第二款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第106条の10の前の条は国家公務員法第106条の9です。
- 国家公務員法第106条の10の次の条は国家公務員法第106条の11です。
- 国家公務員法第106条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/106_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法106条の10は、再就職等監視委員会の委員長・委員を、破産、拘禁刑以上の刑、役職員等への就任、委員会の不適格認定の4場合を除き在任中罷免できないと定める。
Q · 天下りを監視する委員会の委員は、首相が自由にクビにできるの?
4つの法定事由がない限り、在任中は意に反して罷免されない
国家公務員法106条の10により、再就職等監視委員会の委員長と委員は、①破産手続開始の決定、②拘禁刑以上の刑、③役職員または自衛隊員への就任(政令で定める者を除く)、④委員会による心身の故障または非行の認定、のいずれかに当たる場合を除き、在任中にその意に反して罷免されません。調査結果や勧告が政府に不都合だったというだけでは罷免できず、心身の故障や非行を理由とする場合も委員会自身の認定が必要です。
解説
天下り規制が守られているかを監視する組織がある。内閣府に置かれた再就職等監視委員会で、委員長1名と委員4名、いずれも非常勤で構成される。本条は、この5人が在任中に「意に反して」罷免される場面を4つに限定している。破産手続開始の決定、拘禁刑以上の刑、役職員または自衛隊員への就任、委員会自身による心身の故障・非行の認定である。裏を返せば、各府省にとって都合の悪い調査結果や勧告を出しても、それだけを理由に内閣が委員を入れ替えることはできない。天下り監視の実効性は、条文の厳しさより、監視する側がクビを恐れずに済むかで決まる。本条はその土台である。第4号の判断主体が内閣総理大臣ではなく「委員会」とされている点にも注目したい。心身の故障や非行を理由とする罷免でも、まず仲間の委員による認定を経なければならない。人事権を持つ側の恣意が入り込む余地を、手続の段階で塞いでいるのである。ニュースで「監視委員会が○○省の違法なあっせんを認定」という見出しを見たとき、その背後にこの身分保障があると分かれば、報道の読み方が一段深くなる。
法的な位置づけ
国家公務員法106条の10は、内閣府に置かれる再就職等監視委員会の委員長および委員の身分保障を定める規定である。破産手続開始の決定、拘禁刑以上の刑、役職員等への就任、委員会による心身の故障または非行の認定という4つの事由に該当する場合を除き、在任中にその意に反して罷免されないとし、監視機関の職権行使の独立性を担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1再就職等監視委員会とは何ですか?
国家公務員の再就職あっせんや働きかけなどの規制違反を監視・調査するため、内閣府に置かれた委員会です。委員長1名と委員4名で構成されます。
Q2再就職等監視委員会の委員の罷免事由は?
破産手続開始の決定、拘禁刑以上の刑、役職員または自衛隊員への就任、委員会による心身の故障・非行の認定の4つです(国家公務員法106条の10)。
Q3監視委員会の委員は誰が任命する?
両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する仕組みです。任命段階で国会のチェックが入り、在任中は本条の身分保障で独立性が守られます。
Q4監視委員会の委員が罰金刑を受けたら罷免される?
本条2号は「拘禁刑以上の刑」を罷免事由としているため、罰金刑だけでは同号の対象外です。ただし4号の非行認定に当たるかは別途問題となり得ます。
Q5監視委員が独立行政法人の役員になったらどうなる?
役職員となった時点で3号の罷免事由に該当します。ただし106条の8第1項の政令で定める者は除外されるため、就任先の種類の確認が必要です。
Q6国家公務員法106条の10禁錮 拘禁刑 違い
2025年6月施行の刑法改正で懲役と禁錮が拘禁刑に一本化され、本条2号も「拘禁刑以上の刑」となりました。旧来の「禁錮以上」の記述は現行条文と一致しません。
Q7天下り監視委員会の委員は非常勤?
委員長・委員はいずれも非常勤とされています。非常勤であることから兼職の問題が生じやすく、本条3号の役職員就任の罷免事由が意味を持ちます。
Q8監視委員の心身の故障は誰が判断する?
内閣総理大臣ではなく委員会自身が認定します(本条4号)。人事権を持つ側が一方的に判断できないよう、手続面で恣意を排除しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監視委員会の委員って、政府に都合の悪いこと言ったらすぐ替えられちゃうんじゃないの?
在任中は替えられない。本条は罷免事由を破産手続開始、拘禁刑以上の刑、役職員等への就任、委員会による心身の故障や非行の認定の4つに限っている。実務のポイント:本当に効いてくるのは任期満了のタイミングである。再任は改めて国会同意を要する任命手続になるため、独立性を実質的に測りたいなら、罷免規定より再任人事の経緯を追う方が実態が見える
Q2人事院の人事官と、監視委員会の委員の身分保障って同じなんですか?
発想は同じだが、中身は同一ではない。人事官の身分保障は国家公務員法8条に置かれ、罷免には国会の訴追と弾劾の手続を要する類型を含む。本条は委員会自身の認定を4号の要件としている。実務のポイント:試験では「誰が認定・判断するか」が入れ替えられた選択肢が定番である。罷免事由の列挙より判断主体に印をつけて覚えると取りこぼしが減る(細部は最新の条文でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「任命したのは内閣総理大臣なのだから、首相はいつでも委員を解任できる」と考えがちだが、本条はそれを否定する。国会両院の同意を経て任命された委員は、列挙事由に当たらない限り、意に反して罷免されない
- 身分保障は知っていても、その範囲の狭さまでは意識されにくい。保障されるのは「在任中の意に反する罷免」からの保護であり、任期満了後の再任まで約束するものではない。再任されるかどうかは改めて任命手続(国会同意を含む)を通ることになり、独立性の弱点は実はそこにある
- 「心身の故障や非行があれば政府が判断して解任できる」という見方は、そもそも判断主体の捉え方がずれている。4号の認定を行うのは委員会自身であり、外部の政府機関が一方的に認定する構造にはなっていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 国家公務員法106条の10:再就職等監視委員会の委員長・委員 | 国家公務員法8条:人事院の人事官 独占禁止法31条:公正取引委員会の委員長・委員 |
| 罷免事由の構造 | 破産、拘禁刑以上の刑、役職員等への就任、委員会による心身の故障・非行の認定の4号限定列挙 | 限定列挙。国会の訴追に基づく弾劾手続を要する類型を含む(細部は現行条文で要確認) 限定列挙の同型規定(細部は現行条文で要確認) |
| 不適格性の判断主体 | 委員会自身が認定 | 類型により国会の関与を伴う手続 委員会による決定を要する類型を含む(要確認) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は独立機関の合議制構成員に任期を定め、法定事由がなければ免職できない仕組みを置く。離職後の就業制限は公務員服務法が規律する
米国では独立規制委員会の委員に対する大統領の罷免権を法律で制限できるとした判例が基点。近年は罷免制限の射程を巡る議論が続いている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある省の OB 人事で違法な再就職あっせんが発覚し、監視委員会が調査報告を公表した。直後に政権内から「委員を替えるべきだ」という声が出る。その声が法的に実現できるのは、本条の4号のどれかに当たる場合だけである
- 行政書士試験や公務員試験の勉強中、人事院の人事官(8条)と監視委員会の委員の身分保障を混同した。罷免事由の並べ方も、誰が認定するかも似ているようで細部が違う。その違いが択一の一問を分ける
- もし委員の一人が非常勤で務めながら、ある独立行政法人の役員就任を打診されたらどうなる? 役職員となった時点で3号に当たり、在任を続ける根拠を失う(政令で除外される者を除く)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年) 再就職等監視委員会の創設に伴い新設されたと考えられる(施行時期を含め人的検証を要する)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への統合に伴い、2号の文言が「拘禁刑以上の刑」に改正されたと考えられる(要確認)
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:国家公務員法の一部改正(平成19年法律第108号)により再就職等規制と再就職等監視委員会が整備され、委員長・委員の身分保障規定として置かれた(施行時期を含め要確認)
- 2.令和7年(2025年) 改正:刑法改正(懲役・禁錮の拘禁刑への統合)に伴う関係法律整理法(令和4年法律第68号)により、2号が「拘禁刑以上の刑」に改められ、2025年6月1日に施行
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